
プラティを飼育していると繁殖管理や水槽レイアウトの都合からオスとメスをきちんと把握しておきたい場面が必ず出てきます。
増えすぎに悩むアクアリストも多いなかで、性別の見分け方を最初にしっかり理解しておくことは、長く楽しく飼育するうえでとても大切な基礎知識といえます。
ゴノポディウムの尻ビレの形
プラティの性別を見分けるうえで最も確実な方法は、尻ビレの形状を確認することです。
尻ビレとは尾ひれと腹びれの間に位置するひれのことで、性成熟したオスではこの尻ビレが棒のように固くまっすぐな形に変化します。
一方メスの尻ビレは、ひらひらとした通常のひれのままです。
このオスの尻ビレが変化した交接器は「ゴノポディウム」と呼ばれ、雌雄を見分ける際にはその有無で判断するのが最も簡単です。
プラティはグッピーやモーリーと同じカダヤシ目に属する卵胎生の魚で、オスが体液をメスの体内に送り込む必要があるため、このような特殊な繁殖器官が発達しました。
ゴノポディウムは性成熟に達するまで現れないため、ゴノポディウムが確認できればその個体が性成熟を終えたオスであると断言できます。
逆にゴノポディウムが見当たらない個体はメスか、まだ未成熟なオスということになり、この二者を判別するのはやや難しい面があります。
体の大きさや体型にも差がある
尻ビレ以外にも体のサイズという点でオスとメスには明確な差があります。
体長はオスで4〜5cm程度、メスで5〜6cm程度とメスのほうが一回り大きい傾向があります。
また、メスには扇のようなヒレがあり、体つきもオスより大きくなります。
妊娠しているメスであれば、さらに特徴がはっきりと現れます。
妊娠したメスは腹部が大きく膨らむため、明らかに腹部が大きくなっている場合は妊娠している可能性が高いといえます。
稚魚の段階ではいつから見分けられるか
生まれたての稚魚の性別を目で見て判断するのはほぼ不可能です。
稚魚の性別をはっきり判別できるようになるまでには数か月かかるといわれています。
ただし、2か月ほど経過すると尻びれの大きさに差が出てきます。
ヒレが大きく丸みを帯びた三角形のような形であればメス、鋭角的で小さめであればオスの傾向があります。
2か月が過ぎたあたりから各個体の尻びれを注意して観察するようにして、ゴノポディウムが確認できたらオスの水槽に移すのがよいでしょう。
まれに起こる性転換という現象
プラティの性別に関して知っておきたいもう一つの事実が、性転換の存在です。
プラティの遺伝子はX染色体・Y染色体のほかにW染色体を持ち、性転換を行う個体もいます。
プラティのような卵胎生の熱帯魚では、環境や群れの構成によって性転換のような現象が起きることがあります。
特にメスしかいない環境では、繁殖を維持するために一部のメスがオス化するという説もあります。
性転換で確認されるケースの多くは、メスがオスへ変化するパターンです。
品種改良を繰り返す過程で起こるようになった現象ではないかという見方もあります。
知らないうちに水槽のオスとメスのバランスが変わっていたということが起こりうるのはこのためです。
繁殖を管理したい場合は定期的に尻ビレを確認する習慣をつけておくと安心です。