ベタはブラックウォーターが好き?
ベタに対するブラックウォーターの効果は?
ベタのブラックウォーターの作り方は?
ブラックウォーターの水換えはどうする?
こんなベタのブラックウォーターに関する疑問についてご紹介いたします。
目次
ベタはブラックウォーターが好き?
ベタはブラックウォーターが好きか?
この問いに対して、そもそもブラックウォーターとはどのようなものなのかという点から考えてみましょう。
ブラックウォーターとは、自然の中でタンニンや腐植酸(フミン酸やフルボ酸)などの植物由来成分が川の水に溶け込んでできた黒褐色の水です。
有名なところではアマゾン川の水質もブラックウォーターですので、アマゾン川原産の熱帯魚に好ましい環境になると言われています。
ベタは東南アジア原産の熱帯魚ですが、ベタの生息地も同じような環境のため、ベタにとってもブラックウォーターは好ましい水と言えます。
ブラックウォーター内に含まれるタンニンには殺菌効果があり、松かさ病などを引き起こす原因とされるエロモナス菌などの細菌をある程度抑える効果が期待できます。
またブラックウォーターの色を作り出すフミン酸は酸性の物質のため、飼育水を弱酸性に傾ける特徴があります。
ベタの生息地も水質が弱酸性に傾いた川が多いため、水質の観点から見てもベタにとって住みやすい環境と言えます。
つまりブラックウォーターは、「ベタが本来住む環境に近い=ベタが好む飼育水」と言えます。
ベタに対するブラックウォーターの効果
ベタを飼育する際にブラックウォーターを使用している人の多くは主に病気の予防を目的に使用しています。
ベタは気性が荒いために多頭飼いに向いておらず、小さめの水槽で単独飼育するのが一般的です。
水槽が小さいと、ろ過フィルターを取り付けることができない場合も多く、さらにベタが水流が得意ではないという特徴もあります。
そのため、ベタ飼育ではろ過フィルターなしで飼育している人も多いものです。
ろ過フィルターを設置する事でベタの糞や餌の食べ残しから出る有害物質をろ過することができます。
しかし、ろ過フィルター無しではそうはいきません。
水槽内の水がろ過されないため、水質が悪化しやすく、ベタの健康に悪影響を及ぼす可能性が出てきます。
そこで、ろ過フィルターが設置できない環境でもベタが病気にならないように、病気予防として使用するのが、このブラックウォーターなのです。
ただ、病気を発症してから飼育水をブラックウォーターに変えても効果は期待できません。
あくまでも病気の予防のために使用するようにしましょう。
また、ブラックウォーターによって黒褐色に色付く水はベタを落ち着かせる効果もあります。
その効果によりブラックウォーターには産卵を促す効果もあるとされています。
ベタのブラックウォーターの作り方
ベタの飼育にブラックウォーターを使用したいけど、「どうやってブラックウォーターを作ればいいの?」という人のためにブラックウォーターの作り方をご紹介いたします。
ブラックウォーターの作り方 ヤシャブシを使用する
ブラックウォーターを作る際の定番とされているのが、松ぼっくりのような見た目をした「ヤシャブシの実」です。
ヤシャブシとは日本固有の植物で、西日本でよく見られます。
ブラックウォーターの作り方としては、ヤシャブシの実を軽く洗ってからそのまま水槽に入れるだけで大丈夫です。
ヤシャブシの実の大きさにもよりますが、20cm~30cmほどの水槽だと1つ入れるだけで十分でしょう。
またそのまま水槽に入れるのではなく、バケツなどに水を張って2日ほどヤシャブシの実をつけ、あらかじめブラックウォーターを作ってから水槽に入れる方法もあります。
この方法だと、ヤシャブシの実が崩れてしまっても水槽が汚れないのでおすすめです。
ブラックウォーターの作り方 マジックリーフを使用する
マジックリーフとは、主に東南アジアに自生する「モモタマナ」という木の葉です。
葉の大きさや水質にもよりますが、20リットルの水に1枚入れるだけでブラックウォーターを作ることができます。
そのまま水槽に入れて使用でき、ベタの隠れ家や泡巣を作る基礎にすることできる優れものです。
マジックリーフを入れるとベタが寄ってきてマジックリーフに寄り添って寝る姿などを見ることもできます。
まさしくベタにとってマジックリーフはおやすみリーフでもあるようです。
基本的には水槽にマジックリーフを入れて2日もすればしっかり色づきますが、稀に色が出ないマジックリーフもあります。
そのような時には別のマジックリーフを入れてみましょう。
また、活性炭やゼオライトなどと一緒に使用するとマジックリーフの成分を吸着してしまい、ブラックウォーターにならないので注意してください。
ブラックウォーターの作り方 テトラ ブラックウォーター
ヤシャブシの実やマジックリーフを使用するよりも手軽にブラックウォーターを作ることができるのが、テトラのブラックウォーターです。
天然ピートエキスが主成分のリキッド製品で、250mlの製品だと60cm規格の水槽で8回ほど使用できます。
使用方法もカルキ抜きをした水道水に、適用量を入れるだけなのでとても簡単です。
ブラックウォーターの作り方は、以上の3点となります。
どの方法もとても簡単ですので、お好みでご自身の扱いやすい方法を選んでください。
ブラックウォーターの水換えはどうする?
ブラックウォーターを使用するとベタの住みやすい環境を作れるなら、「水換えはいらないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ブラックウォーターは水質を変化させ、ベタの住みやすい環境を作り、細菌が増えるのをある程度抑えているだけなので当然水は汚れます。
水が汚れるとせっかくブラックウォーターを使用しているのに、ベタが病気を発症してしまう可能性もたかまってしまいますので、定期的に水換えは行いましょう。
水換えの方法としては、汲み置きの水にマジックリーフやヤシャブシの実を入れてあらかじめ作っておいたブラックウォーターで水換えを行う方法がおすすめです。
カルキ抜きを行っただけの水で水換えを行うと、そこにまたマジックリーフやヤシャブシの実を入れて、ブラックウォーターになるのを待たなくてはいけません。
しかし、はじめからブラックウォーターで水換えを行えば、かなり効率的に水換えが行えます。
また、この方法で水換えを行うと、水換えで新しくなった飼育水とそれまで使用していた飼育水の水質が同じというメリットもあります。
このメリットによって、水換えの際にベタにかかる負担が軽減される点もおすすめポイントです。
とくに小さい水槽でベタを飼育している場合は水換えを頻繁に行う必要があるため、この方法だと水換えのたびにベタにかかる負担が軽減されます。
ベタを長生きさせる為にも、少しでもベタの負担を減らしてあげられる方法で飼育してあげましょう。
ベタとブラックウォーターまとめ
- ブラックウォーターとは植物由来の成分が水に溶け出した黒褐色の水のことを言う
- ブラックウォーターは病気の原因となる細菌をある程度抑え、ベタの住みやすい水質を維持する
- ブラックウォーターはヤシャブシの実やマジックリーフ、テトラのブラックウォーターを入れるだけで簡単に作れる
- ブラックウォーターの水換えを行う際は、あらかじめ作っておいたブラックウォーターを使用すると効率が良くベタの負担も軽減される
今回はベタとブラックウォーターの関係についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。