
ベタの繁殖水槽に最適な環境とは?
ベタの繁殖水槽に必要なものは?
ベタの繁殖に照明ライトは必要?
ベタの繁殖水槽の大きさはどのくらいが最適?
ベタの繁殖はプラケースでも出来る?
ベタの繁殖に水草は必要?
こんなベタの繁殖水槽の環境に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
ベタの繁殖水槽に最適な環境とは?
ベタの繁殖はメダカやグッピーなどの魚に比べると難易度が高いです。
そんなベタの繁殖を成功させるために重要なポイントの1つが環境づくりです。
では、ベタの繁殖水槽に最適な環境とは一体どのようなものなのでしょうか?
それは以下の3点を満たしている環境です。
- 水温は28℃前後と高めに設定する
- 水深は15cm程度
- 底砂は敷かずベアタンクで管理する
通常は25℃前後の水温でベタを飼育していると思いますが、繁殖を狙う時の水温は28℃前後と高めに設定するのがポイントです。
水温が高めの方が親ベタの活性が上がりますし、生まれた卵の孵化や稚魚の成長にもプラスに働くので、繁殖水槽の水温は高めに設定してください。
もう一つの大切なポイントが水深です。
繁殖水槽の水深は通常よりも浅めの15cm程度にします。
何故なら、水深が浅い方がオスベタが卵や稚魚の世話をしやすくなるからです。
産み落とされた卵や泡巣から落ちてしまった稚魚は、オスベタが口で咥えて泡巣まで運び世話をします。
卵や稚魚を世話する間、オスベタは何度も水底と水面を行き来するため、水深が深いと体力の消耗が激しくなり負担が大きくなってしまいます。
オスベタが行き来しやすく負担が少なくなるように、水深は15cm程度までにしましょう。
また、繁殖水槽に底砂は必要ありません。
底砂を敷かないベアタンクの方が汚れを取り除きやすく水質管理しやすいですし、水底に落ちた卵や稚魚も見つけやすくなるからです。
以上がベタの繁殖水槽に最適な環境です。
これ以外にも色々と推奨される環境はありますが、人によってまちまちです。
例えば、ベタがより安心できる水を作るためにマジックリーフやスーマを入れる方法もあります。
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また、繁殖水槽にはフィルターは取り付けないのが基本ですが、中にはフィルターを緩く稼働させておくという方もいます。
どうして基本的にフィルターは付けないのかというと、水流が発生する事で泡巣が壊れてしまう可能性があるからです。
また、そもそもベタは水流が苦手なので、通常飼育でもフィルターは無くても問題ありません。
しかし、繁殖水槽は稚魚がある程度成長するまで水換えをあまり行わないので、水質悪化に気をつける必要があります。
この水質悪化を少しでも防ぐ目的で緩くフィルターを稼働させる方もいます。
このように細かな違いはありますが、初めてベタの繁殖にチャレンジする場合は、基本的な水温と水深を守り、フィルターを付けずにベアタンクで行う方法がおすすめです。
ベタの繁殖水槽に必要なものは?
ベタの繁殖に適した環境は分かりましたが、繁殖水槽にはどのような物が必要なのでしょうか?
ベタの繁殖水槽に最低限必要なものは水温調節用のヒーターと水温計です。
繁殖水槽では水温を28℃前後と高めに設定するので、温度調節が可能なタイプのヒーターを使うようにしましょう。
例えば、26リットル以下の水量に使える「ジェックス NEWセーフカバーヒートナビ SH80」などがおすすめです。
ヒーターを28℃に設定している場合でも、必ず水温計も付けて目視で水温を確認してください。
窓からの日当たりやヒーターの故障などにより、設定温度よりも水温が上下する場合があるので水温計は必須です。
この他、オスのベタが泡巣を作りやすいように土台となる物を入れておくのも良いでしょう。
泡巣の土台としては発泡スチロールや浮き草などがおすすめです。
発泡スチロールは納豆パックの蓋などが使えます。蓋を半分にしたくらいの大きさがあれば十分です。
浮き草はアマゾンフロッグビットなどが扱いやすくおすすめです。
また、水槽に蓋をしておいた方が泡巣が壊れにくくなるので蓋も用意しておくと良いでしょう。
以上がベタの繁殖水槽に必要なものです。
ベタの繁殖に照明ライトは必要?
ベタは強い光が苦手なため、通常の飼育下においては自然な太陽光が差し込むのならば照明ライトは無くても問題ありません。
では、繁殖時には照明ライトは必要なのでしょうか?
結論から言うとベタの繁殖には照明ライトがあった方がより安全に繁殖出来ます。
何故なら、産卵した卵と孵化した稚魚をオスベタが世話している間は照明ライトを点けたままにした方が、オスベタに余計なストレスがかからないからです。
卵や稚魚を世話している期間のオスベタの中にはとても神経質になってしまう個体もいて、そのような個体の場合は些細な変化にもストレスを感じやすくなります。
例えば、部屋の電気が消えて暗くなった事などもストレスと感じてしまうのです。
オスベタに余計なストレスがかかると卵を食べてしまったり、せっかく生まれた稚魚の育児放棄をしてしまうことがあります。
このようなリスクを極力避けるためにも、オスベタが稚魚の面倒を見終わるまでの1週間程度は照明ライトを点けたままにした方が良いです。
照明ライトはそれほど強力なものでなくて大丈夫です。例えば、「GEX クリアLED エコリオ アーム カラー」のようなアームタイプが取り付けしやすくおすすめです。
稚魚が自力で泳げるようになるまでオスベタが面倒見てくれるかどうかがベタ繁殖の成功の大きなポイントの1つとなるので、オスベタに余計なストレスをかけない環境づくりを心がけましょう。
ベタの繁殖水槽の大きさはどのくらいが最適?
普段単独飼育しているベタの水槽サイズは決して大きくありません。
おそらく、水量にして3リットル未満の水槽を使用している方が多いと思います。
では、普段使っているような小型サイズの水槽でベタの繁殖は行えるのでしょうか?
残念ながら、普段使用している小型水槽は繁殖には使えません。
ベタの繁殖水槽として最適な水槽は、45cm程度の大きさの水槽になります。
45cmの大きめの水槽を使う理由は次の2つです。
- メスベタの逃げるスペースがある
- 水量が多いため水質悪化が抑えられる
ベタのオスとメスをお見合いさせてから一緒の水槽に入れて繁殖をスタートさせますが、最初はメスが追いかけ回されてしまう事があります。
この時、狭い水槽だとメスがオスから距離を離して休む事が出来ないので、産卵前に消耗してしまいます。
ある程度の広さがある水槽であればオスとの距離を取る事ができるため、メスも体を休める事ができます。
もう一つの理由が「水質悪化の抑制」です。
ベタの繁殖水槽は産卵から稚魚が生後2ヶ月程度経過するまでの間使用するのですが、稚魚がある程度大きくなる生後2週間頃までは基本的に水換えは行いません。
稚魚は体が小さく水が汚れにくいですが、それでも水量が少なければやはり水質の悪化は早くなります。
水換えができるようになるまで水質悪化を抑えるために、水量は15リットル以上確保した方が安心です。
それならば水槽サイズは30cmでも良さそうですが、ベタの繁殖水槽は水深を15cm程度と浅めにするので、満水時で15リットル前後の水槽では水量不足になってしまいます。
その点、45cm水槽ならば高さが30cmあり、水量も満水時で約30リットル程度入るので、水深15cmにしても15リットル程度の水量が確保できるため安心です。
逆に、あまり広すぎる水槽だと、稚魚が餌を見つけられずに餓死する可能性もあるので、大きすぎず小さすぎない45cm程度の水槽が最適だと言えます。
例えば、「コトブキ工芸 クリスタル水槽KC–450M」などが値段も手頃でおすすめです。
以上のように、ベタの繁殖に必要な水深と水量が確保できるため、ベタの繁殖水槽には45cmサイズが最適です。
ベタの繁殖はプラケースでも出来る?
45cm水槽がベタの繁殖水槽として最適だと言うことが分かりましたが、繁殖のためだけに水槽を用意するのは勿体無い気もします。
他に代用できる容器は無いのでしょうか?
例えば、プラケースなどを使ってベタの繁殖は出来ないのでしょうか?
結論から言うと、プラケースでも問題なくベタの繁殖はできます。
要は15cmの水深で15リットル以上の水量が確保できる容器であれば、水槽で無くても大丈夫です。
そのため、条件を満たす大きさのプラケースであれば問題無く繁殖に使えます。
衣装ケースなどのプラケースであれば1,000円ほどで十分な大きさの物が手に入るので、水槽よりも安く購入できるのも魅力ですね。
また、自治体によって異なりますが、30cm以下のプラケースは燃えるゴミとして処分できる場合が多いので、不要になった時に処分するのも楽です。
水槽の方が見た目が良く、横からも観察できるので親ベタや稚魚の様子が把握しやすいというメリットがありますが、繁殖用に水槽を用意するのは勿体無いという場合にはプラケースで代用してみるのも良いでしょう。
ベタの繁殖に水草は必要?
ベタの繁殖水槽には水草を入れた方が良いです。
その理由は次の2つ。
- メスベタの隠れ家になる
- 稚魚の餌となるインフゾリアなどの微生物が湧きやすくなる
繁殖時にメスベタはオスのベタに追いかけ回される事があります。
この時、水槽内に何も無いとメスは身を隠す事ができず、オスの攻撃を受け続けてしまいます。
そのため、メスの逃げ場所となる隠れ家が繁殖水槽には必要です。
その隠れ家として水草が役立ちます。
水草はウィローモスやマツモなどのように、葉が柔らかめでベタの体を傷つけないような種類が良いですね。
水草を多めに入れてメスの隠れ家を作ってあげましょう。
また、水草を入れる事でベタの稚魚の餌となるインフゾリアなどの微生物が湧きやすくなります。
孵化したてのベタの稚魚で最も気を付けなければならないのが「餓死」です。
孵化して2~3日はお腹についたヨークサックの栄養分を吸収して育つため餌は必要ありません。
ヨークサックが全て吸収されてから餌を与え始めます。
しかし、生後2~3日ほどのベタの稚魚はとても小さく、市販の人工飼料は元よりブラインシュリンプすら食べられないケースが少なくありません。
そのため、これらの餌を与えても食べる事が出来ずに餓死してしまうことが多々あります。
そんな生後間もないベタの稚魚の餌問題を解決してくれるのがインフゾリアなどの微生物です。
インフゾリアとはゾウリムシなどのようなミジンコよりも小さな微生物の総称です。
これらの微生物はブラインシュリンプよりもさらに小さいため、ベタの稚魚でも食べる事が出来ます。
ベタの稚魚の初めての食事として重宝するインフゾリアなどの微生物は、水草を入れておく事で発生しやすくなります。
そのため、ベタの繁殖水槽には最初から水草を入れておき、ベタの稚魚が孵化する頃にはインフゾリアなどの微生物が発生している状態にしておくようにしましょう。
もし、インフゾリアなどの微生物がうまく発生しているか分からないという時は、PSBを入れてみてください。
この他、水面に浮タイプの水草は泡巣の土台になるなど、水草にはベタの繁殖にプラスの効果がたくさんあるので、ベタの繁殖水槽にぜひ導入しましょう。
マツモやアナカリス、ウィローモスなどのようにベタの体を傷つけない柔らかい葉の水草や、アマゾンフロッグビットなどの浮き草などがおすすめです。
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ベタの繁殖水槽の環境まとめ
- ベタの繁殖水槽の環境は水温28℃前後、水深15cmでベアタンクが良い
- 温度調節可能なヒーターと水温計は最低限必要。この他、泡巣の土台として発泡スチロールなどもあると良い
- オスベタの育児が終わるまでは照明ライトを点灯したままにしておく
- 繁殖水槽は45cmがおすすめ
- 15リットル以上の水量と15cm程度の水深が確保できる物であればプラケースでも繁殖可能
- 水草は稚魚の餌となるインフゾリアなどの微生物の発生を助けるので多めに入れておいた方が良い
今回はベタの繁殖水槽の環境に関する疑問についてご紹介しました。皆様のベタ繁殖の参考にしていただけると幸いです。