ミナミヌマエビに最適なpHとは?pHショックはなぜ起こる?

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ミナミヌマエビに最適なpH

ミナミヌマエビに最適な水質pHとは?

ミナミヌマエビのphショックの症状とは?

ミナミヌマエビのphショックはなぜ起こる?

水槽の水質が悪化するとphが下がる?

こんなミナミヌマエビ水槽の水質とphの関係についてご紹介いたします。

ミナミヌマエビに最適な水質pHとは?

ミナミヌマエビに最適な水質pHとは、一体どのくらいなのでしょうか?

ミナミヌマエビはエビ類の中では丈夫な種類なので、緩やかな水質変化であれば、pH6からpH7.5程度の弱酸性から弱アルカリ性まで順応します。

何故なら、ミナミヌマエビが元々生息している水質pHが、pH7前後の中性から弱酸性の範囲だからです。

一般的にアクアショップやネット通販などで売られているミナミヌマエビは、自然の河川から採取したものや、養殖して増やしたものが販売されています。

天然のミナミヌマエビが生息する河川の一般的な水質pH値は7前後の中性です。

雨が降るとpH値が下がり弱酸性の水質に変化する事もあります。

養殖のミナミヌマエビの場合、飼育にはカルキ抜きした水道水が使われます。

水道水は水質pH値が7前後の中性に調整されているのが一般的です。

また、原因については後述しますが、ミナミヌマエビなどの生体を飼育している水は、徐々に弱酸性の水質に傾きます。

このように、一般的に販売されているミナミヌマエビが元々生息している水質pHが、pH7からpH6程度の中性から弱酸性なので、この範囲内で飼育するのが最適です。

とはいえ、最初にしっかりと飼育環境を整え、適切な頻度で水換えや掃除を行なっていれば、中性から弱酸性の水質pHを維持する事はそれほど難しく無いので、あまり神経質になる必要はありません。

また、最適なのは弱酸性から中性の範囲ですが、pH7以上の弱アルカリ性でもミナミヌマエビの飼育は可能です。

大磯砂などのように、水槽の底に敷く砂の種類によっては、水質が弱アルカリ性になる事があります。

そのような環境であっても、導入時の水合わせをしっかりと行えば、ミナミヌマエビの飼育は可能です。

ただし、pHが7以上に上がると、生体に有害なアンモニアが発生してしまうため、水質の管理には注意が必要になります。

水槽内のアンモニア濃度が高まると、ミナミヌマエビはアンモニア中毒を起こして死んでしまいます。

pHが7以下の弱酸性の環境では、アンモニアはアンモニウムという害の少ない状態になります。

つまり、pH7以下の環境で飼育した方が、ミナミヌマエビなどの生体に有害なアンモニアの発生が抑えられるため、水質の管理がしやすくなるのです。

このような理由から、弱アルカリ性でもミナミヌマエビの飼育は可能ですが、中性から弱酸性の水質pHの方が、ミナミヌマエビ飼育により最適な環境だと言えるのです。

適切な水質pHを維持し、ミナミヌマエビを健康に飼育してあげましょう。

ミナミヌマエビのphショックの症状とは?

新たに購入してきたミナミヌマエビを水槽に入れたところ、次の日にはほとんどのミナミヌエビが死んでしまった。このような恐ろしいケースがあります。

水槽に導入したばかりのミナミヌマエビが一晩で死滅してしまう原因の一つとして、「pHショック」が考えられます。

ミナミヌマエビがpHショックを起こすと、どのような症状が現れるのでしょうか?

ミナミヌマエビのpHショックの最初の症状として、「水槽内を異常に泳ぎ回る」という行動が見られます。

一見すると、水槽内に放たれたミナミヌマエビが喜び、水槽内を元気に泳ぎ回っているようにも見えます。

しかしこれは、pHショックにより苦しみ、今の環境から逃れようと泳ぎ回っているのです。

通常ミナミヌマエビは、繁殖前の「抱卵の舞」などのように、何か特別な事がない限り、水槽内を元気に泳ぎ回るという姿は、あまり見せません。

基本的には水槽の底や水草の上を歩きながら、ツマツマと餌を探し回るだけです。

そんなミナミヌマエビが導入直後から狂ったように泳ぎ回っているという場合には、pHショックを起こしている可能性が高いです。

さらに症状が進むと、今度はジッとして動かなくなってしまいます。

そして、pHショックの症状が重い場合には、そのまま体を横たえて死んでしまいます。

このように、一気に暴れた後に、急に動かなくなったという症状が見られたら、pHショックを起こしている可能性が高いです。

しかし、pHショックには治療方法がありません。

基本的には、ミナミヌマエビが自力で回復してくれるのを待つしかないのです(別水槽に移してpHショックを起こしたケースでは、元の水槽に戻すという対処をとる事ができますが、必ずしも回復するとは限りません)。

ミナミヌマエビのphショックはなぜ起こる?

では、ミナミヌマエビがpHショックを起こすのは何故なのでしょうか?

その原因は「急激なpHの変化」です。

エビ類の中でも丈夫なミナミヌマエビは、緩やかな変化であれば、pH6程度の弱酸性からpH7.5程度の弱アルカリ性まで順応できます。

しかし、短時間で急激なpHの変化が起こった場合、順応しきれずにpHショックを起こしてしまうのです。

急激なpH変化が最も起こりやすいのが、最初に水槽に導入する際の水合わせです。

購入してきたミナミヌマエビは、水と共に袋の中に入れられていますが、この袋の中の水は自宅の水槽の水とはpH値が異なっている場合が多いです。

メダカなどの丈夫な魚であれば、多少雑な水合わせでも耐えてくれる事がありますが、ミナミヌマエビは順応しきれません。

そのため、ミナミヌマエビを水槽に移す前には、ゆっくりと丁寧に水合わせをする必要があるのです。

理想は、エアチューブとコックを使って行う、「点滴法」という水合わせ方法です。

水槽の水をエアチューブから点滴のようにポタポタと滴下し、徐々に水合わせを行うという方法で、デリケートな生物の水合わせによく使われます。

エアチューブなどを用意できないという場合には、時間をかけて少量ずつ水を換えていくという方法で、比較的安全に水合わせをする事ができます。

以上のように、ミナミヌマエビのpHショックの原因となる、急激なpHの変化を避けて、pHショックを予防しましょう。

水槽の水質が悪化するとphが下がる?

ミナミヌマエビに限らず、水槽の掃除や水換えは手間がかかります。

忙しい時にはついついサボりがちになってしまう事もあるでしょう。

しかし、掃除や水換えを怠ると、水槽内に汚れが溜まり、水質が悪化しています。

では、水質が悪化すると、pHに変化は起こるのでしょうか?

結論から言うと、水質悪化はpHの低下を招きます。

つまり、水質が酸性化してしまうのです。

水質の悪化でpHが下がる原因は、水中に硝酸塩という物質が蓄積してしまうからです。

水槽の掃除を怠ると、水槽内に餌の食べ残しや生体の糞などの汚れが溜まります。

これらの汚れからは、生体に有毒なアンモニアが発生します。

そのままでは有毒なアンモニアを分解してくれるのが「濾過バクテリア」です。

濾過バクテリアのうち、「ニトロソモナス属」と呼ばれるアンモニア酸化細菌がアンモニアを分解し、毒性の弱い「亜硝酸塩」に分解してくれます。

しかし、アンモニアよりも毒性が弱まったとは言え、亜硝酸塩も生体に有害です。

そんな亜硝酸塩をさらに分解してくれるのが、「ニトロバクター属」や「ニトロスピラ属」の亜硝酸酸化細菌です。

亜硝酸塩は亜硝酸酸化細菌によって、ほぼ無害な「硝酸塩」に分解されます。

硝酸塩まで分解されれば生体への悪影響は少なくなりますが、まだ問題があります。

何故なら、硝酸塩はpHを下げてしまうからです。

そのため、水中に硝酸塩が溜まってしまうと、水質がどんどん酸性に傾いてしまいます。

では、アンモニアや亜硝酸塩と同じように、硝酸塩を分解してくれる濾過バクテリアはいないのでしょうか?

硝酸塩を分解してくれる濾過バクテリアは存在します。それは嫌気性バクテリアです。

嫌気性バクテリアは硝酸塩を無害な窒素に分解してくれます。

この、アンモニアを窒素まで分解する流れの事を「窒素循環」と呼びます。

嫌気性バクテリアとは、増殖に酸素を必要としないバクテリアです。

つまり、酸素が無い環境でなければ存在できません。

一方、アンモニアや亜硝酸塩を分解するバクテリアは好気性バクテリアです。

その増殖には酸素が必要です。

つまり、アンモニアから硝酸塩まで全てをバクテリアに分解させるには、酸素が豊富な場所と酸素が届かない場所を作り、嫌気性バクテリアと好気性バクテリアの両方を発生させなければならないのです。

例えば、極端に底砂が厚い場所と薄い所を作ったとしましょう。

すると、厚くした底砂の深い所までは酸素が届かないので、嫌気性バクテリアが発生します。

一方の底砂の薄いところでは、砂の中まで酸素が行き渡るので、好気性バクテリアが発生します。

このように、水槽内に好気性バクテリアと嫌気性バクテリアを同時にバランスよく発生させられれば、水槽内で窒素循環が完成するので、何ヶ月も水換えをしなくても水質維持できてしまうのです。

しかし、実際にこのような環境を作り上げるのは、とても難易度が高いです。

仮に、好気性バクテリアと嫌気性バクテリアのバランスが取れた環境を頑張って作り上げたとしても、水草の植え替えや底砂の掃除、水換えなどの刺激によって、バクテリアのバランスが一気に崩れてしまう恐れがあるのです。

一度バランスが崩れてしまうと、立て直すのに何日もかかってしまうため、その間に水質が悪化し、ミナミヌマエビが死んでしまう恐れが出てきます。

そのため、濾過バクテリアは好気性バクテリアだけを利用し、硝酸塩は水換えで物理的に除去した方が簡単に減らす事ができます。

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硝酸塩を減らす方法としては、水換えの他に、水草などの植物も利用できます。

実は硝酸塩は、水草などの植物が育つために必要な栄養素の一つなのです。

そのため、水槽内に水草をたくさん入れておけば、水草が硝酸塩を吸収してくれるので、水槽内の硝酸塩濃度を下げる事ができます。

アナカリスやマツモのように、成長の早い水草ほど硝酸塩をより多く消費してくれるのでおすすめです。

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ただし、水草をたくさん入れていたとしても、水の汚れのスピードが早ければ硝酸塩濃度は徐々に上がっていくので、やはり定期的な水換えは必要です。

pH低下による水質変化や水質悪化は、ミナミヌマエビの健康を害する恐れがあります。

アンモニアなどの物質は目に見えないので、水槽内の水が綺麗に見えても、水質が悪化している場合があります。

水が透明で綺麗であるにも関わらず、ミナミヌマエビの様子がおかしいと言う場合には、水質が悪化している可能性があるので、pH試験紙などを使って、pHが下がっていないか確認してみて下さい。

pH低下による水質変化もそうですが、何よりも水質悪化による悪影響の方がミナミヌマエビにとって問題なので、定期的な水換えで水質を維持するようにしましょう。

ミナミヌマエビのphまとめ

  • ミナミヌマエビ飼育に最適な水質pHは、pH7からpH6程度の中性から弱酸性
  • pHショックの初期症状は水槽内を激しく泳ぎ回る。より症状が進むと徐々に動かなくなり、最終的には横たわりそのまま死んでしまう
  • pHショックを起こす原因は急激なpH変化であり、新しく水槽に導入する際の水合わせで最も起こりやすい
  • 水質が悪化すると水中に硝酸塩が溜まるため、pHが下がり水質が酸性化する

今回はミナミヌマエビに最適なpHとpHショックの関係についてご紹介しました。皆様のミナミヌマエビ飼育の参考にしていただけると幸いです。

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