ミナミヌマエビの卵ってどんな感じ?数はいくつくらい?
ミナミヌマエビは卵を水草などに産みつける?
ミナミヌマエビの卵の産卵と孵化のさせ方は?
ミナミヌマエビの卵が孵化しない?孵化までの日数は?
ミナミヌマエビが卵を落とすのはなぜ?
ミナミヌマエビの卵の色が黒い!?白い!?
ミナミヌマエビの卵巣が黒い!?白い!?
こんなミナミヌマエビの卵に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
ミナミヌマエビの卵ってどんな感じ?数は?
ミナミヌマエビの卵は画像を見て頂けるとわかるように、意外と大きめでつぶつぶしたものがお腹に抱えられるように生まれてきます。
ミナミヌマエビと同じように飼育されるヌマエビにヤマトヌマエビがいます。
ミナミヌマエビの卵の大きさ
体の大きさで言うとヤマトヌマエビの方が大きいのですが、実は卵の大きさはミナミヌマエビの方が大きくなります。
その理由はエビの幼生期の違いにあります。
ヤマトヌマエビは孵化するとゾエアと呼ばれる幼生期を汽水域で過ごします。
しかしミナミヌマエビにはそのような時期はなく、孵化した直後から親エビと同じ姿で生まれてきます。
この違いが卵の大きさの違いとして現れます。
ミナミヌマエビの卵の数
ミナミヌマエビは一度の産卵で何個の卵を産むのでしょうか?
卵の数で言うとヤマトヌマエビは卵が小さい分数が多く、ミナミヌマエビは逆に少なくなります。
ミナミヌマエビが一回に産卵する卵の数は30個〜50個くらいです。
実際にミナミヌマエビのお腹から卵を取って数えたわけではないので推定ですが。
卵を抱えたミナミヌマエビの画像を見るとわかるとおもいますが、卵はミナミヌマエビの目玉と同じくらいの大きさをしています。
その大きさですとやはり100個以上一度に産卵するのは少々無理があるかもしれません。
ミナミヌマエビは卵を水草などに産みつける?
ミナミヌマエビは卵を水草などに産みつける事はありません。
よって水槽内の水草などに卵を見つけたらヌマエビの卵では無く、その他の生物の卵です。
水槽内の水草などに卵を産みつける種類としてはメダカなどの魚類やスネールなどの貝類が知られています。
ミナミヌマエビは水草を産卵床とする事はないのならば、ミナミヌマエビの単独飼育では水草を入れなくても良いのか?
ミナミヌマエビの産卵に水草はあまり必要ないのか?
こんな疑問も出てくるかも知れませんが、
ミナミヌマエビと水草の関係性については出来れば水草を入れてあげる事が望ましいでしょう。
確かにミナミヌマエビは水草に卵を産みつける事はありませんが、水草は産卵床としてだけでは無く、多くの恩恵をもたらしてくれます。
- 卵を抱えたメスのミナミヌマエビの隠れ家になる
- 水質の浄化と酸素の供給により子育てに最適な環境を提供してくれる
- 産まれたばかりの稚エビの隠れ家になる
- 水草に付着する微生物が稚エビの餌となる
このように水草には多くのメリットがありますので、ミナミヌマエビ飼育には是非水草を入れてあげる事をおすすめします。
ミナミヌマエビの産卵と孵化のさせ方
ミナミヌマエビは初心者でも繁殖が容易なヌマエビです。
よって極論を言ってしまえば、産卵のさせ方や卵の孵化のさせ方を知らなくても、いつの間にか稚エビが増えているなんて事もよくある話です。
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しかし、そんなミナミヌマエビでさえ飼育環境によっては産卵しない事もあります。
よって産卵する環境や卵が孵化する環境について知識をつけておきましょう。
ミナミヌマエビが産卵しやすい条件とは
- 水温が産卵に適した水温で安定している
- 日照時間が長い
- 水質が良好に保たれている
- 頻繁な環境変化や水質変化がない
- 常に何かに警戒しているような環境ではない
- 繁殖期を迎えたオスとメスが揃っている
などが挙げられます。
このような条件を全て加味して考えてみると自然界では春から秋にかけての暖かい季節で、適度な水の入れ替えがあり、水質が安定している池や川などです。
そして水草などの隠れ家が豊富でミナミヌマエビを捕食するような生物が少なく、安心できる場所であることなどがイメージできます。
このような条件を水槽内に作ってあげることでミナミヌマエビが産卵しやすくなります。
ミナミヌマエビが産卵できる環境が維持できていれば、自然と卵が孵化する環境も維持できるはずです。
ミナミヌマエビの卵が孵化しない?孵化までの日数は?
ミナミヌマエビの卵が孵化するまでの日数はおおよそ3週間程度で、水温が高いほど孵化までにかかる日数は短くなります。
卵が孵化するまでの期間の目安となるのが「積算温度」と呼ばれる考え方です。
積算温度とは卵が孵化するまでに必要な熱量を表すもので、日数×水温で求められます。
ミナミヌマエビの飼育に最適な水温である24℃前後で孵化させる場合、約26日程度かかります。
抱卵から約1ヶ月を過ぎても全く稚エビの姿が見られない場合には何かしらの問題が起きているかもしれません。
その問題とは大きく分けて卵が孵化しない問題と孵化はするけれど稚エビがいなくなってしまう問題です。
卵が孵化していても稚エビの姿が全く見えなければ卵が孵化したことに気がつかないかもしれません。
ミナミヌマエビが卵を落とすのはなぜ?
つい先日までお腹に卵を抱えていたはずなのに卵が見当たらない。
水槽の底に卵らしきものが落ちている。
そんな卵が孵化前に無くなってしまうと言う事は脱卵の可能性が考えられます。
卵の脱卵とは読んで字の如くメスのお腹から卵が落ちてしまう状態です。
ミナミヌマエビがお腹から卵を落とす脱卵には2種類あり、メスのミナミヌマエビが意図的に落とす場合とトラブルによって落ちてしまう場合があります。
ミナミヌマエビの卵が脱卵する原因には卵が死んでしまった場合とメスが脱皮してしまった場合が考えられます。
孵化前に卵が死んでしまうとメスのミナミヌマエビは卵をお腹から落としてしまいます。
もう一つのトラブルとは水換えなどによって急激に環境が変化することに反応して、メスのミナミヌマエビが脱皮をしてしまう場合です。
脱皮をしてしまうとお腹に抱えた卵は殻と一緒にメスのミナミヌマエビから離れてしまいます。
脱卵によって一度離れてしまった卵は回収されることはありませんし、残念ですが、落ちてしまった卵は放置しておいても孵化することはありません。
ミナミヌマエビの卵巣が黒い!?白い!?
ミナミヌマエビの産卵や繁殖を意識しはじめるとメスが卵を抱える卵巣の事も気になってくるものです。
ミナミヌマエビのメスの卵巣は頭の付け根から背中にかけて存在し、背腸(せわた)の上を覆うように位置しています。
ミナミヌマエビは体色が半透明をしているため体の中が透けて見えるので、卵巣を目視で確認することが可能です。
ミナミヌマエビの卵巣は通常、薄茶色や白っぽい色をしています。
そんな卵巣が黒くなるのは産卵が近づいているサインでもあります。
ミナミヌマエビの受精卵は黒や濃い緑色をしているため、その色が透けて卵巣が黒っぽく見えるのです。
ミナミヌマエビのメスはオスから精子を受け取り、体内の受精嚢に精子を蓄えて受精させます。
よって交尾をしてオスの精子をメスが受け取ると、頭の付け根の側面あたりにある受精嚢が白く染まるのを確認する事ができます。
このような受精の仕組みを理解するとわかると思いますが、
ミナミヌマエビのメスの卵巣は交尾直後は白くなり、体内で受精が進み受精卵が形成されてくると今度は逆に黒くなるという事です。
卵巣の色の変化は見つけたタイミングによって白く見える時期と黒く見える時期があるという事です。
ミナミヌマエビの卵の色が黒い!?白い!?
先の卵巣の色の変化からもわかるように産卵し卵をお腹に抱えたばかりのミナミヌマエビの卵は黒や濃い緑色をしています。
その後、卵が成長して稚エビが形作られてくると徐々に卵は透明になっていきます。
よって卵が順調に成長すれば卵が白くなることはありません。
それではミナミヌマエビの卵が白くなるのはなぜか?
メダカなどの魚類では卵が白くなる現象の一つに無精卵があります。
しかし、ミナミヌマエビの卵に対しては「白っぽい=無精卵」というのはあまり考えられません。
ミナミヌマエビはメダカなどの魚のように、産み落とした卵に精子をかける放精という方法で卵を受精させません。
魚のように産み落とした卵に精子をかける受精方法とは違い、全ての卵に確実に精子を届け受精させることができるので、ミナミヌマエビが産卵する卵に無精卵が含まれていることはほとんど無いとされています。
それではなぜ白い卵があるのか?
ミナミヌマエビの卵が白くなる理由の一つが水カビです。
水質の悪化や水温の低下によって卵が順調に育たない時などに水カビが発生しやすくなります。
逆に水温が高すぎることにより起こる酸素不足もまた卵がカビてしまう原因になる事もあります。
卵の周りに付着した水カビの量が増えてくると徐々に卵が白く濁ったように見えます。
この状態を放置しておくと卵はそのまま死んでしまいメスが脱乱させてしまいます。
そんな中でも卵の中の稚エビの生存力が勝ると稀に卵が透明に回復してくる事もあります。
ただ、この変化については飼育者が治療などをする事が出来ないため環境を良好に保ちながら見守るしかありません。
卵が白くなってしまってから飼育者の力で回復させる事は難しいので、白くならない(水カビが発生しない)ような環境の維持が必要となってきます。
ミナミヌマエビの卵まとめ
- ミナミヌマエビはヤマトヌマエビよりも大きな卵をお腹に抱えるように産卵する
- ミナミヌマエビは水草に卵を産みつける事はないが、水草はミナミヌマエビの繁殖にとって多くのメリットがあるので是非入れてあげたい
- ミナミヌマエビの産卵や卵の孵化はそれほど難しいものでは無いので、常に良好な水槽環境を維持するように心がければ良い
- ミナミヌマエビの卵の孵化までの日数はおよそ3週間くらい
- ミナミヌマエビが卵を落とす理由は大きく分けてメスのミナミヌマエビが意図的に落とす場合と脱皮による脱卵がある
- ミナミヌマエビの卵巣は交尾直後に白くなり、卵が受精し、成長すると黒くなる
- ミナミヌマエビの卵は産卵直後は黒や濃い緑色をしており、卵の中の稚エビの成長とともに透明になってくる
- 卵が白くなるのは水カビによる影響が大きい
今回はミナミヌマエビの卵に関する疑問についてご紹介しました。皆様のミナミヌマエビ繁殖の参考にして頂けると幸いです。