グッピーの稚魚の隔離方法と育て方!隔離はいつまで?

2023年1月28日

※この記事では広告を表示しています。

グッピーの稚魚の隔離方法と育て方

グッピーの稚魚は放置しても育つ?

グッピーの稚魚の隔離方法とは?

グッピーの稚魚を隔離して育てる時の注意点は?

グッピーの稚魚の隔離はいつまで?

こんなグッピーの稚魚の隔離に関する疑問についてご紹介いたします。

グッピーの稚魚は放置しても育つ?

色鮮やかな体色が特徴のグッピーは、丈夫で育てやすく、繁殖も容易なため、アクアリウムの入門魚として広く親しまれています。

グッピーを飼い始め、飼育に慣れてくると、繁殖にチャレンジしたくなる事でしょう。

繁殖が容易と言われるグッピーですが、生まれた稚魚は成魚と同じ水槽にそのまま放置しても育つのでしょうか?

それとも、メダカなどの魚と同じく、稚魚だけ隔離して育てた方が良いのでしょうか?

結論から言うと、グッピーの稚魚は隔離せずにそのまま放置しても育てる事が可能です。

グッピーはメダカなどと同じく、雑食性の魚です。

雑食性の魚の繁殖の場合、稚魚は親魚と別水槽に隔離して育てるのが基本になります。

何故なら、親魚が稚魚を餌と勘違いして食べてしまうからです。

そのため、例えばメダカの稚魚を親水槽に放置したままにしていると、その多くが食べられてしまい、ほとんど生き残りません。

では何故、同じ雑食性の魚でも、グッピーの稚魚は親水槽に放置したままでも育てる事ができるのでしょうか?

メダカは水草などに卵を産み付け、その卵から稚魚が孵化して出てきます。

一方のグッピーは、メスの体内で卵が孵化し、稚魚の状態で出産する「産仔」という方法で産まれてくるのです。

メダカのように、卵から生まれたばかりの稚魚は上手に泳ぐ事ができません。

底の方でジッとしている事がほとんどです。

その間、稚魚はお腹についたヨークサックという栄養の詰まった袋から栄養を吸収し成長します。

生後3日ほど経ってヨークサックが無くなると、自分で餌を求めて泳ぎ回るようになります。

このように、メダカなどのような、メスの体外で卵が孵化する魚は生まれてすぐは上手に泳げません。

この間に成魚に狙われてしまうと、うまく逃げることができないため、ほとんど食べ尽くされてしまうのです。

一方のグッピーはというと、メスの体内で卵から孵化し、ある程度泳げるまでに成長してから生まれてきます。

そのため、グッピーの稚魚は生まれてすぐ泳ぎ回ることができるので、成魚に狙われても水草などの隠れ家に逃げ込む事が可能です。

ですから、水槽内に水草などの隠れ家を豊富に用意してあげれば、そのまま親魚と同じ水槽に放置したままでも多くのグッピーの稚魚が生き残り、成長する事ができるという訳なのです。

ですが、次のような場合には、グッピーの稚魚を隔離して育てる事をおすすめします。

  • より安全に稚魚を育てたい
  • お気に入りの個体を作りたい

確かに、グッピーの稚魚は親水槽に放置しても育てる事ができますが、やはりある程度の稚魚は食べられてしまいます。

親魚に食べられる以外にも、餌が稚魚まで行き届かずに、餓死してしまう事も少なくありません。

そのため、より多くの稚魚を安全に育てて増やしたいと言う場合には、隔離して育てた方が確実です。

また、お気に入りの個体を作り出したいと言う場合も、より多く稚魚を増やし、その中から選別して掛け合わせるといった作業が必要になるので、自然繁殖より隔離して繁殖した方がより効率的です。

以上のように、あまり積極的に繁殖を狙わない場合には、そのまま親魚と同じ水槽に放置して育て、安全に多くの稚魚を得たいと言う場合には、隔離して育てることをおすすめします。

グッピーの稚魚の隔離方法とは?

グッピーの稚魚を安全に育てるには、稚魚を親魚から隔離して育てる方法がおすすめです。

では、グッピーの稚魚はどのようにして隔離すれば良いのでしょうか?

グッピーの稚魚を隔離して育てる際におすすめなのが、「産卵箱」を使っての隔離です。

産卵箱に稚魚のみを隔離して育てる事で、親魚に食べられる事なく、確実に育てる事ができます。

グッピーの稚魚を産卵箱へ隔離する方法は主に2つです。

  • 産卵間近のメスのグッピーを産卵箱に移す
  • 本水槽で産まれた稚魚を産卵箱に移す

一つ目は、産卵が間近に迫ったメスのグッピーを産卵箱に移し、産卵箱の中で出産させて稚魚を隔離するという方法です。

出産が近づいたメスのグッピーには、次のような変化が現れます。

  • お腹が角張って四角に近い形になる
  • 妊娠マークが濃くなる(下腹部に見られる黒い点)
  • メスのお腹に稚魚の目が透けて見える
  • 上下に繰り返し泳ぐ
  • 底の方でジッとして動かなくなる
  • 急に泳いだり止まったりする
  • 他のグッピーが近づくと逃げる

このような変化が見られたら、出産が間近に迫っている証拠です。

網などで優しく掬い、産卵箱に移してあげましょう。

産卵箱の中で無事に出産を終えたら、速やかに親グッピーを本水槽に戻します。

そのまま稚魚と一緒にしておくと、親グッピーが稚魚を食べてしまうので気を付けてください。

メスのグッピーを産卵箱で出産させる際の注意点としては、あまり長い期間産卵箱で隔離しない事です。

成魚のグッピーにとって産卵箱はとても狭く、泳ぐスペースがあまり無いので、長い期間隔離されるとストレスが溜まってしまいます。

そのため、隔離から1週間経っても出産しない場合には、一度本水槽に戻してあげてください。

もう一つの方法が、本水槽で産まれた稚魚を産卵箱に移して隔離する方法です。

グッピーの繁殖に慣れたブリーダーの方であれば、出産間近のメスを判断するのはそれほど難しくないでしょう。

しかし、初めてグッピーを繁殖させる方にとっては、出産間近かどうかの判断は簡単ではありません。

気付いたら出産していたと言う事も少なくないでしょう。

このように、本水槽で稚魚が産まれたと言う場合には、稚魚だけを掬って産卵箱に移してあげて下さい。

産まれたての稚魚は体が小さく傷つきやすいので、丁寧に扱う必要があります。

掬う際には、水ごと一緒に掬える網や、コップを使って産卵箱に移す事をおすすめします。

以上がグッピーの稚魚の隔離方法になります。

また、グッピーの稚魚を隔離する産卵箱にはいくつか種類があるので、代表的な物をご紹介します。

グッピーの稚魚の産卵箱には、主に水槽内に設置するタイプと、水槽の外に掛けるタイプの2つがあります。

水槽内に設置するタイプの産卵箱は、水槽内が多少狭くなるというデメリットがありますが、親魚と同じ水質・水温で飼育できるため、隔離終了後に稚魚を本水槽に移すのが簡単にできるというメリットがあります。

水槽の外に掛けるタイプの産卵箱は、設置するのが水槽の外なので、水槽内部を圧迫しません。

また、本水槽の水を循環して使用するので、親魚と同じ水槽の水で飼育できるというメリットも大きいです。

ただ、外掛けタイプの産卵箱は、本水槽の外に設置するため、外気の影響を受けやすく、本水槽よりも水温が上下しやすいと言うデメリットがあります。

どちらも一長一短あるので、飼育環境に合わせて使いやすい方を選んでみて下さい。

水槽内に設置するタイプなら「水作 フロートボックス」、外掛けタイプなら「スドー サテライト」がおすすめです。

また、産卵箱はペットボトルやメッシュ状の容器などを使って自作する事もできます。

急な出産で産卵箱の用意が無い場合には、身近にあるペットボトルなどを使って産卵箱を自作してみるもの良いですね。

産卵箱を上手に使って、グッピーの稚魚を安全に増やしましょう。

グッピーの稚魚を隔離して育てる時の注意点

産卵箱を使う事で、より安全にグッピーの稚魚の数を増やす事ができますが、隔離して育てる上での注意点がいくつかあります。

グッピーの稚魚を産卵箱で隔離して飼育する上での注意点は、以下の通りです。

  • 餌は多めに、こまめに与える
  • 産卵箱内の掃除と水換えを行う

グッピーの稚魚は、ヨークサックをほとんど使い切った状態で生まれてきます。

メスの体外で卵から孵化する他の魚と同じように、生後3日程度は餌が必要無いと勘違いしてしまうと、餓死する恐れがあるので注意が必要です。

グッピーの稚魚が餓死しないように、生まれたその日から給餌を開始しましょう。

給餌回数は、最低でも1日2~3回ほど行い、一回の給餌量は多めにします。

多めと言っても闇雲に与えるのではなく、稚魚達の食べる様子を見ながら、全体に行き渡るように与えるようにしましょう。

グッピーの稚魚は人工飼料によく反応して食べてくれるので、親グッピーと同じ餌をすり潰して与えても問題ありません。

もしくは、熱帯魚の稚魚用の「テトラ テトラミンベビー」や、ブラインシュリンプを与えるのも良いですね。

稚魚の時からしっかりと栄養を摂らせる事で、早く大きくなりますので、高栄養価の餌をたっぷりと与えて下さい。

次に注意したいのが、産卵箱内の掃除と水換えです。

産卵箱には水槽内に取り付けるタイプや、水槽の外に掛けるタイプがありますが、どちらも本水槽の水が循環するように作られています。

そのため、産卵箱内の掃除や水換えは不要だと考えてしまいがちですが、これは危険です。

確かに、産卵箱内は本水槽の水が循環していますが、どうしても水の流れが滞ってしまう場所が出てきます。

このような場所に食べ残しや糞などの汚れが溜まりやすく、そのまま放置すると、産卵箱内の水質が悪化してしまうのです。

産卵箱内の水質が悪化することで、まだ体が小さく抵抗力の弱い稚魚が死んでしまうケースも少なくなるので、産卵箱内の掃除と水換えはこまめに行いましょう。

とはいえ、産卵箱の掃除と水換えは難しくありません。

産卵箱内の食べ残しや糞などの汚れをスポイトで吸い出してあげれば、掃除と水換えが同時にできます。

こまめに汚れを掃除して、産卵箱内の水質を維持しましょう。

以上がグッピーの稚魚を産卵箱で隔離して飼育する際の注意点です。

グッピーの稚魚の隔離はいつまで?

たくさんのグッピーの稚魚を安全に育てたいと言う場合には、ある程度大きくなるまで産卵箱に隔離して育てます。

では、一体いつまで隔離していれば良いのでしょうか?

グッピーの稚魚の成長速度によって隔離期間は変わりますが、目安としては、体長が1.5cm~2cm程度まで成長するまでの期間、およそ1ヶ月前後が隔離の目安となります。

生まれたばかりのグッピーの体長は5mm程度と小さく、成魚のグッピーの口に入ってしまう大きさです。

そのため、成魚の口に入らない大きさになるまで、産卵箱で隔離して育てます。

おおよそ1.5cmから2cm程度まで成長すれば、成魚に食べられる心配が無くなりますし、餌の取り合いに負け続けて餓死するという心配も少なくなります。

飼育環境によって成長速度は変わりますが、グッピーに適した飼育環境であれば、1ヶ月前後で1.5cmから2cm程度まで成長しますので、目安にしてみて下さい。

より早く成長させたいという場合には、水温を26℃前後の高めに設定し、餌を豊富に与えてあげましょう。

稚魚の新陳代謝が活発になり、成長が促されます。

逆に、1ヶ月経ってもあまり大きくならないと言う場合には、水温が低い可能性が考えられるので、産卵箱内の水温をチェックしてみて下さい。

特に、外掛け式の産卵箱を使用している場合には、本水槽よりも外気の影響を受けやすく、水温が変化しやすい傾向にあります。

例えば、本水槽の水温が25℃の場合でも、室温が20℃と低ければ、この影響で外掛け式産卵箱の水温が低下する可能性があります。

そのため、外掛け式の産卵箱の場合には、産卵箱内にも水温計を設置し、水温をチャックする事をおすすめします。

本水槽よりも水温が下がっている場合には、産卵箱内にヒーターを設置するか、エアコンで室温を上げるなどして対応して下さい。

以上がグッピーの稚魚の隔離期間の目安です。

グッピーの稚魚の隔離まとめ

  • グッピーの稚魚は本水槽にそのまま放置しても育つが、ある程度は成魚に食べられてしまうので、より多く稚魚を増やしたい場合には隔離して飼育するのがおすすめ
  • 産卵間近のメスを産卵箱に隔離するか、本水槽で産まれた稚魚をコップなどで掬って産卵箱に移して隔離する
  • 隔離飼育の注意点は、餌は多めに与えて餓死を防ぐ事と、スポイトを使って産卵箱内の掃除と水換えを行い水質を維持する事
  • グッピーの稚魚の体長が1.5cmから2cm程度に成長するまで隔離する。期間の目安としては1ヶ月前後

今回はグッピーの稚魚の隔離に関する疑問についてご紹介しました。皆様のグッピー飼育の参考にしていただけると幸いです。

よくある疑問の関連記事

-グッピー飼育
-