初心者アクアリストにも人気の高いカージナルテトラ。
そのカージナルテトラを上手に飼育する方法をご紹介しています。
飼育方法のみならず、カージナルテトラとネオンテトラの違いや混泳、寿命、水槽サイズと適正数、好む水質などカージナルテトラを飼育するうえでの知識満載です。
カージナルテトラの飼い方
カージナルテトラ(カーディナルテトラ)は飼育が容易な事から初心者入門魚としても広く知られており、熱帯魚飼育をはじめようと思われている方にお勧めの熱帯魚です。
カージナルテトラは南米アマゾン川の支流、ネグロ川流域などを原産地とする小型カラシンで熱帯魚ショップでもネオンテトラと並んで非常に人気のある熱帯魚でもあります。
カージナルテトラとネオンテトラの違い
カージナルテトラとネオンテトラとの違いは腹部の鮮やかな赤いラインが頭部まで入っている事で、しっかりと飼い込んだ成魚になるとその赤みはさらに鮮やかさを増してきます。
写真はネオンテトラです。
価格的にはネオンテトラよりも若干高めですが(ショップによってはほとんど変わらないショップもあります。)
ネオンテトラはカージナルテトラに比べ、成魚になっても体長がやや小ぶりである事や鮮やかさの面でも控えめな点がありますので、その点で価格差があると思えばどちらを飼うかをメリットで検討する事が出来るかもしれません。
カージナルテトラの群泳と混泳
カージナルテトラは一匹や二匹でも綺麗ですが、水草水槽に20~30匹程度の群れで泳がせた時の鮮やかさは素晴らしいものです。
カージナルテトラなどの小型カラシンは敵から身を守るために群れる習性がありますので、その習性を上手く利用して優雅な水槽を作り上げる事が出来ますが、逆にその習性が仇となってしまう事もありますので注意が必要です。
例を挙げると水草水槽でカージナルテトラの遊泳スペースを考えずに前景にボリュームを持たせたレイアウトにしてしまうとカージナルテトラは遊泳スペースを求めて後景に追いやられてしまう事もあります。
また頻繁に水槽の前を人が横切ったり水槽の側が騒がしかったりすると怯えて後景に身を潜めてしまう事もありますので、その辺に注意しカージナルテトラが安心して泳げる水槽を維持するようにしてください。
カージナルテトラの混泳に対しては同じ大きさの小型カラシンやコリドラス、オトシンクルスなどの掃除屋との混泳も容易にできます。
もし、カージナルテトラの繁殖を考えるのでしたら、混泳は避け単独飼育が望ましいでしょう。
混泳水槽にするか、単独飼育水槽にするかは飼育スタイルの違いですが、カージナルテトラのように温和な小型熱帯魚は色々な種類の熱帯魚と混泳できるのが飼育の楽しみでもあります。
水槽内でも遊泳空間の違いから、上層部を泳ぐ種類の熱帯魚、中層部を泳ぐ種類の熱帯魚、底床付近を泳ぐ熱帯魚など住み分けをすることもできます。
その中でも底砂付近をちょこちょこと動き回り、エサの食べ残しなどを掃除してくれる小型ナマズのコリドラスは混泳対象魚として非常に人気があります。
カージナルテトラがメインの水槽なのにコリドラスの愛くるしさにコリドラスファンになってしまうなんて人も多いようです。
水槽サイズと適正数
カージナルテトラのように群れをなす事で魅力を引き立たせる事の出来る熱帯魚はどうしてもそれなりの数を水槽内に泳がせたくなるものです。
しかし、ここで気をつけなければいけないのが水槽サイズに合わせた飼育適正数です。
色鮮やかな熱帯魚は多ければ多いほど群れて泳ぐ姿は美しいものですが、長期育成と言った面で考えると闇雲に沢山入れれば良いというものでもありません。
それでは一番使い勝手のいいとされる60cm水槽ではどの位の数が適正数となるのでしょう。
ネット上ではよく1リットルに対して1匹などの例えがありますが、あくまでも大まかな例えでありあまり信憑性はありません。
その理由として水槽内に入れる熱帯魚の大きさや種類により様々ですので、その種により水槽内の環境を見ながら適正数を把握しなければならないからです。
それでは水槽に入れるカージナルテトラの適正数はどのように判断したらいいのでしょうか。
適正数を決めるための大事な要因は何と言っても熱帯魚が元気に育つ事が出来る環境を維持できるかどうかです。
言われてみれば当たり前の事ですが、意外とこの事を忘れ観賞する側の気持ちを優先してしまうことが多いようです。
確かにカージナルテトラを沢山入れれば見栄えはしますが、過密飼育は長続きはしないものです。
生体が多ければその分、水も汚れやすくなりますし、汚れた水をろ過できるろ過能力が無ければやがて水質の悪化により熱帯魚は病気になってしまいます。
よって水槽立ち上げ時のまだ水質が安定していない時期には沢山入れたい気持ちを抑え、少し寂しいかなくらいの数で飼育するようにしましょう。
私の経験から言えばろ過フィルターを設置した60cm水槽であればはじめは20匹ほど投入し、水質が安定してきたら少しずつ数を増やすようにします。
もし数を増やしてみて以前より水が汚れやすくなったと感じるようならそれ以上数を増やすのは抑えた方がいいかもしれません。
カージナルテトラの餌と寿命
餌はなんでも良く食べますが、テトラミンやテトラプランクトンなどを与えると魚の活力を増進するとともに、美しい色彩を保つ事が出来ます。
栄養バランスのいい餌を与える事で鮮やかな色彩を保つ事ができ、さらに丈夫に育てる事も出来ますのでしっかりとした餌の管理はカージナルテトラの寿命にも影響すると言っても過言ではありません。
野生のものは約一年程度の寿命ですが、水槽で上手に飼えば普通に2,3年は生きるものもいます。
カージナルテトラの好む水質
カージナルテトラなどの小型カラシンは水質の悪化には強いですが古い水には弱い面があり、水が古くなると白点病やエロモナス病にかかりやすくなりますので定期的な水換えを行って水質を保つようにしてください。
カージナルテトラが好む水質はアマゾン川流域が原産のため弱酸性のPH6.5~7程度が最適ですが適応範囲は広く、そんなにシビアになることはありません。
水温も24℃~28℃くらいが理想水温ですが、あまり低めに設定すると白点病などに罹りやすくなるため26℃以上を保てるように設定しましょう。
水槽の温度管理はヒーターさえ設置しておけばさほど難しいものではありませんが、夏場の暑い時期は高水温になりがちですので注意が必要です。
水温が上がると水槽内の酸素濃度は低下し、30℃を越えたあたりから活動が鈍りだす事もあります。
もしカージナルテトラがあまり動かずにじっとしていたりふらつくように泳ぐ姿を見せたら水温を下げる為の処置が必要となります。
カージナルテトラの繁殖
カージナルテトラの繁殖は可能ですが、かなり難しく上級者向きで、混泳水槽での繁殖はまず不可能と言えます。
カージナルテトラの繁殖が難しい理由は幾つか挙げられますが、産卵された卵が小さく成魚に食べられやすい事や孵化率が低い事、稚魚の時期の管理が少々難しい事などがあります。
逆にこれらの問題を上手くクリア出来れば繁殖は可能になります。
カージナルテトラに限らず、小型カラシン全般に繁殖方法は似ており、底砂上にメスが卵をばら撒くように産卵し、そこにオスが受精させますので産卵直後の卵は食べられやすい上にメダカ類などに比べ孵化率が低くなってしまうのです。
よって本水槽で産卵させる場合には、産卵時に上手く卵を受けるようなケースを入れ、産卵が確認できたら即座に本水槽から取り出し飼育水槽に移すような方法を取ります。
また産卵用水槽を用意し産卵が確認できたら親魚を本水槽に戻す方法もあります。
産卵用水槽には飼育水槽の水を使い産卵床としてウイローモスなどの細かい水草を底面に敷くようにいれます。
次にスポンジフィルターか投げ込み式フィルターなどでエアレーションを行い酸素濃度をしっかり確保するようにします。
これで産卵用水槽の準備は完了です。
次にカージナルテトラを産卵用水槽に移すタイミングですが、飼育水槽内でオスがメスを追い回しているようでしたら問題ありません。
逆にお腹の大きなメスがいるのにオスに何も産卵のアクションが見られないときはピートエキスを数滴いれたり、水換えの間隔を短くして刺激をあたえ産卵を促します。
飼育水槽にペアを移して5日ほどしても産卵をしないときは別のオスに変えてみてください。
産卵は早朝や夕方に多くおこなわれますので産卵が確認できたら親は飼育水槽に戻し静かにエアレーションを続ければ稚魚が誕生します。
稚魚は生まれてすぐには親魚と同じ餌は食べられませんので稚魚には インフゾリアや 稚魚用配合飼料などを与えるようにしましょう。
ネオオンテトラの繁殖についてまとめた記事がありますので参考にしてみてください。