ベタのコショウ病はうつる?治る!?最適な薬と治療方法

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ベタのコショウ病

ベタのコショウ病とは?症状と原因は?

ベタのコショウ病はうつる?治る?

ベタのコショウ病に最適な薬と治療方法とは?

こんなコショウ病と呼ばれるベタの病気についてご紹介いたします。

ベタの病気についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。

ベタのコショウ病とは?症状と原因は?

ベタが罹(かか)りやすい病気の1つに「コショウ病」というものがあります。

ベタがコショウ病を発症する原因はなんなのでしょうか? また、コショウ病に罹るとどのような症状が現れるのでしょうか?

コショウ病は他に「ウーディニウム病、「サビ病」、「ベルベット病」などとも呼ばれます。

コショウ病はベタだけではなく、金魚をはじめとした多くの観賞魚が発症する病気です。その中でもベタは特にコショウ病を発症しやすいと言われています。

コショウ病の原因となるのが「ウーディニウム」という藻の仲間の鞭毛虫(べんもうちゅう)です。

つまり、ウーディニウムという寄生虫がベタに寄生することでコショウ病が発症するということですね。

ウーディニウムなどの寄生虫は、アクアショップなどで購入した生体や、水草や流木などに付着して自宅の水槽内に侵入してきます。

ベタが健康な時は問題無いのですが、体調が崩れ免疫力が低下した時に寄生されコショウ病を発症します。

また、ウーディニウムは水が汚れると繁殖して数が増えるので、水質が悪化しないように適切に水換えする事がコショウ病の予防に効果的です。

ベタがコショウ病に感染すると、次のような症状が現れます。

  • 体を震わせる
  • 体を水槽面などに擦り付けるように泳ぐ
  • エラの動きが激しくなる
  • 水面で頻繁に口をパクパクする(鼻上げ)
  • 体に粉末状の白い斑点が現れる

コショウ病はウーディニウムという寄生虫がベタに取り憑くことで発症するので、寄生されたベタは体を痒がるような仕草を見せます。

そのため、体をブルっと震わせたり、底砂や水槽面などに体を擦り付けるような行動を取ります。

ウーディニウムはベタのエラに寄生することが多いです。

そのため、ベタはうまくエラ呼吸ができなくなるので、酸欠状態になります。

エラを激しく開け閉めしたり、水面で口をパクパク開けて空気を取り込もうとする行動を頻繁に行うようになります。

コショウ病の特徴的な症状が「体に現れる粉末状の白い点」です。

コショウ病の名前の通り、まるでコショウを振り撒いたような非常に小さく細かい点なので、初期の段階で見つけるのが難しいほどです。

これらコショウ病の症状は、「白点病」にとても似ています。

なぜなら白点病も「ハクテンチュウ」という寄生虫が原因で発症するからです。

ベタの白点病とコショウ病の違い・見分け方

見分けるポイントは白い斑点の大きさです。

白点病の斑点は0.5mm~1mmほどと少し大きめで、こんもりとしている印象です。

一方コショウ病は、非常に細かい粒子状の白い点が現れます。

そのためコショウ病の方が発症を見逃しやすく、気づいた時には重症になっているケースが多いので注意しましょう。

ウーディニウムはベタのエラに多く寄生するので、寄生されたベタは酸欠状態となり呼吸困難で死んでしまいます。

酸欠の他、ウーディニウムに栄養を吸収されることでの衰弱や、吸着された傷跡からの病気感染なども死因となります。

早い時にはコショウ病発症から数日で死んでしまうことも珍しく無いので、見つけ次第すぐに治療を開始しましょう。

ベタのコショウ病はうつる?治る?

飼育しているベタがコショウ病を発症した場合、他の水槽で飼育しているベタにもうつる事があるのでしょうか。

また、コショウ病は治療すれば治すことができる病気なのでしょうか。

ベタは単独飼育が基本なので、複数のベタを飼育している場合は、それぞれ別々の水槽に入っていると思います。

この場合、たとえ1つの水槽でコショウ病が出たとしても、水槽が別々なのでうつる心配はないと思うかもしれません。

しかしそれは間違いです。

私たち飼育者の手によって感染を広める可能性があります。

例えば、コショウ病のベタ水槽に使った網やスポイトなどを介して、コショウ病が他の水槽に広まる事があります。

これを防ぐのはなかなか難しいです。

コショウ病は発見しにくいので、気付かずそのまま道具を共有して使ってしまうことが多々あります。

これを防ぐためにそれぞれ個々に網やスポイトを用意するというのも、たくさんのベタを飼育している環境では現実的ではありません。

コショウ病が他のベタにうつるのを防ぐには、予防が最も重要です。

コショウ病は感染力は強力ですが、ベタが健康であればウーディニウムに寄生される心配が無いので、発症する確率は低くなります。

万が一水槽内にウーディニウムが潜んでいたとしても、ベタが健康であれば問題無いので、水が汚れないように水換えを適切に行うなどしてベタの健康を保つようにしましょう。

また、網などの使った道具はしっかり洗うということも大切ですね。

気をつけていてもコショウ病になってしまう事もあるでしょう。その場合でも、早期に発見して治療すれば治す事ができます。

ウーディニウムの生命サイクル上、治療には少し時間がかかりますが、適切に治療すれば治る確率が高い病気です。

しかし、症状が重症化するとベタの体力がかなり落ちてしまっているので、助かる確率が下がります。

そのため、日々しっかりとベタの健康チェックを行い、異常をいち早く発見することが大切です。

ベタのコショウ病に最適な薬と治療方法とは?

気をつけていてもベタがコショウ病を発症してしまった場合、どのように治療すれば良いのでしょうか? 

また、コショウ病の治療にはどの薬を使うのが最適と言えるのでしょうか。

コショウ病の治療方法のポイントは以下の通りです。

  • 薬と塩を組み合わせて治療する
  • 水温を28℃~30℃にする
  • 毎日水を全換水する

コショウ病は初期から薬を使った方が治りが早く、ベタの負担が少なくて済みます。

さらに、薬に加えて塩をプラスするとより効果的です。

水に塩を入れる事で、ベタの体内と水との浸透圧の差を減らすことができます。

これによりベタの体力回復が促され、自然治癒力が高まるので、治療効果がより高まります。

入れる塩の量は、塩分濃度が0.5%になる量です。水1リットルに対して塩5gの量で0.5%塩分濃度の塩水になります。

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この塩水に、決められた規定量の薬を添加します。

それぞれの薬の説明書通りに、決められた量を入れてください。

使う薬は発症初期と重症期で使い分けます。

初期はマラカイトグリーンやメチレンブルー系の薬が適しています。

  • ヒコサンZ
  • アグテン
  • メチレンブルー
  • グリーンFリキッド

などの薬がおすすめです。

これらの薬で1週間ほど治療しても効果が得られなかった場合や、重症のコショウ病の場合には、「グリーンFゴールド顆粒」か「エルバージュ」を使います。

グリーンFゴールド顆粒よりもエルバージュの方が薬効が強烈なので、エルバージュは最終手段の薬です。

重症例ではまずはグリーンFゴールド顆粒から使ってみてください。

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また、治療中の水温は28℃~30℃と高めに設定しましょう。

ウーディニウムの適温は23℃~27℃です。この温度帯だと活発に増殖するので、それよりも高めの温度にします。

水温を高めにすると、ウーディニウムの生命サイクルが早まるというメリットもあります。

ウーディニウムは寄生→成熟して魚から離れる→シスト形成→遊走子→寄生というサイクルを繰り返します。

実はこのサイクルの中で、「成熟して魚から離れる時」と、「遊走子」の時にしか薬が効きません。

「魚に寄生している時」と「シスト」の状態の時は薬が効かないのです。

このサイクルは通常3日ほどで1サイクルとなります。

先程、「治療には時間がかかる」と言った理由がこれです。

1サイクル3日かかるのですが、全てのウーディニウムがタイミングよく同じ状態とは限りません。シスト状態のものもいれば遊走子のものもいるでしょう。

1サイクルで治療を終えると、薬が効かない状態だったウーディニウムが残り、再発する恐れがあります。そのため、2~3サイクル分は治療に時間をかけたほうが、より確実です。

なので、治療には1週間~10日前後の期間がかかります。

ですが、水温を高めてあげると、このサイクルのスピードが上がるので、薬が効く状態が早く巡ってくるようになり、より早くウーディニウムを死滅させられる事になります。

また、水温を高めるとベタの代謝が上がるというメリットもあります。

次に、治療中はなるべく毎日水を全換水するようにします。

全換水することで、ベタの体から離れて水槽の底でシストを形成したウーディニウムを物理的に排除できます。

シストから遊走子が放出されるので、その前に水換えで排除して絶対数を減らす考えです。

毎日全換水した方が良いのですが、ベタが著しく体力を消耗している場合などは、全換水は難しいでしょう。

その場合は、スポイトで水槽の底に沈んでいるシストを吸い出して排除しましょう。

シストは細かな粒状として見えるので、これをスポイトで吸い出します。

その後、1/3程度の水を交換してください。

全換水の場合も1/3の水換えの場合も、新たに入れる水は薬と塩を加えたものです。

この方法で治療を行えば、1週間から10日ほどでコショウ病の斑点は見られなくなってくるはずです。

治療が終了したら元の水槽に戻します。

しばらくは再発が無いか注意して観察してください。

また、コショウ病は水質悪化が原因で発症するので、餌を与える量や頻度、水換えの間隔が適切だったか見直してみましょう。

コショウ病を発症したのが水草やフィルターありのレイアウト水槽だった場合は、治療を終えたベタをすぐには戻さないようにしましょう。

水草や流木、フィルター内の濾材などに、ウーディニウムが付着している可能性があります。

出来たら一度全て消毒するなどしてリセットした方が良いです。

「魚を抜いて48時間以上あければ大丈夫」という話もあります。

確かに、ウーディニウムの遊走子は魚に寄生できないと48時間で死滅します。

ですがシストはそうではありません。

シストの状態は休眠している状態です。その状態で長期間潜伏することもあります。

48時間以上あけて遊走子が死滅しても、シストが残っていたら、また再発する危険があります。

もちろん、水質をしっかり管理してベタの健康を維持すれば、シストが残っていても寄生される心配が少ないので、再発の危険性は少ないでしょう。

ですが、できるだけ再発のリスクを下げるならば、シストが潜伏できる底砂や濾材などはリセットした方が安心です。

以上がコショウ病の治療方法と最適な薬になります。

コショウ病は早期発見・早期治療が大切ですが、最も重要なのは「予防」です。

コショウ病は水質悪化やベタの免疫力低下で発症するので、水換えを適切に行い、ベタが健康に生育できる環境を維持し、予防してあげましょう。

ベタのコショウ病まとめ

  • コショウ病はウーディニウムという寄生虫によって引き起こされる
  • ベタはコショウ病に罹りやすい
  • 水質悪化やベタの免疫力低下で発症する
  • 体に粉末状の細かい斑点が現れる
  • ウーディニウムはエラに多く寄生するのでベタは酸欠症状を示す
  • コショウ病は初期から薬を使って治療すること

今回はコショウ病と呼ばれるベタの病気についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。

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