ヤマトヌマエビの死因で多いのは?
ヤマトヌマエビが赤くなる死因とは?
ヤマトヌマエビがすぐに死ぬ突然死の対策は?
ヤマトヌマエビを死にそうな瀕死状態から復活させるには?
ヤマトヌマエビの死骸は放置すれば食べる?
こんなヤマトヌマエビの死因と対処法についてご紹介いたします。
目次
ヤマトヌマエビの死因で多いのは?
水草水槽などのコケ取り生体として重宝されているヤマトヌマエビが死んでしまう死因にはどのようなものがあるのか?
なぜヤマトヌマエビが死んでしまうのか?
ヤマトヌマエビの死因の多くは
- 購入したヤマトヌマエビの状態が良くない。
- 水合わせがしっかりできていない。
- 水槽が立ち上がっていない。
- 水質が悪化している。
- 水換え方法を間違っている。
- 脱皮不全を起こしている。
- 混泳魚に突かれたり追い回されている。
- 水温が高すぎる。
- 酸素不足を起こしている。
- 餌不足を起こしている。
- 水草の農薬。
- 殺虫剤などを水槽の側で使用した。
などが挙げられます。
こうして見てみると想像以上にヤマトヌマエビが死んでしまう原因は多いものだと気付かされるかもしれません。
ヤマトヌマエビは基本的には丈夫で飼育しやすいヌマエビとして知られていますが、やはり熱帯魚などに比べると環境や水質の変化に敏感で影響を受けやすい生き物でもあります。
そんなヤマトヌマエビの死因について一つずつ詳しくご紹介していきます。
購入したヤマトヌマエビの状態が良くない
大前提として購入したヤマトヌマエビがそもそも弱ってしまっていたら、新しい環境に適応できずに死んでしまうことが多くなります。
新しい環境に移すということは、それだけでもヤマトヌマエビにとって大きなストレスとなります。
そのような中、もともと体力がなくなってしまっているヤマトヌマエビを購入してきたら死んでしまうリスクは高くなります。
ヤマトヌマエビを購入する際には、事前に確認をしておきましょう。
アクアリウムショップなどで購入する際には、ヤマトヌマエビの状態を確認し元気であるかどうかを判断しましょう。
ご自身で判断できない場合には、入荷後どのくらい経過しているかなども検討材料として聞いておくと良いでしょう。
入荷後数日ですと、まだ新しい環境に慣れていないで体力を消耗している可能性もあります。
最低でも1週間以上は経過しており、元気に動き回っているものを購入するようにしましょう。
ネットショップなどで購入する際には、実際にみることができないため過去のレビューなどを参考にすると良いでしょう。
ネットショップのレビューの方が実店舗よりも購入者の生の声を聞けると言う点では判断しやすいかもしれません。
水合わせがしっかりできていない
ヤマトヌマエビは水温や水質の変化に非常に敏感なため、水合わせを行わずに水槽に投入してしまうとpHショックや水温差でショックを受けてしまうことがあります。
水合わせを失敗してしまった時の症状は様々で、水槽投入後狂ったように動き回ったり、逆にじっとして全く動かなくなってしまったりすることがあります。
そのような問題を起こさないためにも、ヤマトヌマエビを水槽に入れる際には必ず水合わせを行いましょう。
水合わせについては過去の記事をご覧ください。
水槽が立ち上がっていない
ヤマトヌマエビを水槽に投入する際にしっかり水合わせを行ったとしても、新規水槽が立ち上がっていない状態だと、やはりヤマトヌマエビが死んでしまう原因となってしまいます。
水槽を立ち上げるとは、濾過バクテリアがしっかり繁殖して生物濾過が機能している状態です。
初心者の方に多い間違いが、水槽の設備をセットして水を張り、ヒーターを入れて水温を一定の温度に保てたら水槽が立ち上がったとしてしまうことです。
そのような状態は水槽の準備ができただけで、水槽が立ち上がったとは言いません。
生物濾過が機能していない水槽では、アンモニアや亜硝酸などの毒性の強い物質が蓄積しやすいため、ヤマトヌマエビがすぐに死んでしまう原因となります。
水質が悪化している
水槽が立ち上がっていても日々の世話により水質は徐々に悪化していくものです。
餌の食べ残しや生体のフンなどが蓄積すると、水槽内で様々な物質へと変化していきます。
アンモニア→亜硝酸→硝酸塩の順に分解が進み、分解が進むに連れて毒性は低くなっていきます。
それでも硝酸塩が大量に溜まってしまえば、ヤマトヌマエビの体調不良へと繋がってしまいます。
アンモニアや亜硝酸などの物質は濾過バクテリアによって分解することができますが、硝酸塩については水草などの植物が吸収するか、水換えによって水槽の外に排出させなければなりません。
よってヤマトヌマエビの飼育でも定期的な水換えは必須の世話と言えます。
硝酸塩が水槽内に蓄積してくると水質は徐々に酸性へと傾いていきます。
よって定期的に水質測定を行うことで、水槽の状態を把握することができます。
アンモニア濃度や亜硝酸塩濃度も水質測定で確認することができますので、合わせて確認しておくとよいでしょう。
もしpHが5くらいまで下がってしまっている時には要注意です。
そのような時にはヤマトヌマエビの動きが鈍く、じっとしていることが多いなどの症状が出ることもあります。
硝酸塩が溜まりすぎないように定期的に水換えを行い、水質を保てるようにしましょう。
また、プロホースなどを使用して、こまめに低床の掃除を行うことで餌の食べ残しや生体のフンを排出できるため水質の悪化を遅らせることができます。
さらに濾過能力を高めておくこともおすすめの方法です。
今現在設置してある濾過フィルターにプラスして外掛けフィルターや投げ込み式フィルターを設置することで濾過能力をさらに高めることもできます。
水換え方法が間違っている
水槽の水質維持には水換えが欠かせないものです。
しかし水換え方法を間違ってしまうと水換え後にヤマトヌマエビが大量死してしまうこともあります。
よって正しい水換え方法をマスターすることも大切です。
水換えの大原則としては
- 一度に大量の水換えを行わない。
- 水換えに使用する水はカルキ抜きを行う。
- 水換えに使用する水の水温差は3度以内。
- 水換えに使用する水と水槽の水のpHにも注意する。
などが挙げられます。
長期間水換えを行わずに水質が悪化してから大量の水換えをするような方法は一番危険な水換え方法と言えます。
水換えの基本は水質が悪化する前から定期的に行うことです。
水道水をそのまま使用してしまうとカルキが含まれているうえ、水温差も大きくなってしまいますので、水換えの使用する水は事前に用意しておきましょう。
脱皮不全を起こしている
ヤマトヌマエビの脱皮不全もヤマトヌマエビが死んでしまう原因となることがあります。
ヤマトヌマエビの脱皮不全は水中のカルシウムやミネラル不足によって起こると言われています。
脱皮不全が多い場合には、ヌマエビ用の餌を与えたり、脱皮不全を防ぐためのミネラル添加などを行うと改善されます。
混泳魚に突かれたり追い回されている
ヤマトヌマエビと混泳させている魚種にも注意が必要です。
大型魚や甲殻類を好むシクリッドなどを混泳させてしまうとヤマトヌマエビを攻撃することがあります。
一口で食べられてしまわなくても突き回されたり、追いかけ回されるだけでもヤマトヌマエビが衰弱して死んでしまうことがあります。
水温が高すぎる
ヤマトヌマエビは高水温に非常に弱い生き物です。
夏の水温上昇などで水温が30度を超えてしまうと非常に危険な状態といえます。
高水温になると水中に溶け込める溶存酸素量が極端に低下するため、水槽内が酸欠気味になってしまいます。
そのような状態が続くと水槽内の濾過バクテリアの死滅も始まってしまい、著しい濾過能力の低下が起こります。
そうなると、酸素不足、アンモニアの蓄積、亜硝酸塩の蓄積などいくつもの悪い条件が揃ってしまいます。
そのようなことにならないように日々の水温管理は非常に重要です。
ヤマトヌマエビ飼育に最適な水温は20度~26度の範囲です。
これ以上高い水温になってしまう時には、水温対策を早めに行うようにしましょう。
酸素不足を起こしている
高水温以外にも水槽内が酸素不足になることはあります。
- 水槽の水量が少ない。
- 生体の数が多い。
- エアレーションなどを全くしていない。
このような条件が重なると水槽内は酸欠気味になってしまいます。
高水温時と同じように酸欠時には消化細菌の活動が低下してしまい、アンモニアや亜硝酸塩が増えやすくなってしまう問題が起こります。
そのような問題が起こらないようにエアーポンプによるエアレーションを行ってあげましょう。
また過密飼育は避け、大きめの水槽で余裕を持って育ててあげましょう。
過密飼育は酸欠の問題だけではなく、水が汚れやすいなど初心者にとっては管理が難しい飼育方法でもあります。
餌不足を起こしている(餓死)
ヤマトヌマエビをベアタンクなどで飼育していると餌不足を起こすこともあります。
ヤマトヌマエビなどのエビ類は熱帯魚などと違い食べすぎて太ったり、餌が不足して痩せてしまうといった体系的特徴が出にくいため餌不足に気づきにくい面があります。
ヤマトヌマエビの体の中央を通っている消化器官内に餌(フン)が詰まっている状態であれば、餌をしっかり食べれているので安心です。
逆にいつも消化器官が透明で何も入っていないように見える時には餌が不足している可能性があります。
そのような時にはヌマエビの餌などを与えてあげましょう。
水草の農薬
ヤマトヌマエビは水草と相性の良いエビですが、そんな水草がヤマトヌマエビの死に繋がってしまうこともあります。
海外から輸入されてくる水草には害虫の国内持ち込みを防ぐために農薬が使用されています。
一般的には、ショップにて輸入後に農薬の除去を行ってから販売されていますが、その処理があまい場合にはヤマトヌマエビが農薬によって死んでしまうこともあります。
そのような問題を避けるためには、国産無農薬と表示された水草を選ぶようにしましょう。
殺虫剤などを水槽の側で使用した
水槽のそばで殺虫剤を使用してしまうのもヤマトヌマエビが死んでしまう原因となることがあります。
室内で使用された殺虫剤が水槽の水面やエアーポンプから水槽内に溶け込んでしまうとヤマトヌマエビにダメージを与えてしまいます。
ご自身で気をつけていても知らず知らずのうちに家族の人が使用してしまうかもしれませんので、家族全員にそのことを伝えておくことも重要です。
ヤマトヌマエビが赤くなる死因とは?
ここまでご紹介しましたようにヤマトヌマエビの死因には色々なものがあります。
その中でも、ヤマトヌマエビが赤くなって死んでしまう死因にアンモニア中毒が挙げられます。
アンモニア中毒とは、有機物の分解によって発生するアンモニアが原因で起こる中毒症状です。
少し難しい話になりますが、ヤマトヌマエビを含む甲殻類の身体には、アスタキサンチンと呼ばれる物質が存在します。
このアスタキサンチンは本来赤色をしていますが、エビの体内では、たんぱく質と結合しているため、灰色っぽい色をしています。
しかし、アンモニア濃度が高くなりすぎると、たんぱく質と離れてしまい、本来の赤色に変色するため、エビが赤く見えるのです。
ちなみに、高温にさらされてたんぱく質が変性すると、同じようにアスタキサンチンと離れてエビが赤くなります。
水槽内ではそこまで高水温になることは稀ですが、茹でた甲殻類が赤くなるのはこの現象と同じです。
よって水槽内でヤマトヌマエビが赤くなって死んでしまうのは、茹で上がっているのではなく、アンモニア中毒による死因が考えられます。
アンモニア濃度が高くなってしまう原因には
- 水槽が立ち上がっておらず生物濾過が機能していない。
- 餌の食べ残しやフンが過剰に蓄積し濾過が追いつかない。
- 水温の上昇で濾過バクテリアが死滅してしまう分解が機能しない。
- pHが7.5以上になり、アンモニアの毒性が高まってしまう。
などが挙げられます。
もしヤマトヌマエビが赤くなって死んでしまっている時には上記の原因を一つずつ探ってみてください。
余談ですが、ヤマトヌマエビが死んでしまう時に赤ではなく、白くなることもあります。
その原因は、脱皮不全によるものや硝酸塩の蓄積によるダメージなどが挙げられます。
ヤマトヌマエビは徐々に弱っていくと体色が白っぽくなることがありますので、注意が必要です。
ヤマトヌマエビがすぐに死ぬ突然死の対策は?
ヤマトヌマエビが死んでしまう状態にも色々あり、水槽投入後すぐに死んでしまう場合や少しの間は生きていたけれど突然全滅してしまう場合、ポツポツと1ぴきずつ死んでしまう場合などがあります。
そのような状況を分析することで死因をある程度特定することも可能です。
水槽投入後すぐに死んでしまう場合
ヤマトヌマエビを水槽に投入してすぐに死んでしまう場合には
- 水合わせの失敗
- アンモニア中毒
などが挙げられます。
水槽投入時に水合わせを失敗してしまい、水温ショックやpHショックを受けてしまうと数日で全滅してしまうことも少なくありません。
また投入した水槽のアンモニア濃度が高い場合にもすぐに全滅してしまいます。
ある日突然全滅してしまう場合
水槽投入後、数週間は元気にしていたヤマトヌマエビがある日突然全滅してしまった場合には
- 水換えの失敗
- 高水温による酸欠
- 水草の農薬
- 殺虫剤の使用
などが考えられます。
これらの原因は一気に水槽環境が大きく変化するため全てのヤマトヌマエビに同じようにダメージを与えてしまい全滅してしまうのです。
ヤマトヌマエビがポツポツと死んでいく場合
ヤマトヌマエビがポツポツと死んでいく場合には
- 水質の悪化による硝酸塩の蓄積
- 餌不足
- 脱皮不全
などが考えられます。
特に硝酸塩の蓄積は、気づかぬうちにじわじわとヤマトヌマエビにダメージを蓄積していくため非常に厄介な原因と言えます。
ヤマトヌマエビを死にそうな瀕死状態から復活させる
ヤマトヌマエビは死因によって、ぽっくりと死んでしまう場合と瀕死になり、死にそうな状態で横になってしまっている場合などがあります。
そんな死にかけのヤマトヌマエビを瀕死の状態から復活させる方法は水換えとエアレーションです。
ヤマトヌマエビが横になって瀕死の状態になる原因の多くは硝酸塩の蓄積と酸欠です。
よって硝酸塩の濃度を薄め、酸素をしっかり供給してあげることで復活させることも可能です。
しかしあまりにも症状が悪化して重症化してしまっている場合には復活も見込めません。
あくまでも早急な対応が必須となってきます。
まず、死にそうなヤマトヌマエビを水槽から取り出し別容器で管理します。
別容器の水は水槽の水面付近の水を掬いだして使うようにします。
ここで水槽の水面付近の水を使う理由は、水槽の水であれば、水質や水温の変化を抑えられることと水面付近であれば硝酸塩などの有害物質が少ないことがあげられます。
水槽内では餌の食べ残しやフンなどが低床に沈殿し、そこで分解が始まります。
よって水槽の底の方ほど水質が悪化しやすいのです。
そのため、水面付近の水を使うことでそのような問題を避けることができます。
隔離したヤマトヌマエビのエアーポンプでエアレーションを行いながら様子を観察します。
その間に新しい水換え用の水を用意し、少しずつ水換えを行います。
全ての水を一度に変えてしまうと急激な水質の変化が起きてしまうため、水換えは三分の一や四分の一程度にとどめておきましょう。
あとはこの状態でヤマトヌマエビの回復力に委ねるしかありません。
翌日になって元気になり、ツマツマしている様子がみられたら一安心です。
本水槽の水換えも合わせて行い、硝酸塩濃度を下げて酸素濃度を高めてあげましょう。
ヤマトヌマエビの死骸は放置すれば食べる?
ヤマトヌマエビの死骸は放置しておくと他のヤマトヌマエビが食べることがあります。
しかし、死骸をそのまま放置しておくと、水質の悪化にも繋がってしまうため、できれば水槽から取り出したほうがよいでしょう。
脱皮後の殻などは、そのまま入れておくことで再度ヤマトヌマエビに大切なカルシウム源となりますので放置でも問題ありません。
ヤマトヌマエビの死因まとめ
- ヤマトヌマエビは基本的には丈夫で飼育しやすいヌマエビとして知られていますが、熱帯魚などに比べると環境や水質の変化に敏感で影響を受けやすい生き物。
- ヤマトヌマエビを水槽に投入してすぐに死んでしまう場合には、水合わせの失敗やアンモニア中毒などが挙げられる。
- ヤマトヌマエビが赤くなって死んでしまう場合にはアンモニア中毒が関係していることが多い。
- 死にそうで瀕死状態のヤマトヌマエビを復活させるためには、綺麗な水でエアレーションを行い少しづつ回復させる方法が有効。
今回はヤマトヌマエビの死因についてご紹介しました。皆様のヤマトヌマエビ飼育の参考にしていただけると幸いです。