コリドラスの餌に赤虫を与えても大丈夫?
コリドラスへの赤虫の与え方は?
コリドラスに与える赤虫の最適な量や頻度は?
コリドラスが赤虫を食べないのはなぜ?
こんなコリドラスに赤虫を与える時の注意点についてご紹介いたします。
目次
コリドラスの餌に赤虫を与えても大丈夫?
ユスリカの幼虫である赤虫は多くの熱帯魚が好む嗜好性の高い餌です。
しかし、赤虫は消化が悪いという話も聞きます。
そんな赤虫をコリドラスの餌として与えても大丈夫なのでしょうか?
結論から言いますと、「コリドラスに赤虫を与えても問題無いですが、与え方や量に注意が必要」です。
赤虫はタンパク質が豊富で栄養価の高い餌です。
また、多くの熱帯魚が大好きな餌でもあります。
コリドラスも例外ではなく赤虫が大好きです。
しかし、赤虫は消化に悪いという話もあります。
これは本当なのでしょうか?
正しい与え方をしていれば人工飼料などと比べ、赤虫が特別消化が悪いと言うことはありません。
では、どうして消化に悪いという噂が広がっているのでしょうか?
それは赤虫の与え方や量に問題があるために、赤虫を食べた熱帯魚が消化不良を起こすことがあるからです。
赤虫を食べて消化不良を起こしてしまう原因として、次の3つが挙げられます。
- しっかり解凍せずに与えている
- 鮮度が落ちた赤虫を与えている
- たくさん与え過ぎている
赤虫には冷凍の物や乾燥させた物がありますが、使われることが多いのは冷凍の赤虫の方だと思います。
その理由は冷凍赤虫の方が断然食いつが良いためです。
この冷凍赤虫をしっかり解凍せず半解凍のまま与えてしまうと、消化不良を起こしやすくなります。
冷たい餌で内臓が冷えてしまいますから、消化吸収が鈍りやすいのです。
健康な生体ならば半解凍でも問題無い事も多いですが、体調を崩し気味な個体や、水温低下などで消化機能が落ちている時は消化不良に繋がるので注意が必要です。
解凍するのは確かに少し手間ですが、しっかり解凍してから与えた方が安全です。
いくら冷凍されていると言っても、時間が経てば徐々に鮮度が落ちていきます。
また、一度解凍したものを再冷凍して使うのも危険です。
このように鮮度が落ちた赤虫を与えると、これもまた消化不良を起こしやすくなります。
人工フードに比べて赤虫は品質管理が少々難しいため、気づかないうちに悪い物を与えてしまっていることがあるのかもしれません。
そのような時にコリドラスが消化不良を起こしてしまうのです。
また、コリドラスは赤虫が大好きなので、たくさん食べてくれます。
その姿につられてついつい赤虫を与え過ぎてしまうことがありますが、これも消化不良の原因になります。
赤虫には外骨格(皮)があり、この皮が多少消化しにくいためでもあります。
少量なら問題ありませんが、大量の赤虫を食べてしまうと、この皮もたくさん食べることになるため消化しにくい部分が残りやすくなってしまうのです。
このように、赤虫自体が消化に悪いのでは無く、与え方や量が間違っているために赤虫を与えたコリドラスが消化不良を起こしてしまうのです。
上記にあげた3つの原因は、赤虫に限ったことではありません。
人工飼料にも同じことが言えます。
古くなった餌を与えたり、量を与え過ぎたりすれば、人工飼料でも消化不良を起こします。
赤虫が特別消化に悪いわけではなく、与え方や量の問題なので、正しく与えればコリドラスの餌として赤虫を与えても問題ありません。
むしろ、コリドラスの大好物なのでおすすめの餌です。
それでは、コリドラスには大好物の赤虫だけ与えていれば良いのでしょうか?
確かに、赤虫は栄養価が高くおすすめの餌ですが、メインの餌として毎日与えることはおすすめしません。
何故なら、栄養バランスが悪いからです。
赤虫はタンパク質が豊富ですが、ビタミン類はそれほど多くありません。
そのため、赤虫だけ食べているとビタミンが不足してしまいます。
赤虫にビタミンを添加した「キョーリン クリーン赤虫」などの商品もありますが、やはりこれだけでは不足するビタミンを補う事はできません。
栄養バランスという面では、コリドラス専用の人工飼料が最も良いのです。
また、赤虫を食べ続けタンパク質だけ多く摂っていると、体型が崩れてしまうのも問題です。
以上のように、コリドラスに赤虫を与えること自体は問題ではありません。
むしろ赤虫は大好物なのでおすすめの餌です。
しかし、メインはあくまでも人工飼料を与え、たまに赤虫を与えるというような使い方をした方が良いでしょう。
コリドラスへの赤虫の与え方
コリドラスに赤虫を与える場合、どのように与えれば良いのでしょうか?
先程少し触れましたが、赤虫には冷凍の物と乾燥させたタイプの物があります。
食い付きが良いのは冷凍の物ですが、保存性は乾燥タイプの方が上です。
また、ご自宅の冷凍庫に冷凍赤虫を入れる事に抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合には乾燥タイプを選ぶと保存場所に困りません。
と言うことで、冷凍と乾燥2タイプの与え方についてご説明します。
まずは冷凍の赤虫です。
基本的には解凍してから与えるようにします。
コップなど飼育水を入れられる容器を準備します。
コップなどに飼育水を入れたら、その中に冷凍の赤虫を入れます。
赤虫が解凍されたら、茶漉しなどの目の細かいものを使って、コップの中の飼育水を捨てて赤虫だけを回収します。
どうして飼育水を捨てるのかと言うと、解凍時に赤虫のドリップが出てきているからです。
このドリップをそのまま水槽内に入れてしまうと、水が汚れやすくなります。
とは言っても、ある程度大きな水槽で濾過力もある場合にはそれほど気にする必要はありません。
しかし、水の汚れやすい小さな水槽で飼育している場合には必ず行ってください。
最後に、ピンセットやスポイトを使ってコリドラスがいる水槽底面まで赤虫を運び与えます。
以上が冷凍赤虫の基本的な与え方です。
このほか、「フィーダー」や「もぐもぐバスケット」を使った与え方もあります。
水槽の水量が豊富にあり、解凍時のドリップがそれほど問題にならない水槽の場合には、「フィーダー」を使うと楽に赤虫を与えられます。
使い方としては、冷凍のままの赤虫をフィーダーに入れて、そのまま水槽に設置するだけです。
水槽内の水温で解凍された赤虫が、フィーダーの間から落ちてくるので、それをコリドラスが食べます。
解凍する手間がかからないので便利です。
また、混泳水槽でコリドラスに赤虫を与える時に重宝するのが「もぐもぐバスケット」です。
混泳水槽にそのまま赤虫を投入しても、他の熱帯魚に食べ尽くされてしまうことが多々あります。
そのような時には、もぐもぐバスケットに赤虫を入れて水槽底面に沈めてあげると、効率よくコリドラスに赤虫を届けることができます。
次に乾燥タイプの赤虫の与え方です。
乾燥タイプの赤虫は保存性は高いのですが、水に入れると確実に浮ます。
そのため、コリドラスに与えるには、先程も出てきた「もぐもぐバスケット」に入れて与えるか、一度飼育水でふやかして沈みやすくしてから与える必要があります。
どちらのタイプの赤虫も、コリドラスのいる底面まで届ける作業が必要になりますが、色々と便利な道具もあるのでそれらを使いながら与えてみてください。
コリドラスに与える赤虫の最適な量と頻度
コリドラスに赤虫を与える最適な頻度や量はどのくらいなのでしょうか?
どのくらいが最適かは一概には言えませんが、週に1回~2回程度までが良いと思われます。
もちろん、これよりも少なくても構いません。人によっては月に1回という方もいます。
赤虫はあくまで「おやつ」的なものなので、たまに与えてコリドラスに喜んでもらうというくらいの頻度が良いと思います。
なぜなら、あまりに高頻度で赤虫を与えると、人工飼料を食べなくなってしまう可能性があるからです。
嗜好性は赤虫の方が高いですが、栄養バランスは人工飼料の方が優れています。
なので、人工飼料をメインで食べてくれた方が、コリドラスの健康にもプラスです。
そのため、人工飼料の食い付きが鈍らない程度の頻度で赤虫を与えた方が良いのです。
その頻度がだいたい週に1回~2回程度くらいです。
もしこの頻度でも人工飼料の食い付きが悪くなるなら、2週に1回や1ヶ月に1回と頻度を下げて様子を見てください。
与える量は、「5分以内に食べ切れる量」を目安に与えます。
この量は飼育しているコリドラスのサイズなどに左右されるので一概には言えませんが、概ねコリドラス5匹に対してミニキューブ1つ程度の量が良いでしょう。
最初は少なめから与えて、どのくらいで食べ切れるか様子を見ながら、量を調節してください。
以上がコリドラスに赤虫を与える最適な頻度と量の目安です。
コリドラスが赤虫を食べないのはなぜ?
コリドラスが大好物の赤虫を食べない、もしくは食べなくなった場合、何が原因なのでしょうか?
コリドラスはとても大食漢な魚なので、餌を食べないという場合には何か異常が起きているケースが多いです。
大好物の赤虫を食べないとなったら尚更です。
では、コリドラスが赤虫を食べない原因には、どのような事が挙げられるのでしょうか?
- 赤虫のサイズが大きくて食べられない
- 導入時の水合わせのストレス
- 新しい環境に慣れていない
- 元々の状態が悪かった
- 水槽の近くで観察するなどコリドラスにストレスを与えている
- 水温低下、水質悪化
- 病気の前兆
赤虫も生き物ですので、商品によっては大きさにバラツキがあります。
そのため、同じメーカーの商品を使っていても、赤虫の大きさが大きすぎる時があり、コリドラスが食べられない場合があります。
また、コリドラスピグミーのような体の小さな「ミニコリ」などは、通常サイズの赤虫でも大きすぎて食べられない事があります。
これらの場合には、赤虫を少し小さめに切ってあげるなどして、食べやすくすると食べてくれます。
新規導入時の水合わせが上手く出来ておらず、水質や水温の変化によるストレスで体調を崩している場合にも赤虫などの餌を食べなくなります。
これら水温や水質変化のショックを受けている場合、コリドラスは激しく暴れ回るように泳ぎます。
この症状は治療方法が無いので、自然に良くなるように見守るしかありません。
また、新しい環境に慣れていないために餌を食べないというケースもあります。
この場合は水槽の角などでジッとして動かないといった様子が見られますが、2日~3日経って環境に慣れれば、赤虫などの餌を食べてくれます。
また、購入時の元々の体調が悪かったというケースもあります。
アクアショップの方達が丁寧にお世話をしていても、中には体調を崩してしまう子もいます。
また、海外から輸入した個体などで、輸送時間が長い場合に体調を崩してしまう事も。
このような最初から状態が良く無い個体は、餌への反応が悪いです。
体調が戻るかは難しいところですが、飼育環境を整えて見守ってあげましょう。
コリドラスが餌を食べる様子を見たいがために、水槽に近づき過ぎていたりすると、コリドラスが警戒して餌を食べないことがあります。
コリドラスは臆病な魚なので、人の影や大きな音などにビックリしてしまい、隠れてしまうことが多いです。
このような場合、食欲よりも警戒心の方が優ってしまうので、餌を食べなくなります。
コリドラスが赤虫を食べる姿は、静かにソッと観察しましょう。
何らかの原因で水温が低下したり、水質が悪化している時もコリドラスは餌を食べなくなります。
水温や水質に異常が無いかチェックしてください。
また、水質悪化などによりコリドラスが体調を崩すなど、病気の前兆でも餌の食い付きが落ちます。
このように、大食漢なコリドラスが赤虫を食べないと言うのは、何か異常が起きているサインなので、良く観察して原因を調べ、対処してあげてください。
コリドラスに赤虫を与える方法まとめ
- コリドラスは赤虫が大好物なので与えて良い
- 与え過ぎは消化不良になるので量に注意
- 赤虫は週に1回~2回程度、5分以内に食べられる量を与える
- コリドラスが赤虫を食べないのは異常が起きているサインの可能性が高い
今回はコリドラスに赤虫を与える時の注意点についてご紹介しました。皆様のコリドラス飼育の参考にしていただけると幸いです。