グッピーの出産は卵?それとも稚魚?
グッピーが卵のまま生まれてきた?原因は?
グッピーが産卵した卵は孵化する?
グッピーが卵ではなく稚魚を産むようにする方法は?
こんなグッピーが卵を産む原因と対処法をご紹介いたします。
目次
グッピーの出産は卵?それとも稚魚?
グッピーはメダカの仲間であることはご存じでしょうか?
メダカの仲間の繁殖方法は、「卵生」と「卵胎生」の2種類にわけられます。
卵生とはメスが産卵した卵の上からオスが精子をかけて受精させる方法です。
熱帯魚だけでなく、魚の出産と言えばこの「卵生」が一般的となっています。
一方の卵胎生とは、オスの尻ビレにある「ゴノポジウム」と呼ばれる生殖器をメスの体内に入れ、直接受精させる方法です。
グッピーはこの卵胎生に当てはまるため、「卵」でななく「稚魚」を産みます。
そのためグッピーの産卵は、「出産」と呼ばれることも多いです。
卵胎生であるグッピーは他の小型の熱帯魚に比べると繁殖しやすく、稚魚の生存率も高いのが特徴です。
オスとメスで飼育しているとペアができやすいため初心者でも繁殖させやすく、環境さえ整っていれば放っておいても繁殖します。
メスは1回の交配でオスの精子を体内に貯蔵することができるので、その後2~3回の出産が可能となります。
妊娠期間は25日~30日とされているので、1度交配に成功すればオスがいなくても2~3ヶ月の間は毎月出産する事ができます。
そのため油断すると繁殖しすぎてしまい、飼い切れなくなってしまうこともあるので注意が必要です。
「気付いたら小さいグッピーがたくさん生まれていた」なんてこともよくあるので、その繁殖力の高さから「ミリオンフィッシュ」とも呼ばれることも。
グッピーが卵で産まれてくる原因
卵胎生で稚魚を産むはずのグッピーが稀に卵を産むことがあります。
グッピーが卵を産む原因として考えられるのは、「無精卵」「ストレスによる早産」「母親が若く交配や出産の経験がない」の3つです。
受精できなかった無精卵は、母親のお腹の中で吸収されてしまうこともありますが、受精した卵があり、その卵から孵化した稚魚を出産する際に一緒に産むことがあります。
2つ目のストレスによる早産とは、妊娠中になんらかの理由で与えられたストレスから卵がまだ未発達の状態なのに産んでしまうことです。
産卵箱に入れるタイミングが早すぎたり、ほかの魚に必要以上に追い回されたり、水槽内で起こったトラブルを解決する際にストレスを与えてしまった場合に起きます。
妊娠中のグッピーを購入してお店から自宅に連れ帰った際にもストレスを感じたり、水槽が変わったことでストレスを感じることもあるので妊娠中のグッピーを迎える際は注意してください。
また交配自体がはじめての若い母親は、交配が成立しにくい傾向があるためうまく受精できずに無精卵となってしまうことがあります。
交配や出産の経験を積めば、3つ目の原因で卵を産むことはなくなってくるので、それほど心配はいりません。
体が大きく育ち、出産も経験しているメスは初産の若いメスよりも出産も上手です。
グッピーが産卵した卵は孵化する?
上記で説明したように稚魚ではなく卵で産まれてきたものは、「無精卵」もしくは「未発達」の卵となっています。
そのため「いずれは孵化するかも?」としばらく様子を観察していても、稚魚が産まれてくることはありません。
産まれた卵を放置するのは水が汚れる原因となってしまうので、発見次第取り除くようにしてください。
卵ではなく稚魚のお腹に卵が付いたような状態で出産する場合がありますが、これは早産で産まれたことによる未熟児です。
その後成長してお腹についた卵がなくなりうまく泳げるようになる場合と、うまく育たず死んでしまう場合があります。
未熟児で産まれてきた場合はすぐに取り出さず、産卵箱の中でしばらく様子を見てあげるようにしてください。
未熟児はお腹の卵から栄養を補給するので、餌は必要ありません。
水を汚す原因になるので、餌は与えずに静かに見守ってあげてください。
グッピーに稚魚を産ませる方法
基本的には放っておいてもオスとメスを同じ水槽に入れていれば自然に繁殖するグッピーですが、より高確率で繁殖を成功させるには繁殖の条件を揃える必要があります。
グッピーの繁殖を行うには、「繁殖に適したオスとメス」を選ぶことが大前提です。
繁殖が可能な個体を選ばなければ、オスとメスを同じ水槽で飼育していても稚魚が産まれてくることはありません。
グッピーは生後4ヶ月頃から繁殖が可能とされており、オスは尻ビレにある「ゴノポジウム」と呼ばれる生殖器が発達します。
メスはお腹が丸くなり、黒っぽくなってくると繁殖の準備ができた合図。
繁殖に最適とされている「23~27度」に水温を保ち、繁殖準備が整ったオスとメスを同じ水槽で飼育していると1ヶ月ほどで自然とペアが誕生します。
仲睦まじく寄り添うように泳いでいれば、それがペア誕生の証です。
ここで重要になってくるのが「健康状態」。健康状態の良い、元気な個体であればあるほど繁殖しやすくなります。
オスは自慢の尾びれが綺麗に開き、常にメスを追い回しているような個体は元気な証拠です。
メスは大柄でふっくらとしたお腹、オスに追われても嫌がらない個体が繁殖に向いています。
しかしどんなに体が大きく元気なメスでもしつこくオスに追い回されるとダメージがあるので、オスの数よりもメスの数を多くしてあげてください。
1匹のメスにかかる負担を少なくしてあげることで、メスの健康状態を守ってあげましょう。
次に大切になってくるのが、「出産のタイミングを見極める」ことです。
出産のタイミングをしっかり見極めることができないと、産卵箱に入れる前に出産していしまい、せっかく産まれてきた稚魚がほかの魚に食べられてしまう可能性が出てきます。
また産卵箱に入れるタイミングが早すぎると、それまでいた水槽と産卵箱との環境の変化がストレスとなり早産の原因にもなりかねません。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、しっかりとメスの様子を観察してタイミングを見極めてください。
出産の前兆としてまずわかりやすいのが、丸かったお腹が角張ってきます。
餌を食べた後のグッピーはお腹が膨らみやすいので、餌を食べる前の状態を観察してください。
そして見た目のもう1つの変化としては、お腹をよく見ると稚魚の目が確認できるようにないります。
とくに肛門付近は透けていてわかりやすいので、よく観察してみてください。
見た目の変化以外にも出産前のグッピーは、その行動にも変化が表れます。
水槽のガラスに沿って上下に泳いだり、水面や水底でじっとしていたり、他の魚が近づくのを嫌がったり、突然激しく動き回ったり…
このような普段は見ない動きを確認したら産卵箱に移動してあげてください。
産卵箱に隔離することで母親が他の魚に気を取られず出産に集中でき、場所の移動によって起こった環境の変化が刺激となり出産を促すこともあります。
ただし出産箱に隔離するというのはメスにとってストレスになるので、隔離するのは「1~3日」を目安に行ってください。
しばらく様子を見ても出産する気配がない時は、元の水槽に戻してあげましょう。
グッピーは静かな環境での出産を好む傾向にあるので、夜中~明け方にかけて出産することが多いです。
出産は人間と同様に母体にかなり負担がかかります。
出産という一仕事を終えた母グッピーには、ゆっくり休める水草を用意するなどできるだけストレスのかからない環境を作ってあげてください。
グッピーが産卵する原因まとめ
- グッピーは卵胎生の魚なので基本的には卵ではなく稚魚を産む
- 無精卵、ストレスによる早産、母親が若く交配や出産の経験がないといった原因で卵が産まれてくることがある
- 産まれた卵が孵化することはない
- 繁殖させる場合は生殖機能が整った健康状態の良いオスとメスでペアを作り水温は23~27度を保つ
- 出産のタイミングを見極めてメスを隔離し、産後はゆっくりできる環境を作ってあげる
今回はグッピーが卵を産む原因と対処法をご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。