コリドラスのヒレや尾びれがボロボロに溶ける尾ぐされ病とは?

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コリドラスのヒレがボロボロ

コリドラスの尾びれがボロボロに溶ける・裂ける理由は?

コリドラスのヒレが白い?溶ける?

コリドラスの尾ぐされ病とは?

コリドラスの尾びれは自然治癒・再生する?

尾ぐされ病の治療は塩浴?それとも薬?

こんなコリドラスのヒレや尾びれの病気に関する疑問についてご紹介いたします。

コリドラスの尾びれがボロボロに溶ける・裂ける理由は?

「飼育しているコリドラスの尾びれが急にボロボロになってしまった!」

大切に飼育しているコリドラスの尾びれが、ボロボロになっているのを見つけたら誰しもショックなはずです。

コリドラスの尾びれが溶ける、もしくは裂けるといったトラブルの原因はなんなのでしょうか?

考えられる原因として、次のようなものが挙げられます。

  • 混泳魚にかじられてしまった。
  • 水槽内のレイアウトなどに引っ掛けて裂けてしまった。
  • 飼育水や底砂の汚れによるストレスなど。
  • 細菌感染による病気の発症。

コリドラスと混泳相性が悪い熱帯魚と一緒に混泳させている場合、コリドラスがかじられるなどの攻撃を受けて、尾びれが裂けてしまう事があります。

アベニーパファーなどの淡水フグはコリドラスを齧るので、一緒に混泳させないようにしましょう。

また、エンゼルフィッシュなども繁殖期に他の魚を攻撃する事があるので注意が必要です。

水槽内の流木やヒーターなどに尾びれを引っ掛けて裂けてしまうケースも稀ですがあります。

これら外傷性の原因で尾びれが傷ついた場合、多くはヒレの膜の部分が裂けてしまいます。

傷口からの水カビ病などの二次感染を起こす可能性があるので、水換えで飼育水を普段以上に清潔に保ちましょう。

それでも心配な場合は、塩浴やメチレンブルー系の薬での薬浴で二次感染を予防しましょう。

飼育水や底砂が汚れていると、コリドラスの尾びれが溶けたようにバサバサになる事があります。

飼育水の汚染による体調不良や強いストレスが尾鰭の健康状態に影響を与えると言われています。

これらの原因で尾びれがボロボロになっている場合には、すぐに対処しないとコリドラスが本格的に体調を崩してしまうので注意してください。

飼育環境の汚れやストレスでヒレが裂けている場合、同時に「背びれなどのヒレを畳んでジッとしている」といった様子が見られます。

コリドラスが元気な時は、背びれがピンッと立っています。

しかし調子が崩れ始めると、ペタッと背びれを畳んでジッとしている時間が増えるので、そのような様子が見られないかも合わせて観察してください。

上記の様子が見られ、尾びれがボロボロになっている場合には、水換えや底砂の掃除を行いましょう。

飼育環境が清潔になれば、コリドラスも元気を取り戻します。

食欲が出て背びれが立っている状態になれば安心です。

また、ストレスの原因となりそうなものがある場合には、取り除くようにしましょう。

コリドラスのストレスの原因として多いのが、「混泳相手のストレス」、「飼育環境の汚れのストレス」、「水温低下のストレス」などです。

これらのストレス原因が無いかチェックしてみてください。

コリドラスの尾びれがボロボロになる原因として最も危険なのが「細菌感染による病気の発症」です。

中でも注意したいのが「尾ぐされ病」です。

尾ぐされ病はコリドラスの尾びれをボロボロにするだけでなく、命も奪ってしまいます。

さらに、尾ぐされ病は治療するのが難しく、治療方法を間違えるとあっという間に進行してしまう恐ろしい病気です。

見つけた場合はすぐに治療を開始しましょう。

以上がコリドラスの尾びれがボロボロになる原因です。

多くの場合、水換えを行うなどして適切に対処すれば問題ありません。

しかし、原因が尾ぐされ病だった場合、治療は難しいものになります。

症状が進むほど完治率が下がるので、見つけ次第すぐに治療を開始してください。

コリドラスの尾ぐされ病とは?

コリドラスの尾びれがボロボロになってしまう原因の一つに「尾ぐされ病」があります。

時にコリドラスの命を奪ってしまうこともある尾ぐされ病とは、一体どのような病気なのでしょうか?

尾ぐされ病は「フラボバクテリウム カラムナーレ(カラムナリス菌)」という細菌がコリドラスに感染することで発症します。

カラムナリス菌が感染して起こる病気を「カラムナリス症」と呼びます。

尾びれに感染すれば「尾ぐされ病」、口なら「口ぐされ病」、エラならば「エラぐされ病」というように、発症する場所によって呼び名は違いますが、全て原因菌はカラムナリス菌です。

このカラムナリス菌は、常に水槽内に存在する「常在菌」です。

そのため、カラムナリス菌自体をゼロにする事はできません。

ですが、カラムナリス菌をゼロにできなくても問題はありません。

なぜなら、コリドラスが健康な時は免疫機能が正常に働いているので、カラムナリス菌が感染できないからです。

しかし、コリドラスが体調を崩し免疫力が落ちると、カラムナリス菌に感染し症状を発症します。

コリドラスが体調を崩す大きな要因は次の2つです。

  • 水温低下
  • 飼育環境の悪化

カラムナリス菌による尾ぐされ病は、水温低下時によく発生します。

なぜなら水温が下がると、コリドラスの免疫力も下がってしまうからです。

そのため、春や秋などの朝晩で水温差が出やすい季節の変わり目に多く発生します。

ここで一つの疑問が。

コリドラスは熱帯魚なので水槽用ヒーターを設置して温度管理をしているはずでは?

確かにコリドラスは熱帯魚ですので水槽用ヒーターを設置して飼育しているはずです。

しかし水槽用ヒーターを設置してあれば絶対に水温の低下が起きないということでもありません。

基本的に水槽のサイズ(水の容量)に対して水槽用ヒーターの規格をしっかり合わせておけば水温の低下は起きにくいものです。

逆に水槽の容量に対してヒーターのキャパ不足や突発的なトラブルなどで水温が低下してしまうことがあります。

さらに水槽の外気温も水温に影響を与えます。

極端な例を挙げますと外気温が0℃の環境と20℃の環境ではヒーターの役割も必然的に変わってきます。

外気温が0℃となるとヒーターは0℃の水温を26℃まで上げて保たなければいけないことになります。

そうなると水槽用ヒーターのみではキャパ不足となることもあります。

このような問題が起きないように水槽用ヒーターの設置とともに必ず毎日水温チェックを行い問題が起きていないか確認するようにしましょう。

少々話が逸れてしまいましたので話をコリドラスが体調を崩す原因に戻しましょう。

飼育水や底砂が汚れるなどの飼育環境の悪化も、コリドラスが体調を崩し尾ぐされ病を発症する原因です。

飼育環境が糞や食べ残しで汚れている場合、カラムナリス菌が爆発的に増えてしまうので、より感染確率が高まります。

コリドラスの健康維持とカラムナリス菌の数を抑える上で、水換えや底砂の掃除は欠かせません。

尾ぐされ病の症状は、症状の進み具合によって初期・中期・末期に分けられます。

初期は、尾びれの先端が白く濁り、その周りが赤く充血したようになります。

中期には尾びれの膜全体が白く濁り溶け始め、ボロボロになっていきます。

末期には尾びれの付け根まで症状が進行し、軟条だけを残して膜が溶け、尾びれがバサバサになります。

まるで傘が骨組みだけになったような感じです。

末期まで症状が進んでしまうと、コリドラスは衰弱して死んでしまいます。

尾ぐされ病などのカラムナリス症の恐ろしいところは、症状の進行が早く治りづらいことです。

また、他の部位にも症状が転移しやすいのも特徴です。

尾ぐされ病からエラや口に症状が転移すると、完治率はさらに下がります。

このように、コリドラスに発症する尾ぐされ病は、他の病気に比べて治しづらく致死率が高いので、罹らないように予防することが最も重要です。

  • 水温を一定に保つ
  • 飼育水や底砂を清潔に保つ

とにかくコリドラスの免疫力を下げないように、飼育環境を整える事が第一です。

そして、万が一にも尾ぐされ病が発症してしまった時には、早期に治療することが大切です。

毎日しっかりとコリドラスを観察し、異常が無いかチェックしましょう。

コリドラスの尾びれは自然治癒・再生する?

何らかの原因でコリドラスの尾びれが裂けたり溶けたりした場合、自然治癒して再生するのでしょうか?

尾びれが傷ついた原因にもよりますが、細菌感染以外の原因であれば、水換えや塩浴を行うことで傷口は治ります。

また、尾びれの傷が小さければ、ほとんど元通りに再生します。

しかし、損傷が酷い場合には完全に元通りに戻ることはありません。

コリドラスは丈夫な熱帯魚ですので、少しの傷ならば水換えをするなどして飼育水を清潔に保っていれば、自然と元通りに再生します。

ただし、水換えを怠るなどして飼育水が汚れていると、傷口から水カビ病などの二次感染が発生するので気を付けてください。

また、尾びれが裂けた原因が尾ぐされ病の場合には、治療しないと悪化するので注意しましょう。

話をまとめますとコリドラスが元気であれば本来持ち合わせている治癒力で回復が見込めますが、体調を崩している状態では自然治癒の力を発揮できないということになります。

この判断は意外と難しいものですので、もし判断がつきにくい時にはやはり治療をおすすめします。

尾ぐされ病の治療は塩浴?それとも薬?

コリドラスが尾ぐされ病を発症してしまった場合、治療は塩浴と薬浴どちらで行えば良いのでしょうか?

コリドラスは薬に弱いので、なるべく塩浴で治療したいという人が多いかもしれません。

確かに塩浴は、幅広い病気の初期症状に効果を発揮します。

しかし、尾ぐされ病に限っては塩浴は逆効果となります。

尾ぐされ病は初期から薬浴で治療しましょう。

どうして尾ぐされ病に塩浴は逆効果となるのでしょうか?

それは、尾ぐされ病の原因菌であるカラムナリス菌が、塩に強い特性を持っているからです。

カラムナリス菌の特徴について少しご説明します。

カラムナリス菌の発育可能温度は実に幅広く、5℃〜35℃の温度帯であれば発育します。

最も適している発育温度は27℃〜28℃です。

また、カラムナリス菌は0.5%程度の塩分濃度で最も活発に発育するという特徴があります。

もうお気づきかと思いますが、コリドラスを塩浴させる水温(26℃〜28℃)と塩分濃度(0.5%)が、最もカラムナリス菌が活発に発育する条件と一致しているのです。

塩でカラムナリス菌の活性を抑える事もできますが、それが可能な塩分濃度は2%以上という高濃度です。

これではコリドラスだけでなく、淡水魚は死んでしまいます。

そのため、尾ぐされ病の治療は薬を使った薬浴で行います。

尾ぐされ病に使う薬は、「グリーンFゴールドリキッド」、「グリーンFゴールド顆粒」、「観パラD」などです。

液状の「グリーンFゴールドリキッド」は、分量が測りやすく扱いが楽な方なのでおすすめです。

これらの薬を、まずは規定量の半分から試し、効果が薄ければ徐々に濃度を上げていきましょう。

まずは薬浴で5日〜1週間ほど様子を見て、白濁り等が取れていれば完治したと見て良いでしょう。欠けた尾びれは徐々に回復します。

もしまだ症状があるようでしたら、2クール目の治療を行います。

尾ぐされ病は早期発見・早期治療が大切なので、見つけ次第すぐに薬で治療してください。

コリドラスの尾ぐされ病まとめ

  • コリドラスの尾びれはストレスや水質悪化でも裂ける事がある
  • コリドラスの尾びれがボロボロになる病気に「尾ぐされ病」がある
  • 尾ぐされ病の原因はカラムナリス菌
  • カラムナリス菌に塩浴は逆効果となるので薬浴で治療する

今回はコリドラスのヒレや尾びれの病気についてご紹介しました。皆様のコリドラス飼育の参考にしていただけると幸いです。

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