グッピーとメダカの違いは?
グッピーとメダカで飼いやすいのはどっち?
グッピーはメダカの餌でも飼育できる?
グッピーとメダカの共存混泳は可能?注意点は?
こんなグッピーとメダカの違いや混泳についてご紹介いたします。
目次
グッピーとメダカの違い
見た目が似ていることもあって「グッピーはメダカの仲間である」とされることが多いですが、実は分類上では違う魚であることはご存じでしょうか?
グッピーは「カダヤシ目-カダヤシ科-グッピー属」に分類され、一方のメダカは「ダツ目-メダカ科-メダカ属」に分類されています。
このように分類で見ると、まったく違う魚であることがわかります。
またメダカはオスとメスにほとんど違いはありませんが、グッピーはオスとメスに違いがあるのも特徴です。
グッピーのオスは体が小さいかわりに色鮮やかで大きな尾ヒレがありますが、メスにはそれがありません。
オスと並ぶとメスの方が体が大きく、丸いのが特徴的です。
「色鮮やかで、ひらひらとしたヒレを持つ華やかなグッピー」と「どちらかというと少し地味なメダカ」といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし近年メダカの品種改良が進み、グッピーのようなひらひらとした尾ビレをもつメダカも登場しています。
改良メダカの登場によって見た目ではグッピーとメダカの見分けが、益々つきにくくなってきていますが、尻ビレを見るとグッピーとメダカを簡単に見分けることができます。
グッピーのオスの尻ビレは一般的なヒレとは違い、「ゴノポディウム」と呼ばれる交接器となっています。
つまり一般的な尻ビレとなっているのがメダカで、尻ビレ部分が交接器となっているのがグッピーと見分けることができるのです。
グッピーとメダカの最大の違いは、その繁殖方法にあります。
メダカは卵を産んでから孵化させる「卵生」の魚ですが、グッピーはメスの体内で卵を孵化させてから稚魚を産む「卵胎生」の魚です。
この繁殖方法の違いが、グッピーとメダカの「尻ビレの違い」に繋がっています。
メダカはメスが産んだ卵にオスが精子を振りかけて受精させるので、交接器は必要ありません。
しかし、卵胎生のグッピーはメスの体内で受精させないといけないため、交接器をメスの体内に挿入して受精させる必要があります。
一見違いがないように見えるグッピーとメダカですが、その生態にはそれぞれ特徴のある別の生き物なのです。
グッピーとメダカで飼いやすいのはどっち?
グッピーとメダカはどちらも「飼育がしやすい魚」とされていますが、実際にはどちらの方が飼育しやすいのでしょうか?
色々な面から飼いやすさの違いを検証してみましょう。
水温の変化に強いのはメダカ
メダカは水質や水温の変化に強く、屋外でも飼育することが可能な魚です。
寒い冬がやってくる日本や中国大陸などに生息していることもあって寒さには強いですが、あまりにも水温が低いと冬眠してしまいます。
しかし、水面のみが凍っている状態で水槽全体が凍ることがなければ、越冬することも可能です。
一方のグッピーはあたたかい熱帯地域に生息しているため冬の冷たい水に弱く、逆に高すぎても問題が出てくるため飼育する際は適温に保つことがポイントとなってきます。
グッピーを飼育する場合は屋外ではなく室内に水槽を設置し、水槽用のクーラーやヒーターを季節に合わせて用意してあげましょう。
こうした点から考えると、水温の変化に強いメダカの方が飼育しやすいかもしれません。
また、近年ではメダカの品種も非常に増えており、ラメの入ったメダカや色鮮やかなメダカなどもいるため、グッピーに負けず劣らずの美しさを楽しむこともできます。
繁殖力が高いのはグッピー
初心者でも繁殖させやすいとされているのがグッピーです。
グッピーは飼育に適した環境を整えてオスとメスを入れておくと自然に繁殖します。
またグッピーは繁殖力が強い上に1回の受精で2~3回出産することが可能です。
繁殖期もないため1年中繁殖するので、気付くと「水槽の中がグッピーだらけ」なんてことも。
卵胎生なので産卵床になる水草も必要なく、お腹の中で孵化させてある程度育った状態で稚魚を産むので生存率も高い特徴があります。
小さな稚魚は親魚や混泳しているほかの魚に食べられてしまうこともあるので、隠れ家となる水草や隔離する別水槽を用意してあげてください。
一方のメダカは稚魚ではなく卵を産むため、産卵場所となる水草が必要です。
また、卵は食べられてしまうことが多いため、みつけ次第すぐに隔離する必要があります。
回収した卵は別の水槽に入れ、孵化させてから稚魚を育成しましょう。
野生のメダカの場合、4月~10月頃が繁殖期とされています。
グッピーと違って1年中繁殖するというわけではないようです。
グッピーとメダカの飼いやすさは、飼育目的や飼育環境によって変わってきます。
繁殖を考えているのであればグッピーの方が繁殖させやすいですし、ヒーターなどを使わずに飼育するのであればメダカの方が飼育しやすいでしょう。
こうしたそれぞれの特徴をしっかり理解した上で、飼い主自身の飼育方法に合う方を選択するのが良いかもしれません。
グッピーはメダカの餌でも飼育できる?
メダカ用の餌とグッピー用の餌がありますが、含まれている成分に大きな違いはないので、グッピーにメダカ用の餌を与えても問題はありません。
グッピーもメダカも雑食性の魚なので、逆にグッピーの餌をメダカに与えることも問題はありませんが、混泳で飼育する場合には注意が必要です。
どうしてもグッピーの方が食いつきが良いため、メダカがあまり餌を食べれない状況が出てきます。
そうならないためにも混泳の際の餌は、水面に浮くタイプのものと沈むタイプのものを用意しましょう。
また、グッピーは小さい餌を好むので、餌が大きく食べにくそうにしている場合はすりつぶしてからあげるようにしてください。
グッピーとメダカの共存混泳の注意点
熱帯魚と川魚ですが体の大きさも同じくらいで適応水温もほぼ同じなので、グッピーとメダカは混泳で飼育することができます。
しかし混泳で飼育する場合いくつか注意点があるので、そうした注意点を知った上で飼育するようにしましょう。
水温は一定に保つ
先程もご紹介しましたが、メダカと違ってグッピーは水温の適応範囲が狭い熱帯魚です。
水温の変化はグッピーに負担を与え、病気などのトラブルを引き起こす原因となります。
魚たちが快適に健康に過ごせるように水温管理は徹底しましょう。
夏場は水槽用のクーラーや水槽用冷却ファン、冬場はヒーターを使用することで水温を一定に保ってあげてください。
グッピーの数は少なめに
混泳して飼育する場合は、繁殖力の高いグッピーの数をメダカよりも少なくした方がうまく飼育できるとされています。
自然界でも日本の川で野生化してしまったグッピーが餌を食いつくしてしまい、メダカが生息域を奪われてしまう事態が発生しているのをご存じでしょうか?
暖かい地域や温泉が流れ込む川などで水温がある程度保たれている河川の状況です。日本各地でこのような状況が起きているわけではありません。
飼育下でもこうした事態が起こりうる可能性があるので、グッピーの数は少ない方が安心です。
グッピーはペアで飼育するとどんどん増えていってしまうので、1~2ペアくらいで抑えておきましょう。
隠れ家となる水草を用意する
メダカは人間が近づくと隠れる習性があり、ストレスに弱い魚でもあります。
混泳している魚に追い回されてストレスが溜まってしまうこともあるので、必ず逃げ場となる水草を入れてあげてください。
水草はグッピーの稚魚が生まれた際の隠れ家となったり、メダカの産卵場所にもなったりするので必ず用意してあげましょう。
餌は出来れば2種類用意する
しつこいようですが、餌は水面に浮くタイプと沈むタイプの2種類を用意してください。
グッピーは、人間が近くにいてもメダカのように隠れたりはしません。
餌をあげる際に水槽のふちを軽く叩くなどして合図すると、それが餌の合図だと覚えて音を聞いただけで寄ってくるようにもなります。
そのためどうしてもメダカよりも先にグッピーが与えられた餌を食べ始めてしまうので、メダカが餌を食べれない状況が出てきてしまいます。
グッピーは水面付近を泳ぐことが多いので、水面に浮かんでいる餌をグッピーが食べている間に沈んでいる餌をメダカが食べることができます。
餌不足を防ぐためにも、2種類の餌を用意してあげてください。
グッピーとメダカを混泳して飼育する場合は、どちらかだけが快適に過ごせる環境にするのではなく、どちらも快適に過ごせる環境を作ることを心がけましょう。
グッピーとメダカの違いまとめ
- グッピーはメダカの仲間とされることが多いが分類上ではまったく違う魚であり、最大の違いは繁殖方法である
- 尻ビレが交接器か普通のヒレかでグッピーとメダカを見分けることができる
- 飼育しやすいのは水質の変化に強いメダカ、繁殖しやすいのは繁殖力が高いグッピーである
- メダカの餌をグッピーに与えることができるが、混泳の際は沈下性と浮遊性の2種類の餌を用意する
- 混泳で飼育する際はグッピーとメダカどちらも快適に過ごせる環境を作る
今回はグッピーとメダカの違いや混泳についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。