
ベタのオスメスは一緒に飼育・混泳できる?
ベタのオスメスが喧嘩するのは相性の悪さ?
ベタのオスメスを同じ水槽で飼育する方法は?
ベタのオスメスで飼いやすさは違う?
こんなベタのオスメスの混泳や飼いやすさに関する疑問についてご紹介いたします。
ベタのオスメスは一緒に飼育・混泳できる?
ベタはオスの方がヒレが長く体色も鮮やかで美しいため、一般的にはオスのベタを飼育している方が多いでしょう。
しかし、ベタのオスは気性が荒いため、オス同士を一つの水槽で混泳させることはできません。
そのため、飼育するオスのベタの数だけ水槽が必要になります。
では、オス同士の混泳は無理でも、ベタのメスとオスの混泳はできるのでしょうか?
結論から言うと、繁殖期以外ではベタのオスはメスであっても攻撃してしまうので、ベタのオスとメスを常時混泳させることは一般的にはできません。
しかし、ベタの種類や条件によっては混泳できるケースもあります。
一般的によく見かけるベタは「改良ベタ」と呼ばれる種類です。
改良ベタとは、よりヒレが長く美しく、体色も鮮やかになるように交配を繰り返すことで作られた品種です。
ヒレや体色を美しく仕上げるにはフレアリングが欠かせません。
フレアリングは縄張りを主張する際などに見せる攻撃的な反応です。
そのため、改良ベタは攻撃性が高い個体が多い品種だと言えます。
改良ベタに対して「ワイルドベタ」と呼ばれる品種がいます。
ワイルドベタとは簡単に言うと原種のベタの事を指して言います。
ベタ・スプレンデンスなどの種類が有名です。
ヒレは短く色合いも地味ですが、原種ならではの味わい深さがあり、熱心なベタブリーダーの方達に高い人気がある品種でもあります。
このワイルドベタは人の手があまり入っていないので、改良ベタに比べると性格が比較的穏やかです。
そのため、オスとメスを一緒の水槽で混泳させる事が可能な品種でもあります。
ただし、ワイルドベタの中にもたまに気性の荒い個体がいるので、100%混泳が成功するわけではない点に注意してください。
このように、比較的性格が穏やかな種類のワイルドベタであれば、オスとメスを常時混泳させる事が可能です。
しかし、一般的によく見かける改良ベタは攻撃性が高いため、オスとメスを常時混泳させることは難しいです。
ただし、条件によっては改良ベタのオスメスを混泳させられる場合もあります。
いずれにしてもベタのオスメスの混泳には相性などが関係し、100%成功するとは限らないため、基本的にはそれぞれ別の水槽で飼育することをおすすめします。
ベタのオスメスが喧嘩するのは相性の悪さ?
ベタのオスとメスを一緒の水槽に入れたら喧嘩をしてしまったと言う場合、それは相性の悪さが原因なのでしょうか?
先程もお話しした通り、改良ベタのオスは気性が荒く攻撃性が高いため、メスであっても攻撃します。
そのため、ベタのオスとメスを常時一緒の水槽に入れておくことは基本的にはしません。
ベタのオスとメスを一緒の水槽に入れるのは繁殖時のみです。
この繁殖行為の際に喧嘩をしてしまうと言う場合、次のような原因が考えられます。
- しっかりお見合いさせなかった
- 相性が悪い
- メスの方が大きく強い
ベタのオスが泡巣を作り始めたら繁殖が可能になった合図です。
もし繁殖を希望する場合にはこの時期にオスとメスをお見合いさせてペアリングします。
この時、お見合いをさせなかった、もしくは短時間でお見合いを切り上げてすぐに一緒の水槽に入れてしまったと言う場合、オスがまだメスを受けれていないために攻撃してしまう可能性が高くなります。
最低でも1日かけてじっくりとお見合いさせてください。
しっかりとお見合いさせてからオスのいる水槽にメスを入れると、オスは最初メスを追いかけ回します。
この行為が喧嘩と見えてしまうかもしれませんが、オスがメスのお腹あたりを突くようにして追い回しているのなら、それは喧嘩ではなく交尾を促している行為なので大丈夫です。
この時、お腹ではなく体やヒレなどを執拗に突いている場合、それは相性が悪くオスが攻撃している証拠なので、一旦メスを別の水槽に避難させて下さい。
メスの体力が回復してから再度お見合いからスタートしても良いですが、どうしても相性が悪いオスとメスだと何回チャレンジしてもうまくいかないので、その場合は別のペアで試してみると良いですね。
また、オスよりもメスのベタの方が大きく強い場合、メスがオスを追いかけ回して攻撃するというケースもあります。
このように、ベタのオスとメスが喧嘩をしてしまう原因はいくつかありますが、相性の良し悪しは大きな要因です。
相性が悪い場合は色々手を施してもダメな時はダメなので、その時は他に相性の良い組み合わせを探した方が良いですね。
ベタのオスメスを同じ水槽で飼育する方法は?
改良ベタのオスとメスは基本的に同じ水槽では飼育できません。
しかし、条件によっては飼育できる場合もあります。
では、ベタのオスとメスを同じ水槽で飼育するにはどのような方法があるのでしょうか?
ベタのオスメスを一緒に飼育するための条件は次の通りです。
- 水槽は60cm以上の大きなものを使う
- オスは泳ぎの苦手な種類を選ぶ
- 緩やかな水流をつける
- 水草を多めに入れる
まず必要なのは大きな水槽です。
これはオスにメスが攻撃された際に逃げるスペースを十分に確保するためです。
最低でも60cm水槽、できれば90cm以上の水槽を用意するようにしましょう。
最も大切なのがオスのベタの種類です。
オスのベタは必ずハーフムーンやダブルテールなどのヒレが長く泳ぎが苦手な種類を選んでください。
何故ならベタのメスはヒレが短く機動力が高いため、ハーフムーンなどの泳ぎが苦手なオスであれば攻撃されても逃げ切れるからです。
オスでもプラカットのようなヒレが短く機動力の高い種類にはメスも追いつかれてしまうので、ヒレの長い泳ぎの苦手なオスを選びましょう。
さらに、フィルターなどで緩やかな水流を作ってあげることで、よりメスがオスから逃げやすい環境を作ります。
通常ベタは流れの無い止水域を好みますが、ヒレの短いメスは少し水流があっても問題なく泳げますので、よりオスの攻撃から逃げのびやすくなります。
ただし、泳ぐのが苦手なオスのベタは水流が苦手なので、オスの体力消耗を少なくするために、あくまでも緩い水流にして下さい。
また、水草も通常より多めに入れてあげましょう。
水草を多めに入れることでオスの機動力が下がると共に、水草がメスが逃げ込める隠れ家になるからです。
以上のような方法で飼育すれば、オスとメスを同じ水槽で飼育できる可能性が高くなります。
ただし絶対ではありません。
オスの性格や相性によって成功率は変わるので、もし上記の方法でもメスが攻撃されてしまう場合は、無理に混泳させずに単独飼育に変更して下さい。
ベタのオスメスで飼いやすさは違う?
一般的に販売されているのはオスのベタの方が多く、メスのベタはあまり見かけません。
これはオスのベタの方がヒレや体色が美しく鑑賞性が高いからでしょう。
しかし、最近ではメスのベタも美しい個体が増えてきているため、購入する機会があるかもしれません。
では、ベタのオスとメスで飼いやすさに違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、オスもメスも飼育方法に大きな違いは無いため、飼いやすさは変わらないと言えるでしょう。
違いがあるとすればフレアリングの必要性くらいです。
オスは1日5分程度フレアリングをさせなくてはいけませんが、メスは基本的にフレアリングしないので必要ありません。
そのほか、給餌や水換えなどの飼育方法は同じなので、ベタのオスメスで飼いやすさに大きな違いは無いと言っていいでしょう。
しかし、これが「混泳での飼いやすさ」となると話は別です。
何故ならオスとは違いメス同士ならば混泳で飼育することが可能だからです。
メスのベタはオスほど気性が荒く無いため、一つの水槽で複数匹飼育する混泳が可能になります。
ただし以下の点には注意が必要です。
- 3匹以上で飼育すること
- メスでも気性の荒い個体がいるのでその場合は単独飼育にすること
メス同士を混泳させる場合は、必ず3匹以上で飼育して下さい。
何故なら、2匹だけだと、どちらか強い個体が弱い個体を常に追い回す事になるからです。
オスに比べてメスの方が気性が穏やかとは言え、やはりベタなのである程度の攻撃性は持っています。
そのため、メス同士の混泳であっても自分よりも弱い個体には攻撃的になり追い回すケースが出てきてしまうのです。
水槽に2匹しかいないと強い個体と弱い個体それぞれ1匹ずつしかいないので、弱い個体は常に追い回される結果となります。
これが3匹以上になると、それぞれが牽制し合うため、特定の1匹が追い回されるという心配が少なくなります。
そのため、メスのベタを混泳させる場合には、一つの水槽に3匹以上の多めの匹数で飼育すると言うのが、メスベタを混泳飼育する上での最大のポイントになります。
また、メスのベタでも稀にオスのように攻撃性の高いメスがいます。
そのような個体は他のメスを見境なしに追い回して攻撃してしまうため、その場合はこのメスだけ別水槽で単独飼育するようにして下さい。
以上のように、ベタのオスとメスで飼いやすさに大きな違いはありませんが、混泳飼育はメス同士の方が飼いやすいです。
最近ではメスのベタでも色彩が鮮やかで美しい個体が出てきているので、そのような美しいメスの個体同士で混泳させるのもおすすめですよ。
ベタのオスメスの混泳飼育まとめ
- ワイルドベタはオスメス一緒に混泳させやすいが改良ベタは難しい
- ベタのオスメスが喧嘩する原因の一つに相性の悪さがある
- 大きめの水槽や泳ぎの苦手なオスベタを選ぶなどの条件によっては改良ベタでもオスメスを一緒の水槽で飼育することが可能な場合もある
- オスメスで飼いやすさに大きな違いはないが混泳飼育しやすいのはメスのベタ