ベタの体全体に白いモヤモヤ・ふわふわが付着?
ベタの粘膜剥離とは?原因は?
ベタは水換えをし過ぎると粘膜剥離を起こす?
ベタの粘膜剥離は治療で治る?
ベタの粘膜保護剤とは?
こんなベタの粘膜剥離に対する疑問についてご紹介いたします。
ベタの病気についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
ベタの粘膜剥離とは?原因は?
ベタを飼育しているとベタの体の周りや水槽の底に白いモヤモヤやふわふわした感じのものを見つけることがあります。
これは「ベタの粘膜剥離」と呼ばれる症状です。
ベタの粘膜剥離とは、何らかの原因でベタの粘膜が剥がれたり、粘膜の分泌が増える粘膜過多の状態になることで起こります。
ベタの体の周りを白い膜が覆っていたり、水槽の底に白いモヤモヤが沈んでいることで粘膜剥離に気づくことが多いでしょう。
ベタの体の一部やヒレなどに部分的に綿のようなものが付着していたら水カビ病などの可能性があります。
さらにヒレが端から溶けるような状態が見られたら尾ぐされ病の可能性を疑った方が良いでしょう。
粘膜剥離の原因としては次のようなものが挙げられます。
- 水合わせがうまくいかなかった
- 新しい飼育環境に慣れていない
- 新しい水の刺激
- 飼育水が古く汚れていた
- 網で掬う際に擦れた
新しく購入してきたベタの最初の水合わせを怠(おこた)ると、粘膜剥離が起こりやすくなります。
ベタは丈夫な熱帯魚ですが、購入時の最初の水合わせはしっかりと行ってください。
また、水合わせをしっかり行っても、購入から1~2ヶ月程度の期間、粘膜剥離を起こす個体もいます。
そのような場合は、新しい環境に慣れていないという事が考えられます。
水換え後の新しい水の刺激で粘膜剥離を起こすこともありますし、逆に水換えをしなさすぎた事で水が汚れ、水質が悪化した事が原因で起こすこともあります。
また、水換えの時にベタを網で掬った際に体が擦れてしまった事が原因で粘膜剥離になる事もあります。
ベタを掬う際はコップなどで水ごと掬うようにすると体やヒレが傷つきにくく安心です。
このようにベタの粘膜剥離は水質の急変や環境への順応不足、水質の悪化、網などの物理的刺激などで起こります。
しかし、同じ作業をしても粘膜剥離を起こす子と起こさない子がいるので、個体差も大きく関係していると感じます。
ベタの粘膜剥離は見た目が痛々しく重症のように見えることがありますが、粘膜剥離=病気ではないので少しだけ安心してください。
私たち人間のイメージで言うと粘膜剥離の状態は「少々調子悪いから少し休ませて」といった感じです。
粘膜剥離の対処法や治療法についてはこの後詳しくご紹介していきますので、まずは粘膜剥離が起こる原因を徹底的に洗い出しましょう。
ベタは水換えをし過ぎると粘膜剥離を起こす?
ベタは水質の変化などによって粘膜剥離を起こす事がありますが、それでは水換えをし過ぎた場合も粘膜剥離を起こしやすくなるのでしょうか。
確かに水換え頻度があまりに多すぎるとベタが粘膜剥離を起こしやすくなると考えれらます。
また、水換えの際の水温合わせなどをしっかりと行っていない場合には粘膜剥離を起こす可能性は高くなります。
ベタの粘膜剥離の原因の1つに、「新しい水の刺激」があります。
しっかり水質を合わせても、新しい水の刺激によって粘膜剥離を起こしてしまう個体もいます。
このような個体の場合、毎日水換えを行うような高頻度な水換えは粘膜剥離の引き金になるのでやめましょう。
大きな水質変化を抑え、それでいて水換え頻度も少なくて済むように、フィルターを付けた大きめの水槽で飼育するなどして対処すると良いでしょう。
また、新しい水の刺激は大丈夫でも水温変化の刺激で粘膜剥離を起こす場合もあります。
水槽の水の水温と新しい水の水温は、なるべくきっちり合わせるようにしましょう。
水換え頻度が多すぎるのもよく無いですが、逆に水換えしなさすぎるのも危険です。
特に、フィルターのついていないベアタンクの場合は注意しましょう。
水換え不足の飼育水の中では、ベタの病気の原因となる細菌などが大繁殖しています。
そのような環境の中で粘膜剥離を起こすということは、細菌に対しての防御が薄くなった状態なので、病気に感染しやすくなります。
水換えはし過ぎてもしなさ過ぎてもダメなので、適度な頻度で行いましょう。
また、同じ水換え頻度でも、粘膜剥離を起こす個体と起こさない個体がいます。
毎日全換水の水換えをしても平気な子もいれば、週に一回の全換水の頻度で粘膜剥離を起こしてしまう子など実に様々です。
なので、粘膜剥離を起こしてしまった場合には、その個体がどうして粘膜剥離を起こしたのか原因を考え、それに対処した飼育環境を作ってあげるようにすると良いです。
ベタの飼育スタイルが様々なのも、ベタの個体差によるところが大きいのだと思います。
よってそれぞれのベタの個性に合わせた環境作りが大切です。
ベタの水換え方法に不安のある方は過去の記事でベタの水換えについてまとめてありますのでご覧ください。
ベタの粘膜剥離は治療で治る?
注意していてもベタが粘膜剥離を起こしてしまったらどうすれば良いのでしょうか。
粘膜剥離は治療すれば治るのでしょうか。
ベタの粘膜剥離は治療すれば治りますが、その治療方法は塩浴程度にとどめておく方が良いでしょう。
ベタは粘膜剥離を起こしても元気な場合が多いです。
普段と変わらず泳ぎまわり、餌も食べる個体がほとんどです。
このようにベタが元気な場合には、あれこれ色々やり過ぎるのは逆効果で、粘膜剥離を悪化させる場合が多いと感じます。
よって粘膜剥離が起こった場合には、次のような対処・治療が良いでしょう。
- まずはそのまま2~3日様子を見る
- 粘膜剥離が酷くなるようなら0.5%程度の塩浴をする
- 粘膜剥離以外の病気が見られた場合には薬で治療する
水換え後などに粘膜剥離を起こした場合には、水質変化などが原因だと考えれるので、まずは2~3日、水質が安定するまで様子を見ましょう。
水温は26℃~28℃を保ちます。ヒーターや室内暖房のエアコンで水温を管理しましょう。
経過観察の間に、徐々に白いモヤモヤ(粘膜)の量が減ってくれば問題ありません(ベアタンクの場合、剥がれた落ちた粘膜はスポイトで回収しましょう)。
もし、2~3日経過しても変わらないか、悪化するようなら、0.5%程度の濃度の塩浴を行います。
剥離した箇所からの体液の流出を抑え、ベタの自然治癒力を高めるのが目的です。
塩浴を行う際は、塩分濃度を徐々に上げるようにしてください。
また、フィルターや水草ありの水槽の場合には、別容器を用意して、そちらでベタを塩浴させましょう。
2~3日に1度のペースで全ての水を換えながら、1週間程度様子を見てください。この時、交換する水も0.5%程度の塩分濃度の水で交換します。
徐々に剥離が収まるようなら問題ありませんので、塩分濃度を少しずつ下げ、元の環境に戻してあげてください。
真水への戻し方は、毎日半分程度を真水と交換していきます。4~5日ほど繰り返すと、水槽内の水はほぼ真水になります。
もし経過観察の途中で他の病気が発症してしまった場合には、薬を使って治療します。
粘膜が剥がれると、「尾ぐされ病」や「水カビ病」などの病気に罹りやすくなります。
これらの病気が発症した場合には、グリーンFゴールド顆粒やグリーンFリキッドなどで治療しましょう。
粘膜剥離の段階ですぐに薬を使うのは、個人的にはあまりおすすめしません。
薬浴によって水換え頻度が高まる方が、かえって粘膜剥離を悪化させると感じるからです。
粘膜剥離を起こしてもベタが元気な場合には、あれこれいじり過ぎずに様子を見るようにしてみてください。
治療するにしても塩浴で様子を見るか、水換え時に粘膜保護剤を入れて粘膜を保護するくらいの方が良いでしょう。
薬を使うとしたら、何か病気を発症した場合(尾ぐされ病や水カビ病など)に使う方が良いと思います。
ベタの粘膜保護剤とは?
ベタの粘膜保護剤とは一体どのようなものなのでしょうか。
粘膜保護剤とは、魚の粘膜(ぬめり)と近い成分が配合されているもので、これにより魚の粘膜を保護し、強化してくれる働きがあります。
この働きにより、「病気予防」や「体が擦(こす)れる事での傷の防止」などに効果的だと言われています。
魚の体表を覆(おお)っている粘膜は、水中に存在する細菌や病原菌の侵入を防ぐ役割があります。
この粘膜の厚さは魚の体調に左右され、体調が悪くなると粘膜が薄くなります。
薄くなった粘膜は防御力が低下している状態なので、細菌や病原菌を防ぐ力が弱まっています。
これにより、細菌や病原菌が魚の体内に入り込みやすくなり、病気に罹りやすくなります。
粘膜保護剤に配合されている魚の粘膜と近い成分の働きにより、魚の粘膜の保護と強化を行うことで、細菌や病原菌の侵入を防ぐ事ができるので、病気を予防する効果があるとされています。
また、粘膜は魚の体を物理的な刺激から守る役割もあります。粘膜保護剤で粘膜が強化される事で、他の魚や網、レイアウトなどと体が擦れた際に、体が傷つきにくくなります。
ベタは粘膜が薄い熱帯魚なので、粘膜保護剤は大いに役立ちます。
また、粘膜剥離を起こしてしまったベタの体を保護するにも効果的です。
様々な種類の粘膜保護剤がありますが、ベタにおすすめなのはベタ専用の粘膜保護剤です。
GEX(ジェックス)ベタセーフは、ベタ専用に作られた粘膜保護剤で、抗菌成分と粘膜保護成分のダブルの力で、ベタをヒレの先までコートしてくれます。
GEXベタセーフには、抗菌成分としてタンニンが含有されています。
タンニンはマジックリーフなどにも含まれている成分で、水の雑菌を抑える効果があります。
さらに、粘膜保護成分のコラーゲンが配合されているので、ベタの粘膜を守り、デリケートなヒレを保護してくれます。
また、カルキ(塩素)を中和し、重金属を無毒化する成分も入っていて、ベタに安心な水作りに役立つ商品なのでおすすめです。
粘膜保護剤を使う際の注意点は、「入れ過ぎない事」です。
効果を高めようと規定量をオーバーした量を入れると、水に余計なとろみがつき、泡が消えにくくなります。
また、水が早く汚れるようになるので、適量を守るようにしましょう。
粘膜保護剤は正しく使えばベタの健康を維持するのに大いに役立つので、おすすめです。
ベタの粘膜剥離まとめ
- 粘膜が剥がれたり過剰に分泌される状態が粘膜剥離
- 水合わせ不足や水質変化、網などによる擦れが原因となる
- 粘膜剥離の起こしやすさは個体差がある
- 粘膜剥離の治療は塩浴程度であれこれいじり過ぎない方がよい
- ベタは粘膜が薄いので粘膜保護剤を入れるのは効果的
今回はベタの粘膜剥離に対する疑問についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。
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