グッピーの尾ぐされ病とは?
グッピーの尾ぐされ病はうつる?
グッピーの尾ぐされ病に塩浴は効果ある?
グッピーの尾ぐされ病の治療方法は?
こんなグッピーの尾ぐされ病に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
グッピーの尾ぐされ病とは?
尾ぐされ病とは、その名の通り尾びれが腐ったように溶けてギザギザになったり、裂けてしまう病気です。
尾ぐされ病は、グッピーを含む観賞魚によく見られます。
尾ぐされ病の症状は、初期・中期・末期の3段階に分けられます。
グッピーの生体に見られる初期の段階の症状は、尾びれに白い点ができ、次第に広く白濁していき、その周辺が充血し始めます。
この症状が進行していくと、尾びれが先端から溶けてボロボロになってしまいます。
グッピーは観賞魚の中では、体が丈夫で繁殖力も強い熱帯魚です。
初心者でも飼いやすいところは、グッピーが人気である理由の一つです。
しかし、飼育がしやすいからといって油断は禁物です。
病気になる要因は様々な場面で潜んでいるので、日頃からしっかりと対策を行わなければいけません。
また、生体の観察を怠らず、普段とは違った違和感に早めに気がついてあげることが大切です。
グッピーは尾ぐされ病になると、なんとなく元気がないような泳ぎをしていたり、水槽の底をゆっくりのろのろと泳いだりする傾向があります。
尾ぐされ病の原因は、「カラムナリス菌」と呼ばれる細菌に感染することです。
カラムナリス菌に感染すると、タンパク質分解酵素の働きによりヒレが溶けてしまいます。
この病気は感染する場所によって呼び名が変わります。
尾ビレがボロボロになった場合は尾ぐされ病、口がボロボロになった場合は口ぐされ病などと言われます。
いずれの場合もカラムナリス菌が原因です。
カラムナリス菌は水槽内に常駐している菌です。
つまり、通常の健康体のグッピーの場合だと感染はしませんが、免疫力が弱まっていると感染して発病してしまうということです。
グッピーの尾ぐされ病はうつる?
グッピーと言えば、とてもきれいなヒレが特徴です。
そんなグッピーの尾ビレが病気にかかってしまったら真っ先に気になるのが、治るのかどうか、他のグッピーにうつるのかどうかということではないでしょうか。
まず、尾ぐされ病がうつるかうつらないかの話ですが、結論から申しますと「うつる」が正解です。
理由は、尾ぐされ病は基本的に「細菌による感染症」だからです。
一匹が尾ぐされ病になるということは、水槽内にカラムナリス菌が確実にあり、同じ水槽内にいる魚も同じような環境下、ストレス渦にさらされているということだからです。
ただし例外もあります。
それは、尾びれを他の魚にかじられてしまい、その傷口から細菌に感染して尾ぐされ病になった場合です。
この場合はそのグッピーのみしか発症しないこともあります。
ただ、他の個体のヒレをかじる習性のある個体は、再度ヒレをかじる可能性があり、かじる側の個体も結局細菌に感染することになるかもしれません。
いずれにせよ、尾ぐされ病になってしまったグッピーは他のグッピーとは別の水槽に移して適切な治療を行うべきなので、うつるものとして対処する方が適切です。
グッピーの尾ぐされ病に塩浴は効果ある?
ここからは治療についての話をしていきます。
グッピーの尾ぐされ病に効果的なのは塩浴です。
ただし、条件があります。
塩浴が効果を発揮するのは症状が初期段階の間だけです。
塩浴が尾ぐされ病に効果的な理由は、グッピーの自己治癒能力を高めることができるからです。
塩浴でグッピーの免疫力や治癒能力を高めることでグッピー自身の力で病気に打ち勝つことができれば完治させることも可能です。
カラムナリス菌もまた塩浴により活性が高まってしまうため病気が進行してしまっているグッピーに対しては塩浴を避けるようにしましょう。
塩浴で使用する塩は調理用の塩でも大丈夫ですが、その場合は調味料や添加物の入っているものは避けましょう。
塩水の濃度は0.5%程度が適切です。
10Lの水に対して塩50gになります。
いきなり0.5%の濃度の塩水を入れると水質の差により生体にストレスを与えてしまうことになるので、数時間かけて、複数回に分けて入れていきましょう。
塩浴のやり方に関して少しでも不安があるのであれば、金魚用の「塩タブレット」等を購入するのが無難で確実なのでオススメです。
水換えについてですが、塩水においては水を浄化するバクテリアが働かないので、普段よりこまめに水換えをする必要があります。
具体的には1日1回、毎日の水換えが理想です。
9割~全量の水換えが必要です。
また、塩浴の場合、通常よりも酸素濃度が低下する傾向があります。
生体に酸素がきちんと行き渡るように水槽にエアレーションを設置しましょう。
エアレーションには設置や回収が簡単な、「投げ込み式フィルター」や「スポンジフィルター」がオススメです。
1週間塩浴を続けて、それでも症状が回復せず病状が悪化するようであれば他の方法での治療が必要です。
グッピーの尾ぐされ病の治療方法は?
前述した塩浴で効果がなかった場合や、尾ぐされ病が中・末期まで進行している場合は、抗菌剤の薬浴による治療を行いましょう。
有効な薬は「グリーンFゴールド顆粒」や、「観パラD」です。
薬浴を行う際の濃度は、薬の使用説明書に記載されている規定の量を守って下さい。
また、塩浴のときと同じく、1回あたりの全量を一度に入れきるのではなく、複数回に分けて薬を投入していきましょう。
そして薬浴の場合も、水を浄化する役割をするバクテリアが死滅してしまうため、最低でも2、3日に1回の水換えが必須です。
このように、もしグッピーが尾ぐされ病になってしまったら、適切な治療をして症状を回復させましょう。
しかし、一番大切なことはそもそも病気にさせない環境づくりです。
飼育環境が整っていれば、グッピーは免疫力を維持することができ、病気を発症し難くなります。
水質が汚染されないようにする、栄養状態が悪くならないようにする、水温が急変しないようにする、この3点に気をつけましょう。
特に水温が冷たいのは良くありません。
グッピーは南米原産の熱帯魚なので、寒さにあまり強くありません。
人間の基礎体温が下がると免疫力が下がる仕組みと同じですね。
そして、違和感は早期に発見し、万が一病気になってしまったら適切な治療をしていきましょう。
グッピーの尾ぐされ病まとめ
- 尾ぐされ病は細菌に感染することで発症する
- 感染の原因は免疫力の低下
- 尾ぐされ病になったグッピーが他のグッピーに病気をうつさないためにも、水槽を分けて飼育する
- 尾ぐされ病は塩浴と薬浴で治療する
- 日頃から個体をよく観察し、違和感は早期に発見する
- 尾ぐされ病には適切な治療で対処する
今回はグッピーの尾ぐされ病に関する疑問についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。