ベタの白点病の症状と見分け方とは?
ベタの白点病の治療方法を知りたい。
ベタの白点病の塩浴のやり方を知りたい。
ベタの白点病におすすめの薬は?
こんなベタの白点病に対する疑問についてご紹介いたします。
ベタの病気についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
ベタの白点病の症状と見分け方
ベタが罹(かか)る病気の1つに「白点病」というものがあります。
ベタが白点病に感染するとどのような症状が現れるのでしょうか。
また、他の病気との見分け方はあるのでしょうか?
白点病はベタなどの熱帯魚がよく発症する病気の1つです。
白点病は、「ハクテンチュウ」という繊毛虫(せんもうちゅう)の一種がベタに寄生する事で発症します。
白点病の原因となるハクテンチュウは、「ウオノカイセンチュウ」と呼ばれることもあります。
また、海水魚も白点病に感染するのですが、原因となる繊毛虫の種類が別なので、区別するために淡水の熱帯魚などの白点病のことを「イクチオフチリウス症」と呼びます。
白点病に感染したベタには次のような症状が現れます。
- ベタの体に白い斑点が現れる
- 体を小刻みに振るわせる
- 体を水槽や底砂に擦り付けるように泳ぐ
白点病の症状として、最も分かりやすいのが体に現れる白い斑点です。
ベタの体やヒレ、エラなどに白い斑点が現れます。この白い斑点がハクテンチュウです。
最初は数個しか無かった白点は、段々と全身に広がっていきます。
エラにまで白点が広がるとベタは呼吸困難を起こして死んでしまう可能性がありますので、その前に治療しましょう。
白い斑点が現れる症状の他に白点病に感染したベタは体を小刻みに振るわせたり、体を擦り付けるように泳ぐ仕草を見せます。
これは、寄生したハクテンチュウが繊毛(せんもう)運動するのでベタが痒がるからです。
この痒がる仕草は白い斑点が現れる前の初期の感染段階から見られる事があります。
よって白点が無くても頻繁に体を痒がっているようならば、白点病に感染している可能性が高いので、注意して様子を観察するようにしてください。
白点病の他にも、ベタの体に白い点が現れる病気があります。
- 水カビ病
- 尾ぐされ病
などのような病気もベタの体表に白い点や塊が現れます。
これらの病気と白点病の見分け方は以下の通りです。
- 白点病の点は小さく全身どこにでもできる
- 白点病は24時間程度で一気に増える
- 白点病に感染したベタは痒がる仕草をする
以上の3点が白点病の特徴なので、この特徴に合致するかどうかで見分けることができます。
白点病の白い斑点は1mm以下の小さなものです。
そのため、1つ2つしかない初期の段階では見逃してしまうことがあります。
一方、水カビ病の白い点はフワフワとワタのような形状をしています。
尾ぐされ病の初期にも、白点病のような白い点が見られることがありますが、こちらはヒレの先端付近から鰭条(きじょう)にそうような形で現れます。
白点病の白い斑点は、24時間ほどで一気に広がります。
水カビ病や尾ぐされ病は、そこまで一気に広がりません。
また、白点病の白い斑点は位置が変わります。
昨日あった場所に今日は無く、別の場所に白い点が現れたりします。
これらの白い斑点の特徴に加え、白点病の場合はベタが痒がる仕草を見せます。
白点病とその他の病気は、これらの症状の違いで見分ける事ができます。
白点病は初期ならば命に関わるような病気では無いですし、重症にならなければ比較的治しやすい病気なので、白点病の症状を見つけたらすぐに治療して治してあげましょう。
ベタの白点病の治療方法
ベタが白点病に感染したら、どのように治療してあげれば良いのでしょうか。
ベタの白点病の治療方法のポイントは次の3つです。
- 水温を30℃前後に上げる
- 初期は塩浴を行う
- 症状が進んだり重症の場合は薬浴を行う
白点病の原因となるハクテンチュウは、25℃以下の低水温を好み、この温度帯で活発に増殖します。
なので、白点病を治療する際には、ハクテンチュウの苦手とする30℃程の高水温にして、増殖を抑えながら治療します。
また、高めの水温はベタの新陳代謝を高める効果もあるので、ベタの自然治癒力が上がり、病気の回復が早まる効果も期待できます。
水温を上げる際は、一気に上げるとベタの負担になるので、1日に1℃程度ずつ上げていくようにしましょう。
28℃~30℃の水温だと白点病はほとんど発症しないので、白点病の予防的に普段から水温高めで飼育するのも良いですね。
ベタ飼育用のヒーターなどで温度固定式のものもありますが、できれば水温調整機能付きのものを日頃から使うことで白点病の治療時などにも有効活用することができます。
白い斑点が1個~数個程度の初期段階ならば、高水温と塩浴のみで治療します。
塩浴は0.5%の塩分濃度で行います。1リットルに対し5gの塩を入れると0.5%の塩分濃度になります。
塩でハクテンチュウが死ぬわけではありませんが、多少弱らせる効果が期待できるとされています。
それではなぜ塩浴を行うのかというと、ベタの体力を回復させ自然治癒力を高めるためです。
初期の段階であれば、塩浴と高水温だけで治ることも多いものです。
しかし、塩浴と高水温でも症状が進行する時や、すでに全身に白点が広がった重症の場合には薬浴を行います。
この時、塩浴+高水温+薬浴の組み合わせにしてあげるとより治療効果が高まります。
症状の進行具合に応じて治療方法を決めましょう。
白点病の治療期間は1週間程度かかります。
これはハクテンチュウの繁殖のサイクルに起因します。
ハクテンチュウは魚に寄生して「ホロント」となり、次に「成虫」となって魚の体から離れ、被膜に覆われ繭のようになった「シスト」になります。
シストは分裂増殖し仔虫を放出します。この仔虫は「遊走子」と呼ばれる状態で、寄生する魚を探して水中を漂っている状態です。
遊走子は24時間以内に魚に寄生できないと弱り始め、48時間を過ぎても寄生できないと死んでしまいます。
ハクテンチュウは以上のようなサイクルで増殖します。
このサイクルのうち、薬が効くのは「魚から離れた成虫がシスト化する前」と「遊走子(仔虫)」の段階だけです。
「ホロント」と「シスト」の状態は薬が効きません。
なので、ハクテンチュウの増殖の1サイクル中は治療を続けないと効果が出ないので、白点病の治療期間は最低でも1週間程かかります。
ベタの白点病の塩浴のやり方
ベタの初期の白点病治療の塩浴はどのように行えば良いのでしょうか。
- 0.5%の塩分濃度で治療をする
- 徐々に塩分濃度を上げる
- ベアタンクはそのまま、フィルターや水草がある水槽は隔離容器で行う
以上が塩浴のポイントです。
治療用の塩浴の塩分濃度は0.5%です。
水1リットルに対して5gの塩を入れると0.5%の塩分濃度になります。
塩分濃度を上げる際は徐々に上げていきます。
ベタの飼育環境がベアタンクならば、そのままの環境で塩浴させて構いません。
フィルターや水草が入っている飼育環境の場合には、別の容器を用意して塩浴させます。
水草やフィルターありの水槽に直接塩を入れてしまうと、水草が枯れたり、バクテリアが死んだりして環境が悪くなることがあるので別容器で塩浴するようにしましょう。
別容器には、水槽の水半分とカルキ抜きした新しい水半分を入れます。
塩分濃度の上げ方ですが、コップなどに0.5%塩分濃度になる量の塩を入れ、水槽の水で溶かして塩水を作ります。
後は塩水を少しずつ入れていきます。
塩水の1/5を入れて10分様子を見て、また同じ量入れる、というのを繰り返して徐々に塩分濃度を高めるようにします。
水温は30℃程度を保つようにしましょう。
水換えは毎日行います。
新しく換える水にはあらかじめ塩を溶かしておきましょう。
塩浴初日は徐々に塩分濃度を高める「水合わせ」が必要ですが、2日目以降はすでに0.5%の塩分濃度に慣れているので必要ありません。
注意点として、水温は必ず合わせるようにしてください。
また、塩浴での治療中に白点病が悪化する場合には、すぐに薬での治療に切り替えてください。
無事に塩浴での治療が終了したら、徐々に真水に戻していきます。
1日ごとに半分程度の水を換えます。この時の新しい水は塩が入っていない真水を使いましょう。
4~5日この作業を繰り返せば、水槽内の水はほとんど真水に換水されます。ベアタンクの場合はこれで終了です。
隔離容器で塩浴させていた場合は、真水に戻した後に元の水槽に戻してあげましょう。
以上がベタの白点病の塩浴の方法です。
ベタの白点病におすすめの薬
ベタの白点病が塩浴で良くならない場合には、薬を使いましょう。
白点病におすすめの薬には次のようなものがあります。
- アグテン
- ヒコサンZ
- グリーンFゴールド顆粒
比較的軽症から中程度の白点病の治療には「アグテン」や「ヒコサンZ」がおすすめです。
どちらもマラカイトグリーンを主成分とする薬で、薬効が穏やかで魚へのダメージが少ないです。
また、水草を入れている水槽にもそのまま使えます。
1週間を目安に使用して様子を見ましょう。
アグテンやヒコサンZが効かない場合や、すでに重症になってしまっている場合には、「グリーンFゴールド顆粒」がおすすめです。
グリーンFゴールド顆粒は薬効が高く、幅広い病気に効きますのでとても重宝します。
以上がベタの白点病の治療におすすめの薬です。
ベタの白点病には対する疑問まとめ
- ベタの白点病はハクテンチュウ(ウオノカイセンチュウ)が寄生することで発症する
- ベタの白点病は治りやすい病気
- 初期の白点病は「塩浴と高水温(30℃程度)」で治療する
- 重症化した白点病は「薬浴+塩浴+高水温」で治療する
- 初期から薬を使うなら「アグテン」や「ヒコサンZ」などのマラカイトグリーンが主成分の薬を使う
- 重症化したものは「グリーンFゴールド顆粒」がおすすめ
今回はベタの白点病に対する疑問についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。