
ベタ飼育に最適な環境とは?
100均のコップやボトルでも飼育できる?
ベタ飼育に必要なものは?
ベタの飼育セットにはどのようなものが入っている?
こんなベタ飼育の環境作りについてご紹介いたします。
ベタ飼育に最適な環境
大きく華やかなヒレと彩り豊かな色彩が人気のベタ。
せっかく飼うのでしたらその魅力を最大限に活かせる最適な環境で飼ってあげたいものです。
ベタにとって最適な環境とはどのようなものなのでしょうか。
それを知るために、まずはベタが生息する環境についてみてみましょう。
ベタはタイのメコン川流域が原産の淡水魚です。
現在広く販売されているヒレが大きく華やかな色をしたベタは人の手で改良された品種です。
改良品種の元になった原種のベタは、「ベタ・スプレンデンス」という種類のベタです。
このベタはヒレが小さく、色彩もそれほど華やかではありません。
ベタ・スプレンデンスの生息域は草の生い茂った湿地や水路、沼地などの止水域です。
水深は浅く、流れがほとんどないか、あっても緩やかな場所です。
水深が深いところや水の流れが早いところには生息していません。
ベタが生息する自然環境はこのようなところなので、これに近い環境を作り出してあげることがベタにとって最適の環境と言えます。
ベタ飼育に最適な環境の条件を簡単にまとめます。
- 水温は25℃前後
- 水質は弱酸性(pH6.5前後)
- 水深は浅く
- 水の流れはほとんどないか緩やか
暖かいタイ原産の淡水魚なので、暑さには強いですが寒さに弱いです。
ベタに適した水温は25℃前後。
30℃くらいまでは耐えられますが、寒さには弱いので水温が20℃を下回らないように注意しましょう。
他の淡水魚同様、弱酸性の水質を好みます。
多少pHが低くても耐えられる強さがありますが、急激な水質(pH)の変化には弱いです。
水深は深すぎないように。15~20cm前後がいいでしょう。
ベタは田んぼのような水の流れのほとんどない場所に生息しているので泳ぎがあまり得意ではありません。
水の流れがほとんど無いか、あっても緩やかな流れが適しています。
フィルターをつける際には水流に注意しましょう。
このような飼育環境を整えてあげることが、ベタにとって最適な環境と言えます。
100均のコップやボトルでも飼育できる?
小さな容器に入れられ売られているベタをよく見かけますが、あんなに小さな容器でもベタを飼うことができるのでしょうか。
例えば、100均のコップやボトルでも飼育することは可能でしょうか。
結論から先に言いますと飼育は可能ですが飼育難易度が高くおすすめできません。
それに、コップやボトルのような環境はベタにとってもストレスが多く、長生きできるような環境ではありません。
ベタが、「小さな容器でも飼育できる」と言われる(勘違いされる?)理由はベタが酸欠に強い魚だからです。
ベタがなぜ酸欠に強いのかというと、他の魚には無い「ラビリンス器官」というものを持っているからです。
ベタはラビリンス器官によって、水の中の酸素だけでなく、空気中からも酸素を得ることができます。
そのため、水中の溶剤酸素濃度が低くても、空気中から酸素を得て呼吸することができるので、水量が少ない小さな容器でも飼育することができるのです。
こう聞くと小さくおしゃれなコップで飼育しても良さそうに感じますが、ベタは呼吸さえできれば生きていけるわけではありません。
水質や水温もベタが元気に育つためには非常に重要です。
容器が小さく水量が少ないと水はすぐに汚れてしまいます。
頻繁に水換えをしなくてはならず、水質が安定しません。
また、水量が少ないと外気温の少しの変化で水温もすぐに変わってしまいます。
小さな容器で水量が少ない中でもベタは呼吸ができますが、水質と水温が安定しないのでベタにとってストレスの多い環境になってしまいます。
小さな容器内の環境を安定させるのはかなり難易度が高いので、アクアリウム初心者の方はそのような飼育方法は避けた方が無難です。
もしどうしても小さな容器で飼育したいという場合は、水換え頻度を多くしつつも、水質と水温を安定させるように注意して飼育しましょう。
ベタ飼育に必要なもの
ベタに適した環境を整えて飼育するために、何を揃えればよいのでしょうか。
ここまで読んでいただいた方には「ベタの好む環境」と「ベタにとってストレスとなる環境」の違いがなんとなくわかっていただけていると思います。
そのことをふまえつつ、ベタにとって最適な環境を整えてあげましょう。
ベタの飼育方法は人により千差万別ですが、最低限必要なものは次の6つ。
- 水槽(容器)
- 蓋
- ヒーター
- 水換え用のスポイト
- カルキ抜き剤
- 餌
この他、飼育スタイルに合わせて、「底砂」や「濾過フィルター」、「水草」、「流木」などを必要に応じて揃えます。
水槽(容器)は最低でも2リットル。出来れば5リットル以上の水量が入るものを選びましょう。
水質管理に不慣れな初心者の理想は30cm水槽です。25リットルほどの水量が入るので、水質が安定しやすくなります。
ある程度水質管理に慣れた人ならベタ飼育専用のコレクションケースなどを選ぶと良いでしょう。
場所が取れない、もしくはインテリアとしても楽しみたいという場合でも、2~5リットル以上入る容器を用意してあげてください。
ベタは驚いたりストレスがあったりすると飛び跳ねます。
かなり高く飛び跳ねる魚で、水面から5cmほど飛ぶこともあります。
そのため上蓋は必須です。
ただし、密閉してしまうと呼吸ができなくなるので、水槽を密閉してしまわないような蓋を用意してください。
蓋が無い場合は、水面が水槽の淵より10cm以上低くなる水位にしてください。
ベタ飼育でヒーターは必須です。
ベタは20℃以下の低水温に弱いので、冬場などはヒーターを入れないと弱ってしまいます。
ヒーターを入れて25℃前後を保つようにしてください。水温計もあると良いですね。
ヒーターが入らない容器の場合は、容器の底面に敷くタイプのヒーターを使うといいでしょう。
この場合、水中内に入れるヒーターよりも温度を上げる効果は弱くなるので、室温を上げるなどの方法も組み合わせて水温を保つようにしてください。
このほか、水換え用のスポイトやクリーナーポンプ、カルキ抜き剤、餌を用意します。
必須では無いですが、水質の維持に便利なアンブレラリーフ(マジックリーフ)というものがあります。
少し高価ですが、もし見つけたら買っておくと便利です。
最低限ここまで準備すればOKです。
あとは飼育スタイルや作りたい水景に合わせて、必要なものを用意します。
ベアタンクで飼育する場合は底砂は必要ありません。
底砂の有り無しはそれぞれ一長一短があります。
底砂無し(ベアタンク)は、糞や食べ残しの掃除が簡単でメンテナンスがしやすいというメリットがありますが、バクテリアが育ちにくいので、バクテリアの水質維持効果が狙いずらいというデメリットがあります。
底砂ありの場合はバクテリアが育ちやすいですし、水草などを植え込むのが容易で、水景のデザインがしやすいというメリットがあります。
デメリットとしては、糞や餌の食べ残しの掃除がしにくく(底砂の間に入ってしまう為)、富栄養状態になりやすくコケが生えやすいという点などが挙げられます。
どちらもデメリットを補う方法はあるので、底砂有りか無しか、やりやすい方を選ぶと良いでしょう。
濾過フィルターが無くてもベタの飼育は可能です。
水換え頻度を少なくしたい場合などは濾過フィルターの導入を検討します。
濾過フィルターを入れる場合は、水流に注意してください。
ベタは強い水流が苦手なので、濾過フィルターの水流が強いと泳ぎ疲れて弱ってしまいます。
ごく優しい水流のフィルターを導入したり、「ストレーナースポンジ」や「フローパイプ」を付けたりして、水流を弱めるようにしてください。
水草や流木はベタの隠れ家になります。
入れてあげるとベタは落ち着くでしょう。
ですが、水草や流木の影に隠れて姿が見えづらくなるという場合があります。
ベタをメインに楽しむのならば、水草や流木はあまり大きなものを入れないようにしたほうが良いですね。
浮草などもおすすめです。
飼育スタイルに合わせて、必要なものを揃えてみてください。
ベタの飼育セットとは
ベタ飼育に必要なものが揃っている、「ベタの飼育セット」というものが各メーカーから販売されています。
一体どのようなものが入っているのでしょうか。
例えば、テトラの「静かなベタ飼育セット」には、次のようなものがセット内容として入っています。
- 水槽(水量約5リットル)
- 濾過器(フィルター)
- 蓋
- カルキ抜き
- 餌
以上の5点が入っています。
最低限必要なものは大体入っている印象ですが、ヒーターが無いので、そこは買い足した方が良いですね。
また、このセットのフィルターは水流が強いという意見が多くみられるので、水流を弱める工夫をした方が良さそうです。
他に底砂や水草などを入れる場合は別途購入する必要があります。
他に、GEXの「楽アクアスイッチ」という商品があります。こちらの商品のセット内容は次のようなものです。
- 水槽(水量約5リットル)
- 蓋
- スノコ
- 濾過ケース
この商品は、スイッチを引くだけで底面から一定量の水を吸い出し、簡単に水換えができるという水槽です。
この商品にはヒーターやカルキ抜き剤、餌は付いていないので、別途購入する必要があります。
他にも、水槽と蓋とカルキ抜き剤、餌のみという、シンプルで最低限のものが入ったベタ飼育セットも多くあります。
これらのベタ飼育セットは、2,000円代で購入が可能です。
ベタ飼育に最低限必要なものが揃っているので、「何を揃えればいいかわからない」というベタ飼育初心者の方に特におすすめですね。
ベタ飼育セットにはヒーターが入っていない場合が多いので、別途ヒーターを購入しましょう。
ベタ飼育の環境作りまとめ
- ベタの生育環境に近い飼育環境を作るようにする
- 水量は最低でも2~5リットル。できれば30cm水槽を用意したい
- 水量が少ないほど水質維持の難易度が高まる
- ベタは強い水流に弱いので濾過フィルター設置時は水流に注意
- ベタ飼育セットは初心者におすすめだがヒーターが入っていない場合が多いので別途購入した方が良い
今回はベタ飼育の環境作りについてご紹介しました。皆様の熱帯魚飼育の参考にしていただけると幸いです。