
グッピーの水合わせとは?
グッピーは水合わせなしだとどうなる?
グッピーの水合わせの時間はどのくらい?
グッピーが暴れるのは水合わせ失敗?
こんなグッピーの水合わせに関する疑問についてご紹介いたします。
グッピーの水合わせとは?
グッピーの水合わせとは、グッピーを現在と異なる環境の水温と水質に慣らしていく作業のことを言います。
新しい熱帯魚を迎え入れる時はもちろんですが、既に熱帯魚を飼育している水槽と新しい水槽間の魚の移動や、水槽の大掃除後に水槽に魚を戻す際にもこの水合わせを行います。
これから紹介する内容は、すでにグッピーを飼育する水槽があり、水槽のセッティングが完了しているという前提で話を進めていきます。
もし水槽の準備がまだである場合は、グッピーを購入しにショップへ行く前に水槽のセッティングを行い、準備を整えておきましょう。
グッピーに限らずショップで熱帯魚を購入すると、酸素が充填されたビニール袋に入れられた状態で渡されることがほとんどです。
このビニール袋内の水と、自宅に用意した水槽(飼育水槽)の水を水合わせします。
はじめてグッピーを飼育する方が最初につまずくのがこのグッピーを水槽に入れる作業だと思います。
今回はそんな初心者の方でも簡単にできる水合わせの方法をご紹介いたします。
グッピーは水合わせなしだとどうなる?
人によってはグッピーを購入したら、すぐに水槽へ入れたくなる人もいるでしょう。
水合わせの時間をわざわざつくるのは正直面倒だと感じるかもしれません。
しかし水合わせを行うメリットは手間以上のものがあるので、水合わせは必ず行なってください。
水合わせはとても重要な工程なのです。
水合わせを行うメリットは主に二つあります。
一つ目は、水温や水質の差による生体へのダメージを最小限にすることができることです。
グッピーを購入したショップと自宅の水槽の環境とでは、水温や水質が異なります。
思いのまま、水合わせなしにグッピーを水槽に入れてしまうとグッピーにかなりの負担とショックを与えてしまうことになります。
グッピーは観賞魚の中では丈夫で強い方ですが、そんなグッピーでも水合わせなしではストレスを受け、飼育しはじめて数日で死んでしまうことさえあります。
グッピーが稚魚である場合は尚更です。
水温やpH、水質の差に徐々に慣れさせながら水槽へ入れてあげることが、グッピーを健康で長生きさせるためには大切なことです。
二つ目は、病気や寄生虫、害虫などの侵入を予防することができることです。
実はショップからもらったビニール袋内にも様々な種類の菌が入っていることがあります。
これらは水槽内にいる常在菌ですので、どんなに丁寧に飼育しているショップ内の水槽にも存在する菌です。
健康で免疫力のある通常通りのグッピーであれば取り除く必要はありませんが、水合わせの際は別です。
環境が変わって間もないグッピーは、新しい環境で落ち着かずにストレスがかかっている状態であり、体調を崩しやすくなっています。
たとえ常在菌であっても、出来る限り持ち込まないようにするのが鉄則です。
そして水槽に入れた後もしばらくはグッピーの様子をよく観察しましょう。
グッピーの水合わせの時間と方法
水合わせの方法は大きく分けて2種類あります。
今回紹介する方法は簡易的な方で、もう一つの方法が、「点滴法」と言われるものです。
点滴法はより時間をかけて、点滴をするように飼育水を加えていくやり方ですが、グッピーに関しては今回の方法を「適切に」行えば水合わせは十分と言えます。
ですので今回は点滴法についての説明は割愛させていただきます。
また、今回の簡易的な方法の方でもう一つ、バケツ(8ℓ~10ℓ入るものが便利)やスポイトやプロホース(水を抜くときに使用する)などの道具を使ったやり方もありますが、今回はできるだけ道具を使わない、最も簡単で基本的な水合わせの方法を解説します。
水合わせの所要時間は、水温合わせに30分、水質合わせに30分~60分です。
まずは水温合わせです。
グッピーを自宅に招き入れてまず最初にしなくてはいけないのがこの水温合わせです。
私達哺乳類は、恒温動物に分類され、環境温度に関わらず深部体温を一定の温度に保つ能力が自然と備わっています。
しかし魚類は変温動物なので、環境温度の影響を受けて深部体温が変動してしまう生き物ですので水温の変化に敏感です。
例えば魚釣りのとき、私達は釣った魚を手で触りがちですが、この行為は魚にとってはやけどを負ったのと同じくらいの出来事なのです。
よって、「少しの温度差なら大丈夫だろう」という油断は禁物です。
しっかりと温度を合わせましょう。
水温合わせの工程は単純です。
①グッピーの入ったビニール袋を水槽の中へそのまま浮かべる。
この時、水槽から水が溢れ出そうなのであれば水をあらかじめ少し水槽から抜いておきましょう。
②30分程待つ
こうすることで少しずつ袋内の水温と水槽内の温度が等しくなっていきます。
このように緩やかに温度を変化させることがグッピーのダメージを最小限に抑えてくれます。
まだ温度差がある場合は更に時間をかけても良いですが、あまり時間をかけると酸欠になるリスクがあるので時間のかけすぎには気を付けましょう。
ちなみにグッピーにとって適切な水温は26℃程度です。
次に水温をさらに合わせつつ、水質を合わせていきます。
①ビニール袋を開け、中のグッピーはそのままで、袋内の水を1/3程度捨てる。
このとき捨てる水は水槽の中には入れないで下さい。
②水槽内の水をビニール袋の中へ、捨てた水の分だけ入れる。
③ビニール袋を水槽内に浮かべたまま10分待つ
ビニール袋内の水温が更に水槽の温度に近づいていきます。
この1~3の作業を最低3回以上繰り返します。
こうすることでビニール袋内の水質と水温が、水槽の水質、水温に近づいていきます。
特に注意が必要なのは③の工程です。
時間はできるだけ守る必要があります。
10分以上かけて長く時間をとりすぎてしまうと、酸欠のリスクがあるからです。
ちなみにこの水合わせの技術はグッピーを塩浴させる際などにも活かすことができるので覚えておきましょう。
そしていよいよ、待ちに待った、グッピーを水槽に投入する時間です。
しかしここでも気を付けなければならないことがあります。
ビニール袋内の水は水槽へ入れてはいけません。
必ずグッピーを網ですくって水槽へ入れてください。
またこの時に使用する網は、洗濯ネットを使用しても良いですが、魚の生体を傷つけないように考えて作られた、魚用の「魚網」を購入しておくことをオススメします。
ベタやグッピーなどのようにヒレが長く魅力的な熱帯魚には、ヒレを痛めないように水ごと掬える水ごとネットなどがおすすめです。
グッピーが暴れるのは水合わせ失敗?
水合わせ後にグッピーの様子がどこかおかしくなったら、とても不安になるものです。
ただ、水合わせ後にグッピーが暴れることは珍しくありません。
グッピーが暴れる場合でも、以下のような場合は心配しなくても大丈夫です。
・水合わせ直後に暴れだしても、早い段階で落ち着く
環境の変化に驚いたことが原因だと考えられます。
・水合わせの後に何匹かいるうちの1匹~数匹のみが暴れはじめた
私達人間にそれぞれ性格や気質があるように、グッピーにも環境の変化や様々な刺激に敏感な生体がいます。
・水合わせの後からずっと暴れ続けている訳ではなくたまに暴れるように泳ぐ
この場合は、何かしらの理由で暴れるように泳ぐ生体であるというだけです。
水合わせと関係なく、グッピーが暴れるようなことはよくあります。
例えば、
- 人影を察知したから、エサが欲しいという合図で泳ぐ
- 雌の場合、お産が近くて暴れるように泳ぐ
- 雄の場合、他の攻撃的なボス気質の雄から追いかけられるなどの攻撃を受けた
などといった場合です。
しかし、もしずっと暴れたままでいつまでも落ち着かないのであれば注意が必要です。
pHショックを起こしており、水合わせ失敗の可能性があります。
もしこのようになってしまったら、非常に残念ですが特効薬はありませんのでグッピーが環境に適応することを祈って見守りましょう。
グッピーの水合わせまとめ
- 水合わせとは、観賞魚を現在と異なる環境の水温と水質に慣らしていく作業
- 水合わせをすることのメリットは大きく、逆に水合わせなしだとグッピーの命に関わる
- 水合わせの方法は主に2種類ある
- 水合わせの際は、時間とグッピーのすくい方の二点に特に気を付ける
- 水合わせの後に暴れる理由は必ずしも水合わせ失敗とは限らない