熱帯魚水槽の水温低下は熱帯魚の致命傷にもなりかねません。
冬の水温管理や上手に水温を保つ保温方法などをしっかりマスターしておきましょう。
ヒーターさえあれば安心!?停電やヒータートラブルなどの事態にも備えあれば憂いなしです。
また、水槽保温のコツを知っていることは熱帯魚に優しいだけで無く、電気代の節約にもなり、家計にも優しいものなのです。
水温低下による熱帯魚への影響
近年、熱帯魚飼育設備の向上や流通の発展により様々な熱帯魚が飼育されるようになりました。
その多くは、その名の通り熱帯地域原産の魚ですので26℃前後の水温を保つことで健康に育てることができます。
もちろん自然の中では、気温の変化により水温が変化することもあります。
ただ、それは限られた範囲の変化であり、ゆっくりとした温度変化なのです。
よって人為的もしくはトラブル的要素で水槽内の水温が急激に変化したり、極端に低下した場合には熱帯魚が体長を崩すことは大いにあることなのです。
水温の低下は熱帯魚の活性を著しく低下させ、抵抗力さえも衰えさせてしまいます。
そのため低水温が長引くと白点病などにも罹りやすくなるのです。
さらに消化器系の活動も鈍るため、エサをしっかり消化できずに消化不良などを起こすこともあります。
25℃前後の水温を好む熱帯魚に対しては、水温が20℃近辺に低下すると熱帯魚の体色が落ちたり、動きが鈍くなったりする様子が見られるようになります。
そのような状態にならないように水温管理には常に気を配りたいものです。
冬場の熱帯魚水槽水温管理
外気や夜間の室温が極端に低い場合には、水槽サイズ(水量)に合ったヒーターを使用していないと保温能力に限界があることもあります。
そのようなケースでは、ヒーターを使用していても水温を維持できない場合があるので、こまめに水温計のチェックはしたいものです。
常に水槽のそばにいられない方には、最高水温と最低水温が記録できるデジタル水温計がおすすめです。
また、ヒーターの故障は熱帯魚の生命を脅かす一大事でもあるので、万が一を考えて予備のヒーターを準備しておくことも必要かもしれません。
さらに停電などやむを得ない理由でヒーターを使うことが出来ないこともあります。
ヒーターのみに頼らず、適切な保温対策を施しておくことで急激な水温低下を防げるうえに節電効果も見込めます。
水槽の保温方法
水槽の水温を上げるのはヒーターの役目ですが、断熱効果を高めることで水槽の保温効果は一段と高まります。
例を挙げると発泡スチロールは保温性が高く、手軽に手に入るので、水槽の左右と後ろの3面を発泡スチロールで囲うだけでも高い保温効果が得られます。
発泡スチロール以外にも新聞紙などでも上手く活用すると保温効果が見込めます。新聞紙を重ねた状態のままガラス面に張りつけることで新聞紙の間に溜まった空気が暖まり、保温性が高まるのです。
このような方法で水槽周辺の保温ができたら、さらに水槽上部からの放熱を避けるためにガラス蓋をしっかり設置しておきます。
水槽の中で外気と唯一接している水面は水蒸気とともに熱が逃げやすい場所でもあります。
水槽の上部をガラス蓋で覆うことで水面とガラス蓋の間に湿度の高い空気が溜まるため、水面からの放熱を軽減させる効果があるのです。
最後に水槽下部からの放熱を避けるには、水槽用マットなどの設置が効果的です。
水槽台が木でできたウッドキャビネットでしたら水槽底面からの放熱は少なくなりますが、金属製の水槽台などでは放熱が大きくなります。
夏場の高水温対策には効果的なのですが、冬場には・・・。
そのような時に水槽用マットを敷くことで保温効果を高めることができ、さらに水槽用マットは保温効果だけではなく、摩擦力も大きい為、地震の揺れによる水槽の落下防止にも効果的なのです。
ただ、一度水槽をセットしてしまうとその下に敷くのは容易ではないため、新規水槽セット時や次回のリセット時に合わせて敷くようにしましょう。
水槽の水温を上げる方法
保温効果を高めることは水温低下を極力抑えるにはよい方法ですが、下がってしまった水温を上げることはできません。
下がってしまった水温を上げるにはヒーターを使う、暖房で室温を高く保つ、太陽の光に当てる、お湯を注ぐなどが考えられますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
まず、ヒーターを使用する方法が一番一般的で効果的です。
デメリットとして電気代がかかりますが、熱帯魚飼育をしているほとんどの人が取り入れている方法でもあります。
次に暖房で室温を保つことにより、水槽の水温も保つ方法は一石二鳥のように思えるかもしれません。
しかし、この方法には落とし穴があり、夜間など人がいない時間帯に暖房を切ってしまうと水温が一気に低下してしまうことです。
その結果、昼と夜の寒暖差が大きくなり、熱帯魚にとっては大きなストレスとなってしまいます。
太陽の光に当てる方法も暖房ほど寒暖差は激しくはなりませんが、やはりあまりお勧めできない方法です。
最後のお湯を注ぐ方法はお勧めできない以前の問題で、やってはいけない行為です。
水槽内でもお湯を注いだ場所だけの急激な温度上昇に加えて、あっという間の水温低下。
水温の急上昇、急降下は自然界ではありえない環境です。
そのような環境を行為的に作り出すことは百害あって一利なしです。
よってもう結論は見えていると思いますが、水槽の水温を上げるには水量にあった能力のヒーターを使用することなのです。