コリドラスが落ち着かないで泳ぎ回る理由は?
コリドラスが上下に泳ぐのはなぜ?大丈夫?
コリドラスを落ち着かせる方法とは?
こんなコリドラスの泳ぎ方に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
コリドラスが落ち着かないで泳ぎ回る理由
コリドラスは大人しい性格の熱帯魚です。
普段は水槽の底の方をモフモフしながら、ゆったり移動しているイメージが強いと思います。
そんなコリドラスですが、水槽内を落ち着かない様子で泳ぎ回る姿を見せる事があります。
コリドラスが落ち着かずに泳ぎ回る理由とは一体何なのでしょうか?
水槽底面を生活圏としているコリドラスが、水槽内をソワソワと泳ぎ回る理由として、次のようなものが挙げられます。
- 水槽の環境に慣れていない
- 水流に向かって泳いでいる
- 混泳魚に狙われている
- pHショックを起こしている
- 寄生虫が感染している
水槽の環境に慣れていない
新しく水槽に迎え入れたばかりのコリドラスの場合、新しい環境になれていないため、水槽内を落ち着きなく泳ぎ回るケースがよく見られます。
新しく迎えたコリドラスにはよく見られる行動で、特に異常がある訳ではないので問題ありません。
環境に慣れれば落ち着いて泳ぐようになります。
水流に向かって泳いでいる
次に考えられるのが、濾過フィルターなどの水流に向かって泳いでいるケースです。
コリドラスは、ある程度水の流れがある環境を好みます。
水の流れがある環境の方が酸素を得やすいですし、流れに乗って餌が運ばれてくるからです。
そのため、魚の多くは水の流れに向かって泳ぐという習性を持っています。
それはコリドラスも例外ではありません。
このような習性により、コリドラスは濾過フィルターなどによって発生した水流に向かって元気に泳ぎます。
その姿が落ち着きが無いように見えるのかもしれませんね。
混泳魚に狙われている
次に挙げられるのが、混泳相手の熱帯魚に追いかけ回されているケースです。
コリドラスは他の魚を襲う事が無い上に、餌の食べ残しなどを綺麗に掃除してくれるので、水槽の掃除係として混泳水槽に導入するケースが多い魚です。
確かにコリドラスが他の魚を襲う事はありませんが、逆にコリドラスが襲われてしまうケースはあります。
襲われたコリドラスは逃げるように水槽内を泳ぎまわり、物陰に隠れてしまいます。
他の魚と混泳させる場合には、混泳相性に注意しましょう。
また、攻撃されるような混泳魚がいない場合でも隠れ家や水草などをレイアウトしてあげることで隠れる場所ができるため、ストレスを軽減させてあげることができます。
pHショックを起こしている
新しく迎えたコリドラスが水槽内を暴れるように泳ぎ回っているという場合、水質の急変によるpHショックを起こしている可能性があります。
pHショックを起こすと、水槽内を縦横無尽に暴れるように泳ぎ回ります。
しばらくすると、今度は水槽の底の方でジッとして動かなくなり、症状が重い場合にはそのまま死んでしまうケースもあります。
pHショックは治療方法が無いので、もしショックを起こしてしまったら、コリドラスが自然に回復するのを祈るしかありません。
最も重要なのはショックを起こさせない事です。
水合わせを慎重に行い、pHショックを防ぎましょう。
寄生虫が感染している
底砂や水槽面などに、体を擦り付けるようにしながら泳ぎ回っているという場合、寄生虫が感染している可能性があります。
コリドラスが発症しやすい寄生虫が原因の病気に、白点病というものがあります。
白点病は、ハクテンチュウと呼ばれる寄生虫が体表に寄生することで発症する病気です。
その初期症状として、底砂や水槽面などに体を擦り付けながら、落ち着きなく泳ぐ姿を見せます。
以上がコリドラスが落ち着きなく泳ぎ回る様々な理由です。
コリドラスがちょこまかと泳ぎ回っていると、落ち着きなく見えてしまいますが、多くの場合はコリドラスの習性による正常な行動です。
しかし、中にはコリドラスの命に関わるような異常が隠れている場合もありますので、コリドラスをよく観察して、泳ぎ回る理由を分析するようにしましょう。
コリドラスが上下に泳ぐのはなぜ?大丈夫?
主に水底を生活圏としているコリドラスですが、水面と水底を行ったり来たりするように上下に泳ぐ事があります。
コリドラスが水槽内を上下に泳ぐのは何が原因なのでしょうか?
そのまま放っておいても大丈夫なのでしょうか?
コリドラスが上下に泳ぐ原因には、正常な場合と異常な場合の両方があります。
異常な行動の場合には、そのまま放っておくと死んでしまう可能性があり危険です。
コリドラスの上下泳ぎが正常か異常なのかを見分けるポイントは、「上下泳ぎの速度」です。
コリドラスが水槽側面に沿って、速いスピードで上下に繰り返し泳いでいると言う場合は、正常であるケースがほとんどです。
逆に、ゆっくりとしたテンポで上がったり下がったりしていると言う場合には、何らかの異常が起きているケースが多く、そのまま放置してしまうと死んでしまう可能性があります。
コリドラスが素早く上下に泳ぐ原因として、次の3つが挙げられます。
- 新しい飼育環境に慣れていない
- 水換えやレイアウト変更で飼育環境が変わった
- 水流で遊んでいる
新しい飼育環境に慣れていない場合や、水換えやレイアウト変更をした場合に、コリドラスが素早く上下に泳ぐ事があります。
この行動は数日から数週間続く事がありますが、新しい環境に慣れれば自然と治るので問題ありません。
フィルターの排水口の向きによっては、水槽側面などに強い水流が生まれる事があります。
このような場所では、水流に沿って上下泳ぎを繰り返しながら遊ぶコリドラスの姿が見られます。
これらの原因による上下泳ぎはコリドラスの正常な行動なので、心配しなくて大丈夫です。
しかし、コリドラスの上下泳ぎがゆっくりであったり、泳ぎづらそうに上下しているという場合には、何らかの異常が起きている可能性が高いので注意が必要です。
異常な上下泳ぎの原因として次の3つが挙げられます。
- 酸欠
- 転覆病
- 細菌感染による体調不良
水温の上昇や過密飼育などが原因で水槽内の酸素が減り、コリドラスが酸欠を起こす事があります。
酸欠になったコリドラスは、水面までダッシュするように浮上し、また水底に戻るという上下泳ぎを見せるようになります。
これは、不足した酸素を腸呼吸によって補おうとして見せる行動です。
コリドラスはエラ呼吸の他に、腸呼吸という方法で酸素を取り込むことができます。
腸呼吸とは、口から取り込んだ空気を腸でガス交換して酸素を取り込む方法で、コリドラスの他、ドジョウにも見られる呼吸方法です。
水中に酸素が十分に存在する場合にも時折見られる行動ですが、酸欠になると頻度が増えます。
水面と水底を頻繁に行き来する場合には、酸欠になっている可能性があるので注意が必要です。
水温が高かったり過密飼育になっていたりすると酸欠になりやすいので、チェックしてみて下さい。
コリドラスがフワーッと浮き上がり、必死に泳いで水底に戻ると言うような上下泳ぎが見られたら、転覆病を発症している可能性があります。
転覆病は体内にガスが溜まるなどの影響により、浮き袋の浮力調節が出来なくなる病気です。
この影響により、コリドラスの体が勝手に浮かび上がってしまうので、必死に泳いで水底まで潜るという行動を繰り返すようになります。
最後にはお腹を上にして水面に浮かび上がり、潜れなくなってそのまま死んでしまうこともあるので、見つけたらすぐに対処しましょう。
そのほか、細菌が感染することで体調を崩した場合にも、上下に泳ぐ事があります。
この場合、フラフラと元気無く泳ぐ姿と共に、ヒレが閉じてしまっている様子なども見られます。
体表などに目立った異常が見られない場合でも、ヒレを閉じて上下にフラフラと泳ぐ様子が見られたら、体調を崩している可能性が高いので、隔離して治療するようにしましょう。
以上のように、コリドラスの上下泳ぎには、正常と異常の2パターンがあります。
正常な場合はそのまま様子を見て大丈夫ですが、異常が起きている場合にはすぐに対処が必要です。
コリドラスの泳ぎをよく観察し、判断するようにしましょう。
コリドラスを落ち着かせる方法とは?
泳ぎ回るコリドラスを落ち着かせるには、泳ぎ回ってしまう原因に合わせた対処が必要になります。
コリドラスが泳ぎ回る代表的な例とその対処方法をご紹介します。
飼育環境に慣れていない場合
水槽に新しくコリドラスを迎えた場合や、水槽レイアウトを変更した場合、新しい環境に慣れていないために落ち着きなく泳ぎ回る事があります。
このような場合は、コリドラスが環境に慣れて自然と落ち着くのを待ちましょう。
数日から数週間程経てば、徐々に環境に慣れて落ち着いていきます。
この間、急に水槽を覗き込んだり、水槽の近くで大きな足音を立てたりしないようにした方が、早く慣れてくれるようです。
水流に向かって泳いでいる・遊んでいる場合
コリドラスが水流で遊んで泳ぎ回っている場合は、基本的にはそのまま放置して構いません。
遊び疲れたら水流の弱い場所や水草の間などで勝手に休みます。
しかし、水槽内全体の水流が強すぎて休む場所が無いと言う場合は問題です。
そのままの環境ではコリドラスが泳ぎ疲れて衰弱してしまうので、フィルターの水流を調節したり、水草を入れて水の流れが弱い箇所を作るなどして対処しましょう。
混泳魚に狙われている場合
混泳魚に狙われているために、落ち着かず泳ぎ回っていると言う場合には、コリドラスか混泳魚のどちらかを別水槽で飼育するようにしましょう。
コリドラスの隠れ家を作って逃げ込めるようにする方法もありますが、この方法では根本的な解決になりません。
コリドラスが隠れ家から出た時に狙われてしまいますし、攻撃してきた魚の種類によっては、一撃で致命傷を負わされる可能性もあります。
やはり、混泳相性の悪い魚とは無理に混泳させず、それぞれ別々に飼育するようにした方が安全です。
pHショックを起こしている場合
コリドラスがpHショックを起こして泳ぎ回っている場合には、落ち着かせる方法がありません。
何故ならpHショックには治療方法が無いからです。
コリドラスが自力で回復するのを期待して様子を見守る以外にできる事がありません。
そのため、pHショックを起こさないように予防する事が最も重要です。
pHショックを起こしやすいのは、新しく水槽に迎える際の水合わせなので、できるだけ丁寧に水合わせをしてpHショックを予防しましょう。
一般的なコリドラス種は水質変化にとても敏感という訳ではありません。
しかし、中にはコリドラス・パンダのようにデリケートな種類もいるので、慎重に水合わせする事をおすすめします。
転覆病を発症している場合
コリドラスの体がフワーッと浮き上がり、必死に潜ろうとして泳ぐ姿が見られた場合、転覆病を発症している可能性があります。
転覆病を発症する主な原因は、餌の食べ過ぎや便秘といった内臓疾患です。
治療方法としては、数日間絶食して内臓を休める方法や、水温を上げて新陳代謝を高め、排便を促す方法があります。
また、底砂の掃除や水換えを行い、飼育環境を清潔にするというのも効果的です。
寄生虫感染が疑われる場合
コリドラスが体を擦り付けるようにして泳ぎ回っているという場合には、寄生虫感染が疑われます。
寄生虫による病気の治療には、「アグテン」や「ヒコサンZ」といった薬剤を使用します。
寄生虫感染が疑われるコリドラスを別容器に隔離して、治療を開始しましょう。
細菌感染が疑われる場合
ヒレをたたみ、元気がない様子でフラフラと水槽を上下に泳いでいる場合、細菌感染よる体調不良が疑われます。
細菌感染が疑われる場合には、「観パラD」や「グリーンFゴールドリキッド」などの抗菌剤入りの薬剤を使用して治療して下さい。
以上が、コリドラスが泳ぎ回って落ち着かない原因と対処方法です。
大人しくのんびりしているイメージが強いコリドラスですが、実は思ったよりも泳ぎ回ります。
ちょこまかと泳ぎ回る姿を見て、落ち着きが無いと感じ、心配になる事があると思いますが、ほとんどの場合は正常な行動なので心配ありません。
しかし、中には飼育環境に問題があったり、病気が原因で落ち着きがないケースもあるので、注意が必要です。
コリドラスの様子をよく観察し、原因を分析して、必要な対処を取るようにして下さい。
コリドラスが落ち着かない理由まとめ
- コリドラスが泳ぎ回る理由には、環境に慣れていないなどの正常な反応の他に、他の混泳魚や病気が原因で落ち着かずに泳ぎ回るケースがある
- コリドラスが水槽側面に沿って、素早く上ったり下ったりを繰り返して泳いでいる場合は、問題が無いケースが多い。
- 水面ダッシュを繰り返したり、フラフラしながら上下に泳ぐ場合には異常が起きている可能性が高い。
- 落ち着きなく泳ぎ回るコリドラスを落ち着かせるには、それぞれの原因に合った対処方法を取る事が大切。
- そのためにもコリドラスの泳ぎと状態をよく観察し、原因を分析する事が重要
今回はコリドラスが落ち着かないで泳ぎ回る原因についてご紹介しました。皆様のコリドラス飼育の参考にしていただけると幸いです。