ベタのフレアリングとは?必要性は?
ベタがフレアリングしないのはなぜ?
ベタにフレアリングさせる方法とは?
鏡、バックスクリーン、スマホ、スティックなどでフレアリングする?
ベタのフレアリングに最適な時間と頻度がある?
こんなベタのフレアリングに対する疑問についてご紹介いたします。
目次
ベタのフレアリングとは?
ベタがヒレやエラを大きく広げる行動を「フレアリング」と言います。
色鮮やかなベタが目一杯にヒレやエラを広げている姿はとても美しいものです。
ベタのフレアリングにはどのような意味があるのでしょうか?
またフレアリングをさせる必要性とはなんなのでしょうか?
ベタがフレアリングを行うのは次のような場合です。
- 威嚇行動
- 求愛行動
- 興奮している時
威嚇行動によるフレアリング
ベタのフレアリングは、基本的には「威嚇行動」です。
ベタのオスは縄張りを持っており、縄張りに入ってきた他のオスを威嚇するときにフレアリングを行います。
このフレアリングをして威嚇する行動が、ベタが「闘魚」と呼ばれる所以(ゆえん)です。
また、オスのベタが単独でしか飼育できないのも、この縄張り争いの威嚇行動があるためです。
求愛行動によるフレアリング
オスのベタは威嚇の他に、メスへの求愛行動でもフレアリングをおこないます。
フレアリングを行うことで自分を大きく、力強く見せることによりメスへアピールをします。
興奮している時のフレアリング
ベタは何か見慣れないものに興奮した時などもフレアリングを行うことがあります。
ベタのフレアリングというとオスしかしないイメージですが、メスのベタでも気の強い個体はフレアリングをすることがあります。
フレアリングは、ベタに定期的に行わせた方が良いと言われています。
その必要性とはなんなのでしょうか。
それは、フレアリングがベタの健康維持や美しさの向上に欠かせないからです。
ヒレが大きく美しいベタに育てたいならば、フレアリングは必須です。
ベタにフレアリングをさせるメリット
ベタにフレアリングをさせるメリットには次のようなものが挙げられます。
- ヒレやエラを広げるための筋肉が鍛えられる
- 血行が良くなり、体色や新陳代謝が上がる
- 便秘予防になる
ベタのフレアリングは、人間で言えば筋力トレーニングのようなものです。
フレアリングでヒレとエラを目一杯広げることで、これらを広げるための筋肉が鍛えられます。
フレアリングを継続して行っていくと、ヒレやエラを広げるための筋肉が徐々に鍛えられていき、より大きく開くようになります。
これにより、オスのベタのヒレやエラはより大きく美しくなるのです。
成長段階からこれらの筋肉を動かして鍛えることで、より美しく大きなヒレのベタに育てることができます。
フレアリングはベタの筋肉をたくさん動かすので、ベタの血行が促(うなが)されます。
これによりヒレの先など体の隅々までしっかりと血液が送られるようになるので、体の発色が良くなると共に、ヒレの発達も良くなります。
また、新陳代謝も上がるので、健康維持や怪我の回復促進にも効果的だという意見もあります。
この他、ベタに適度なフレアリングをさせる事は、ベタの便秘の予防にもなります。
適度なフレアリングはベタにとって良い運動になります。
この適度な運動がベタの便秘の予防・解消に繋がります。
人間もそうですが、運動することで消化器官の働きが活発化し、便秘解消に効果を発揮しますが、同じことがベタにも言えます。
ベタは胃と腸を持つ魚です。そのため、これらの消化器官の働きが低下すると食べた物がうまく消化吸収できず、便秘になってしまいます。
ベタの場合は便秘で命を落とすことがあるので、フレアリングで排便を促してあげることは、ベタの健康維持にとても効果的です。
このようにベタにフレアリングをさせる事は、ベタの健康と美しさを保つためにとても重要なことです。
フレアリングは基本的にオスがするものですが、メスのベタでもフレアリングする個体がいます。
この場合、メスも定期的にフレアリングさせた方が良いのでしょうか。
結論から言うとメスの場合は積極的にフレアリングする必要はありません。
メスはオスに比べてヒレが長くないため、ヒレの癒着の心配も少なくなります。
また、十分に泳げるスペースがある水槽で飼育してあげば、運動不足になる事もあまりありません。
また、ベタのメスの場合はオスと違って、複数の個体を同じ水槽で飼育する多頭飼いが可能です。
このような環境ですとメスは常に泳ぎ回っている状態なので、フレアリングさせなくても運動量は十分に確保できています。
以上の理由からベタのメスはフレアリングさせなくても大丈夫だと言えます。
ヒレの長いオスのベタは、毎日フレアリングさせて美しさと健康を保つようにしましょう。
ベタがフレアリングしないのはなぜ?
オスのベタのヒレの発育と健康維持にはフレアリングが欠かせません。
ですが、中にはフレアリングしないオスのベタもいます。
また、最初はフレアリングしていたのに急にしなくなってしまうベタや、フレアリングの時に逃げ出してしまう個体などもいます。
ベタがフレアリングしない理由はなんなのでしょうか。
オスのベタがフレアリングしない、もしくはフレアリングしなくなる理由には、次のような原因が考えられます。
- もともと闘争心が弱い個体
- 新しい環境に慣れていない
- 水温が下がっている
- 長時間のフレアリングで疲れてしまった
- フレアリングの相手に飽きてしまった
- フレアリングの勝敗がついてしまい逃げるようになった
オスのベタの中には、闘争心がそれほど強くない個体がいます。
このような個体の場合、相手のオスのベタがフレアリングをバンバンしていても、全く気にしないでいつも通り泳いでいることもしばしば。
たまに気が付いたようにフレアリングしたり、徐々にフレアリングの回数が増える事もあるので見守ってあげましょう。
新しく購入した個体の場合、新しい環境に慣れていないためにフレアリングをしない事があります。
このような場合には、数日から1週間程度経過すると徐々にフレアリングしてくれるようになります。
ベタは水温が下がると活動が鈍ります。それによりフレアリングもあまりしなくなってしまいます。
季節の変わり目など、ベタが急にフレアリングしなくなったら、水温をチェックしてみてください。20℃を下回るようだとかなり活性が下がっているはずです。
ベタの適温は24℃~28℃程なので、この温度帯をキープするようにしましょう。
ベタのフレアリングは人間でいう筋トレのようなものとお話ししました。
長時間筋トレしていれば疲れて動けなくなるように、ベタもフレアリングを長時間続けると疲れてフレアリングしなくなってしまいます。
後述する1日のフレアリング時間を必ず守りましょう。
毎回同じ相手にフレアリングしていると、その相手に飽きてしまいフレアリングしなくなることがあります。
そのような場合は他の個体とフレアリングさせるなど環境を変えてみましょう。
また、同じ相手と長時間フレアリングさせすぎるとフレアリングの勝敗が決まってしまいます。
すると、負けたベタは勝ったベタから逃げ出そうとするばかりになり、フレアリングしなくなります。
この場合も別の相手に変えてあげることで、またフレアリングするようになります。
ベタがフレアリングしなかったり、しなくなる原因には以上のことが考えられます。
それぞれの原因に合わせた対処を行ってみてください。
なかには、いくら手を施してもあまりフレアリングしてくれない個体もいます。
このような個体にはあまり無理させずにフレアリングしなくても健康を保てるような環境を用意してあげましょう。
30cmほどの広めの水槽を用意してあげると良いでしょう。
広い水槽だとヒレを十分に広げながら泳ぐことができますし、広い水槽を泳ぎ回るだけで十分な運動になります。
さらに、0.05%~0.1%程度の塩分濃度になるように塩を入れてあげると尚良いです。
薄めの塩浴にすることで、ベタの代謝を促進するのと、ヒレの癒着を予防する効果が期待できます。
このように、元々あまりフレアリングしない個体や、なんらかの理由でフレアリングしなくなってしまう個体がいます。
フレアリングするように対処しつつ、どうしてもフレアリングしない場合には、広めの水槽に移すなどして飼育してあげましょう。
ベタにフレアリングさせる方法
ベタにフレアリングさせる必要性は十分に理解できましたが、どのような方法でフレアリングさせれば良いのでしょうか。
ベタにフレアリングさせる最も簡単な方法は、「他のオスのベタを見せること」です。
2匹以上のベタを飼っているならば、それぞれの飼育水槽を隣に並べて、水槽越しに対面させてあげればフレアリングしてくれます。
フレアリングをやめさせる時は、水槽の間に厚紙などを入れて目隠しをすればOKです。
しかし、この方法はベタを2匹以上飼育している人でなければできません。
ベタを1匹しか飼育していない場合には、どのような方法でフレアリングさせれば良いのでしょうか。
- 身の回りにあるベタが威嚇しそうなものを見せる
- 鏡にベタの姿を映して見せる
- スマホなどでベタの動画を見せる
ベタのフレアリングは威嚇行動なので、身の回りにあるベタが威嚇しそうなものを見せる事でも、フレアリングさせることができます。
先の尖った棒や定規、ぬいぐるみなど、ベタが反応するものを探してみましょう。
普段あまり水槽に近づかない飼い主の家族が、急に水槽の前に現れるとフレアリングしたりなど意外なものに反応することがありますので、色々試してみてください。
ベタに鏡を見せてフレアリングさせる
水槽の前に鏡を置いてベタの姿を映して見せるのもフレアリングに効果的です。
しかしこの方法の場合、自身の姿だとバレてしまうのか、それとも慣れてしまうのか分かりませんが、全く反応しなくなる時があります。
その場合は他の方法を試しましょう。
バックスクリーンでフレアリングさせる
鏡と同じ要領ですが、バックスクリーンを貼り付けることによって映り込む自分の姿でフレアリングさせる方法もあります。
しかしこの方法は常に自分の姿が映り込むためベタの気が休まらなくなり、フレアリングの時間や回数も増えてしまいます。
よってバックスクリーンでのフレアリングをお勧めできません。
スマホで別のベタの動画を見せてフレアリングさせる
スマホなどでベタの動画を見せてあげる方法は、簡単ですが非常に効果的です。
この方法ですと常に違ったベタを見せることもできるため見慣れてしまうこともありません。
ベタのフレアリングスティックでフレアリングさせる
ベタの生息地であるタイのブリーダーなども使用している方法がフレアリングスティックによるフレアリングです。
棒の先端にかわいいベタの作り物がついていて、そのフレアリングスティックをベタの前で軽く振ってあげるだけでベタが興奮してフレアリングするようになります。
この方法はスマホの動画などに比べるとベタが慣れてしまう可能性が高いですが、かわいいアイテムとして一つ、二つ持っているのも良いかもしれません。
ただ、通販ショップの楽天やAmazonには商品を置いていないみたいですのでメルカリなどで個人から購入するしかありません。
このようにベタを1匹しか飼育していなくてもフレアリングさせることは可能ですので色々な方法を試してみてください。
ベタのフレアリングに最適な時間と頻度
ベタにフレアリングさせる最適な時間の長さと頻度はどのくらいでしょうか。
頻度は1日に1回が良いです。時間はなるべく5分以内、長くても10分は超えないようにしましょう。
フレアリングはかなりの体力を使うため、過度にやり過ぎると逆にベタのストレスになってしまうことがあります。
また、長時間のフレアリングはヒレが裂ける原因になります。
これらを考慮して
- 頻度は1日一回程度
- フレアリングさせる時間は5分程度
- どんなに長くても10分は超えないようにする
などのルールを作って管理するようにしましょう。
特に、フレアリングをベタ同士で行う場合、10分以上過ぎてもずっとフレアリングさせていると、どちらかに勝敗がついてしまうことが多いと感じます。
勝敗がつき、負けたベタはその後、勝ったベタと対面するとフレアリングするどころか逃げ出すようになるので、勝敗がつく前にフレアリングをやめさせてください。
5分程度でやめさせれば、勝敗がつく事は経験上ほとんど無いので大丈夫です。
また、ベタが気になる物を使ってフレアリングさせる場合は、使用した物をベタの目が届くところに起き続けないようにしましょう。
ベタは目が良いので、水槽の外の環境がよく見えています。
フレアリングに使った物を水槽の隣の机に置くなどしてベタの目に入る範囲に置いてしまうとベタはフレアリングを続けてしまいます。
もし、フレアリングをやめさせたはずなのにずっとフレアリングしていると言う場合には、水槽の近くにベタが気になる物が置かれていないかチェックしてみてください。
フレアリングはベタの健康維持に欠かせないものですが、やり過ぎは逆効果になるので適切な頻度と時間を守って行ってください。
ベタのフレアリングまとめ
- ベタは威嚇や求愛などでフレアリングをする
- メスのベタも気の強い個体はフレアリングする
- フレアリングはベタの健康維持やヒレの美しさの向上に欠かせない
- ベタは複数飼育していなくても色々な方法でフレアリングさせることができる
- フレアリングは1日一回5分程度で終わらせる
今回はベタのフレアリングについてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。