ベタが横になって浮く・沈むのは病気?
ベタの転覆病の原因とは?
ベタの転覆病は絶食させると良くなる?
ベタの転覆病の治し方とは?
こんなベタの転覆病の症状と治療についてご紹介いたします。
目次
ベタが横になって浮く・沈むのは病気?
まっすぐ泳いでいたベタの体が徐々に横に傾き、そのままゆっくり浮いてきたり、もしくは沈んだりする時があります。
ベタが見せるこのような行動はなんらかの病気を発症したからなのでしょうか?
実はベタのこのような行動は問題が無いケースが多いです。
しかし、場合によっては病気を発症したサインの可能性もあります。
泳いでいたベタが止まったと思ったら、体が徐々に横に傾き始め、水面近くまでゆっくりと浮いたり、逆に水槽の底に沈んでいくという姿を見る事があります。
どこか具合が悪いのかと心配になりますが、実はこの時ベタは眠っているのです。
ベタは水草などに体をもたれかけて眠ることがあります。
アクアショップなどに売っている「おやすみリーフ」を入れておくとおやすみリーフの上に乗るようにして休む姿が見られます。
このようにベタは何かに体を預けて眠るのですが、ベアタンクの場合には体をもたれかけるものが無い環境もあります。
そのような環境だとベタは水中を漂ったまま寝るか、水槽の底に着地して寝ます。
すると寝ている間に体が徐々に傾いてしまうことがあるのです。
起きたらまたちゃんと泳ぐので心配ありません。
ですが、普段から泳ぎがフラフラと弱々しかったり、体が傾くのを必死に元に戻そうとするような泳ぎ方をする場合には、「転覆病」という病気を発症している可能性があります。
ベタの転覆病の原因とは?
ベタが発症する病気の一つに「転覆病」と言うものがあります。
転覆病とは名前の通り、体がひっくり返ってしまう病気です。
その原因は「浮き袋の異常」や「体にガスが溜まる」などです。
細菌などの感染では無く、ベタの内臓機能の問題です。
これらの原因を引き起こす要因として次のような物が挙げられます。
- 水温低下
- 水質悪化
- 古い餌を与えた
- 餌を与えすぎた
- 消灯前に餌を与えた
- 先天的な浮き袋の異常
転覆病は水温が下がった時に罹りやすい病気です。
その理由は水温が下がる事で内臓の働きが落ちるため、食べ物の消化吸収力が低下し、便秘や消化不良を起こしやすくなるからです。
これにより浮き袋のガス調節がうまくいかなくなったり、胃などの体の中にガスが溜まり、浮力をうまくコントロールできなくなるために転覆病になってしまいます。
水温だけでなく、水質悪化や開封してから時間の経った古い餌を与えることも、消化機能を低下させる引き金になります。
中でも転覆病の引き金として特に多いのが、「餌の与えすぎ」です。
ベタの中にはいくらでも餌を欲しがる個体もいます。
体を左右に揺さぶりながら餌をねだる「餌くれダンス」をされると、いくらでも餌をあげたくなってしまいます。
ここで欲しがるだけ餌をあげてしまうとベタの胃に負担がかかり消化不良を起こしてしまいます。
そのため、いくらおねだりされても餌は適量に留めておきましょう。
また、餌を与える時間にも注意が必要です。
ベタは胃袋を持つ魚なのですが、餌を消化するのに結構時間がかかります。
そのため、夜に餌を与えてすぐに電気を消してしまうと、ベタがまだ餌を消化できていない状態で寝ることになってしまいます。
寝ると内臓機能は低下するので、胃に残った食べ物が上手に消化できず負担となります。
内臓の負担を減らすためにも、夜は餌を少なめにするか、消灯する2~3時間前には餌を与え終えるようにしましょう。
また、生まれた時から先天的に浮き袋に異常があり、それが原因で浮力の調節ができない個体もいます。
このように、転覆病の主な原因はベタの内臓機能の低下によって引き起こされる浮力のコントロール異常です。
ベタの転覆病は絶食させると良くなる?
先天的な浮き袋の異常を除くと、転覆病の主な原因はベタの内臓機能の低下にあります。
なんらかの原因で内臓機能が落ち、消化不良を起こす事で転覆病を発症します。
なので、内臓機能を高め、消化不良を解消してあげると転覆病の症状が良くなります。
そのためにも、餌を断つ「絶食」はとても効果的です。
機能が落ちた消化器官を絶食して休ませてあげることで機能の回復を促します。
餌をあげないとベタが飢えて死んでしまわないか心配になりますが、1週間程度なら食べなくても問題ありません。
なので、2~3日餌を経っても全く心配ないので安心してください。
むしろ食べ過ぎの方がベタの健康を害します。
消化機能が整うと転覆病の症状が良くなるので、転覆病を発症したら餌は与えないようにしましょう。
ベタの転覆病の治し方とは?
ベタが転覆病を発症してしまったら、どのように治療すれば良いのでしょうか。
ベタの転覆病の治療方法のポイントは次の通りです。
- 水換えしてをして水質を改善する
- 水温が低い場合には水温を26℃前後に保つ
- 0.5%塩分濃度で塩浴する
- 絶食させる
- フレアリングさせて排便を促す
転覆病は細菌や病原菌が原因では無いので、薬は使わず上記の方法で治療します。
水質悪化が転覆病の原因となるので、水換えで水質を改善します。
次に、水温をベタ飼育の適温である26℃前後にします。
低水温だと内臓の働きが鈍り、消化機能が落ちてしまいます。
26℃前後の高めの水温にすることで、ベタの代謝が上がり内臓機能が活発になります。
これにより消化吸収力が高まり、排便が促されるので転覆病の症状が改善されます。
これに加え、0.5%塩分濃度の塩水での塩浴も行いましょう。
塩浴によってベタの代謝がさらに促されるだけでなく、ベタの体力が回復するので、より治療効果が高まります。
水草を入れている水槽の場合には、直接塩を入れてしまうと水草が枯れる恐れがあるので、ベタを別容器に移して塩浴させると良いでしょう。
ベアタンクの場合はそのままの水槽で塩浴させてOKです。
先にご説明したように治療中は絶食させます。
また、1日一回、5~10分ほどのフレアリングも効果的です。
フレアリングはベタの筋力トレーニングのようなもので、全身の血流が良くなり内臓の働きも促されます。
植物性のクロレラを与えて整腸作用を整える
一般的な熱帯魚用のエサは、食いつきの良さなどを考慮して「動物性タンパク質」を主成分としたものが多いものです。
しかし、自然の中では、様々な餌が存在しており、バランスよく食しているはずです。
そのため、植物性の栄養を補給させる副食として、クロレラなどを利用することで栄養バランンスがとれ、ベタの発育促進、免疫力アップにつながる効果も見込めます。
クロレラとは淡水に生息する緑藻類(緑の藻)の一種です。
クロレラにはミネラル、ビタミン、アミノ酸などが豊富に含まれているため、熱帯魚の健康を維持するためにとても良いエサとして知られています。
植物性の餌はベタの整腸作用を整えてお腹の中のガスを排出させる効果も見込めます。
以上のように、ベタの転覆病の治療方法は弱った内臓機能を正常化し、消化吸収力を高めて排便を促すようにするのがポイントです。
転覆病は重症になると完全に逆さまになってしまいますが、ここまで進むと治すのが困難になりますので、早期発見・早期治療が肝心です。
完全に逆さまになっても長生きする個体もいますが、見た目がかなり可哀想なので、できる事なら治してあげたいですね。
また、転覆病は予防が大切です。
先天的な浮き袋の異常以外、転覆病の原因を作るのは私たち飼育者です。
適切な管理でベタの転覆病を予防してあげましょう。
ベタの転覆病まとめ
- ベタは横になって眠ることがある
- ベタの転覆病は浮き袋の異常や体の中にガスが溜まることが原因
- 低水温や餌の与えすぎで消化不良を起こして転覆病を発症する
- 絶食すると内臓が休まるので転覆病の症状が改善する
今回はベタの転覆病と呼ばれる病気についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。
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