ベタのペアリンクの方法とは?
ベタのペアリングにかける時間はどのくらい?
ベタのペアリング失敗の判断基準は?
ベタのペリングが失敗する原因は?
こんなベタのペアリングに関する疑問についてご紹介いたします。
ベタのペアリンクの方法とは?
飼育しているベタを繁殖させるためにはオスのベタとメスのベタのペアリングが必要となります。
ペアリングとはベタのオスとメスをお見合いさせ、産卵させることを言います。
ベタのペアリング方法のおおまかな流れは以下の通りです。
- ベタのオスとメスをお見合いさせる
- オスとメスの相性が良さそうならメスをオスの水槽に入れる
- オスが自分の体でメスを包み込むような動作を見せたらペアリング成功
ベタのペアリングを始めるタイミングは、「オスとメスが成熟してから」です。
成熟前のオスメスをペアリングしても産卵しません。
また、ペアリングの前に親魚となるオスとメスにしっかりと栄養を摂らせ、体力をつけておく事も大切です。
オスメスの体調がしっかりと仕上がったら、ペアリングを開始します。
まずはお見合いからですが、いきなりベタのオスとメスを同じ水槽に入れてはいけません。
ベタのオスは気性が激しいため、いきなり一緒の水槽に入れるとメスを攻撃してしまいます。
よってまずはお見合いをさせて、お互いを馴染ませる必要があります。
お見合いの手順は、まずオスのベタを繁殖用水槽に入れます。
その状態で2~3日飼育し、オスを繁殖用水槽の環境に慣れさせます。
オスが繁殖用水槽の環境に慣れたら、いよいよお見合い開始です。
メスを飼育水が入ったプラケースやビンなどの容器に入れます。
水量は1リットル以上入るものが好ましいです。
次に、メスの入った容器ごと、オスの入っている繁殖用水槽に入れます。
この時、メスの入った容器が繁殖用水槽内の水の中に完全に水没してしまわないように注意してください。
メスを入れる容器は、繁殖用水槽の水位よりも高さがあるものを選びましょう。
お見合いの結果、オスとメスの相性が良さそうならば、メスをオスのいる繁殖用水槽に放します。
すると最初、オスはメスを追いかけたり突いたりするので、メスは逃げます。
そのため、繁殖用水槽内にはウィローモスなどの水草や隠れ家を多めに入れて、メスの逃げ場所を作ってあげるようにすると良いです。
オスが落ち着き、メスもオスを受け入れるとオスが自分の体をメスに巻き付け、包み込むようにします。
ここまで来ればペアリング成功です。
あとはメスが卵を産み、その卵をオスが泡巣まで運んでお世話をするので、産卵の終わったメスは回収してあげましょう。
この時、メスの体が傷ついているようなら、メチレンブルーを適量入れた容器の中で傷が癒えるまで1週間程度休ませてから、本水槽に戻してあげてください。
以上がベタのペアリングの方法です。
ベタのペアリングにかける時間はどのくらい?
ベタのオスとメスをペアリングさせるには、どのくらいの時間をかければ良いのでしょうか?
ペアリングで最も慎重に行いたいのが「お見合い」です。
ベタのオスとメスをお見合いさせる時間が短すぎると、興奮状態のオスがメスを突き回しボロボロにしてしまう危険性が高まります。
逆にお見合い時間が長すぎると、これから産卵から稚魚の孵化までの面倒を絶食状態で見守らなくてはいけないオスの体力が持たなくなってしまいます。
そのため、お見合いにかける時間は短すぎても長すぎても良くありません。
では、お見合いにどのくらいの時間をかければ良いのかというと、だいたい1日くらいです。
1日様子を見て、ベタのオスが落ち着き、メスが逃げたり怯えたりした様子を見せていなければ、一緒にしてしまって構いません。
もし、1日経ってもオスメス共に落ち着かない時は、そのままペアリングさせても成功率は高くないです。
その場合は一度離して数日経ってから再度お見合いさせるか、別のペアでお見合いを試した方が良いですね。
メスに婚姻線が出ていたり、オスが泡巣を作るようなら成功する確率が高いので期待できます。
お見合いが終了したら一緒の水槽に泳がせます。
このあと繁殖行動をして産卵するのですが、2~3日かかる事があります。
なので、お見合いから産卵終了までのペアリングにかかる時間は、だいたい3~4日です。
以上のように、ベタのペアリングのお見合いにかける時間は1日ほど、ペアリング全行程を含めても3~4日ほどで終わらせるようにしましょう。
ベタのペアリング失敗の判断基準
お見合いで相性が良さそうだと思ったペアでも、100%ペアリングが成功するわけではありません。
ペアリング失敗のサインを見逃すと、最悪の場合メスが死んでしまうこともあります。
それでは、ベタのペアリングが成功か失敗かは、何を判断基準にすれば良いのでしょうか?
ベタのペアリングが失敗しているか見分けるポイントは以下の3つです。
- オスがメスを威嚇して攻撃している
- メスがオスを攻撃している
- 3~4日しても産卵しない
ベタのオスは他のオスを威嚇する時以外に、メスに求愛する時にもフレアリングします。
オスがメスに対して求愛のフレアリングをしているのなら成功する可能性が高いです。
しかし、メスに対して威嚇のフレアリングを行い、さらにメスに対して攻撃を仕掛けているようならペアリング失敗の可能性が高まります。
求愛のフレアリングの場合、オスがメスの周りをヒラヒラ泳ぎながらフレアリングします。
明らかに威嚇とは違う動きなので、普段からオスのフレアリングを見ていれば気付くでしょう。
しかし、メスの目の前に立ちはだかるようにしてフレアリングしている場合には、威嚇のフレアリングなので危険です。
そのまま激しく攻撃してメスがボロボロになってしまい、最悪の場合メスが死んでしまいます。
確かにペアリング成功の場合でも、オスはメスを突くので、少し突いたくらいでは相性の良し悪しを判断するのは難しいです。
しかし、明らかに威嚇してしつこくメスを攻撃している場合には、ペアリング失敗と判断してメスを救出してあげて下さい。
逆にメスがオスを攻撃してしまい、ペアリングが失敗することもあります。
この場合は逆にオスがメスに追い回され、繁殖どころでは無くなってしまうので、ペアリング失敗と判断した方が良いです。
また、無事にお見合いが終わり、一緒の水槽に入れても大きな喧嘩もなく、ペアリング成功だと思っていても、産卵しない事があります。
ベタのオスとメスを一緒の水槽に入れて3~4日経っても産卵しない場合には、一旦仕切り直した方が良いです。
一度それぞれを元の水槽に戻して、餌をしっかり与え、体調を回復させてから、再度ペアリングに挑戦してみて下さい。
ベタのペリングが失敗する原因
ベタのペアリング失敗の判断基準は分かりましたが、そもそもペアリングが失敗してしまう原因とは何なのでしょうか?
ベタのペアリングが失敗してしまう原因として考えられるのは次のようなものです。
- オスとメスの両方、もしくはどちらかが成熟していない
- オスとメス両方ともペアリングが初めて
- オスが興奮しすぎている
- メスの方が大きい
- 水槽の環境が繁殖に適していない
ベタのオスとメスの両方、もしくはどちらかがまだ成熟していない場合には、ペアリングは成功しません。
ベタのオスとメスはおおよそ3ヶ月も経過すると成熟し、泡巣を作ったり抱卵したりします。
しかし、この期間は目安でしか無いので、飼育環境や栄養状態によってはもっと遅い場合もあります。
そのため、オスメス共に成熟の証を確認してからペアリングした方が成功率が上がります。
オスであれば泡巣を作ることが成熟の証拠です。
メスは婚姻線や産卵管、抱卵の有無で判断します。
しかし、これら成熟の証が普段の飼育環境の中で全てのベタに現れるとは限りません。
個体によっては、お見合いさせてから初めて泡巣を作ったり、婚姻線が出たりする事があるからです。
なので、繁殖させたいオスメスに成熟の証拠が見られない場合には、オスであれば生後半年程度経過していること、メスであれば産卵管が確認できることを目安に、一度お見合いをさせてみるのも手です。
お見合いが刺激となって泡巣を作り出したり、婚姻線が出る事があるので、一度試してみて下さい。
ベタのオスメスの成熟が確認できても、初めてペアリングするオスメス同士の場合、お互い不慣れなためペアリング失敗となる事が多いです。
そのため、なるべくならどちらか片方はペアリング経験がある個体を選ぶと良いですね。
オスメスともペアリング未経験の個体しか用意できない場合でも、相性さえ良ければ一度失敗しても何回か仕切り直すことでペアリング成功となることもあるので、根気よくチャレンジしてみて下さい。
次に、オスが興奮状態のところにメスを入れてしまうと、激しく突き回されてメスが怯えてしまい、ペアリング失敗となるケースがあります。
この原因はお見合い不足やオスの性格などです。
まずはしっかりとお見合いさせてオスを落ち着かせましょう。
1日程度お見合い時間をしっかり取ったにも関わらず、オスの興奮が収まらない場合は、そのオスの性格かもしれません。
メスを放してしばらくすれば落ち着く事もありますが、どうしても落ち着かない場合には別のオスでペアリングした方が良いです。
オスよりもメスの体が大きい場合にもペアリングが失敗する可能性が高まります。
ベタの産卵は、オスがメスに体を巻き付けて精子を送り、受精させます。
そのため、メスの体がオスよりも大きいと、オスがメスの体に巻き付く事ができず、受精させることができないのです。
また、体の大きなメスは自分よりも小さなオスを威嚇して攻撃してしまうことがあります。
ペアリングさせる時は、オスよりも体が小さいメスを選ぶ方が成功率が高まります。
最後に、水槽の環境が稚魚を育てるのに適していない場合にもペアリングの成功率が下がります。
ペアリングは繁殖のために行います。つまり、卵を産み稚魚を育て、子孫を増やすために行う行為です。
そのため、水槽の環境が稚魚を育てるのに適していない場合、卵を産んで稚魚が生まれても生き残れないので、繁殖行動をしなくなってしまいます。
繁殖用水槽の水温を26℃~27℃に保ち、水をブラックウォーターにするなどしてベタに適した水質にして、稚魚を育てやすい環境を作ってあげましょう。
ベタのペアリングまとめ
- ベタのペアリングは成熟した健康なオスメスで行う
- お見合いはペアリング成功に欠かせない要素
- ペアリングのお見合いにかける時間は1日程度
- ペアリング失敗の兆候が見られたらすぐにメスを隔離する
- ペアリング失敗の原因を理解して成功率を上げる