ディスカスの飼育環境を維持する飼育数と水換え。ディスカス飼育において飼育数と水換えはとても重要な管理項目と言えます。
過密水槽は水質の悪化を早めるうえ、正しい水換えを行っていなければ、さらに水槽の環境維持は難しいものとなってしまいます。
目次
ディスカスの最適な飼育数
過密水槽は水質の悪化を早めるだけではなく、狭すぎるとディスカスがちょっと暴れただけで傷だらけになってしまいますし、遊泳スペースの狭さがストレスとなることもあります。
基本的な上部フィルターを設置したベアタンク式のディスカス水槽であることを条件に水槽サイズから考えるディスカスの最適な飼育数の目安をご説明いたします。
60cmレギュラー水槽(60×30×36cm)の場合
5cm前後の幼魚であれば7~12匹くらいは飼育可能です。
10cm前後の若魚であれば5~8匹くらいは飼育可能です。
15cm以上の親魚の場合は2匹(ペア)のみの飼育が望ましい。
60cmワイド水槽(60×45×45cm)の場合
5cm前後の幼魚であれば15匹前後は飼育可能です。
10cm前後の若魚であれば10匹前後は飼育可能です。
15cm以上の親魚の場合は5匹前後は飼育可能です。
90cm水槽(90×45×45cm)の場合
5cm前後の幼魚であれば30匹前後は飼育可能です。
10cm前後の若魚であれば15匹前後は飼育可能です。
15cm以上の親魚の場合は10匹前後は飼育可能です。
上記が水槽サイズ(水量)から考えたディスカスの飼育可能飼育数です。
この飼育数を目安にご自身の飼育スキルや飼育経験をもとに飼育数を決めていくといいでしょう。
飼育数が多ければそれだけ水槽内は華やかになりますが、その分毎日の世話にも多くの時間を割くことになるうえ、水槽の水質も悪化しやすいということを理解しておきましょう。
また月日を追うごとにディスカスが成長すれば、自ずと新しい水槽が必要になってくることも考える必要があります。
もし、水槽サイズの変更や水槽の増設が将来的にできないのであれば、飼育当初から大きくなった時のことを考えて飼育数を決める必要もあるはずです。
水換えの必要性と周期
水槽にろ過フィルターを設置していても水換えは必ず必要となる作業です。
ディスカス飼育は小型カラシンなどを飼育する水槽に比べても水換えの頻度が高いものです。
その理由はディスカスが大型で沢山の餌を食べることやその餌の種類にも関係しています。
ディスカスのエサはディスカスハンバーグと呼ばれる牛のハツやエビなどを原材料にしたものや、冷凍赤虫、ドライフードなどで、それらのエサは食べ残しなどにより水を汚しやすくなります。
よって食べ残しがあればネットなどで救って取り除く、取りきれない細かいものがバクテリアに分解され、水質が酸性に傾きだしたら、水換えにてpHが低下するのを防ぐようにします。
餌の食べ残しやディスカスの排泄物がろ過バクテリアに分解されることにより最終的に蓄積する硝酸塩が水槽内に溜まって水質が悪化することを防ぐ目的で水換えは行われます。
よって水換えの周期は硝酸塩が蓄積せずに良質な水質を保てる周期で行えれば問題ありません。
常に新しい水を供給する考え方で毎日1/3~1/4の換水を行う方法もあります。
仕事の都合などで毎日の水換えは無理という方にはpHの降下を目安に水換えを行う方法もあります。
目安としてはpHが6.0前後になる頃に水槽の1/5程度の水換えを行うようにします。水道水のpHはおおむね中性ですので水換えによって少しpHが上がります。
水換えはこまめに少量ずつ行うほうがディスカスにとってもストレスが少なくて済みますので、週に何回と決めるよりも水換えができるときは、こまめに行う方がトラブルが少なくて済みます。
ディスカス水槽の水換え方法
水槽内では水面よりも水槽の底の方から水質が悪化し始めます。その理由は餌の食べ残しや排泄物が沈殿し、分解されていくからです。
よって水換えは水面近くの水を掬い出すような方法ではなく、水槽の底に溜まった有機物(ゴミ)を一緒に排出する要領で行います。
その為には水槽の底の方の水を効率よく吸い出すことが必要ですので、プロホースなどを利用して水換えをおこなうようにしましょう。
プロホースとはダブル弁方式で上下に数回振るだけで排水がスタートし、砂利の中の汚れと古くなった飼育水を同時に掃除することができる掃除アイテムです。
プロホースを定期的に使用することで、面倒な全体掃除が不要になり、観賞魚の健康を促進します。
砂利などを敷かないディスカスのベアタンク水槽でも底面のゴミを吸い出すのに効果的です。