
プラティは丈夫な魚として知られていますが、飼育環境が乱れると病気にかかることがあります。
病気の早期発見に大切なことは「変化に早く気づくこと」です。
毎日エサを与える際に泳ぎ方やヒレの状態、食欲の有無をよく観察する習慣をつけておくだけで、多くの病気は初期段階で発見できます。
プラティの体調不良のサイン
プラティが体調を崩しているときの共通したサインとしては、各ヒレを畳んでじっとしていたり、元気がなくなったりする様子が挙げられます。
前日まで餌を食べていたプラティが次の日に全く食べなくなったり、底でじっとしていたり、水面に浮かんでいるという症状が見られたら、何かの病気を疑うべきです。
このような変化はどの病気にも共通して現れることが多いため、異変に気づいた時点ですぐに隔離水槽を用意し、様子を詳しく観察することが先決です。
白点病
白点病は熱帯魚や観賞魚に見られる寄生虫病で、2mm程度の白い粒状の斑点が体につきます。
尾びれなどの末端から感染し始め、やがてエラまで広がり衰弱していきます。
ウオノカイセンチュウという寄生虫が原因で、繁殖速度が非常に速いため早急な治療が必要です。
プラティ系の小さい熱帯魚は特にかかりやすいとされており、飼育者にとってもっとも遭遇しやすい病気のひとつといえます。
初期のサインとして見逃しやすいのが、体表をこすりつけたり、普段と違う行動をする場合です。
そのような行動は白点虫の寄生によるかゆみからくる行動で、まだ白い点がはっきりと見えないうちから現れることがあります。
発病した個体は同じ種類の熱帯魚と全く違う動作を繰り返し行うので、すぐに分かります。
治療については、自然治癒は基本的にしません。
消えたように見えても白点虫が水中を遊泳しているだけで、再び寄生します。
一度発症したら水槽全体を薬浴する必要があります。
薬の選び方としては、アグテンなどのマラカイトグリーン系の薬は効き目が早いですが、メチレンブルー系のほうが魚への刺激が少なく、初心者も扱いやすいといった特徴があります。
粗塩を使用する場合は水槽の水の0.5%になる量(1リットルで約5グラム)を入れ、最大1週間そのまま飼育しますが、塩分は水草を枯らしてしまうため、水草がある場合は別の容器でプラティのみを隔離して治療するほうが安心です。
尾腐れ病(カラムナリス感染症)
尾ぐされ病は観賞魚によく見られる病気です。
初期症状はヒレの先端や縁が白く濁り、その周囲が赤く充血することがあります。
病気が進行するに従い、白濁はヒレの根元の方へと拡大し、ヒレの先端部から裂け始め、重症魚になるとヒレは扇を裂いたようになり、病魚は衰弱して死に至ります。
この細菌は尾部以外にも感染し、口に感染すれば口腐れ病、エラに感染すればエラ病と呼び方が変わります。
これらを総じてカラムナリス感染症と呼びます。
この菌はタンパク質を溶かしますので、放置してしまうとヒレがみるみる溶けたように短くなっていきます。
進行が速いうえに重症化すると治療は難しく、かかってしまうとあまり予後の良くない病気であるため、ヒレの先端が少しでも白く濁り始めたと感じたら迷わず対処に踏み切ることが重要です。
初期は水換えのみで治療可能ですが、治らない場合はグリーンFゴールド顆粒などの抗菌剤で薬浴を行います。
エルバージュエース、グリーンFゴールドなどの黄色の抗菌剤が有効です。
また、尾ぐされ病の原因には水質の悪化、魚の新規導入や追加、輸送や網によるスレ傷、魚の免疫力の低下などが挙げられますので、治療と並行して飼育環境の見直しも必ず行いましょう。
松かさ病(立鱗病)・エロモナス感染症
プラティが発症することも少なくない松かさ病は、ウロコを包んでいる鱗嚢(りんのう)に水が溜まってウロコが逆立ってしまう病気です。
この状態が松ぼっくりのように見えるため「松かさ病」と名付けられました。
鱗が逆立ち身体が松かさ(松ぼっくり)のようになる、鱗の下に分泌液が溜まり腹部が膨張して体表が赤く充血してくる、ポップアイ(目玉が外側に隆起してくる)といった症状は運動性エロモナスにより発症するといわれています。
初期症状としては、鱗が少しずつ浮いてくる、身体が膨らんでくる、泳ぎ方が多少鈍くなるなどが挙げられます。
初期段階では餌を食べるし元気なことが多いため、外見の変化を見逃しやすいのが厄介なところです。
全身のうろこが完全に逆立った症状はすでに末期で重症化している可能性が高く、体表各所で内出血が起こり、腸管の炎症や腹水の貯留なども起きていることが多い状態ですので、できるだけ早い段階で気づくことが命取りになります。
エロモナス菌は細菌のため、対応する薬を用いた治療を行います。
薬浴期間は薬剤の種類や濃度にもよりますが、合計10日前後程度で一度魚の様子を見て、終了か継続か判断しましょう。
松かさ病に有効な薬としてはグリーンFゴールドが有名です。
白点病と違い、水温を高温にするのではなく、適温を維持することが重要です。
この病気は進行がとても早いので早急な処置が必要です。
原因菌であるエロモナス菌は水槽内で常時生息している常駐菌ですが、水質の悪化や急激な温度変化などで熱帯魚の体調が崩れた場合に病気が発症してしまいます。
水カビ病
体表やヒレに綿状のカビが発生する病気です。
この病気は単体で発症することはあまりなく、大抵の場合、外傷または尾腐れ病、穴あき病などによって生じた傷口から二次的に発生します。
見た目には白や灰色のふわふわした綿のようなものが体表に付着するため、比較的早期に発見しやすい病気ではあります。
一次原因が外傷であり、発見が初期であれば比較的治りやすい病気です。
一次原因が他の病気である場合や発見が遅れた場合は対処が難しくなります。
治療にはメチレンブルーが幅広く使われており、粘液の過剰分泌によって白く見える場合は水換えをしてきれいな水質を保ちましょう。
症状が改善しないようであれば塩水浴が効果的です。
病気にさせないための日頃の心がけ
プラティなどの卵胎生メダカの仲間はどちらかというとやや硬度の高めのアルカリ性に傾いた飼育を好みます。
したがって、極端にpHの低い酸性の飼育水下では鰭をすぼめてくねくねと泳ぐような動作を見せることがあります。
こうした場合、病気ではなく水質そのものが問題であることも多く、飼育水の半分くらいを新しい水に交換することで、薬など用いることなく回復してくれることは意外と多いものです。
病気の根本的な原因としてはストレス、免疫力の低下などが挙げられ、過密飼育を避けたり、定期的な水替えやフィルターの洗浄、傷がつくのを避けるため水槽内に飾るアクセサリーなどの突起に気をつけることが必要です。
どんな病気も発症してから治すよりも発症させない環境を整えることが何より大切です。
日々のわずかな観察時間が、プラティの命を守ることにつながります。