ベタのヒレがボロボロに溶ける原因はなに?
ベタのヒレがギザギザに裂ける原因は喧嘩?ストレス?
ベタのヒレは薬浴や塩浴で治る?
ベタのヒレは元の姿に再生するのか?
ベタのヒレを綺麗に育てる方法はある?
こんなベタのヒレの症状についてご紹介いたします。
ベタのヒレがボロボロに溶ける原因
ベタ飼育において気が付いたらベタのヒレがボロボロになっていたなんてことが稀にあります。
ベタのヒレが急にボロボロに溶けてしまう原因はなんなのでしょうか。
その原因は大きく分けて3つです。
- 病気によるもの
- ストレスによるもの
- 外傷によるもの
病気によってヒレがボロボロになる
ベタのヒレがボロボロになってしまう病気に「尾ぐされ病」があります。
尾ぐされ病は、水中に常在している「カラムナリス菌」という細菌に感染することで起こります。
尾ぐされ病にかかると、ヒレの先端が白く濁り、その周りが赤く充血したようになります。
その後、症状が進むと鰭条(きじょう)を残してヒレが溶けてボロボロになります。
尾ぐされ病は進行の早い病気ですので、見つけたら早めの治療が大切です。
ストレスによってヒレがボロボロになる
次に考えられるのが「ストレス」です。
新しい環境や水質の悪化など、ベタにストレスがかかる環境で飼育しているとヒレに穴が空いたりギザギザに裂けたりすることがあります。
また、ベタにストレスがかかると自分でヒレを齧(かじ)って傷つけてしまうことがあります。
これらを避けるためには、ストレスの元となるものを取り除きましょう。
ストレスの原因を放置したままだといくらヒレを治療してもまたボロボロになってしまいます。
- 餌の食べ残しや糞を放置して水質が悪化している
- 水槽が極端に狭い
- 他の魚が入った水槽がベタ水槽の近くにある
などがベタのストレスとなるので、ヒレの治療と合わせて、ストレスの原因も取り除きましょう。
外傷(怪我)によってヒレがボロボロになる
最後に水槽のレイアウトに引っ掛けたり、他の魚の攻撃されたりといった、「外傷」によってヒレがボロボロになってしまうケースです。
先端の尖った流木やヒーターなどベタの長いヒレは障害物に引っかかりやすいものです。
ヒレが引っかかったままベタが暴れるとヒレが裂けてしまいます。
また、混泳している場合、他の魚に攻撃されたり喧嘩したりして、ヒレがボロボロになることがあります。
このような場合には、ヒレを傷つけてしまう原因を取り除くなどして対策しましょう。
ベタのヒレは薬浴や塩浴で治るのか?
ベタのヒレがボロボロになっているのに気づいたら、どのように治療すれば治るのでしょうか。薬浴や塩浴で治すことはできるのでしょうか。
結論から言いますと「ボロボロになったベタのヒレは薬浴や塩浴で再生させることができます。」
ただし、治療方法はヒレがボロボロになった原因によって変わります。
薬品を溶かした水を使う「薬浴」と、塩を溶かした塩水を使う「塩浴」。どちらをどのように使えば良いのでしょうか。
薬浴を使うのは「尾ぐされ病」のような「病気」が原因の場合です。
塩浴は「ストレス」や「外傷」が原因の場合に使用します。
それぞれ理由と使用方法をご紹介します。
尾ぐされ病の場合には薬浴が効果的です。
初期の尾ぐされ病は塩浴も有効と言われていますが、尾ぐされ病の原因菌であるカラムナリス菌の特性を考えると、塩浴のみの治療は適切ではありません。
カラムナリス菌が最も活発に増える環境は、水温が27~28℃、塩分濃度0.5%の環境です。
ちょうどベタの塩浴治療に使う塩分濃度と水温が、カラムナリス菌が活発に発育する環境なんです。
カラムナリス菌は塩分にも高温にも強い菌です。
そのため、もしヒレがボロボロになった原因がカラムナリス菌による尾ぐされ病だった場合、塩浴することでカラムナリス菌が活発に発育する環境を作り出してしまうことになるのです。
そのため尾ぐされ病が原因の場合には、「グリーンFゴールド」などの抗菌剤による「薬浴」で治療しましょう。
薬浴の水に塩を入れて塩浴も合わせて行う方法は、より治療効果を高めるのでおすすめです。
この場合は、塩分濃度が0.3~0.5%になるように塩を入れましょう。
一気に塩分濃度を高めるとベタの負担になるので、徐々に塩を入れていくようにして下さい。
治療期間は5日間を目安に行います。
ヒレがボロボロになった原因が「ストレス」や「外傷」の場合には、「塩浴」のみで治療を行います。
この場合も、ヒレが傷ついているのを見つけたら、すぐに治療を開始しましょう。
そのまま放置していると、傷口から菌が入り込み、尾ぐされ病などの病気に感染する恐れがあるからです。
塩浴は0.3~0.5%の塩分濃度の塩水で行います。
なぜ塩浴が効果的なのかというと、傷口からの体液の流出を防ぎ、免疫力を高めてくれるからです。
水温は少し高めの27~28℃にすることで、細胞の活性が高まり、治りが早くなります。
先程も説明した通り、傷があると菌に感染しやすくなるので、治るまでの間はいつもよりもさらに、水質と水温の変化に気をつけるようにして下さい。
最後に、ベタを飼育している環境がベアタンク(水草も底砂も何もない状態)ならば、そのままの水槽に薬品や塩を入れて治療して構いません。
ですが、底砂や水草、フィルターなどがある環境でしたら、別に隔離容器を用意して、そちらにベタを移して治療しましょう。
薬品や塩の影響で、水草が枯れたり、水槽内のバクテリアが死滅する可能性があるからです。
このようにベタのヒレがボロボロになった原因に合わせた治療を行いましょう。
ベタのヒレは元の姿に再生するか?
ボロボロになってしまったベタのヒレは、元通りに戻るのでしょうか。
ある程度の傷なら、適切に治療することでほとんど元通りに治ります。
しかし、根本までちぎれてしまったような、あまりにもボロボロなヒレを完全に元通りに治すことは難しいです。
ただ、そのようなヒレでもある程度は再生しますので諦めずに治療してあげましょう。
治療方法は先程ご紹介した通りです。
尾ぐされ病が治っても、ヒレはすぐには回復しません。
ベタの調子を見ながら、塩浴に移し、ヒレの再生を待ちます。
ストレスや外傷によるヒレの治療の場合は、そのままヒレが再生するまで塩浴を続けましょう。
ベタのヒレの再生には薬より栄養
ヒレを再生させる際には、「栄養」と「水質」に注意しましょう。
栄養価は高めにします。
普段の人工飼料の他に、冷凍アカムシやミジンコなどの動物性の餌を与えると良いでしょう。
ヒレの再生には多くの栄養が必要なので、栄養価の高い動物性の餌を中心に与えるようにすると、ヒレの再生が早まります。
ですが、与え過ぎは便秘の原因になるので禁物です。
ベタの様子を見ながら、1日2~3回、適量を与えて下さい。
また、水質が安定するように注意しましょう。
水質の悪化はベタのストレスになり、免疫力を下げてしまいます。
ヒレが傷つき体力が減っているところに、水質悪化のストレスがかかると免疫力がガクッと下がり、尾ぐされ病などにかかりやすくなってしまいます。
ヒレの再生が順調に進むように、水質を安定させましょう。
そのためにも、治療用の水槽はなるべく水量が多めのものが良いです。
水換え頻度が少なくて済むよう(週1~2回程度)に、2~5リットルくらいの水量は欲しいところです。
また、食べ残しや糞はすぐに回収するようにします。
フィルターをつける場合には、ほとんど水流がつかないように工夫しましょう。
ベタのヒレの再生期間
このように治療すれば、小さな傷なら2週間程で回復するでしょう。
また、ボロボロになってしまったヒレでも、1~2ヶ月ほどでかなり回復してきます。
ベタのヒレの再生は透明な膜から始まる
どのように治っていくかというと、ヒレが裂けたり千切れたりしたところに、うっすらとした透明な膜のようなものが現れます。
これがヒレの再生が始まっている証拠です。
最初は薄かった透明の膜に段々と色が入ってきて、最後にはしっかりとしたヒレになります。
十分にヒレが回復するまで、餌や水質に気を配りつつ見守りましょう。
ベタのヒレを綺麗に育てる方法
ボロボロになったベタのヒレを治す方法をご紹介しましたが、ベタのヒレを大きく綺麗に育てる方法もご紹介します。
ベタのヒレの大きさや広がりは種類によって違います。
プラカットよりもハーフムーンの方がヒレが大きく、広がる幅も広いです。
ですが、どの種類のベタも、その種類の最大のヒレの広がりと美しさを出すには、しっかりと「フレアリング」させることが大切です。
フレアリングとはベタの威嚇行動です。
ヒレとエラ蓋を目一杯広げて威嚇します。
このフレアリングを毎日適切に行うことで、ベタのヒレの開きが広がり、美しく大きなヒレに育ちます。
ベタのフレアリングは人間で言うところの筋トレのようなものです。
ヒレを支えている筋肉をフレアリングで鍛えることで、ヒレの広がりをよくすると同時に、ベタのヒレと全身への血流を促し、体色も良くなるというメリットがあります。
逆にフレアリングをさせないと、ヒレを開くための筋肉が衰え、ヒレがあまり開かなくなります。
そのまま放っておくとヒレが癒着して開かなくなってしまいます。
ベタのヒレを綺麗に大きく育てたい場合には、フレアリングは必須です。
フレアリングのやり方は簡単です。飼育しているベタに、他のベタの姿を見せてあげればフレアリングします。
たまにフレアリングしない大人しい性格のベタもいますが、何度か試しているうちにフレアリングしてくれるようになるので、根気よく続けてみて下さい。
ベタを一匹しか飼育しておらず、他のベタの姿を見せられないと言う場合には、鏡で飼育しているベタ自身の姿を見せてあげたり、スマホなどでベタの画像や泳いでいる動画を見せてあげるとフレアリングしてくれます。
フレアリングは1日1回、5分から10分程度行います。あまり長い時間フレアリングするのはよくありません。
フレアリングは体力を使いますし、長時間フレアリングさせるとヒレが裂けてしまうことがありますので、5分から10分程度の短時間に留めておきましょう。
また、「フレアリングした時に十分にヒレが広げられる大きさの水槽で飼育する」という点も、ヒレを大きく綺麗に育てるポイントです。
フレアリングを適切に行い、大きく綺麗なヒレをもつベタに育てましょう。
ベタのヒレの症状まとめ
- ヒレがボロボロになる原因には病気やストレス、外傷がある
- 病気の場合は薬浴と塩浴を合わせて治療を行う
- ストレスが原因の傷(外傷)なら塩浴で治療する
- 傷ついたヒレは再生するが、あまりに酷い傷の場合は完全に治すのは難しい
- フレアリングさせることでヒレが綺麗に育つ