ミナミヌマエビの交尾方法は?背中に乗る?
ミナミヌマエビの抱卵の舞とは?
ミナミヌマエビの抱卵の瞬間はどんな感じ?
ミナミヌマエビの繁殖のコツは?
こんなミナミヌマエビの繁殖行動に関する疑問についてご紹介いたします。
ミナミヌマエビの交尾方法は?背中に乗る?
飼育しているミナミヌマエビを観察していると、1匹のミナミヌマエビの背中に、もう1匹が乗るようにしてくっ付いている姿を見る事があります。
一見すると、下になったミナミヌマエビがいじめられている様にも見えてしまいますが、実はこれがミナミヌマエビの交尾方法です。
成熟して繁殖可能となったミナミヌマエビのメスを見つけたオスは、その背中に乗り求愛します。
ミナミヌマエビはメスの方が体が大きいので、大きな個体の背中に小さな個体がくっ付いている状態を見かけたら、それはオスが求愛して交尾をしようとしている状態です。
その後、オスの輸精管から送られた精子は、メスの体内に取り込まれ受精嚢に収められます。
そのような交尾が終わるとメスの体内で受精卵が作られるようになります。
そのため、ミナミヌマエビのメスがお腹に抱える卵には無精卵がほとんど発生しないと言われています。
以上がミナミヌマエビの交尾方法です。
ミナミヌマエビの抱卵の舞とは?
ミナミヌマエビには「抱卵の舞」と呼ばれる現象があります。
抱卵の舞とは一体どのような現象なのでしょうか?
抱卵の舞とは、ミナミヌマエビのメスを追いかけるように、複数のオスが踊るように泳ぎ回る状態の事を言います。
抱卵の舞の最中に、オスはメスと交尾をし、その後メスがお腹に卵を抱えるため、このような名前が付けられているのです。
抱卵の舞が発生するきっかけとなるのが、メスが放つフェロモンです。
成熟して繁殖可能となったミナミヌマエビのメスは、繁殖準備のために脱皮します。
脱皮に伴い放出されるのが、オスを引き寄せるフェロモンなのです。
フェロモンを嗅ぎつけたオスのミナミヌマエビは、一斉にメスの元に集まり、メスの奪い合いが始まります。
このように、メスを求めてオスが一斉に泳ぎ回る様子を、「抱卵の舞」と呼びます。
無事に交尾が終了すると、メスのフェロモン分泌が収まるので、オス達も落ち着き、抱卵の舞は終了します。
抱卵の舞が発生した後は、高確率でメスが抱卵するので、楽しみに待ちましょう!
ミナミヌマエビの抱卵の瞬間
ミナミヌマエビのメスとオスが無事に交尾を終えると、メスは卵を産卵してお腹に抱えます。
ほとんどの場合、気が付いた時にはすでに産卵が終わっており、抱卵している状態になっています。
では、ミナミヌマエビの抱卵の瞬間を見るにはどうすれば良いのでしょうか?
ミナミヌマエビの抱卵の瞬間を始めから見るのは簡単ではありません。
産卵を始めるまで、ずっと水槽に張り付いて観察していなければならないからです。
しかし、いくつか抱卵し始めてから観察することは比較的容易です。
ミナミヌマエビのメスは、交尾をしてから数時間から1日程度で産卵を始めます。
産卵は2~3時間かけて行われることが多いです。
抱卵の舞が発生し、交尾が成功したら、メスが抱卵していないか、30分から1時間おきくらいの間隔で確認しましょう。
タイミングが合えば、抱卵しているところを観察することができます。
産み落としたばかりの卵は黒や濃い緑色をしているので、このような卵を数個抱えているメスは抱卵途中です。
胸の付け根にある輸卵管から卵を産卵しお腹に抱える様子を、ぜひ観察してみてください。
ミナミヌマエビの繁殖のコツ
ミナミヌマエビはエビ類の中でも丈夫な種類です。
そのため、繁殖も比較的容易で、あっという間に増えていきます。
しかし、中にはミナミヌマエビがなかなか増えないというケースもあるでしょう。
ここでは、ミナミヌマエビの繁殖のコツについてポイントを簡単にまとめます。
ミナミヌマエビを繁殖させるコツは次の5つです。
- 一度に10匹以上の匹数を飼育する
- ミナミヌマエビだけの単独飼育にする
- 水温を20℃から25℃に維持する
- 底砂を敷く
- 水草を多めに入れる
ミナミヌマエビはメス1匹だけで単為生殖できる生物ではありません。
そのため、繁殖させるにはオスとメスを揃える必要があります。
しかし、体の小さなミナミヌマエビのオスメスを瞬時に見分けるのは簡単ではありません。
そのため、アクアショップなどで2~3匹程度の匹数しか購入しなかった場合、同じ性別ばかりになってしまう可能性が高いです。
ですが、10匹以上の匹数であれば、同じ性別だけになるという可能性はほとんどありません。
オスメスを確実に揃えるために、10匹以上の匹数を一度に購入し、飼育するようにしてください。
ミナミヌマエビはメダカなどの小型魚のタンクメイトとして有名です。
ミナミヌマエビは大人しい性格のエビなので、他の魚を襲うことはありません。
また、性格の穏やかな種類の小型魚であれば、ミナミヌマエビを襲う事が無いため、混泳させることができます。
他の魚との混泳を楽しめるミナミヌマエビですが、積極的に繁殖させたい場合は、ミナミヌマエビだけの単独飼育にしましょう。
何故なら、生まれたばかりの稚エビが混泳魚に食べられてしまうからです。
確かに、メダカなどの性格の穏やかな小型魚は大人のミナミヌマエビは食べません。
しかし、体の小さな稚エビは別です。
稚エビはメダカなどの小型魚の大好物なので、どんどん食べられてしまうのです。
中には水草の中に隠れながら成長する稚エビもいますが、どうしても生存率が下がってしまいます。
ミナミヌマエビだけの単独飼育であれば、稚エビが食べられる心配が無いので、稚エビの生存率が上がり、どんどん数を増やしてくれます。
ミナミヌマエビを爆殖させたいなら、単独飼育にしましょう。
ミナミヌマエビを繁殖させる上で最も重要なのが「水温」です。
自然界に生息するミナミヌマエビの繁殖期間は、水温が20℃以上に上がる春から夏にかけてです。
水温が20℃以下の環境では、いくらオスメスが揃っていても繁殖してくれません。
そのため、水槽内の水温を20℃以上に保つ事が、ミナミヌマエビを繁殖させる上で最も重要です。
では、水温が20℃以上なら何℃でも良いのかというと、そうではありません。
ミナミヌマエビは酸欠に弱いため、高水温が苦手です。
28℃以上の水温になると死んでしまう可能性が高くなります。
ミナミヌマエビの調子が上がる適温は20℃から25℃程度なので、繁殖させる際には20℃から25℃をキープするようにしましょう。
上記の温度を維持し続ければ、1年中繁殖させることが可能です。
ミナミヌマエビを繁殖させる水槽には、必ず底砂を敷いてあげましょう。
ベアタンクよりも底砂を敷いた方がミナミヌマエビが歩きやすくなりますし、何より底砂に沸く微生物がミナミヌマエビの餌になります。
体の小さな稚エビは、主に微生物を食べて大きくなるので、底砂を敷いて稚エビの餌を豊富に発生させてあげましょう。
また、水草も多めに入れてあげましょう。
水草はミナミヌマエビの隠れ家に最適です。
ミナミヌマエビは臆病な生物なので、隠れ家があった方がストレスが少なくなり、安心して過ごすことができます。
ストレスが少ない環境だと繁殖もしやすくなります。
また、水草に発生する苔や藻、微生物などは、親エビや稚エビの餌となるので、水草が豊富だと餌切れの心配が無く安心です。
以上がミナミヌマエビを繁殖させるコツです。
これら5つのコツを最低限押さえておけば、ミナミヌマエビは繁殖してくれます。
小さく可愛らしいミナミヌマエビをたくさん増やしてみてください!
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ミナミヌマエビの繁殖行動まとめ
- ミナミヌマエビのオスはメスの背中に乗って求愛し、お腹に回り込むようにして交尾をする
- 抱卵の舞とはオスがメスを追いかけて泳ぎ回る様子のこと。
- 繁殖可能となったメスが脱皮し、フェロモンを発する事がきっかけとなり発生する
- メスは交尾から数時間から1日程度で産卵するので、交尾後はこまめに様子をチェックすることで抱卵する瞬間が観察できる
- ミナミヌマエビの繁殖のコツとしては、オスメスを揃えて水温を20℃以上に保つなどのポイントがある
今回はミナミヌマエビの繁殖行動に関する疑問についてご紹介しました。皆様のミナミヌマエビの繁殖の参考にして頂けると幸いです。