水温18度以下でもグッピーは大丈夫?死ぬ?冬の低水温で起こる問題

2021年9月19日

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グッピーと低水温

水温18度以下でもグッピーは大丈夫なのか?

水温が低いとグッピーは病気になる?死ぬ?

グッピー飼育で冬の水温管理はどうすればいい?

こんなグッピーと水温の関係についてご紹介いたします。

水温18度以下でもグッピーは大丈夫なのか?

グッピーは水温変化に強いイメージがありますが、水温が18℃以下になる低水温でも大丈夫なのでしょうか。

結論から言うと、「グッピーは18℃を下回る水温には適応できない」と言えるでしょう。

グッピーをある程度の期間飼育できるギリギリの低水温が18℃くらいで、それ以下の水温での飼育は現実的ではありません。

また、全てのグッピーが18℃まで耐えられる保証もありません。

グッピーの適応水温が20~28℃ほどで、適温は26℃前後です。

18℃という水温はグッピーの適応水温以下の水温です。

数日くらいは耐えられるでしょうが、長期間18℃以下の水温に耐える能力は持っていません。

日本でも一部の地域でグッピーが野生化して定着して問題になっています。

ですが、定着できている地域は主に沖縄や小笠原諸島などの暖かい地域です。

それ以外の地域では、温泉街の川や工業排水などが流れ込む川など、流れ込む水が暖かな川でしか生息できていません。

日本でグッピーが定着できているこれらの場所は、一年を通して18℃以下にならない場所です。それ以外の場所では定着できずに絶滅しています。

水質汚染されている川や海水が混じる汽水域にすら適応して生息できてしまうグッピーですが、18℃以下の低水温になる川には定着できません。

グッピーは20℃を下回ると産仔しなくなります。例え18℃の水温にギリギリ耐えられたとしても、子孫を残すことができないので、いずれ死滅してしまうことになります。

また、全てのグッピーが18℃の水温に耐えられるわけではありません。

そのグッピーの系統や育ってきた環境によって、低水温への耐性は変わります。

何世代も前から低水温に徐々に慣れさせていれば、その子供は低水温に強い傾向があります。

また、飼育の段階から低い水温を経験させておけば、ある程度水温が低くても耐えられるでしょう。

ですが、親の世代から26℃前後の適温で育てられ続けたグッピーは、18℃という極端な低水温を経験したことが無いので、すぐに体調を崩して死んでしまう可能性が高いです。

このように、全てのグッピーが18℃以下という低水温に対し、同じ耐性を持っているわけでは無いので注意しましょう。

ここまで見てきたとおり、グッピーにとって水温18℃以下という環境は適切ではありません。

18℃以下でも少しの日数なら耐えられる個体もいるでしょうが、全てのグッピーが耐えられるわけではありませんし、耐えさせる必要性も無いでしょう。

「ヒーターが壊れていて、気づいたら水温が18℃になっていた」と、いうような場合は仕方ないですが、初めからヒーター無しの無加温で、18℃以下の低水温の環境で飼育するのはやめたほうがよいです。

18℃以下はやりすぎですが、21~22℃くらいの水温でしたら、グッピーにメリットがあります。

グッピーの適応水温内で、低めの21~22℃くらいの水温での飼育は、グッピーの寿命を伸ばす効果が期待できます。

グッピーなどの魚類は、水温によって代謝が左右されるからです。

高水温なら代謝が促進され早く大きくなりますが、その代わり寿命は短くなってしまいます。

低水温だと代謝が抑制され成長がゆっくりになります。その代わり寿命は長くなります。

寿命延長を狙った低水温(21~22℃)ならメリットがありますが、それ以下の水温にはメリットが無いので、無闇に18℃以下の水温にする必要はありません。

最低でも20℃を下回らないような環境でグッピーを飼育してあげましょう。

水温が低いとグッピーは病気になる?死ぬ?

グッピーを水温の低い環境で飼育しているとどうなってしまうのでしょうか。

病気になったり、死んでしまったりするのでしょうか。

グッピーなどの魚類は変温動物です。

変温動物とは自分で体温を調節できず、周りの環境で体温が変化します。

グッピーは適温が26℃前後の魚です。ということは、体温26℃前後がグッピーにとって最も調子が良い体温だと言えます。

また、適応水温が20~28℃ほどなので、この間の水温・体温が、グッピーの健康を保つのに必要な温度だということになります。

では、それよりも低温度になるとどうなるのでしょうか。

水温が低くなることでグッピーに起こる変化は次の2つ。

  • 細菌などへの抵抗性が落ちる
  • 低水温のストレスで免疫力が落ちる

水温が下がると、細菌やウイルスに対する抵抗性と免疫力が落ちるため、病気に罹(かか)りやすくなるばかりか治りも悪くなります。

そのため病気で死んでしまうリスクが高まります。

まず、低水温になると細菌やウイルスへの抵抗性が下がります。

動物や魚には、細菌やウイルスの侵入・増殖を防ぐ「インターフェロン」というタンパク質があります。

魚の場合、適応範囲を超えた低水温や高水温になると、インターフェロンの分泌量が減ってしまいます。

これにより、細菌やウイルスの侵入・増殖を抑えることができなくなり、病気に罹りやすくなってしまうのです。

また、低水温はグッピーなどの魚類にとってストレスです。ストレスは免疫力を下げます。

ストレスがかかったグッピーの体内では、コルチゾールというホルモンが分泌されます。

このコルチゾールは免疫力を下げる働きをするので、低水温のストレスがかかったグッピーは細菌やウイルスに対抗する力が弱まり、病気を治すことができずに死んでしまいます(余談ですが、インターフェロンやコルチゾールは人間の体の中でも分泌されています)。

また、白点病などは25℃以下の水温で発症率が高まるなど、水温が低いことで活発になる病原菌もいます。

このように、水温が低くなると病気に罹りやすくなり、罹った病気も治りにくくなります。

そればかりか、水温が低いと活発になる病原菌がいるなどグッピーにとって悪条件が揃ってしまいます。

低水温はグッピーの病気と死亡リスクを高めるので適温を保つようにしましょう。

グッピー飼育で冬の水温管理はどうすればいい?

グッピー飼育に18℃を下回るような低水温が危険なことが分かりました。

しかし日本には冬があります。地域にもよりますが、日本の冬の気温は一桁台になることもザラです。

何もしなければ確実にグッピーは冬に死んでしまいます。

冬でもグッピーを健康に飼育するための水温管理は、どのように行えばよいのでしょうか。

最も簡単で確実な水温管理はヒーターを使うことです。

それもできれば、温度固定式のオートヒーターでは無く、設定温度を変えられる方式のヒーターを入れるようにしましょう。

温度を自由に設定できるヒーターのメリットは、病気が発生した際に温度を高めて治療効果を上げることができる点です。

先程あげた白点病などは、28℃前後の水温にあげた上で薬を添加すると治療効果が上がります。

また、寿命延長効果を狙って、水温を21~22℃の低めに設定したい場合も重宝します。

水温を調節できるヒーターの方が使い勝手が良いのでそちらがおすすめです。

水槽が小さくオートヒーターしか入らない場合は、26℃~28℃の温度帯で固定されているオートヒーターを選んでください。

「ヒーターも入れたしこれで冬も安心だ!」と、思った方もいるかもしれませんが、実はその考えは危険です。

なぜならヒーターで上げられる水温は、「周辺温度プラス10℃前後」が限界だからです。

まず、ヒーターには適正水量があります。例えば4リットルまでと書かれているヒーターは、4リットルの水量までしか十分に温めることができません。

さらに、26℃固定のオートヒーターなどの場合、使用環境のところに「周辺温度15℃以上」というような表記がしてあります。これ以下の温度になると、26℃まで上げることができないんです。

このように、ヒーターは「適正水量で使用した時、周辺温度プラス10℃に水温をあげる」というパワーまでしかありません。

そのため、水量が多すぎたり外気温が低すぎたりすると、設定した温度まで水温を上げることができません。

これの何が問題になるのかというと、「部屋の暖房器具をつけている時と消した時の水温差が出てしまう」という点です。

リビングなどにグッピー水槽を置いている場合、人がいる間はエアコンなどの暖房器具で部屋が暖められています。

仮にエアコンの設定温度が25℃だとすると、人がいる間のリビングは水槽のヒーターがいらないくらいの暖かさになっています。

ですが、就寝する時にはリビングのエアコンは消してしまうことでしょう。すると、部屋の温度は一気に下がります。

仮に部屋の温度が5℃まで下がったとすると、26℃固定のオートヒーターが目一杯稼働しても15℃までしか水温を上げられません。

これでは夜の間に低水温でグッピーが死んでしまいます。

もう一つ、仮に部屋の温度が10℃までしか下がらず、オートヒーターのおかげでなんとか20℃の水温を保てたとしても、短時間で水温が下がったことによる水温差のショックで死んでしまう危険があります。

実はグッピーにとっては、低水温よりも急激な温度変化の方が負担になります。

徐々に水温を下げて慣らしていけば、20℃以下でも生きているようなグッピーでも、25℃から一気に20℃以下まで水温が下がるとショック死してしまいます。

なので、冬の温度管理は、「低水温にならないようにする」ということ以上に、「急激な水温の変化を起こさせない」ということが重要になります。

この温度変化を起こさせない最も簡単で安全な方法は、「グッピーを飼育している部屋のエアコンをつけっぱなしにしておく」という方法です。

もちろん、エアコンの設定温度は人がいる時のような高い温度に設定しなくて大丈夫です。

最低でも15℃くらいの設定温度にしておけば、水槽内のヒーターの力で25℃前後まで水温を上げてくれます。

このように対処すれば、水温を一定に保てるので、グッピーを安全に冬越しさせることができます。

グッピーの冬の水温管理は、「水温を20℃以下の低水温に下げない」ということだけでなく、「水温の急激な変化を起こさせない」ということも考えて管理しましょう。

グッピーと水温の関係まとめ

  • グッピーは18℃以下の水温に適応していない
  • グッピーは水温18℃以下の環境だと産仔できず繁殖できない
  • 低水温だと病気への抵抗性と免疫力が低下し、病気への罹患(りかん)と死亡リスクが高まる
  • 冬場の水温管理は「水温低下」と「水温の急激な変化」の2つに注意して管理すること

今回はグッピーと水温の関係についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。

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