ベタは成長とともに色変わりする魚?
ベタが色落ちして薄くなるのはなぜ?
ベタの色揚げとは?
ベタの色揚げにおすすめの餌とは?
こんなベタの色変わりと色揚げに関する疑問についてご紹介いたします。
ベタは成長とともに色変わりする魚?
ベタの魅力の一つが、その鮮やかで美しい体色です。
今や単色だけでなく、バイカラーやカラフルなマーブル模様など、様々な色で私たちの目を楽しませてくれます。
そんなベタの体色は、生まれた時からずっと同じ色なのでしょうか。
それとも、成長と共に色が変わっていくのでしょうか?
実はベタは成長と共に体の色が変わる魚です。
また、それだけではなく、体が大きく成長しきった成魚でも色が変わることがある熱帯魚なのです。
ベタは生まれたての稚魚の時は、白やグレーといった体色をしています。
そこから成長し、体長が2cm程度になった頃から、だんだんと色が出始めます。
さらに成長するにつれて、色が変化していきます。
最初は黒かった体色が青になったり、白がピンクになったりという事がよくあります。
どちらかというと、単色系のベタの方が色変わりが少ないです。
逆に、カラフルなギャラクシー系やマーブル系の色のベタは、稚魚から成魚に成長する段階で、ガラッと体色が変わる事がよくあります。
また、成熟しきった成魚なら色変わりしないかというと、そうではありません。
成魚も飼育しているうちに色が段々と変わる事があります。
色の発色が強くなるなど好みの変化をすればいいのですが、メタリックな体色が完全に失われシックな色合いに変わるなど、好みと逆の変化を見せるケースも往々にしてあります。
そして残念ながら、これら色の変化は予想ができません。
そのため、特に小さな個体を購入する場合には、今現在の体色が気に入ってたとしても、今後変化する可能性がある事を頭に入れて購入を決断するようにしましょう。
真っ黒だと思って購入したプラカットが、1ヶ月ほどで青と黄色に変化し愕然とした、というような事もあります。
なので、ある程度色変わりするのは覚悟しておいた方が良いです。
ですが、この色変わりもまた、ベタ飼育の楽しみの一つだとも言えます。
どんな体色に成長していくのか? 好みの色の入り方をするのか? など、成長と共に変化する色合いを楽しんでみるのも面白いものです。
ベタが色落ちして薄くなるのはなぜ?
飼育しているベタの色が急に落ちてきて薄くなってきた、という場合、これも色変わりの一つなのでしょうか?
何日も時間をかけて徐々に色が変化していくのは、成長に伴う色変わりですが、急に体色が落ちて色が薄くなるのは、成長に伴う色変わりではありません。
ベタの色が急に抜ける、薄くなるという場合は、ベタの飼育環境が悪化しているなど、ベタの健康にマイナスの出来事が起きているサインである可能性が高いので注意が必要です。
ベタの体色が色落ちして薄くなる原因には次のようなものが挙げられます。
- 水質が悪化している
- 水温が低下している
- 水流が強い
- 強いストレスがある
- 栄養が不足している
水質が悪化した時や水温が低くなっている時に、ベタの色が薄くなる事があります。
また、フィルターの水流が強すぎてベタが疲れてしまった時なども色が抜けます。
このほか、何らかの強いストレスがかかると、ベタの色が一気に変わります。
例えば、新しく購入してきた個体を水槽に移すと、慣れない環境のストレスで、鮮やかな体色が消え、色がグレーに変わる事があります。
それまで鮮やかな体色をしていた個体が、まるでワイルドベタのようなグレーの体色に一気に変わるので、初めてこの現象を見た人は驚くと思います。
このように、ベタは何らかの強いストレスを感じると一気に色が抜けることがあります。
ベタは調子を崩すと粘膜が剥がれてしまうこともありますので、粘膜保護剤などでケアしてあげましょう。
このほか、栄養が十分に摂れていない時も色が薄くなってしまいます。
与えている餌の栄養価を確認し、時には赤虫などの動物性タンパク質を与えるなどして、栄養不足にならないように注意しましょう。
以上のように、ベタの体色が薄くなったり抜けたりする原因は、飼育環境の悪化や栄養不足などがほとんどです。
そのため、ベタの体色の良い悪いは、ベタの健康のバロメーターとも言えます。
体色が薄くなっていると感じたら、飼育環境に問題はないか? 与えている餌の栄養価は十分か? などをチェックしてみてください。
この段階で対処すれば、ベタが大きく体調を崩す可能性は少なくなります。
しかし、体色が薄い上に食欲まで低下したような状態だと、すでに何らかの病気を発症している可能性があります。
明らかな病気の症状が現れている場合には、それぞれの症状に合わせた治療を行なってください。
症状は見られないけれど食欲や元気が無い場合には、水温を高めにした塩浴を行うなどして、ベタの体力が回復するようにしてあげると良いでしょう。
以上のように、ベタの体色が急に薄くなったり抜けたりするのは、多くの場合ベタの健康が害され始めているサインなので、飼育環境や栄養価を見直して早めに対処してあげてください。
ベタの色が薄くなる症状として寿命が近づいていることもあります。
どんなに素晴らしい環境でしっかり飼育していても、生き物には寿命というものがあります。
寿命による体色の薄れに関しては対処法はありませんのでそっとしておいてあげましょう。
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ベタの色揚げとは?
ベタの体色をより鮮やかに高める事を「色揚げ」と言います。
赤いベタはより鮮やかな赤に。黒いベタはより濃い黒に。色揚げによってそれぞれのベタの色をより引き出すのです。
ベタの色揚げ方法には次のようなものがあります。
- 飼育環境を見直す
- 適度なフレアリングをさせる
- 栄養価が高く高タンパクな餌を与える
まず大切なのが飼育環境がベタに適したものになっているか見直す事です。
前述の通り、飼育環境が悪化していて、ベタにストレスがかかっていると、ベタの体色が薄く抜けてしまいます。
ベタの健康の基礎となる飼育環境が整っていなければ、いくら色揚げしようとしても綺麗な体色になりません。
つまり、ベタを健康に飼育することが一番の色揚げだという事ですね。
そのためにも、まずは飼育環境をベタに適したものに整えてあげましょう。
- 水温は26℃~28℃程度で一定に保つ
- 水流は無しか、あっても極弱く
- 水質を保つように適度に水換えする
水温はベタの適温である26℃~28℃程度で一定に保つようにします。
そして、1日の温度変化をなるべく小さくしましょう。
そのためには、大きめの水槽で飼育したり、ヒーターを設置したり、部屋の暖房器具(エアコンなど)で室温を一定に保つなどが有効です。
ベタは元々止水域に生息しているので、強い水流を嫌います。なので、なるべく水流が起こらない環境で飼育しましょう。
水流が起こらないようにフィルター無しにするか、フィルターをつけたとしても水流が極弱くなるように流量を調節するようにします。
また、水が汚れないように適切に水換えを行い、水質を安定させましょう。
このようにして、ベタの体色が色褪せないような環境を作ることが色揚げの基本です。
環境が整ったら、「適度なフレアリング」と「高栄養価・高タンパクな餌」でベタの体色をより高めるようにします。
フレアリングはベタに様々なプラスの効果をもたらしますが、色揚げにもとても効果的です。
フレアリングはベタにとって全身運動です。
人間が筋トレやランニングなどの運動をすると血行が良くなり肌の血色が良くなるのと同じように、ベタもフレアリングで血行が促進されることで、より体色が鮮やかになります。
ベタの色揚げに効果があるフレアリングですが、やればやるだけ効果があるわけではありません。
長時間のフレアリングは、ベタのヒレが裂ける原因になるなどの悪影響があります。
そのため、ベタのフレアリングは1日一回、5分程度を目安に行ってください。
どんなに長くても10分は超えないように注意しましょう。
ベタの色揚げにとても重要なのが、「高栄養価・高タンパクの餌を与えること」です。
人間の場合も、見た目を良くするために極端な栄養制限をしたままダイエットしたりすると、肌がボロボロになったり体調を壊したりして、逆効果になってしまいますよね?
ベタも同じように、栄養が十分に摂れていなければ、そのほかの色揚げ方法をいくら行っても無駄になってしまうのです。
人間もベタも食べた物で体が作られるのは同じです。
ですから、肌の色艶を良くして色を揚げたいならば、そのために必要な栄養を十分に摂る事が大切です。
ベタの体色を揚げるためには、栄養価が高い餌を与えると良いです。
栄養価が高い餌というのは、「粗タンパク質」や「粗脂肪」の数値が高い餌です。
これらの数値を見比べてみて、より栄養価の高い餌を与えるようにしましょう。
ですが、いくら色揚げに栄養が大切だと言っても、餌の与えすぎは禁物です。
栄養価の高い餌は、太りすぎたり便秘になりやすいとも言われているので、適量与えるようにして下さい。
以上のポイントを押さえてベタの色揚げを行い、体色をより美しく引き出してあげましょう。
ベタの色揚げにおすすめの餌
ベタの色揚げには高栄養価・高タンパクの餌がおすすめだというお話をしました。
では、具体的にはどのような餌を与えれば良いのでしょうか?
ベタの餌は色々な種類が出ているので迷ってしまうと思います。
そこで今回は、ベタの色揚げにおすすめの餌を2つご紹介します。
まず、アクアショップやホームセンターなどでも手に入りやすい、ベタの色揚げに効果的な餌として、「ひかりベタ アドバンス」があります。
同じ系統の「ひかりベタ」は動物性タンパク質がフィッシュミールだけですが、「ひかりベタ アドバンス」はオキアミミールも配合し、より動物性タンパク質の原料を増やすことで、ベタの嗜好性を高めています。
さらに、極小粒なので、口の小さなベタも食べやすく、吐き戻しが少ないのも良いですね。
餌を細かく砕いた後に吐き戻されると、水が早く汚れる原因となるので、吐き戻しが少ないのは嬉しいポイントです。
タンパク質が37%以上、脂質が6%以上の割合と高配合された高栄養価な餌なので、「ひかりベタ アドバンス」はベタの色揚げに適した餌だと言えます。
また、多くのアクアショップやホームセンターなどで取り扱われている事が多いので、見つけやすく購入しやすいのも大きなポイントですね。
次にご紹介するのは、「B–blast 究極の餌ベタ用」です。
こちらの餌は、「ひかりベタ アドバンス」を遥かに凌ぐ、圧倒的な高タンパク・高栄養価が特徴の餌です。
「B–blast 究極の餌ベタ用」のタンパク質は、なんと52%以上。脂肪は12%以上という脅威の数値です。
ベタの色揚げに必要な栄養素が十分に摂れる、まさに「究極の餌」の名前通りの餌と言えるでしょう。
タンパク質や脂質の数値が高いだけではなく、ベタの成長に欠かせない栄養がバランスよく配合されているので、色揚げ目的以外にも、ベタをより健康に美しく成長させるのために使っても良いですね。
「B–blast 究極の餌ベタ用」は、ベタ販売に力を入れているショップ以外では、見かける機会が少ない商品です。
実店舗でどうしても見つからない場合には、ネット通販で注文すると良いでしょう。
栄養価が高く、粒も柔らかめでベタの食いつきが良いので、一度試してみてほしい餌です。
ベタの色変わりと色揚げまとめ
- ベタは成長すると共に色が変わる魚
- 成魚でも色が変わることがある
- ベタの色が抜けたり薄くなるのは飼育環境の悪化やストレスなどが原因
- ベタの色揚げには高栄養価、高タンパクの餌がおすすめ
今回はベタの色変わりと色揚げについてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。