ミナミヌマエビが卵を産まない原因は?
ミナミヌマエビの産卵はいつ?抱卵は何月頃?
ミナミヌマエビを産卵させる方法とは?
こんなミナミヌマエビが卵を産まない理由と産卵方法についてご紹介いたします。
ミナミヌマエビが卵を産まない原因
ミナミヌマエビは初心者でも繁殖が容易なヌマエビですが、稀に卵を全く産まないという問題が起こることがあります。
なぜミナミヌマエビが卵を産まないのか?
そこにはミナミヌマエビの繁殖に必要不可欠な条件が不足している事が考えられます。
ミナミヌマエビが全く卵を産まない原因には繁殖する為の環境が整っていない事と繁殖の条件が整っていない事が挙げられます。
その環境と条件について詳しくご紹介いたします。
ミナミヌマエビが卵を産まない理由には
- 水温が低い(産卵に適した水温では無い)
- 日照時間が短い
- 餌が不足している
- 水質が悪化しすぎている
- 頻繁な水換えをし過ぎている
- 安心して繁殖が出来る環境では無い
- 繁殖期を迎えたオスメスが揃っていない
などが挙げられます。
水温が低い(産卵に適した水温では無い)
多くの生物には繁殖期があり、その繁殖期を決める要因の一つが温度です。
ミナミヌマエビのように水中で暮らす生き物にとっては水温が大きく影響します。
ミナミヌマエビは水温が20℃以下になると繁殖が難しくなります。
そのため、無加温水槽や屋外のビオトープでは卵を産まない時期もあります。
日照時間が短い
水温と同じくらい大切な環境要因に日照時間が挙げられます。
多くの生物は日照時間と水温の上昇で春を感じ取り、繁殖期を迎えます。
水中で暮らすメダカなども水温が上がり、日照時間が12時間を超えるようになると繁殖の準備に入ります。
ミナミヌマエビも同様に季節を感じ取って繁殖を迎える為、日照時間は重要な要素となります。
屋外ビオトープや室内水槽でも太陽の光を感じられる場所にある水槽であれば、特に意識する必要はありません。
しかし、暗い室内では日照不足になることもありますので注意が必要です。
餌が不足している
餌不足もミナミヌマエビが卵を産まない原因の一つと言えます。
産卵に向けて卵巣で卵を作るにはそれだけの栄養とエネルギーを必要とします。
よってミナミヌマエビの繁殖期にはメスがしっかり卵を作れるように栄養豊富な餌を与える事が求められます。
ミナミヌマエビは水槽内の藻やコケを食べてくれますが、それだけでは餌が不足気味になることもあります。
ミナミヌマエビの繁殖を目指すのでしたら、ヌマエビ用の餌をあたえると効果的です。
ヌマエビ用の餌はミナミヌマエビに必要な栄養素を考慮して作られていますので、不足する栄養を補う事ができます。
水質が悪化しすぎている
水質の悪化がストレートに産卵しない事に結びつくわけではありませんが、水質が悪化している事によりミナミヌマエビが体調を崩してしまう事があります。
どんな生き物でもそうですが、体調を崩してしまい餌をそれほど食べられないような状態では繁殖どころではありません。
よって水質管理をしっかり行い、ミナミヌマエビを健康的に育てることも卵を産ませるコツと言えます。
頻繁な水換えをし過ぎている
水質を良好に保とうとして過度な水換えをしてしまうとまた違った問題が起こってしまいます。
頻繁な水換えを行えば確かに水質は良好に保てるかもしれませんが、環境の変化が激しくなってしまいます。
水換えにはそれなりのリスクがあることも理解して水換えを行うようにしましょう。
ただ、水換えにはミナミヌマエビに刺激を与えて繁殖行為を促進させる働きもありますので、一概に水換えをする事がダメというわけでもありません。
正しい水換え頻度や方法をマスターして行うことが求められます。
安心して繁殖が出来る環境では無い
水温や日照時間が安定して餌が豊富にあっても、安心して繁殖が出来る環境でなければやはり産卵は行われません。
例を挙げると
- 混泳水槽では魚が多く、ミナミヌマエビが常にビクビクしており、なかなか隠れ家から出てこない。
- ミナミヌマエビが隠れられる隠れ家がなく、常に他の生物から逃げるように生活している。
- 人通りが多い場所や騒がしい場所に水槽があり、頻繁に逃げ惑う姿が見られる。
このような環境は繁殖には不向きな環境と言えます。
よって卵を産む事も難しくなります。
繁殖期を迎えたオスメスが揃っていない
当然の事ですが、繁殖期を迎えたオスとメスがいなければ産卵は行われません。
また、ミナミヌマエビの卵はメスが産卵してからオスが精子を振りかけて受精する産卵方法ではなく、交尾をして受精してから卵が産まれてきます。
よってメスだけでは無精卵による産卵をする事もありません。
ミナミヌマエビは購入時にオスとメスを選ぶ事ができないので、数匹ではなく最低でも10匹位は一緒に購入して混泳させてあげましょう。
また、オスとメスがいたとしても産卵に適した時期でなければ産卵はやはり行われません。
産卵に適した時期とはミナミヌマエビが性成熟して繁殖ができるようになる時期のことです。
ミナミヌマエビは稚エビとして産まれてから2ヶ月から3ヶ月経つと性成熟して繁殖が出来るようになります。
その時の大きさは1.5cmくらいになっているはずです。
まだメスの稚エビがそこまで大きくなっていないようだと産卵は難しいかもしれません。
ミナミヌマエビの産卵はいつ?抱卵は何月頃?
水槽ヒーターを使用していない水槽や屋外ビオトープでは外気の影響を受ける為、気温が上がる春から秋にかけてがミナミヌマエビの繁殖シーズンとなります。
地域にもよりますが、水温が安定して20℃を超えるような4月後半頃から9月位までが産卵シーズンと言えます。
熱帯魚飼育や水草育成などで水槽用ヒーターを使用している水槽に混泳させている場合には一年を通して水温が安定するため1年中繁殖期とも言えます。
先の稚エビの性成熟の時期と繁殖に適した環境の時期が合わさって、初めて産卵が出来る時期となります。
ミナミヌマエビを産卵させる方法
ここまでミナミヌマエビが卵を産まない理由と繁殖時期についてご紹介してきましたが、これらの情報をまとめてみると自然と産卵させる方法も見えて来るはずです。
ミナミヌマエビを産卵させる方法とは
- 水温を安定させて24℃〜26℃位に保つ
- 日照時間を確保する
- 栄養価の高い餌をしっかり与える
- 水質が悪化し過ぎない管理をする
- 環境の変化が大きくならないようにする
- ミナミヌマエビが安心できる環境を維持する
- オスとメスをバランス良く飼育する
となります。
一年を通してミナミヌマエビの繁殖を試みるのであれば、水槽用ヒーターで管理を行う事で簡単に水温を維持する事ができます。
無加温飼育の場合には春から秋の間で繁殖を楽しむ事ができます。
日照時間に関しても春から秋の間であれば太陽光を上手く取り入れる事で対応できます。
しかし、室内水槽飼育では窓際などに水槽を置いてしまうとコケの大量発生や夏場の高水温に悩まされる事もあります。
そのような時には水槽用照明がおすすめです。
水槽用LED照明であれば、蛍光灯照明と違い熱を発しないため夏の高水温対策にもなります。
また、水槽用照明をプログラムタイマー管理する事で自動で朝と昼の管理もできるためミナミヌマエビの生活リズムを整える効果もあります。
照明の使用はミナミヌマエビの生活リズムを整えるだけではなく、水槽内の植物プランクトンを増やしたり、ミナミヌマエビの隠れ家となる水草を元気に育てる効果も期待できます。
植物プランクトンの増殖や水草が元気に育つ事で
- ミナミヌマエビの餌が増える
- 光合成により酸素が増える
- 水質が浄化される
- 水草の成長でミナミヌマエビの隠れ家が増える
- 水槽の鑑賞効果も高まる
など色々なメリットがあります。
さらにヌマエビの餌を与える事でミナミヌマエビをより健康的に育てて、繁殖を行うことが出来ます。
ただ、餌の与え過ぎは水が汚れる原因にもなるため水質の維持に対しても意識しなければなりません。
大きめの水槽を使用したり、濾過能力の高いフィルターを使用するなどして水質管理をしっかり行いましょう。
繁殖を行い稚エビが増えることも考えるとミナミヌマエビの単独飼育なら45cm水槽、熱帯魚などとの混泳なら60cm水槽は最低でも欲しいところです。
ミナミヌマエビが安心出来る様に流木やウィローモスなどの水草を多めに入れて隠れ家を沢山作ってあげるのも良い方法です。
水草と流木を両方入れて自然な感じのレイアウトを作りたい時などは流木に水草を活着させたものも売られていますので、そのようなものを購入すると簡単にレイアウトができるようになります。
このようにミナミヌマエビにとって最適な環境が出来たらミナミヌマエビを最低でも10匹は入れてあげましょう。
ミナミヌマエビが卵を産まない原因まとめ
- ミナミヌマエビは水温が低過ぎても高過ぎても産卵しないため適性水温を維持する
- ミナミヌマエビの産卵には水温と共に日照時間も影響するので水槽用照明の設置がおすすめ
- 水質の悪化はミナミヌマエビが体調を崩して繁殖が出来ない原因にもなりかねないので、しっかりとした水質管理が求められる
- 過度な水換えはミナミヌマエビの産卵の邪魔になってしまう事もある
- ミナミヌマエビの産卵には膨大なエネルギーを使うため栄養価の高い餌を与えると良い
- 水草を多めに入れる事でミナミヌマエビの隠れ家となるうえ、植物プランクトンの発生により餌の確保もしやすくなる
- ミナミヌマエビが安心して繁殖できる静かな環境を維持することも大切