ミナミヌマエビが繁殖しないのはなぜ?
ミナミヌマエビの繁殖のコツは?
ミナミヌマエビには繁殖時期がある?
ミナミヌマエビは秋や冬でも繁殖する?
ミナミヌマエビの繁殖水槽の条件とは?
ミナミヌマエビはメダカビオトープでも繁殖する?
こんなミナミヌマエビの繁殖のコツに関する疑問についてご紹介いたします。
ミナミヌマエビが繁殖しないのはなぜ?
ミナミヌマエビはデリケートなエビ類の中で比較的丈夫な種類なため、アクアリウム初心者の方でも飼育しやすい種類です。
そんなミナミヌマエビ飼育の楽しみの一つといえば繁殖です。
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビなどと違い、淡水のみで繁殖が可能なので簡単に増やすことができます。
それほど難しくないはずのミナミヌマエビの繁殖ですが、何故か繁殖しないというケースがあります。
飼育しているミナミヌマエビが繁殖しない原因とは一体なんなのでしょうか?
ミナミヌマエビが繁殖しない原因としては次のようなものが考えられます。
- 繁殖に適した環境が整っていない
- オスメスが揃っていない
- 餌が足りず繁殖する体力が無い
- 老齢の個体が多く繁殖できない
- 抱卵しても脱皮してしまう
- 稚エビが食べられている
繁殖に適した環境が整っていない
水温や水質などの飼育環境が繁殖に適していないとミナミヌマエビは繁殖してくれません。
詳しい条件などは後述しますが、まずはミナミヌマエビの飼育に適した環境を整えてあげましょう。
オスメスが揃っていない
飼育環境が整っているにも関わらず繁殖しないという場合には、オスとメスが揃っていない可能性があります。
アクアショプなどでミナミヌマエビを購入する場合、個体を選べないケースが多々あります。
また、個体を選べたとしても、泳ぎ回るミナミヌマエビのオスメスを確実に見分けるのは簡単ではありません。
そのため、数匹程度しかミナミヌマエビを購入しなかった場合、オスだけであったりメスだけしかいないという事があります。
これでは繁殖しません。
確実にオスメスが一緒になるような匹数を購入するようにしましょう。
餌が足りず繁殖する体力が無い
オスメスが揃ってたとしても、餌不足で体力が落ちていると繁殖できません。
特に、卵を産んで抱卵するメスは体力を大きく消費するため、十分に餌を食べて体力をつけないと繁殖できなくなります。
老齢の個体が多く繁殖できない
飼育している個体のほとんどが老齢の場合も繁殖は難しいです。
ミナミヌマエビは成長すると体長2~3cmほどになります。
そのため、2cm以上の大きさの個体は長く生きている可能性が高く、繁殖できないケースがあります。
抱卵しても脱皮してしまう
また、せっかくメスが抱卵しても、脱皮してしまって卵が落ちてしまう場合があります。
脱皮と共に落ちた卵は孵化しないので、頻繁に脱皮してしまうような環境では繁殖できません。
ミナミヌマエビは成長段階で頻繁に脱皮しますが、これは正常な脱皮です。
しかし、成長してからも水質変化などのストレスで脱皮する事があります。
抱卵したメスが脱皮してしまうのは水質変化などのストレスが原因である場合がほとんどなため、抱卵中は脱皮させないように余計なストレスを与えないよう注意しましょう。
稚エビが食べられている
メスが抱卵して無事に稚エビが生まれたはずなのに一向に数が増えないという場合、稚エビが他の魚に食べられてしまっている可能性があります。
ミナミヌマエビはメダカやグッピーなどの小型魚と一緒に混泳させる事ができます。
これらの小型魚がミナミヌマエビを食べることはありません。
しかし、それは大人のミナミヌマエビだけです。
体の小さな稚エビは食べられてしまいます。
そのため、積極的にミナミヌマエビを増やしたいという場合には、ミナミヌマエビだけの単独飼育が確実です。
以上がミナミヌマエビが繁殖しない原因です。
どれか当てはまるものはないかチェックしてみてください。
ミナミヌマエビの繁殖のコツは?
ミナミヌマエビが繁殖しない原因は分かりました。では、繁殖させるのに何かコツはあるのでしょうか?
ミナミヌマエビを繁殖させるコツやポイントとして次のような点が挙げられます。
- オスメスが一緒になるよう10匹以上で飼育する
- 水温は24℃前後で維持する
- 十分な量の餌を与える
- 頻繁に水換えをしない
- 水草をたくさん入れる
オスメスが一緒になるよう10匹以上で飼育する
ミナミヌマエビを繁殖させるにはオスとメスを一緒の水槽で飼育する必要があります。
しかし、メダカなどの魚と違い、ミナミヌマエビのオスメスを瞬時に見分けるのは簡単ではありません。
そのため、ミナミヌマエビを数匹程度しか用意しなかった場合、全てがオス、もしくはメスだったというケースも少なく無いのです。
確実にオスメスを揃えるにはなるべく多くの匹数を飼育した方が無難です。
最低でも10匹以上は用意した方が良いでしょう。
10匹いれば全てオスやメスである可能性はほとんどありません。
水温は24℃前後で維持する
ミナミヌマエビの繁殖条件として重要なのが水温です。
水温はミナミヌマエビ飼育に最も適している24℃前後を維持するようにしましょう。
水温が20℃以下になると繁殖しなくなるので注意してください。
十分な量の餌を与える
次に、繁殖には体力が必要なので、十分な量の餌を与えるようにします。
とはいえ、他の魚と混泳していたり、水槽内に水草や藻が豊富にあるのならば、特別に餌を用意する必要はありません。
何故なら、他の魚の食べ残しや水草に発生する微生物や藻など、餌が豊富にあるからです。
ミナミヌマエビの単独飼育で、なおかつ水槽内に水草や藻が乏しい場合には、ミナミヌマエビ用の餌を与えてあげてください。
「コメット ヌマエビの主食(沈下性)」などがおすすめです。
頻繁に水換えをしない
ミナミヌマエビのメスがせっかく抱卵しても脱皮してしまっては卵が落ちて孵化しなくなってしまいます。
ミナミヌマエビの脱皮は水質悪化や水質の変化によって促されてしまいます。
水質悪化を気にするあまり頻繁に水換えをしてしまうケースがありますが、これは逆効果です。
しっかりと立ち上げて濾過バクテリアが定着して安定している水槽ならば、1~2週間に1回程度、1/3程度の水換えで十分です。
これ以上の頻度で水換えをしてしまうと、かえって水質が安定しなくなってしまうため、ミナミヌマエビが頻繁に脱皮するようになってしまいます。
水換えは決めた間隔で適度に行いましょう。
水草をたくさん入れる
ミナミヌマエビの繁殖水槽には水草を多めに入れましょう。
水草がミナミヌマエビの稚エビの隠れ家となるため生存率が上がりますし、微生物などの発生が促されるため、ミナミヌマエビの餌が不足する心配が無くなるからです。
ミナミヌマエビの繁殖だけを考えた場合には、水草や藻がワサワサしている水槽の方が適しています。
単独飼育の場合はもちろん、他の魚との混泳水槽でミナミヌマエビを爆発的に繁殖させたいという場合にも、混泳魚が泳ぎづらいくらいの水草があった方が稚エビの生存率が上がるので劇的に増えます。
ですが、それだと観賞性がかなり下がってしまいます。
観賞性も重視したい混泳水槽の場合には、水草を密集させたミナミヌマエビの隠れ家を一箇所に作り、混泳魚の泳ぐスペースはスッキリさせるなどのレイアウトにした方が良いでしょう。
以上がミナミヌマエビ繁殖のコツです。
コツを掴み条件させ整えてあげればミナミヌマエビはどんどん繁殖してくれます。
ミナミヌマエビには繁殖時期がある?
ミナミヌマエビが繁殖するには時期があるのでしょうか?
ミナミヌマエビが繁殖するのは春から秋にかけて、水温が20℃以上で安定する季節です。
そのため、水温が20℃を下回る時期には繁殖しません。
また、ミナミヌマエビは満月や新月の前後に抱卵するとされています。
ミナミヌマエビは秋や冬でも繁殖する?
水温が20℃以上になる春から秋にかけてがミナミヌマエビの繁殖時期ですが、では、秋から冬でも繁殖する事は出来るのでしょうか?
結論から言うと、水温を20℃以上に保ってあげれば秋から冬でも繁殖します。
ミナミヌマエビは水温が20℃を下回るようになると繁殖しなくなります。
そのため、屋外ビオトープで飼育しているミナミヌマエビを秋から冬に繁殖させることはまず不可能です。
ですが、室内飼育のミナミヌマエビであれば、ヒーターなどを使って水温を20℃以上に保つ事で、秋や冬など季節に関係なく一年中繁殖させることができます。
ミナミヌマエビを一年中繁殖させて増やしたいという場合には室内飼育がおすすめです。
ミナミヌマエビの繁殖水槽の条件とは?
ミナミヌマエビを繁殖させるには水槽の環境を整える必要があります。
では、ミナミヌマエビの繁殖に適した水槽環境の条件とは一体なんなのでしょうか?
ミナミヌマエビを繁殖させるには水質を安定させ24℃前後の水温を維持する事が最も重要な条件です。
この条件を満たすために費用な設備として次のようなものが挙げられます。
- 60cm規格水槽
- 底砂
- フィルターなどのエアレーション
- ヒーター
- 水草
初めてアクアリウムに挑戦するという場合に小さな水槽から始める方がいますが、それはとても難易度が高い飼育方法です。
何故なら、水量が多いほど水質や水温の急変を防ぐ事ができ安定しやすくなるため、管理がしやすくなるからです。
水質や水温の安定はミナミヌマエビの繁殖を成功させる大切なポイントなので、水槽サイズは特に重要になります。
おすすめは60cm規格水槽です。
一般的に小型魚の飼育で使われる事の多い30cm規格水槽でもミナミヌマエビを繁殖させることはできます。
しかし、30cm規格水槽の水量は約13リットル程度しか入らないため、水質や水温が変化しやすいです。
一方の60cm規格水槽では約60リットル近くの水が入ります。
これだけの水量があれば水質や水温は安定しやすいですし、何かのきっかけで変化し始めたとしても緩やかに変化していくのでミナミヌマエビの負担は小さくなります。
このような理由からミナミヌマエビの繁殖水槽には60cm規格水槽がおすすめです。
また、必ず底砂を敷いてあげるようにしましょう。
底砂を敷くことでミナミヌマエビが歩きやすくなりますし、底砂に生える藻や微生物はミナミヌマエビの餌になります。
底砂の藻や微生物は稚エビにとっても良い食糧となるので、餌不足による餓死の心配が少なくなり稚エビの生存率が上がります。
ミナミヌマエビ飼育に使用する底砂は田砂や大磯砂など、好みのものを使用してください。
エビ類にはソイルが良いとされていますが、これは多くのエビ類が好む弱酸性の水質を保つためです。
しかし、ミナミヌマエビは弱酸性だけでなく中性の水質でも飼育できるので、必ずしも弱酸性の水質をキープする必要はありません。
そのため、ミナミヌマエビの飼育・繁殖にソイルが必須というわけではないです。
確かに、ソイルは水質の安定に一役買ってくれるのでミナミヌマエビの飼育や繁殖にも適しているのですが、プロホースなどでガシガシ掃除するとソイルが崩れる事がありますし、ソイルの寿命が1年ほどなので全交換する手間などがかかります。
掃除や交換などの管理の手間を考えると、ミナミヌマエビ水槽の底砂には田砂や大磯砂がおすすめです。
ミナミヌマエビの繁殖には水質を安定させることが重要なので、フィルターなどを使ってエアレーションを行ってあげましょう。
フィルターなどを使って水を動かし酸素を送り込むことで、水が澱んでしまうのを防ぐ事ができます。
また、水質の安定を担う濾過バクテリアは酸素が豊富なほど活発になるので、エアレーションをかけた方が濾過バクテリアが働き水質が安定しやすくなります。
水質が安定しないとせっかく抱卵したミナミヌマエビが脱皮してしまい卵を落としてしまう事があるので、フィルターなどでエアレーションを行ってあげましょう。
フィルターを使う際はミナミヌマエビや稚エビが吸水パイプから吸い込まれてしまわないように、ストレーナースポンジやスポンジフィルターを使うようにして下さい。
また、ミナミヌマエビの繁殖には水温を20℃以上に保つ事が大切なので、ヒーターを使って水温が20℃以下にならないように管理しましょう。
ヒーターを使って水温を保つことで、1年中繁殖させる事が可能になります。
ミナミヌマエビの繁殖水槽に水草は必須です。
特別なライトやCO2添加が必要無いウィローモスやマツモ、アナカリスなどの水草をたくさん入れてあげましょう。
以上がミナミヌマエビの繁殖水槽の条件です。これらの条件を満たす環境を用意してあげて下さい。
ミナミヌマエビはメダカビオトープでも繁殖する?
ミナミヌマエビはメダカのタンクメイトとして重宝します。
メダカのビオトープにミナミヌマエビを導入する方も少なくありません。
では、ミナミヌマエビはメダカのビオトープでも繁殖するのでしょうか?
結論から言うと、メダカのビオトープでもミナミヌマエビは繁殖します。
メダカのビオトープには水草などの隠れ家が豊富にあるので、稚エビがメダカに食い尽くされる事が無く、繁殖して数を増やす事が可能です。
メダカのビオトープは屋外にあるので、ミナミヌマエビの繁殖期は気温が20℃を上回る春から秋口にかけてになります。
気温が20℃を下回る秋から冬にかけては繁殖しません。
しかし、ミナミヌマエビは寒さに強く、水温が5℃程度でも適応するので、屋外のメダカビオトープで冬を越える事ができ、春になり暖かくなると再度繁殖を始めます。
屋外のメダカビオトープではメダカの食べ残し以外にも、藻や微生物といったミナミヌマエビの餌が豊富に発生するので、特に餌を与えなくてもどんどん増えていってくれます。
以上のように、メダカビオトープでもミナミヌマエビの繁殖は可能です。
ミナミヌマエビの繁殖のコツまとめ
- オスメスが揃っていなかったり水温が適していないなどが繁殖しない原因
- 確実にオスメスが入るように10匹以上の匹数で飼育する事や水温を24℃前後に保つ事がミナミヌマエビ繁殖のコツ
- ミナミヌマエビの繁殖期は水温が20℃以上で安定する春から秋口にかけてだが、ヒーターで水温を保ってあげれば秋や冬でも繁殖できる
- ミナミヌマエビの繁殖水槽は水量が多く水質が安定しやすい60cm水槽がおすすめ
- メダカビオトープでもミナミヌマエビは繁殖できる
今回はミナミヌマエビの繁殖のコツについてご紹介しました。皆様のミナミヌマエビ繁殖の参考にしていただけると幸いです。