グッピーが繁殖しすぎない方法とは?
グッピーのオスメスを分ける時期と方法は?
グッピーが増えすぎたらどうすればいい?
こんなグッピーの増え過ぎに関する疑問についてご紹介いたします。
グッピーが繁殖しすぎない方法とは?
熱帯魚の飼育において、「グッピーに始まり、グッピーに終わる」という有名な言葉があります。
グッピーはそれ程までに、「選別良し、飼育良し、繫殖良し」の、非常に奥が深い生き物です。
その高い繁殖力故に、 飼育の経験がある方なら誰しも一度はグッピーの大量繁殖に悩んだ経験があるかと思います。
増えすぎてしまった後に対策をするよりもグッピーが大繫殖しないように事前に対策を施すことが大切です。
グッピーが繫殖しすぎないようにする方法は大きく分けて3つあります。
その方法とは
- 親のグッピーのオスとメスの数を調整する
- 稚魚の生存率を抑える
- オスとメスを選別隔離して育てる
グッピーを交配させたい場合は当然オスとメスの両方が必要です。
そんな中、稚魚を確実に得たい場合はオスが多めの方が良い場合があります。
しかし今回のように増えすぎないようにする場合には逆にオス1匹に対してメスを2、3匹にした方が良いでしょう。
例としてグッピーを4匹飼育場合
オス2匹に対してメス2匹だと繁殖する確率が高まり稚魚の数も増える。
オス1匹に対してメス3匹だと繁殖の確率が下がり稚魚の数も減るということです。
オスが1匹だけだときちんと交配できるか不安な方もいるかもしれません。
もしオスの個体の方が何かしらの事情で繁殖できない個体であった場合は、そのことが分かった時点で、もう1匹オスを投入するのが良いでしょう。
また、稚魚の生残率を低くして繁殖を調整する方法もあります。
その方法とは水草やセパレートなど稚魚の隠れ家や避難場所となる場所を減らします。
そうすることで、親グッピーなどの他の個体が稚魚を食べてくれます。
これは残酷な話に思うかもしれません。
しかしこれは「自然の摂理」であるとも言えます。
増えすぎた後に殺処分をすることになるよりかは、よほど本来の生態系に近い形であって、自然であると言えます。
生き物を飼育することは、生命の生死に触れるということです。
実はこの方法はプロのブリーダーの方も普通に行っています。
「食べられるリスクを適切に回避できる稚魚は生命力が強い。」という考え方があるからです。
生命力が強く、強い遺伝子を残してくれる個体を自然の力でもって選別するということです。
もう一つがオスとメスを隔離飼育して繁殖を調整する方法です。
当たり前ではありますが、繁殖するのは水槽内にオスとメスがいるからです。
よってオスとメスを隔離しましょう。
次の章で具体的な隔離の時期や方法をご紹介いたします。
グッピーのオスメスを分ける時期と方法は?
グッピーは通年で繫殖が可能です。
逆に言うと、季節に関わらず常に繁殖する可能性がある為、繁殖を避けたい場合は放っておかずに、常に気をつけておく必要があるということです。
親グッピーから生まれてきた稚魚が、更に繁殖をして新しいグッピーを増やしてしまう前に確実にオスとメスに分けましょう。
まず繁殖時期の見分け方です。
グッピーのオスは誕生後1ヶ月過ぎた頃から、尻びれが生殖器であるゴノポディウムへと変化し始めます。
対してメスは2ヶ月過ぎからお腹で卵が形成され、段々と丸くなり、3ヶ月程で出産が可能となります。
オスとメスがこのように性成熟する前に、特にオスのゴノポディウムに気がついたら早急に、オスとメスを分けて飼育しましょう。
次にオスとメスを分ける方法には2つの分け方があります。
1つは現在飼育している水槽と別に新たな水槽を用意してオスとメスを確実に区別してそれぞれで分けて飼育する方法です。
もう1つは飼育水槽内部をセパレーターで仕切る方法です。
こちらの方法の場合は新しい水槽を用意する必要がない為、ブリーダーのようにお金と場所をあまり多くはかけられない方々でも手軽にできる方法です。
稚魚が繫殖する前にセパレーターを取り付ければ増えすぎを防ぐことができ、不要になれば取り外せば良いのでコントロールもし易いです。
注意しなければならないことはメスの生態です。
グッピーのメスは交配後、体内に精子を蓄えておくことが可能です。
つまり、1度親のグッピーが交配すると、その後同じ水槽内にオスの親がいなくてもメスの親は2、3回出産をする可能性があります。
このメスのグッピーの生態を理解しておかなければ大繁殖を招くので気をつけておきましょう。
またセパレーターほど大掛かりな方法ではなく、一時的にオスメスを分けたり、いじめられてしまうグッピーを分けたりするのにおすすめの方法がサテライト方法です。
サテライトは避難場所のような意味で水槽内部や外部に隔離スペースを作ることができます。
グッピーが増えすぎたらどうすればいい?
最後に、もうすでにグッピーが増えすぎてしまった場合の対処の方法についてです。
1つ目の方法として、「ショップに引き取ってもらう」という方法があります。
あまり知られてはいませんが、ショップが無料で引き取ってくれる場合があります。
ただしすべてのショップで実施されているわけではないので、事前に確認をする必要はあります。
ちなみにホームセンターの中にある熱帯魚コーナーよりもアクアリウム専門のショップの方が引き取ってくれる場合が多いです。
ただ、ショップで引き取ってもらう場合に覚えておいていただきたいことは、その後の処遇については保証されていないということです。
例えばショップ内の他の大型魚の生餌になるかもしれませんし、状態が悪くて殺処分されることになるかもしれません。
どのような処遇をされても一切口出しをすることはできません。
2つ目の方法は友人や知人に譲るです。
友人や知人にグッピーの飼育に興味がある人がいたら譲渡するのも良いです。
グッピーは比較的丈夫な魚なので導入にそれほど費用がかかりません。
ただ、せっかく引き取ってくれたとしても、その友人・知人がアクアリウム初心者だった場合、同じように大繁殖をさせてしまう可能性があります。
そうすると新たに不幸な個体が生まれてしまうことになりかねません。
友人や知人にグッピーを譲る場合は、グッピーの繁殖力についてしっかりと説明をした上で渡しましょう。
また、譲る個体を選ぶ際は、綺麗で健康体の個体を選別して譲るといった配慮も行いましょう。
そして最後に、とても大事な「増えすぎたグッピーの処分でやってはいけないこと」についてです。
それは「川や湖への放流」です。
元々の生態系を壊してしまう恐れがあるためです。
実はグッピーは現在、「要注意外来生物」に指定されています。
これ以上野生の個体が増えるようであれば「特定外来生物」に指定されてしまう可能性があります。
そうなると、グッピーを新たに飼育することができなくなり、譲渡等も禁止されてしまいます。
生態系保護のため、また、これからもアクアリウムライフを楽しむために、放流は絶対に避けましょう。
グッピーの増え過ぎ問題まとめ
- グッピーの飼育は放っておかずに増えすぎてしまう前にしっかりと対策をする
- 増え過ぎてしまわないように親のグッピーのオスとメスの数を調整し、繁殖を調整する
- 稚魚の繁殖時期を見極めて確実にオスとメスで分ける
- やむを得ず増え過ぎてしまった場合は、ショップや友人・知人に引き取ってもらい、無理に飼育しようとしない
今回はグッピーの増え過ぎに関する疑問についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。