ネオンテトラの白点病とは?原因は?
ネオンテトラの尻ビレに白い点があるのは病気?
ネオンテトラの白点病は自然治癒する?
白点病に塩浴は効果がある?やり方は?
ネオンテトラの白点病に最適な薬は?
こんなネオンテトラの白点病に関する疑問についてご紹介いたします。
目次
ネオンテトラの白点病とは?原因は?
ネオンテトラが発症する病気に「白点病」という病気があります。
白点病とは一体どのような病気なのでしょうか?
また、発症する原因は何なのでしょうか?
白点病はネオンテトラの体に粗塩のような小さな白い点が現れる病気です。
初期はヒレの末端などに数粒程度の白い点が現れます。
そのまま放置していると数日であっという間に全身に広がってしまい、全身を白点に覆われたネオンテトラはやがて衰弱して死んでしまいます。
また、白点病がエラに感染すると呼吸困難を起こし死に至ります。
白点病の原因はハクテンチュウと呼ばれる寄生虫
進行が早く危険な白点病の原因となるのが、「ハクテンチュウ(ウオノカイセンチュウ)」という寄生虫です。
繊毛虫の一種であるハクテンチュウがネオンテトラに寄生することで白点病は発症します。
実は白点病の特徴である白い小さな点は、魚に寄生したハクテンチュウの姿です。
ハクテンチュウは魚の養分を吸って、分裂・増殖を繰り返していきます。
そのため、白点病の白点は日によって位置や数が変わるという特徴があります。
では、ハクテンチュウは一体どこから水槽内に入り込むのでしょうか?
ハクテンチュウが水槽内に自然発生することはありません。
ハクテンチュウは生体導入時などに外部から持ち込むことで発生します。
新しく購入した生体の体表などにハクテンチュウが付いていて持ち込んでしまうケースが多いので、これを防ぐために購入してきた個体は数日間、別容器でトリートメントすると安心です。
ただ、ハクテンチュウが水槽内に侵入したからといって、必ず白点病が発症するわけではありません。
白点病が発症するにはいくつかの条件があります。
- ネオンテトラの免疫力が低下している
- 水温が25℃以下の低水温の時
ネオンテトラの免疫力が低下していると白点病にかかりやすい
健康で免疫機能がしっかりと働いているネオンテトラにはハクテンチュウは寄生する事ができません。
何らかの原因で免疫力が落ちている場合にハクテンチュウに寄生され発症します。
新規購入時など飼育環境が大きく変わる時にはネオンテトラのストレスとなり、一時的に免疫力が低下することもあります。
25℃以下の低水温時に白点病は発症しやすい
また、ハクテンチュウは高水温が苦手なため、30℃前後の水温で飼育していると、白点病はほぼ発症しません。
ハクテンチュウが好むのは25℃以下の低水温です。
25℃以下の低水温になると宿主を求めて活発に動き出します。
また、低水温はハクテンチュウの動きを活発にするだけではなく、ネオンテトラなどの熱帯魚の免疫機能を下げてしまう要因でもあるので、より白点病を発症しやすくなるという点にも注意が必要です。
水温が下がりやすい季節の変わり目や冬場などは、ヒーターを使って25℃以上の水温に保つことが大切です。
水槽用ヒーターは設置してあるヒーターの許容水量に対して水槽の水量が多すぎると水槽内の水をしっかり温められない場合があります。
また水槽の外気温が極端に低い場合などもヒーターの性能不足で温めきれない場合がありますので注意が必要です。
水槽用ヒーターを設置してあっても毎日水温計を確認してしっかり水温が保たれているか確認するようにしましょう。
さらに水換えに使用する水も冷たい水ではなく、しっかりとヒーターで温めたものを使用して極端な水温変化が起こらないようにしましょう。
ネオンテトラの尻ビレに白い点があるのは病気?
「ネオンテトラを観察してたら尾ビレに白い点が。これって病気?」
ネオンテトラの尾ビレに白い点が現れたとしたら、それは病気の可能性があります。
ただ、尾ヒレが白い=白点病というわけではありませんのでしっかりとした見極めが必要です。
考えられる病気は以下の通りです。
- 白点病
- 尾ぐされ病
- 水カビ病
これらの病気はどれも初期症状として尾ビレに白い点のようなものが現れます。
どの病気も尾ビレが白くなったり白い点が現れるという症状は似ています。
しかし、原因や症状の進行具合、重篤度は違うため、それぞれの病気に合った治療法を行う必要があります。
そのためにはそれぞれの病気を正確に見極めなければいけません。
どの病気に罹っているのか見極められるように、それぞれの病気の特徴についてご説明します。
白点病
- 細かな白い点が尾ビレの縁に現れる
- 尾ビレだけでなく体表ならどこにでも白点ができる
- 白点の数が一気に増える
- 白点の数や位置が変化する
尾ぐされ病
- 尾ビレの縁が白く濁り、その周りが充血する
- 尾ビレの縁から根本にかけて徐々に進行していく
- 口やエラにうつる事がある
水カビ病
- 白いフワフワとした綿のような物が現れる
- 急激に増えることは無い
これら3つの病気の中で、一番細かい白い点が現れるのが白点病です。
また、症状の進行が早く、数日で白い点の数が一気に増えます。
尾ビレだけでなく体表にも無数に白点が広がるのが特徴です。
尾ぐされ病の場合、尾ビレの縁から症状が現れます。
その後、尻尾の付け根に向かって徐々に広がっていきます。
症状の進行と共に、尾ビレの膜の部分が腐ったように溶けてしまうのが特徴です。
水カビ病は基本的に、外傷などをきっかけに二次感染を起こし発生します。
フワフワとした白い綿のような物が現れ、徐々に大きくなっていきます。
最初に発生した場所を中心に徐々に大きくなるので、極端に離れたところにうつる事はありません。
このように、尾ビレに白い点のようなものができるという初期症状は似ていますが、白点の形状や症状の進行具合の違いにより判別することが可能です。
それぞれ治療薬や治療方法に違いがあるので、しっかりと見極めて適切な治療を行いましょう。
ネオンテトラの白点病は自然治癒する?
ネオンテトラの白点病は、そのまま放置しても自然治癒する事はあるのでしょうか?
残念ながら白点病は自然治癒しません。
白点病は進行が早いので、自然治癒に期待して放置してしまうと、あっという間に全身に広がってしまいます。
さらに事態はそれだけに止まりません。白点病をそのまま放置すると、水槽内の他のネオンテトラにまで感染が広がる恐れがあります。
すでに白点病を発症した個体がいるという事は、水槽内の環境がハクテンチュウが繁殖するのに好ましい状態になっていると考えられます。
そのような環境のまま放置すると、ハクテンチュウはどんどん増殖し、他のネオンテトラにまで感染が拡大しかねません。
水槽全体に白点病が広がってしまったら、水槽を完全にリセットするしか方法がありません。
このように、白点病は自然治癒しないばかりか、放置することで感染を広めるリスクがあるので、発症したネオンテトラはすぐに隔離して治療しましょう。
白点病に塩浴は効果がある?やり方は?
観賞魚の病気治療の第一選択に挙げられるのが「塩浴」です。
では、白点病にも塩浴は効果があるのでしょうか?
もしあるなら、どのようなやり方で塩浴を行えば良いのでしょうか?
白点病に対する塩浴の効果
結論から言うと、塩浴でハクテンチュウが死ぬ事はありません。
ですが、発症初期でネオンテトラの体力もある場合なら、塩浴で治るケースもあります。
基本的にハクテンチュウなどの寄生虫を塩浴の塩分濃度で殺すことはできません。
ですが、弱らせる事はできると言われています。
そのため、塩浴でハクテンチュウを弱らせ、同時に塩浴の効果でネオンテトラの体力が高まり免疫力が上がれば、白点病が治る事もあります。
塩浴による白点病の治療方法
塩浴による白点病の治療方法は次のとおりです。
- 0.5%の塩分濃度で塩浴させる
- エアレーションで水の劣化を防ぐ
- 水温は28℃~30℃にする
- 水換えを毎日行う(全換水)
治療用の塩分濃度は0.5%程度にします。水1リットルあたり塩5gで0.5%の塩分濃度の塩水ができます。
塩水は痛みやすいのでエアレーションをかけましょう。
水温は28℃~30℃ほどの高水温に保ちます。
高水温にする理由は、ハクテンチュウの生命サイクルを早めるためです。
ハクテンチュウは魚に寄生する「ホロント(仔虫)」、成虫になり魚から離れ底に沈み分裂・増殖する「シスト」、仔虫が放出され寄生する魚を探す「遊走子」というように、成長段階によって形態が変化します。
この生命サイクルを早めると何が良いのかというと、物理的にハクテンチュウを取り除きやすくなります。
ハクテンチュウは魚に寄生し仔虫から成虫に成長します。
この寄生している時は塩や薬は効きませんし、体表から取り除くことも困難です。
しかし、十分に成長し水槽の底に沈んでシスト化したものは、水換えで取り除くことができます。シストが無くなれば新たな仔虫は放出されません。
また、シストから放出された仔虫(遊走子)も、水替えによって取り除く事ができます。
このように、生命サイクルを早めながら毎日全換水することで、効率よくハクテンチュウの数を減らす効果が期待できます。
しかし、塩浴ではハクテンチュウを殺す事ができないと言う点で、薬浴よりも治療効率が下がります。
また、すでに全身に広がったような白点病を塩浴で治しきるのは困難です。
より効率良く白点病を治療できるのは薬浴なので、白点病は初期から薬浴で治療することをおすすめします。
ネオンテトラの白点病に最適な薬は?
ネオンテトラの白点病には塩浴よりも薬浴の方がより治療効果が高いことが分かりました。
それでは、白点病にはどのような薬を使って治療すれば良いのでしょうか?
白点病の治療には、メチレンブルー系やマラカイトグリーン系の薬を使います。
具体的には以下のような薬です。
- メチレンブルー
- グリーンFリキッド
- アグテン
- ヒコサンZ
これらの薬を使って治療します。
メチレンブルー系の薬は着色性が強いので、本水槽ごと治療する場合にはアクセサリー類を取り除いておきましょう。
治療方法は隔離容器を使うか本水槽ごと薬浴するかの2通りです。
白点病を発症したネオンテトラが1匹~2匹と少なければ、発症した個体のみ隔離容器に移して治療します。
複数匹発症しているなら、すでに本水槽内にハクテンチュウが蔓延している可能性が高いので、本水槽に直接薬を入れて治療します。
ただし混泳水槽の場合には、本水槽ごと薬浴するか判断に迷うところです。
白点病は熱帯魚の種類によって発症のしやすさに差があります。
そのため、ネオンテトラは発症しても、その他の熱帯魚には発症しないというケースもあるので、この場合はネオンテトラのみ他の水槽に移し薬浴する方が効率的でしょう。
また、本水槽内にハクテンチュウが残っていたとしても、水温を高めに設定するなどして寄生されにくい環境を作ってあげれば、発症確率が下がります。
このように、飼育環境によって、隔離して治療するか本水槽ごと薬浴するか判断すると良いですね。
薬浴での白点病治療方法も、基本的には先に挙げた塩浴での治療方法と同じです。
水温を高めに維持しながらエアレーションをかけ、毎日全換水します。
ハクテンチュウを完全に駆除し切るまでには2週間程度かかるので、しっかり時間をかけて治療していきましょう。
ネオンテトラの白点病まとめ
- 白点病はハクテンチュウという寄生虫が原因
- 白点病は自然治癒せず進行が早いので放置は危険
- 白点病の初期は塩浴で治癒する事もある
- 白点病治療にはメチレンブルー系やマラカイトグリーン系の薬を使う
今回はネオンテトラの白点病に関する疑問についてご紹介しました。皆様のネオンテトラ飼育の参考にしていただけると幸いです。