
ろ過材でよくパワーハウスという商品を見かけますがパワーハウスとはどんなものなのでしょうか?
またソフトタイプとハードタイプでは何が違うのか。パワーハウスのソフトタイプとハードタイプの違いについてご紹介いたします。
さらにパワーハウスの使い方や掃除の仕方なども合わせてご紹介いたします。
パワーハウスとは
パワーハウスはいままでのろ過材にはないPHコントロール機能を持ち、0.1ミクロンの超微細な空隙から1000ミクロンの空孔を有する特殊構造のセラミックろ過材です。
この構造により1ミクロン程度の硝化菌から10ミクロン以上の原生生物を付着させ、バランスのとれた生物ろ過効率を可能にします。
またバクテリアの付着効率を考え単に空孔のみに頼った今までのろ過材とは異なり驚異的な微生物定着有効面積をもち有益なバクテリアの早期定着が可能です。
例を挙げるとパワーハウスソフトタイプは有益バクテリアの生息に適した1ミクロン前後の空隙が多く、1リットルあたり大磯砂なら23㎡なのに対し、1620㎡とのデータもでています。
熱帯魚飼育を成功させるための大きな要素である微生物の硝化作用を利用した生物濾過を活発にするにはどれだけ多くのバクテリアを維持できるかにもかかっていますが狭い水槽内ではパワーハウスのように小さなスペースで多くのバクテリアを付着できるようなろ過材が求められます。
生物ろ過を効率よく行うには微生物定着有効面積の大きなろ過材を使用し多量の酸素供給を行うことが大切です。
目詰まりなどで通気性が悪くなり酸欠状態になるとろ過能力は低下します。パワーハウスは水回りがよく目詰まりしにくい構造になっています。
ソフトタイプとハードタイプの違い
パワーハウスソフトタイプの主成分はカオリナイト系の活性シリカでこの活性シリカはアルカリ性の水槽内では水酸イオンを取り込み水素イオンを徐々に放出します。
この効果により水槽内は徐々に弱酸性に安定していきます。
ソフトタイプはこのような効果から水草水槽や南米小型カラシンなどに最適です。
パワーハウスハードタイプの主成分はウォラストナイト/珪酸カルシウム系結晶体で水槽内が酸性に傾きはじめると新たにアルカリ性物質を放出しPHの降下を抑制します。
よって弱アルカリ性の硬水を好むアフリカンシクリッドなどの飼育に最適です。
ソフトタイプとハードタイプの同時使用も可能で双方の分量バランスにより自分の理想とする水質を作り上げることも可能です。
パワーハウスの使い方
パワーハウスの新品のものは製造上の白い粉が付着しているため2~3回水洗いをしてから使うようにしましょう。
また新規水槽立ち上げ時には早期立ち上げのコツとして現在使用している水槽内にパワーハウスを2週間ほど漬けておくことでバクテリアが住みつき立ち上げが早まります。
そのような水槽の準備も出来ないかたは市販のバクテリアの投入が効果的です。
パワーハウスは外部フィルターのろ材と勘違いされることもあるようですが上部フィルターやその他フィルターのろ材としてもまったく問題なく使用できます。
初心者の方に多いのが上部フィルターのスペースを上手に利用できずに上部フィルターがただの水路になってしまっていることです。
せっかくスペースがあるのですからこのスペースにパワーハウスなどを敷き詰めるのもかなりのろ過効力が期待できます。
パワーハウスの掃除の仕方
パワーハウスは基本的にはメンテナンスはさほど必要ありません。
もしあまりにも見た目に汚れてきたようならば水槽内の水を利用しかるくじゃぶ洗い程度で結構です。
水道水でじゃぶじゃぶ洗い流すような掃除の仕方は決してしないでください。
せっかくのバクテリアにダメージを与えてしまい水槽内のろ過能力が減少してしまいます。
パワーハウスが崩れてくるなどの交換時期を感じたときはいっぺんに全て交換するのではなく半分づつの交換などでバクテリアの急激な減少を抑える方法と考えてください。
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