エンゼルフィッシュと他の生体(エビ・グッピー・グラミー・ネオンテトラなど)との混泳は可能なのか?
エンゼルフィッシュとの混泳に対する考え方と混泳可能な熱帯魚などについてご紹介いたします。
目次
エンゼルフィッシュとの混泳
60cm水槽に流木をいれ、エンゼルフィッシュを5匹飼っています。
若干寂しいので熱帯魚を追加したいのですが、エンゼルフィッシュと混泳相性のいい熱帯魚を教えてください。
当サイトへ過去にこのような質問が寄せられましたので、エンゼルフィッシュの混泳についてご紹介いたします。
エンゼルフィッシュの混泳で気をつけたいこと
エンゼルフィッシュは中型熱帯魚の仲間で、成魚になると10cmを超える大きさになります。
よって一般的な熱帯魚飼育におけるセオリーとしては同じ大きさの熱帯魚同士の混泳が望ましいところですが、エンゼルフィッシュは中型熱帯魚のなかでも非常に温和でおとなしい種となります。
よって同じような大きさの熱帯魚達と混泳させてしまうとストレスを感じてしまうこともありますので注意が必要です。
そのような理由から気性の荒い種類が多い中型熱帯魚よりも小型カラシンやグラミーなどのエンゼルフィッシュよりも若干小さめの熱帯魚との混泳が向いているようです。
エンゼルフィッシュだけに限らず、混泳における注意点は水槽内において襲われるか襲うかの点です。
まずエンゼルフィッシュに危害を加える熱帯魚として非常に有名なものにスマトラがいます。スマトラはエンゼルフィッシュの長いひれなどをかじる習慣があるので混泳はできません。
さらにプレコなどもエンゼルフィッシュの体表に吸い付いて、危害を加えるような事例もありますので避けたいところです。
この辺りの相性の不一致はどのサイトでも紹介されていますのでご存知の方も多いでしょう。
次にエンゼルフィッシュが危害を与えてしまう相手についても考えてみましょう。
まず、口に入ってしまうような小さな熱帯魚は混泳というよりも餌として認識してしまうようです。
水草水槽などで小型の熱帯魚や稚魚達が追われたときに隠れる場所がある水槽やエンゼルフィッシュが小さいころから混泳をしていて小型熱帯魚に対して餌ではないという認識があるものなら混泳は可能ですが、流木のみのような隠れ家が少ない水槽内では気をつけなければいけません。
一番良くないケースはエンゼルフィッシュが先に飼育されている水槽にSサイズのネオンテトラなどを入れてしまうことです。
水槽内における自分の縄張りに口に入るような小さなサイズの熱帯魚が突然現れればエサと認識してしまうことは避けられないでしょう。
逆に水槽立ち上げ当初から幼魚のエンゼルフィッシュとネオンテトラなどを一緒に飼育していれば、エサと認識することは少なく、混泳出来るケースがあります。
エビ類とエンゼルフィッシュの混泳
ヤマトヌマエビやミナミヌマエビ、ビーシュリンプなど水槽で飼育できるエビの仲間はたくさんいますが、基本的にエビ類はエンゼルフィッシュにとってエサになってしまうことを理解しておきましょう。
コケ取り用としてミナミヌマエビなどを水槽に混泳させたくなる気持ちもわかりますが、エンゼルフィッシュがいる以上、他のコケ取り生体を検討するしかありません。
エビ以外のコケ取り生体としては、サイアミーズフライングフォックスやオトシンクルスなどがお勧めです。
ただ、大きく育ったエンゼルフィッシュですと流石にオトシンクルスのサイズでは口に入ってしまうこともあります。
基本的には捕食することは無いのですが、オトシンクルスを誤飲してしまい、喉に詰まらせたなどどいう事例も聞いたことがありますので、大きく育ったエンゼルフィッシュとの混泳は避けた方が無難かもしれません。
エンゼルフィッシュと混泳相性の良い熱帯魚
具体的にどのような熱帯魚がお勧めかと言えば、まずは小型ナマズの仲間のコリドラスです。
コリドラスといっても非常に種類が多いのですが、安値で入手できる丈夫な個体で問題ありません。
コリドラスは非常に温和でエンゼルフィッシュを襲うこともなく、エンゼルフィッシュの遊泳層と違い、水槽底面を泳ぐことが多いため、住み分けができるうえ、水槽底面に沈んだ餌の食べ残しなども食べてくれるのでエンゼルフィッシュとは非常に相性がいいでしょう。
グラミーとエンゼルフィッシュの混泳
次にハニードワーフグラミーやドワーフグラミーなどの小型グラミーもお勧めです。
グラミーなどのアナバスは緩やかな水流を好み、静かな水槽に向いていますのでエンゼルフィッシュなどの優雅に泳ぐ熱帯魚などと非常に相性が良い熱帯魚と言えます。
ただ一概にグラミー全てが相性が良い訳ではなく、チョコレートグラミーのように水質にうるさく飼育が難しいグラミーやキッシンググラミーのように大型のグラミーはあまりお勧め出来ませんので購入時にはよく確認することが必要です。
ネオンテトラとエンゼルフィッシュの混泳
ネオンテトラなどの小型カラシンも混泳は可能です。先に述べましたエンゼルフィッシュの口に入らないサイズのネオンテトラであれば問題はありません。
アマゾン原産のネオンテトラなどはエンゼルフィッシュと好む水質が近い為、弱酸性の水質を維持できれば飼い込むことにより鮮やかな発色がみられます。
エンゼルフィッシュとの混泳にネオンテトラを検討しているのでしたら、ネオンテトラに似たカージナルテトラの方が多少大きく育ちますのでエンゼルフィッシュとの相性も良いかもしれません。
グッピーとエンゼルフィッシュの混泳
ネオンテトラが混泳可能ならグッピーも同様に混泳可能のように思えますが、水面近くを盛んに泳ぐグッピーの遊泳層や派手な容姿がエンゼルフィッシュに対して刺激を与えてしまうようです。
個体差はありますが、グッピーの尾ひれを突き、ボロボロにしてしまうこともありますのでグッピーとエンゼルフィッシュの混泳はあまりお勧め出来ません。
プラティとエンゼルフィッシュの混泳
グッピーと同じメダカの仲間でもプラティはエンゼルフィッシュに攻撃されるようなことはほとんどなく、混泳の相性が良い熱帯魚とされています。
ただ、成魚は問題なくとも生まれたばかりの稚魚などはやはりエンゼルフィッシュの餌となってしまいますので、プラティの繁殖を考えているのでしたら混泳は出来ない種類と言わざるを得ません。
混泳を成功させる為のコツ
エンゼルフィッシュの口に入らないサイズの混泳対象を選ぶ。
出来るだけ大きな水槽で住み分けができるようにする。
水草や流木などのレイアウトを施し、隠れ家を増やす。
エンゼルフィッシュが小さいうちに混泳をさせて混泳対象魚を慣れさせる。
混泳させる熱帯魚の繁殖は出来ないものと覚悟する。
このような条件を守ればかなりの種類の熱帯魚が混泳可能となります。
エンゼルフィッシュの混泳まとめ
エンゼルフィッシュとの混泳に向いている熱帯魚は多数います。しかし混泳させる環境や個体差によって問題が生じることも理解しておきましょう。
混泳に限ったことではないですが、熱帯魚飼育において絶対大丈夫や絶対ダメということは少なく、環境によって条件はいろいろと変化します。
よってどのような問題が起きるのか、どのようなケースは避けなければいけないのかなどをしっかり理解し、適切な環境を維持してあげることで混泳のパターンは広がっていきます。
ただ、「この環境でこの熱帯魚なら大丈夫」と思って水槽に入れてみたらエンゼルフィッシュに攻撃を受けてしまうなんてことも少なくありません。
そのような事態が起きた際にすぐに対応出来るように隔離用の水槽か隔離用に稚魚の飼育箱などを用意しておくようにしましょう。