水槽ヒーターの選び方と注意点

熱帯魚とは読んで字のごとく熱帯地域や亜熱帯地域に生息する淡水魚の総称です。
熱帯地域と言えばその国に行ったことの無い方でも(私も行ったことがないのですが・・・)なんとなく想像はつくと思いますが高温多湿で一年中温かい気候に恵まれた環境がそこにはあり日本のように冬になると雪が降るようなことはありません。
目次
水槽にヒーターを入れる理由
日本でも温かい夏場などは特に問題ありませんが、冬場など気温がぐっと下がる時期には、やはりヒーターなどで温度管理をしてあげ、水槽の中ではアマゾンや東南アジアなどの熱帯地域と同じ環境を作ってあげなければなりません。
熱帯魚の中でも日本の河川などに野生化して生息している種もありグッピーを近所の小川で捕まえてきました。
なんてコメントを聞いたこともありますが、これは非常に稀なケースで日本でも暖かい南の方の地域や温泉などの源泉が河川に流れ込んでいることにより水温が安定していることなどがあげられます。
四季があり、季節によっては10℃以下になるような日本の自然環境では熱帯魚は基本的には生きていけません。
個人で熱帯魚を飼育するうえであえて過酷な環境にすることもないのでヒーターなどの水温調整器具をいれてあげる必要があるのです。
ヒーターの種類と適正水量

ヒーターは大きく分けて温度固定型のヒーター単体のものと温度調節型のサーモスタット型に分けられます。
熱帯魚飼育で使用されるヒーターはセラミックや石英管などが主流で水槽の底面に据え置くタイプが一般的ですが、中には底床内に設置するラインヒーターなどもあります。
さらにヒーターも年々進化し、空焚き防止機能やトラッキング(プラグの発火)対策を施した製品などもありますので検討材料とするのもいいかもしれません。
ヒーターを選ぶ際に必ず確認しなければいけないことがそのヒーターのワット数です。
ワット数とはそのヒーターが持ち合わせた温める力と思っていただければ問題ありません。
ヒーターといっても50Wくらいのものから500Wくらいのものまで様々で、水槽が大きくなればそれだけ水量も増えますので温める力が必要となってきます。
水槽の大きさに対して小さめのヒーターを使用すると設定温度に達するまでに時間がかかるためにヒーターの通電時間が長くなります。
そうなるとヒーターに負担がかかり製品寿命を縮めてしまうことになりますのでヒーターのワット数は水槽の大きさに合わせて選ぶようにしましょう。
水槽の大きさとヒーター選びの目安

水槽サイズに対するヒーターの必要なW数の目安は水槽の水量30リットル~40リットル に対し100Wが基本です。
よって30cm水槽ですと水量12リットル程度ですので一番小さなワット数のヒーターで問題ありません。
60cm水槽になると水量が56リットルから68リットル程度になりますので150Wか200Wのヒーターは用意したいところです。
ただここで言うところの30cm水槽や60cm水槽とはあくまでも規格水槽での水量の話であり近年では様々なスタイルの水槽が販売されているため同じ60cm水槽と言っても形状で水量が変わってくることもありますのであくまでも水量を意識した計算をしてくだい。
バイメタル式サーモスタットとは
サーモスタットとは水槽内の水温を一定に保つために水温が高くなるとヒーターの電源を切り、低くなると電源を自動的に入れてくれる器具です。
サーモスタットには構造の違いからバイメタル式と電子式の2タイプがあります。
バイメタル式とは温度により収縮率が変化する2枚の金属を張り合わせたバイメタルの特性を利用し通電させるサーモスタットです。
水温の調整はサーモスタットに取り付けられているつまみでバイメタルの反り加減を調整することで行います。
このタイプのサーモスタットは長期間使用しているとバイメタルの接点が汚れてきて接触不良を起す場合がありますので定期的な点検が必要です。
電子式サーモスタットとは
電子式サーモスタットとはICを利用したセンサーが水温を感知し温度調整を行うものです。
小型のセンサー部分を水槽にいれ表示された水温の位置にダイヤルを回すだけで温度管理ができるので初心者向きです。
電子式サーモスタットはバイメタル式に比べ若干高価ですが、バイメタル式に変わって登場したものなのでやはり使い勝手が良くお勧めです。
ヒーター使用時の注意事項
ヒーター使用時の注意点は大型魚が暴れた際にヒーターが水槽などにぶつかって破損しないようにすることで、このような事故を防ぐにはヒーターカバーなどを利用することをお勧めします。
温度設定に対する注意事項ですがヒーターやサーモスタットを使用した温度調整は冷たい水を暖める為のものですので温度設定をしても冷やすことはできません。
よって夏場などで水槽の温度が気温と同じくらいになるような時期になったらヒーターは水槽から出し、ゴムの部分などの破損を確認し保管しておきましょう。
またヒーターの寿命は2年~3年です。ヒーターが故障して知らぬ間に水温が低下して帰ってきたら熱帯魚が弱っていたなんてことがないように早め早めの交換をお勧めします。
水温チェックも忘れずに
ヒーターを設置したから水温は安定するのでもう安心!確かに間違いではありませんが、ヒーター任せにしないで必ず水温計を設置し毎日のチェックを怠らないようにしましょう。
毎日の水温チェックは熱帯魚の健康管理の大事な項目です。
熱帯魚は暑くても寒くても声に出して私たちに伝えることはできませんので体調を崩して弱ってしまってから後悔しても遅いことになります。
ヒーターにも寿命がありますのでいつの日かまったく動作していないことがあるかもしれませんし、家族が間違えてヒーターのコンセントを抜いてしまうことがあるかもしれません。
また夏場などは設定温度以上に外気の影響で水温が上昇してしまっているかもしれません。
そんな異変にすぐに気がつけるように毎日の水温チェックは欠かさずに行うようにしましょう。
水温計も様々なものが販売されており留守中の最高水温や最低水温を記録してくれる優れものもありますので、夏場など家を留守にする際の水温が気になる方などにはお勧めです。