
プラティはメキシコや中米原産の熱帯魚で、アクアリウムの入門魚としてよく知られています。
水質の管理に神経質にならなくても大丈夫なほど丈夫な魚ですが、だからといって水換えをおろそかにしていいわけではありません。
水換えはプラティが健康に長生きするうえで欠かせないケアであり、頻度や手順を間違えるとかえってストレスを与えてしまうこともあります。
ここでは、初めてプラティを飼う方が迷いやすい水換えの考え方とストレスをかけない具体的な手順を詳しく説明します。
水換えが必要な理由
まず、なぜ定期的に水換えをしなければならないのかを理解しておきましょう。
水換えをしないまま水槽を放置すると魚たちが食べ残したエサや排泄したフンが水槽を汚し、水槽内の水の水質悪化をもたらすなど、有害物で満ちていきます。
水が透明に見えていても油断は禁物です。
水の状態が目視でクリーンに見えたとしても水槽内に発生している有害物質や、生体の病気の原因となる病原菌の発生状況については、実際に数値を調べてみないことには測りかねる部分があります。
見た目にきれいな水でもアンモニアや亜硝酸塩といった目に見えない有毒物質が蓄積していることは珍しくありません。
これらは魚のえらや体に直接ダメージを与え、免疫力を低下させます。
プラティは丈夫とはいえ、こうした有害物質が慢性的に蓄積した環境では体調を崩しやすくなりますし、最終的には病気や死亡につながることもあります。
水換えには汚れた水を直接排出するだけでなく、ミネラルや微量元素を補給して水質を整える役割もあります。
だからこそ、定期的な水換えが必要なのです。
水換えの適切な頻度
では、どのくらいの頻度で水換えをすればよいのでしょうか。
一般的な60cm以下の水槽であれば、水替えは1〜2週間程度に1回程度行うのが適切です。
ただし、これはあくまでも目安であり、飼育している匹数や水槽の大きさ、フィルターの性能によって変わってきます。
水槽のサイズ別に見ると小型水槽(10〜30L)は週1回、中型水槽(30〜60L)は10日に1回が目安です。
プラティのみを数匹飼育しているのであれば30〜45cmの小型水槽でも十分ですが、小さな水槽ほど水量が少なく水質が変化しやすいため、こまめな水換えが求められます。
また、毎日水を換えることで水槽内の環境が落ち着かず、生体にストレスが掛かってしまい、生体が病気にかかりやすくなったりします。
やりすぎも禁物で、頻度が多すぎると水槽内のろ過バクテリアが定着しにくくなり、かえって水質が不安定になります。
「きれいにしたい」という気持ちから毎日水換えをしてしまう初心者の方がいますが、週に1〜2回程度が現実的な上限と考えてください。
一度に換える水の量
水換えの頻度と同じくらい大切なのが、一度に換える水の量です。
大切なことは、『水換えは一度に全部交換してはいけない』ということです。
水質の大きな変化は、お魚たちにとって住まいの環境が大きく変化し、お魚たちに計り知れないショックを与えることになるからです。
1回の水換えで交換する水の量は、おおよそ1/3〜1/2程度が一般的な目安です。
水槽の水をすべて入れ替えてしまうとせっかく定着したろ過バクテリアまで失ってしまいます。
ろ過バクテリアはアンモニアを分解する重要な役割を担っており、これが減ってしまうと水質が一気に悪化します。
一度に換える量は全体の3分の1程度を守ることを習慣にしましょう。
新しい水の作り方:カルキ抜きと水温合わせ
水換えで最もつまずきやすいポイントが、新しく入れる水の準備です。
水道水をそのまま水槽に注いではいけません。
日本の水道水には「カルキ(塩素を含んだ成分)」が含まれており、熱帯魚やメダカ、金魚などといった魚類全般はカルキに対する抵抗力が弱く体調を崩してしまう可能性があります。
さらに塩素の害を受けるのが、水槽内の水をきれいにするバクテリア類です。
カルキ抜きには市販の液体タイプの中和剤が最も手軽でおすすめです。
液体塩素中和剤は、水槽の水量に対して入れる量が書かれているため瞬間的にすばやく確実にカルキを抜くことができます。
規定量を守って使えば混ぜた瞬間にカルキが中和されるので、初心者でも安心して使えます。
ただし、入れすぎは逆効果になることがあるため、必ず使用量を守ってください。
カルキ抜きと並んで重要なのが水温合わせです。
水換えの水作りで重要な事は水温合わせとカルキ抜きです。
水槽の水温はヒーターで保っているにも関わらず、足し水の温度は測らないで足してしまうという思い込みが熱帯魚や濾過バクテリアなどに大きなダメージを与えてしまっているかもしれません。
プラティは25〜26℃前後の水温を好みます。
冬場の水道水はヒーターで保温された水槽の水とかなりの温度差が生じることがあります。
水温計で飼育水の水温と大きく違わないかを確認してください。
おおよそ−1度〜+2度までならそれほど影響は受けませんので、これを目安に調整を行いましょう。
バケツに汲んだ水に水温計を入れ、水槽の水温と近い温度になるようにお湯を少しずつ混ぜながら調整するのが確実です。
ストレスを与えない水換えの手順
準備が整ったら、実際の水換え作業に移ります。
以下の順番で進めるとプラティへの負担を最小限に抑えられます。
まず、ヒーターやポンプなど水槽に接続している電化製品のコンセントを抜きます。
これは感電防止のためにも、機器保護のためにも必ず最初に行ってください。
次にプロホース(底床クリーナー)やホースを使って水槽の底に溜まったフンや食べ残しを吸い取りながら、水槽全体の3分の1程度の水を排出します。
底の汚れを吸い出すことが水換えの大事な目的のひとつですが、このとき強く吸いすぎてプラティを驚かせないように静かに作業しましょう。
ガラス面にコケが生えている場合は、この段階でスポンジで落としておくと後の掃除が楽になります。
水を排出したら、あらかじめ準備しておいたカルキ抜き済みで水温を合わせた新しい水を水槽に注ぎます。
このとき、足し水をそのままドバドバと入れてしまうと水槽中が大騒ぎになってしまい、
沈んでいる有機物などを巻き上げてしまうこともあります。
水流が直接プラティに当たらないように水槽の壁面に向けてゆっくり注ぐのがコツです。
シャワーヘッドのような拡散ツールを使うとさらに優しく注げます。
水換え後は機材のコンセントを戻し、水槽全体の様子をしばらく観察してください。
水換え直後はベタが水質の変化に反応してか、フンをしやすいです。
プラティでも同様の反応が見られることがあります。
水換え直後にフンが多く見られたら、スポイトなどで取り除いておくと水質の維持に役立ちます。
また、水換え後1時間程度はエサを与えるのを控えると、プラティが新しい水の環境に落ち着きやすくなります。
水換えが必要なサインを見逃さない
定期的なスケジュール以外にも、プラティの様子や水の状態を見て水換えのタイミングを判断することが大切です。
水質悪化のサインとして、異臭がする場合は水質がかなり悪化している可能性が高いので、すぐに水換えを行ってください。
水が白く濁り始めたり、水面に泡が消えずに残るようになったりした場合も水換えのサインです。
プラティの行動にも注目しましょう。
水面近くで口をパクパクさせている(鼻上げ)、いつもより動きが鈍い、底のほうで じっとしている、といった変化が見られたときは水質が悪化している可能性があります。
こうした変化は定期的な水換えを行っていれば防げることが多いため、日頃からプラティをよく観察する習慣をつけることが飼育の基本といえます。