グッピーのアルビノとは?
アルビノのグッピーは弱い?
グッピーのアルビノの値段の相場は?
アルビノが産まれてくる確率は?
アルビノが繁殖すると稚魚もアルビノ?
こんなグッピーのアルビノに関する疑問についてご紹介いたします。
目次
グッピーのアルビノとは
グッピーの種類の1つに「アルビノ」と呼ばれる種類があります。
どのようなグッピーをアルビノと呼ぶのでしょうか。
アルビノのグッピーとは突然変異により黒色の色素が欠落したグッピーの事を言います。
グッピーだけではなく、他の生物でもアルビノ種は存在します。
アルビノとは遺伝子の変異により、先天的にメラニン色素が欠落した個体をいいます。
メラニンとは生物の皮膚などにある黒褐色や黒色の色素のことです。
メラニン色素があるために、私たち人間は日焼けすると皮膚が黒くなったり、ホクロができたり、目が黒かったりするのです。
グッピーのアルビノは、このメラニン色素を生まれながらに作り出せないので、体色は白くなり、目の黒目部分が赤く見えます。
グッピーのアルビノ種は「RREA」と表記されます。これは「リアルレッドアイアルビノ」の頭文字です。
アルビノのグッピーは地肌に黒色の色素が無いので、透き通るような白色をしています。
ここにレッドやブルーなどの色が乗ると、より色が際立ち美しく映えます。
アルビノのグッピーは弱い?
アルビノのグッピーは弱いと言う話を聞きますが、本当でしょうか?
グッピーに限らず、アルビノは身体が弱く短命だと言われています。
ですがこれは、必ずしも正しいとは言えません。
確かに野生においてアルビノは寿命が短い傾向にあります。しかしこれは病気になりやすいがために短命なわけではありません。
自然界において、真っ白なアルビノはとても目立ちます。そのため外敵に狙われやすく、命を落とす確率が高いのです。
また、アルビノ種は視力が弱く、皮膚が紫外線刺激に弱い傾向があります。
このため、餌を見つけたり、外敵をいち早く見つけて身を隠すと言うことが苦手なので、アルビノが自然界を長く生き抜くことはとても難しいのです。
また、紫外線の刺激に弱いので皮膚癌になりやすいと言う特徴があります。
このように、アルビノだから虚弱体質で短命だと言うわけではありません。
メラニン色素を作り出せない以外は同種の普通の個体と何ら変わりありません。
ただ、自然界では生き抜くのが難しい特徴を持っているために、狙われやすく、命を落としやすいのです。
では、グッピーなどの飼育されているアルビノは、どうして「弱い」と言われるのでしょうか。
確かに弱いアルビノのグッピーはいます。
ですがそれは、「アルビノだから弱い」わけではなく、「アルビノを定着させようとした結果弱くなった」と言えます。
アルビノを繁殖させようと思ったら、アルビノ同士を掛け合わせるのが最も簡単です。
そのため、アルビノの親、その親から生まれた子供、またその孫と、近親交配を繰り返すことになります。
近親交配を何回も繰り返すと、虚弱体質などの生物が生き抜くために不利となる特徴が色濃く表面化してきます。
俗に言う「血が濃くなる」というものです。
実際に血が濃くなるわけではなく、本来表面化しなかったはずの遺伝(劣性遺伝)が、近親交配を繰り返すことで表面化する確率が高くなることを、「血が濃くなる」と表現したりするわけです。
グッピーのアルビノも、アルビノが弱いわけではなく、アルビノを定着させるために近親交配を繰り返した結果、「弱くなった」と言うのが正しいです。
そのため、アルビノ以外の品種でも、近親交配を繰り返して生まれた個体は虚弱体質な傾向にあります。
これを防ぐためにベテランのブリーダーの方は、途中で正常な普通のグッピーを掛け合わせたり、戻し交配を行うことで、丈夫な個体を生み出すように工夫しています。
まとめると、アルビノのグッピーが特別に「弱い」わけではなく、アルビノ固定のために近親交配を繰り返した結果「弱くなった」と言うのが正しいです。
アルビノが病気になりやすいわけでは無いですが、飼育する際の注意点が1つあります。
それは、「他の正常なグッピーと一緒に飼育しないこと」です。
なぜならアルビノのグッピーは視力が弱いため、餌を見つけるのが下手なので、正常なグッピーとの餌争いで負けてしまうからです。
最悪餓死してしまう可能性があるので、アルビノのグッピーはアルビノだけで飼育するようにしましょう。
グッピーのアルビノの値段の相場
透き通るような透明感が幻想的なアルビノ種は、グッピーの数ある品種の中でも人気が高い品種です。
そんなグッピーのアルビノ種の値段の相場はどのくらいなのでしょうか。
一口にグッピーのアルビノ種と言っても、様々な品種がいますが、大体の価格帯は1ペア2,000円~3,000円ほどが相場です。
以下に一部のアルビノ品種の価格をお載せします。
- RREAブルーグラス:1ペア約2,500円~
- RREAドイツイエロータキシード:1ペア約2,200円~
- RREAトパーズ:1ペア約2,000円~
- RREAパンジー:1ペア約2,500円~
- RREAフルレッド:1ペア約3,000円~
- RREAモスコーブルー:1ペア約2,000円~
- RREAオレンジレースコブラ:1ペア約2,000円~
- RREAレッドグラス:1ペア約2,300円~
- RREAスーパーホワイト:1ペア約1,800円~
- RREAリボン:1ペア約2,200円~
グレードによって価格は上下しますが、大まかな最低ラインの価格が上記に示した価格帯なので、参考にしていただけると幸いです。
アルビノが産まれてくる確率
グッピーのアルビノが産まれてくる確率はどのくらいなのでしょうか。
グッピーのアルビノは、劣性遺伝が2つ揃うか、突然変異によって産まれます。
まずは突然変異でアルビノが産まれてくる確率について考えてみましょう。
グッピーという種のアルビノが、突然変異で産まれてくる確率について調べてみましたが、ハッキリとは分かりませんでした。
他の生物についても、ハッキリと何%という記述は見つけられませんでしたが、おおよそ数万から10万分の1の確率で生まれるという意見が多いようです。
グッピーのアルビノを自然発生させることはかなり困難だと言うことが分かりますね。
アルビノが繁殖すると稚魚もアルビノ?
次に劣勢遺伝による確率について考えてみましょう。
偶然にアルビノのグッピーが発生する確率は、かなり低いことが分かりました。
では、アルビノ種のグッピーを繁殖させた場合はどうでしょうか。
必ずアルビノのグッピーが生まれるのでしょうか。
残念ながらそうではありません。
少し遺伝子についての話をします。
遺伝子には、形質が現れやすい「優性」と、現れにくい「劣性」というものがあります。優性は大文字のアルファベット(Aなど)で、劣性は小文字のアルファベット(aなど)で表記されるのが一般的です。
この優性と劣性は、優れている・劣ってるという意味ではありません。その遺伝子の持つ特徴が表に出やすいか出にくいかの違いです。
遺伝子は両親から1つずつ受け継がれ、2つで1対(例:AA)になります。
この2つのうち、どちらか1つが優性であれば、劣性遺伝子の特徴は現れません。
アルビノは劣性遺伝子の特徴が現れた状態です。
そのため、1対の遺伝子の両方ともが劣性遺伝子の時のみ現れます。
以上を踏まえて、アルビノを繁殖させた時にアルビノが生まれるパターンは、以下の場合です。
- aa×aa
- aa×Aa
- Aa×Aa
以上の3つのパターンの場合にのみ、アルビノが産まれます。
aaは2つとも劣性遺伝子を持っているのでアルビノです。
Aaは1つだけ劣性遺伝子を持つ普通のグッピーです(ちなみにAaのように異なる遺伝子の対を持つことを「ヘテロ接合型」と言います)。
アルビノ(aa)同士を掛け合わせた場合、100%の割合でアルビノの稚魚が産まれます。
アルビノ(aa)と1つだけ劣性遺伝子を持った普通のグッピー(Aa)を掛け合わせると、稚魚の50%がaa遺伝子のアルビノになります。
残りの50%はAa遺伝子の普通のグッピーです。
1つだけ劣性遺伝子を持った普通のグッピー(Aa)同士を掛け合わせると、稚魚の25%はアルビノになります。
残りの75%のうち、25%はAAの普通のグッピー、50%はAaの普通のグッピーになります。
このように、最も多くのアルビノの稚魚が得られるのは、アルビノのグッピー同士を掛け合わせた時です。
また、普通のグッピーに見えても、劣性遺伝子を1つ持っているグッピー同士を掛け合わせると、アルビノが25%の割合で産まれます。
「両親ともアルビノのグッピーじゃ無いのに、産まれた稚魚が白い!」という場合には、両親ともに1つずつアルビノの因子の劣性遺伝子を持っていたと言うことになりますね。
この法則に従って繁殖させれば、お気に入りの品種のアルビノ種を作り出すこともできます。
また、アルビノ同士を掛け合わせ続ける近親交配が何代にも渡って続くと、虚弱体質などの好ましく無い特徴が際立ってきます。
それを防ぐために、途中で普通のグッピー(AA)を掛け合わせ、新しい遺伝子(血)を入れるようにしましょう。
AAのグッピーと掛け合わせた子供は全て普通のグッピーになりますが、Aa遺伝子を持った子供達なので、次の孫の代でアルビノが25%の割合で生まれます。
さらに、生まれた孫と最初の親アルビノを掛け合わせることで、最初の親アルビノの特徴に限りなく近い子供が生まれます。
このような方法を「戻し交配」と言います。
アルビノを繁殖させるには法則があります。どのような特徴を引き継がせたいかなどを考えながら、繁殖に取り組んでみてください。
グッピーのアルビノについてまとめ
- アルビノとは遺伝子の変異によりメラニン色素が作り出せない個体
- アルビノが特別弱いわけではなく近親交配を繰り返した結果、虚弱体質が表面化したと言える
- アルビノは視力が悪いので、普通のグッピーと分けてアルビノだけで飼育すること
- アルビノのグッピーが突然変異で自然発生する確率はハッキリとは分からないが、数万から10万分の1の確率とかなり低い
- アルビノのグッピーを繁殖で得るには1対の遺伝子の2つとも劣性遺伝子になるようにする
今回はグッピーのアルビノについてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にして頂けると幸いです。