グッピーに白点ができる白点病とは?
グッピーの白点病はうつる?対策はどうする?
グッピーの白点病の治療方法は?
こんなグッピーに白い点ができる白点病に関する疑問についてご紹介いたします。
グッピーに白点ができる白点病とは?
グッピーが発症する病気の一つに「白点病」という病気があります。
白点病は魚の体表に白く小さな斑点が現れるのが特徴の病気です。
白点病は「ハクテンチュウ(ウオノカイセンチュウ)」という繊毛虫がグッピーの体表に寄生する事で発症します。
つまり寄生虫感染による病気という事です。
白点病を発症したグッピーは初期症状として体を水槽面や底砂に擦り付けたり、体を震わせたりといった行動を見せます。
これは、体表に寄生したハクテンチュウが繊毛運動を行うためにグッピーが体を痒がるために見せる行動です。
感染初期では白点病の特徴である白い斑点はまだ現れていません。
しかし、このような体を痒がる行動をグッピーが見せた場合にはハクテンチュウに寄生されている可能性が高いので、この段階から隔離して治療を開始すると良いでしょう。
症状が進むとグッピーの体表やヒレなどに白く小さな斑点が現れ始めます。
この白い斑点は寄生したハクテンチュウです。
ハクテンチュウはグッピーの体表で成虫となると体から離れます。
その後シストとなり水中や底砂の中で分裂・増殖をし、遊走子となって水中を漂いながら寄生する魚を探すという生命サイクルを繰り返します。
そのため、白点病で見られる白点は、その数が増減したり場所が移動したりするというのが特徴です。
白点病の他にも、水カビ病や尾ぐされ病などもグッピーの体表や尾ビレなどに白い出来物が現れますが、これらは症状の進行と共に大きくなったりする事はありますが、頻繁に場所が変わるという事はありません。
そのため、白点の場所が変わるかどうかで白点病かその他の病気かの鑑別ができます。
白点病の症状が進行すると、ハクテンチュウはその数を増やしながら寄生したグッピーの養分を吸収していくので、寄生されたグッピーは徐々に衰弱していき最終的には死んでしまいます。
しかし、白点病は早期発見・早期治療で完治が見込める病気ですので、見つけ次第すぐに隔離して治療を開始するようにしましょう。
グッピーの白点病はうつる?対策は?
飼育しているグッピーのうちの1匹に白点病が発生した場合、水槽内の他のグッピーにも白点病がうつってしまうのでしょうか?
また、白点病の対策にはどのようなものがあるのでしょか?
結論から言うと、白点病を発症したグッピーをそのまま放置していると水槽内の他のグッピーにもうつり、水槽内に白点病が蔓延してしまいます。
そのため、白点病を発症したグッピーは速やかに隔離する必要があります。
1匹のグッピーにのみ白点病が現れているという場合は、ハクテンチュウがまだ大繁殖していない状態です。
この段階で白点病を発症した1匹のグッピーを他の容器に隔離し治療を開始することで、水槽内でハクテンチュウが増殖する事を抑える事ができます。
発病したグッピーを隔離した後の水槽内にハクテンチュウが多少残っていたとしても、数が少なければ他のグッピーが発症する可能性は少なくなります。
何故なら、ハクテンチュウは健康なグッピーには寄生しにくいからです。
グッピーの体表に傷があったり、体調を崩して免疫力が下がっている場合などに寄生されやすくなります。
また、寄生するのはハクテンチュウの遊走子と呼ばれる状態の物です。
この遊走子は20時間以内に魚に寄生できなければ死んでしまいます。
そのため、水槽内に残ったグッピーが健康体であれば寄生される心配が少なく、また、遊走子は20時間経てば死んでしまうので、他のグッピーに白点病が広がる可能性が低くなるのです。
これが白点病が発生した時に水槽内に白点病を蔓延させないための対策です。
しかし、発見時にすでに複数のグッピーが白点病を発症している場合もあるでしょう。
このような場合はすでにハクテンチュウが水槽内に蔓延している状態であると考えられるので、白点病を発症したグッピーだけを隔離しても意味がありません。
そのまま水槽ごと薬浴するか、水槽を丸ごとリセットする必要があります。
このように、白点病は一度蔓延してしまうと駆除するのが非常に厄介な病気です。
そのため、白点病を持ち込まない、発症させないための対策がとても重要になります。
白点病の原因であるハクテンチュウは、何も無いところから自宅の水槽内に突然発生するものではありません。
ハクテンチュウが自宅の水槽に発生してしまう原因は外部からの持ち込みです。
購入したきた生体や水草にくっ付いて侵入してくるのです。
そのため、自宅の水槽にハクテンチュウを持ち込まないための対策として、購入した生体や水草はしばらく別容器でトリートメントして様子を見るという事が重要です。
数日様子を見て問題が無ければ水槽内に移しましょう。
この時、生体と一緒に入っていた水は決して水槽内に入れないようにしましょう。
この水の中にもハクテンチュウが紛れ込んでいる可能性があるからです。
トリートメントしている容器に水槽の水を加えながら水合わせをして、生体だけを水槽に移すようにしましょう。
このようにハクテンチュウの侵入に気をつけていても、水槽内に入り込んでしまうことがあります。
そのような場合には白点病を発症しにくくなる対策をとりましょう。
実はハクテンチュウは25度以下の低水温を好む寄生虫です。
そのため、水温が低くなるほど白点病の発症リスクが高まります。
逆に、水温が高ければ発症リスクは下がります。
30度以上の水温で飼育している熱帯魚には白点病はほとんど見られません。
グッピーの適温は25度~28度程度なので、28度前後の水温を維持してあげれば、水槽内にハクテンチュウがいたとしても白点病の発症リスクはかなり低くなるでしょう。
また、高水温はグッピーの新陳代謝を高める効果もあるので、免疫力が高まり寄生されにくくなるというメリットもあります。
適切な対策を取れば白点病の発症リスクを抑えることができるので、ぜひ行ってみてください。
グッピーの白点病の治療方法
飼育しているグッピーが白点病を発症してしまったと言う場合、どのような方法で治療すれば良いのでしょうか?
白点病の治療のポイントは以下の通りです。
- 薬浴で治療する
- 塩浴を併用するのも良い
- 水温は28度前後と高めにする
- 最低でも2日に1度は水換えをする
- 治療期間は1週間~2週間
白点病の治療は基本的に薬を使った薬浴で行います。
使う薬はグリーンFリキッドなどのメチレンブルー系の薬や、ヒコサンZなどのマラカイトグリーン系の薬です。
ハクテンチュウに塩は効かないので塩浴単体では治療効果は薄いですが、薬浴と併用することで治療効果が高まります。
これは塩浴によってグッピーの新陳代謝が促され自然治癒力が高まるからです。
塩浴を行う際は0.5%の塩分濃度の塩水で塩浴させましょう。
水1リットルに対して塩5gで0.5%の塩分濃度になります。
また、水温は28度前後の高めに設定するのがおすすめです。
これはグッピーの新陳代謝を高める目的もありますが、ハクテンチュウの生命サイクルを早める目的もあります。
実はハクテンチュウには薬が効く期間と効かない期間があります。
薬が効くのは「成虫がグッピーから離れてシスト化する前」と「遊走子」の2つの時期のみです。
「魚に寄生している時」と「シスト」の状態の時は薬が効きません。
水温を高めることで生命サイクルの循環を早める事ができるので、薬が効く期間を早く迎えさせる事が可能となり、治療効果を高めることができるのです。
また、治療中は最低でも2日に1回は水換えをするようにしましょう。
何故なら薬や塩が入った水は汚れやすいからです。
また、シスト化したハクテンチュウが水槽の底に沈んでいることがあるので、水換えによってこれらを物理的に除去して数を減らすことができます。
水換えは全水量の2/3程度を目安に行い、隔離しているグッピーの匹数や健康状態に合わせて加減しましょう。
匹数が多く元気がある場合は水換え頻度と水換え水量を増やし、逆に弱っているようならば1回の水換え量を減らして毎日水換えするなど調節して下さい。
水換えの量に合わせて薬と塩を追加で投入して濃度を合わせることも忘れずに行いましょう。
治療期間は最低でも1週間、長くて2週間を目安に行います。
これはハクテンチュウの生命サイクルが1サイクル1週間程度だからです。
時間はかかりますが中途半端に治療すると再発する恐れがあるので、じっくりと時間をかけて治療しましょう。
これらの治療は隔離容器で行うのが基本ですが、複数のグッピーが発症している場合には飼育水槽ごと治療する必要があります。
水槽で薬浴などをする場合は、水草が影響を受けて枯れる心配があるので、バケツなどの別容器に水草を移してから治療を開始してください。
また、水槽で薬浴を行っても、底砂の中にシスト化したハクテンチュウが残っている場合があります。
このような場合は治療終了後に再発しやすいです。
もし再発する場合には底砂やフィルターなどを全てリセットするようにしてください。
以上が白点病の治療方法です。
白点病が蔓延してしまうと治療が非常に厄介になるので、1匹でも発見したらすぐに隔離して治療することが重要です。
グッピーの白点病まとめ
- 白点病はハクテンチュウ(ウオノカイセンチュウ)という寄生虫が寄生することで発症する
- 白点病の白い斑点は日によって場所や数が変化するのが特徴
- 白点病は水槽内の他のグッピーにもうつるので発症した個体はすぐに隔離する事
- 白点病の治療は薬浴を基本とし、治療期間は1週間から2週間程度を目安に行う
今回はグッピーの白点病に関する疑問についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。