ヤマトヌマエビの卵は放置するとどうなる?卵が黒い・白いのはなぜ?

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ヤマトヌマエビの卵は放置するとどうなる?

ヤマトヌマエビの卵は放置するとどうなる?

ヤマトヌマエビの卵が黒いのはなぜ?

ヤマトヌマエビの卵が白いのはなぜ?

ヤマトヌマエビがお腹をパタパタしていれば大丈夫?

ヤマトヌマエビが卵を落とす理由は?

ヤマトヌマエビは卵を食べる?

こんなヤマトヌマエビの卵に関する疑問についてご紹介いたします。

ヤマトヌマエビの卵は放置するとどうなる?

水槽内でヤマトヌマエビを飼育していると、ある日突然お腹に卵を抱えているヌマエビを発見することがあります。

そんなヤマトヌマエビを見つけると飼育者としては嬉しくなってしまうものです。

しかし、ヤマトヌマエビの卵は、そのまま放置しておいても孵化して稚エビが育つことはありません。

ヤマトヌマエビと同じように飼育されるミナミヌマエビでしたら、放置しておくといつの間にか稚エビの姿が見られることもありますが、ヤマトヌマエビの場合には、飼育者が世話をしてあげなければなりません。

その理由は、ヤマトヌマエビは孵化後すぐに稚エビになるわけではなく、ゾエアの期間があるためです。

ゾエアとは稚エビになる前の幼生期間で、水中に浮遊しながら成長する時期です。

ゾエアは水中で浮遊して、たまにぴょんぴょん跳ねるようなイメージで泳ぐ姿が見られます。

そのような姿を稀に飼育水槽内で見かけることもありますが、そのまま放置しても育つことはありません。

ヤマトヌマエビのゾエアは川を下り、海水の混じる汽水域で豊富なミネラル等を栄養として成長します。

よって淡水水槽内では卵が孵化することはあっても、稚エビまで育つことができないのです。

孵化したゾエア幼生は汽水でなければ、短期間(1~3日程度)しか生存できません。

淡水水槽内で放置すると、ほかの魚のエサになりますし、死んで沈殿すればヤマトヌマエビや微生物のエサにもなります。

この点がヤマトヌマエビとミナミヌマエビの大きな違いの一つとされており、繁殖を楽しみたいのならミナミヌマエビを選ぶ、増えすぎることを抑えて飼育したいのなら、ヤマトヌマエビを選ぶといった選択ができるようになります。

ヤマトヌマエビの卵が黒いのはなぜ?

ヤマトヌマエビがお腹に抱えた卵を観察していると、卵の色が黒い、もしくは深緑色をしていることがあります。

これは抱卵したばかりの卵によく見られるものです。

よって卵が死んでしまっているわけではありませんので安心してください。

ヤマトヌマエビなどのエビ類はメスの頭の後ろ側(背中あたり)に卵巣があり、そこで卵を作ります。

その後、交尾を行い、受精した卵をメスがお腹に抱えるようになります。

メスのヤマトヌマエビをよく観察してみると頭の後ろあたりが黒くなってつぶつぶした感じに見えることがあります。

これがヤマトヌマエビの卵です。

受精したばかりの卵はメスのヤマトヌマエビが食べている餌の種類によっても色合いが多少異なると言われており、コケや水草などの植物質のものを多く食べているヤマトヌマエビの卵は若干深緑色に近いようにも見えます。

ヤマトヌマエビの卵が白いのはなぜ?

黒いはずのヤマトヌマエビの卵が白くなることもあります。

メダカや熱帯魚の卵などでは、卵が白くなる原因の一つに無精卵と呼ばれるものがあります。

しかし、ヤマトヌマエビの場合には産卵後に射精して受精させる魚類とは受精方法が違うため、基本的に無精卵というものはほとんどありません。

よってヤマトヌマエビの卵が白くなる理由は

卵の成長による色の変化と卵がカビてしまった時の症状です。

卵の成長による色の変化

ヤマトヌマエビの卵は順調に成長すると、2週間ほどで色合いが徐々に変化して、白っぽいような薄い黄色いような色合いになってきます。

これは卵の中でヤマトヌマエビの赤ちゃんが順調に成長している証拠です。

ゾエア自体は親エビと同じように透明に近い色合いをしているため、成長してくるとその色が透けて見えてくるようになります。

2週間ほどすると白い卵の中に黒い点のような目が見えてくるようになります。

非常に小さな目ですので、虫眼鏡などで観察してみると良いでしょう。

発眼と呼ばれるこの状態になると孵化が近い合図です。

ヤマトヌマエビの卵の孵化は満月(大潮)に孵化しやすいと言われているため、暦を確認しながら孵化の準備のための隔離をする時期となります。

卵がカビてしまって白くなる

卵の成長とは別に、卵がカビてしまって白くなることもあります。

ヤマトヌマエビの卵は非常に栄養価の高い有機物ですので、水質が悪く、細菌の多い環境などではカビてしまうこともあります。

そのような卵には、卵の周りにモヤモヤした糸状のものが付着しますので明らかに見た目の違いがわかるはずです。

ヤマトヌマエビのメスがお腹をパタパタさせている姿をよく見かけることがありますが、この行動は卵に新鮮な水や空気を常に送り込むことで、卵の周りの環境を維持して、卵がカビないようにしているのです。

よってメスのヤマトヌマエビがしっかりお腹に卵を抱えて世話をしていれば、卵がカビてしまうことはほとんどありません。

ただし、水槽の掃除を怠り、明らかな水質の悪化などを起こしてしまうと問題が起こることもありますので、水質維持には気をつけなければなりません。

ヤマトヌマエビが卵を落とす理由は?

ヤマトヌマエビのメスがお腹に抱えている卵を落としてしまう脱卵と呼ばれる問題が起こることがあります。

そんなヤマトヌマエビが卵を落とす原因には

  • 急激な環境の変化
  • 隔離タイミングのミス
  • 卵の死

などが挙げられます。

急激な環境変化による脱卵

ヤマトヌマエビのメスは環境が大きく変わるとストレスや危機感を感じ取り、卵の育成を放棄してしまうことがあります。

その原因となるのが、急激な水質の変化や水温の変化、混泳魚の投入などです。

大掛かりな水換えや間違った水換え方法によって水質や水温が急激に変化すると、ヤマトヌマエビが卵を落としてしまうことがあります。

また、お腹に卵を抱えている時期に新しい混泳魚を投入したことにより、メスのヤマトヌマエビが警戒心を強めて卵の育成を放棄してしまうこともあります。

このような問題を起こさないためにも、ヤマトヌマエビの抱卵時には大きな環境変化は控えるようにしましょう。

隔離タイミングのミスによる脱乱

ヤマトヌマエビの稚エビを育てるためには、抱卵したヤマトヌマエビの隔離を行なって、ゾエアが食べられないようにしなければなりません。

孵化したばかりのゾエアは非常い小さく栄養価も高いため、他の熱帯魚などの格好の餌となってしまいます。

しかし隔離が早すぎるとメスのヤマトヌマエビが環境の変化(隔離環境への移動)によって卵を落としてしまうことがあります。

脱乱した卵は当然世話をしなくなるため、カビやすくなってしまいます。

数日以内に孵化してくれれば、助かる可能性は高いですが、孵化までかなり日数がある段階で脱乱してしまうとそのままカビて死んでしまいます。

もし早めに脱乱してしまった時には、卵を水流の当たる場所で育成してみましょう。

ウィローモスなどの水草に絡めながらエアレーションのそばに置いてあげるなどの方法も効果的です。

とにかく水流に当ててあげて水の澱みをなくすことが重要です。

卵の死による脱乱

ヤマトヌマエビがお腹に抱えている数百の卵の中には孵化前に死んでしまう卵もあります。

そのような卵は成長が止まっているため細菌への抵抗力がなくなりカビやすくなってしまいます。

カビやすい卵をお腹に抱えたままでいると他の元気な卵にも悪影響を与えてしまうため、メスのヤマトヌマエビはそのような死んでしまった卵を自ら落とすことがあります。

ヤマトヌマエビは卵を食べる?

ヤマトヌマエビはお腹に抱えている卵を食べることはありません。

よって抱卵しているメスのエビがいてもすぐに隔離する必要はありません。

しかし、脱乱してしまった卵は食べられてしまうこともあります。

水中では卵でさえ大切な栄養源です。

ヤマトヌマエビなどのエビ類は脱皮した殻ですら貴重な栄養として食べてしまいます。

このように生き抜くためには、ありとあらゆるものを栄養としていかなければならないのです。

ヤマトヌマエビの卵まとめ

  • ヤマトヌマエビの卵は抱卵後に放置すると孵化することはあるが、そのまま稚エビまで成長することはできない。
  • ヤマトヌマエビの卵が黒いのは抱卵してすぐの状態で、卵が成長するごとに色合いが変化していく。
  • ヤマトヌマエビの卵が白くなる原因は卵の成長による変化とカビの付着がある。
  • 卵を抱えたメスのヤマトヌマエビの隔離タイミングが早すぎると脱乱してしまうこともある。

今回はヤマトヌマエビの卵に関する疑問についてご紹介しました。皆様のヤマトヌマエビ飼育の参考にしていただけると幸いです。

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