
プラティは卵ではなく、すでにお腹の中で孵化した状態の稚魚を直接産む「卵胎生」と呼ばれる繁殖形態を持っています。
そのため、他の卵生魚のように卵を採取して孵化させるという手間が不要で、繁殖の難易度そのものは高くありません。
しかし、産まれたばかりの稚魚はまだ体が小さく、成魚や混泳魚と一緒にしておくと餌と間違えられて食べられてしまったり、体をつつかれたりして多くの個体が死んでしまいます。
せっかく産まれた命を守るためには、適切なタイミングで隔離することが非常に重要です。
出産が近いサインを見逃さない
プラティはおよそ1ヶ月周期で産仔します。
一度産仔を経験すれば、そこから逆算すればおよその時期が見当がつきます。
とはいえ、初めて飼育する場合は逆算が難しいため、メスの外見から判断する必要があります。
グッピーとは異なり、プラティの場合は腹部の卵や稚魚が透けて見えることがほとんどないため、出産のタイミングの見極めが非常に難しいです。
それでも、出産前にはいくつかのサインが現れます。
腹部の黒い部分がやや赤みを帯びて透けて見えるような変化が確認できたら、出産が近い兆候の一つです。
お腹がパンパンに膨らんでいるにもかかわらず産仔の気配がない場合は、換水による刺激を与えると一両日中に産仔を始めることが多いです。
隔離のベストタイミングと注意点
出産が近いメスを市販の産卵ケースに移動させたり、別の水槽に隔離することで保護するとよいでしょう。
ただし、産卵ケースに入れっぱなしにしておくとストレスからか産まなくなってしまうことも多々あります。
そのため、メスに余計な負担をかけないようにお腹の膨らみや行動の変化など複数のサインを総合的に見て、隔離するタイミングを判断することが大切です。
産卵ケースの使い方としては、出産間近の親魚を隔離し、出産するまで放置するだけです。
生まれたての稚魚は遊泳能力が低く底面に行く性質を利用して、ケース内でも親が子供を食べることがないような仕組みになっています。
また、親魚を隔離箱の中で出産させて、すべて産み終わったら親魚だけを本水槽に戻すという方法も管理しやすく、稚魚の保護という点で非常に効果的です。
産卵ケースだけに頼らない保護の工夫
産卵ケースだと仔の数がとれないこともあります。
下部のスリットから避難する前に、親魚に食べられてしまう可能性がかなり高いです。
数を多く確保したいのであれば、小型水槽にウィローモスなどの水草を大量に繁茂させ、その中で産ませると親魚のストレスも少なく、また稚魚も沢山取れます。
プラティの稚魚は特に逃げるのが上手で、水草の陰や隙間にひっそりと隠れて成魚をやり過ごします。
また、自分で餌を捕食できるので、いつの間にか水槽内で大きくなっているということも少なくありません。
水草をうまく活用することで、産卵ケースを用いなくても一定数の稚魚を守ることが期待できます。
稚魚のいる間は餌を頻繁に与えてひもじい思いをしないようにしてやれば、親魚が稚魚を捕食しようとする行動を抑える効果も期待できます。
本水槽へ稚魚を戻すタイミング
隔離して育てた稚魚をいつ本水槽に戻すかも稚魚の生存に直結する重要なポイントです。
体長が2cm以上になれば親に食べられる心配はほとんどなくなりますので、最低でも1ヶ月程度はサテライトでの育成をするようにしましょう。
少しでも早く大きくなるように餌はブラインシュリンプを与えるとほかの餌と比べると育ちも良く、本水槽に戻せる時期も早められます。
増やしすぎへの注意
プラティの繁殖は非常に旺盛で、一度の出産で10〜30匹以上の稚魚を産み、出産回数を重ねると産まれる匹数も多くなります。
多い時で数十匹も産み、それを頻繁に繰り返すため、その都度の稚魚を全部守っているとプラティだらけになってしまうという声も飼育者の間では少なくありません。
稚魚を全て隔離して育てることが必ずしも最善とは言えず、水槽の収容能力や飼育環境に合わせて、繁殖の管理を考えることも大切な視点です。