
熱帯魚の水槽飼育では管理する人の飼育スキルや経験が熱帯魚の寿命を左右すると言っても過言ではありません。
ちょっとしたミスが一晩にして熱帯魚を全滅させる原因となることもあります。
そんな中でもフィルターの掃除は初心者の方が最も失敗しやすい作業の一つです。
間違ったフィルター掃除
失敗の原因はフィルター内のろ材を綺麗に洗いすぎてしまい、その結果、水質を良好に保つ働きをしている濾過バクテリアを激減させてしまうことです。
フィルターの掃除を行なったら、水が白濁してなかなか透明にならないことがありますが、これはフィルター内のろ材を綺麗に洗い過ぎることによって起こる濾過バクテリアの減少が原因です。
そのような問題が起きないように正しいフィルターの掃除方法を身につけましょう。
正しいフィルターの掃除方法
まず、フィルター掃除の鉄則は水道水を使用しないことです。
水道水は私たち人間にとっては衛生的で安全な水ですが、水槽の中に繁殖する濾過バクテリアやその他微生物、さらには熱帯魚にとっても塩素(カルキ)による殺菌効果が強すぎるため危険なのです。
よって水槽の水をバケツなどに汲み出し、その水を使ってろ材を洗うようにします。
もちろん洗剤などの使用は一切禁止です。フィルター内のろ材やウールマットなどを水槽の水を汲み置きしたバケツの中で軽くもみ洗いし、フィルターに戻します。
この時、あまりろ材を綺麗に洗い過ぎると折角ろ材に住み着いたろ過バクテリアが洗い流されてしまいますので、目に見える大きなゴミやフィルターの目詰まりの原因となるものを濯ぎ取る程度にしておきます。
フィルターの掃除が終わったら、フィルター掃除のために使用して減った水槽の水を足します。
この時も前もって水道水の塩素(カルキ)を中和し、水槽と同じ水温に調整した水を使うようにします。
掃除の仕方(方法)はこんな感じで問題ありませんが、もう一つ気を付けたいのが掃除をする環境です。
フィルター内には目には見えない微生物(ろ過バクテリア)が繁殖をしているという話をしましたが、ろ過バクテリアも生き物ですので気を使ってあげなければなりません。
直射日光が当たるような暑い場所での掃除は温度上昇や乾燥の危険があるので避けたいものです。
風通しの良い日陰で掃除を行い、掃除が終わったら速やかにセットを戻すようにします。
もちろん、フィルターろ材の天日干しや陰干しなどはしないようにしてください。
掃除が終わり、足し水をおこなったらフィルターの電源を入れますが、この時、水槽内が一時的に濁ることがよくあります。
これは掃除をして浮いてしまった汚れがフィルターから水槽内に循環されてくるため起こる現象ですが、数時間もすれば元の水槽のように透明な水に戻りますので問題ありません。
フィルターを掃除したあとに水槽が濁ると水槽の水替えもしたくなるものですが、フィルターの掃除だけでも一時的に水質が不安定になるのに、さらに水替えをして水質の不安定要素を増やすことは得策ではありません。
まずは水が落ち着くのを待って、後日水換えを行うようにしましょう。
フィルターの種類には上部フィルター、外部フィルター、底面式フィルター、外掛け式フィルターなど様々なタイプのフィルターがありますが、基本的な掃除の仕方と注意点に違いはありません。
ただ、掃除の頻度はろ過フィルターのろ過能力や生態の飼育数などにより変わってきますのでご自身の水槽の水質を維持できる掃除頻度を探ってみましょう。
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