ベタはメスだけでも卵を産む?
ベタの卵詰まりとは?
ベタの卵が白いのは無精卵?
ベタの産卵後卵が落ちるのは大丈夫?
ベタは卵を食べる?
ベタの卵は何日で孵化する?
ベタの卵を人工孵化させる方法は?
こんなベタの産卵と卵の孵化に関する疑問についてご紹介いたします。
ベタはメスだけでも卵を産む?
ベタは、メスだけの場合でも卵を産むことがあります。
ベタの繁殖は、オスがメスを抱え込むようにして産卵させ、精子をふりかけることで卵を受精させる「体外受精」です。
そのため繁殖に使用する個体は、成熟したオスベタと成熟してお腹に卵を抱えているメスベタを選ぶ必要があります。
つまり繁殖可能な状態まで成熟したメスベタはオスベタと出会う前からお腹に卵を抱えているので、繁殖を考えておらずメスベタのみで飼育している場合でも、水換えなど何かの拍子に産卵してしまうことがあります。
また繁殖させようとオスベタとのお見合いをさせている際に、「これ以上はもう待てない」と産卵してしまうこともあります。
本来、泡巣を作って産卵した卵をくっつけるのはオスベタの仕事ですが、稀にメスベタ自身が泡巣を作って単独で産んだ卵をくっつけることも。
いずれにしてもオスベタの精子がかかっていない無精卵なので稚魚が生まれてくることはありません。
産まれた卵をそのままにしておくと卵が腐ってしまい、水が汚れてしまうのですぐに取り除きましょう。
ベタの卵詰まりとは?
交尾をしてもメスベタが産卵しない場合、「卵詰まり」が疑われます。
しかし、メスベタがまだ未熟でお腹の中に卵を持っていない可能性も考えられるので、メスベタのお腹がパンパンに膨らんでいるかどうか確認してください。
お腹が膨らんでいないようであれば卵を持っていない可能性が高いので、成熟するまで繁殖を待ちましょう。
卵詰まりは最悪の場合、命を落とすこともありますが人工的に治してあげることはなかなか難しいです。
何かしてあげられるとすれば、やさしくお腹をマッサージする程度でしょう。
しかし、嫌がって暴れてしまったりマッサージをした際に鱗が剥がれてしまったりと、ベタの身体が小さいために難しい作業になります。
マッサージで刺激されて卵詰まりが解消されることもあるので、マッサージを行う際はベタの様子を見ながら行いましょう。
あまり力強く行うと、内臓まで飛び出してしまうので優しく撫でるように行うことがポイントです。
爪楊枝を使って卵を掻き出す人もいるようですが、この方法はベタを傷つけてしまう可能性が高いためおすすめしません。
ベタの卵が白いのは無精卵?
産まれてきた卵が有精卵なのか無精卵なのか、とても気になるところではあると思いますが、産んだ直後の卵はみんな白いため判断は難しいです。
しかし、時間が経ってくると有精卵は卵の輪郭が透明になってきます。
一方、無精卵の場合は何も変化は起きずに白いままなので、有精卵か無精卵かを判断するには卵の輪郭をチェックするといいでしょう。
ただ、卵はかなり小さいので目視で確認するにはかなり難しいです。
オスベタが卵の世話をしている場合、オスは卵が有精卵か無精卵か判断することができ、無精卵や死んでしまった卵は食べてくれるので、基本的に放置で問題ありません。
人工孵化の場合、無精卵はカビが発生しやすいため、カビが発生した際はすぐに取り除きましょう。
ベタの産卵後卵が落ちるのは大丈夫?
オスベタは、メスベタが産卵した卵を口で拾って泡巣へとくっつけ、その後孵化して稚魚が泳げるようになるまで世話をします。
稀にですが、泡巣にくっつけた卵が離れて落ちてしまうことがあります。
卵が落ちてしまうと飼い主としては不安になるかもしれませんが、オスベタが落ちた卵を拾ってまた泡巣へとくっつけに行くので心配はいりません。
子育て中のオスベタは、落ちそうな卵がないか上を向いて常に見回っています。
くっつきの悪い卵を見つけるとわざわざ泡巣を一度ヒレではたいて卵を落とし、それを拾ってしっかりとくっつけ治したりもするので卵が落ちても問題ありません。
ベタは卵を食べる?
産卵後、オスベタは卵や巣を守る本能が働きます。
一方のメスベタはその本能が元々備わっておらず、産卵後に繁殖用水槽に入れたままにしていると卵を食べてしまうため、産卵後すぐにメスベタは別水槽に移すことが鉄則です。
しかし、卵を守る本能があるオスベタが卵を食べてしまう場合もあるので、どういった理由でオスベタが卵を食べてしまうのか3つの原因をご紹介します。
原因①:無精卵や死んでしまった卵
無精卵や死んでしまった卵は、カビが生えてしまったり腐ってしまったりしてほかの卵にも影響を及ぼしてしまうため、オスベタは食べて取り除こうとします。
オスベタは無精卵や死んでしまった卵を見極めることができるので、卵を選んで食べている場合は心配する必要はありません。
原因②:オスベタの食欲が戻ってしまった
ベタの繁殖を行う際はお見合い中に餌を抜くことで繁殖モードに切り替え、オスベタの食欲を抑えることで食卵を防ぎます。
しかし、絶食のタイミングが合わなかったり子育て中に餌を与えてしまうと、オスベタの食欲が戻ってしまい、卵を餌として認識して食べるようになってしまいます。
繁殖の間は餌を食べなくても問題はないのでお見合いのタイミングから餌を抜き、オスの食欲を抑えましょう。
また食卵を防ぐため、絶対に子育て中のオスベタに餌を与えてはいけません。
原因③:子育てに最適な環境ではなかった
落ち着いて子育てができない環境だとオスベタが子育てを諦めてしまい、繁殖モードから通常の生活に戻ります。
そうなってしまうと、それまで必死に守っていた卵や稚魚も餌として認識してしまうようになるのです。
頻繁に水槽を覗くとオスベタがびっくりしてしまったり、警戒してしまって落ち着いて子育てを行うことができません。
飼い主としては順調に子育てが進んでいるか気になるところではありますが、頻繁に水槽は覗かずにそっとしておくことが大切です。
以上の3点がオスベタが食卵する原因なのですが、「食卵グセ」のあるオスベタも稀におり、気を付けていても食卵してしまうことがあります。
食卵している様子がある場合は、オスベタを別水槽に移して人工孵化に切り替えましょう。
ベタの卵は何日で孵化する?
水温にもよりますが、ベタの卵は2~3日程度で孵化する場合がほとんどです。
孵化した稚魚はとても小さく、泡巣にぶら下がるようにして掴まっています。
孵化したばかりの稚魚は1人で泳ぐこともできず、ときどき泡巣から離れてしまってふらふらと沈んでいくことがありますが、オスベタがそれを発見すると口にくわえて泡巣に戻すので心配しないでください。
泡巣から離れた稚魚を何度も拾っては泡巣にくっつける作業を繰り返し行うので、懸命に子育てする姿に心が温まることでしょう。
稚魚が泳げるようになるとオスベタは子育てをやめてしまうので、このタイミングでオスベタを別水槽に移してあげてください。
ベタの卵を人工孵化させる方法は?
オスベタが食卵してしまって人工孵化を行う場合に1番簡単な方法は、オスベタを水槽から取り出して放置する方法です。
この方法でも稚魚は孵化しますが、卵がくっついてしまっていたり無精卵が混じっていたりするとそこからカビが発生して周りの卵に移ってしまう可能性があります。
この方法で孵化させる場合は、カビが発生していないかしっかりとチェックすることが大切です。
カビが発生してしまった場合は、すぐに取り除くようにしてください。
ほかには卵と繁殖用水槽の水を別容器に取り出し、薄めのメチレンブルーなどを入れて孵化させる方法もあります。
この方法はカビ防止になる上に卵を離しておけるので、万が一カビが発生してしまってもカビが蔓延してしまうことを防ぐことができるでしょう。
この方法を行う際、卵が孵化するまでの間はエアレーションをかけておく人も多いです。
エアレーションをかけることで卵がくっつくことを防げるので、人工孵化の際はエアレーションをかけてあげましょう。
この方法で1つ注意点をあげるなら、稚魚が孵化したらエアレーションは弱めてください。
産まれたばかりの稚魚は上手に泳ぐことができないので、エアレーションが強いと負担になってしまいます。
また孵化したばかりの稚魚のお腹には栄養を蓄えた袋「ヨークサック」があるので、餌を与える必要はありません。
水が汚れる原因となってしまうので、ヨークサックがなくなって1人で泳げるようになったタイミングで餌を与えるようにしましょう。
ベタの産卵と卵の孵化まとめ
- メスベタだけでも卵を産んでしまうことがあり、メス自身が泡巣を作って卵をくっつけることもあるが無精卵であるため稚魚が産まれてくることはない
- メスベタのお腹が膨らんでいる状態で交尾をしたにも関わらず産卵しない場合は卵詰まりが考えられ、最悪の場合は死に至ってしまう
- 産卵後しばらくして卵の輪郭が透明になっていれば有精卵、白いままだと無精卵である可能性が高いが、目視で確認することは難しい
- 泡巣から卵が離れて落ちてしまうことがあるが、オスベタが拾ってまた泡巣にくっつけるので心配する必要はない
- 無精卵や死んでしまった卵である場合、オスベタの食欲が戻ってしまった場合、子育てに向いた環境ではなかった場合にオスベタが食卵してしまうことがある
- 卵は2~3日で孵化し、稚魚が泳げるようになるとオスベタの子育てが完了する
- 人工孵化を行う際は卵と繁殖用水槽の水を別容器に移し、少量のメチレンブルーを入れてエアレーションをかける