グッピー飼育の水質管理で出てくるph(ペーハー)とは?
グッピーに最適なphはどのくらい?
グッピーのphが高い時に下げる方法は?
グッピーのphが低い時に上げる方法は?
こんなグッピーとphの関係についてご紹介いたします。
グッピー飼育の水質管理で出てくるphとは?
グッピーに限らずアクアリウムをやっていると出てくるph(ペーハー)とは何か?
phとは水中に含まれている水素イオンの濃度を示したもので、グッピーを飼育する際のphの指標は以下のようになります。
- 酸性→6.0未満
- 弱酸性→6.0~7.0
- 中性→7.0
- 弱アルカリ性→7.0~8.0
- アルカリ性→8.0
グッピーにとってのphと人間にとってのphでは基準が異なるので注意が必要です。
例えばphが「1」変化した場合、人間の皮膚にとっては大した変化ではありませんが、グッピーの粘膜やエラにとっては全く違う水質になり、大きな刺激となります。
そのような理由からグッピーを飼育する際には水中のphがグッピーに適した値になっている必要があります。
グッピーにとって適切なphの値からあまりにもかけ離れたphでグッピーを飼育していると、体調を崩してしまったり、発色が悪くなったりすることがあります。
もちろん急激なph変化もグッピーにとって大きなストレスとなりますので、グッピーを新しく迎えるときは水合わせを必ず行いましょう。
水質の違いを意識せずにグッピーを水槽に入れてしまうとグッピーがphショックを受けてしまうことがあります。
グッピーのphショックの主な症状は、泳ぎ方が急におかしくなり、回転したり、沈んだり、フラフラしたりといった症状が見られます。
一度そのような症状が出てしまうと治療方法はありませんのでphショックは事前に予防することが大切です。
グッピーに最適なphはどのくらい?
グッピーに最適なphの値は6.5~7.5ぐらいで、弱酸性~弱アルカリ性ということになります。
グッピーは水質への順応性が高いため、ph値が5.5~8.0ぐらいでも育成は可能です。
しかし、あまり極端な水質はグッピーにとってよくないため、出来る限り最適なphでグッピーを育成するようにしましょう。
グッピーは国産と外国産で最適なphが異なることがあります。
国産のグッピーは日本国内の水で育てられているため弱酸性から中性付近の水に慣れています。
外国産グッピーは主に東南アジアの養殖場で大量生産されており、弱アルカリ性の水に慣れていることが多いものです。
グッピーのphが高くなる理由と下げる方法
水中のphが上昇するということは水がアルカリ性に傾くということです。
グッピーのphが高くなる原因は以下のようなものがあります。
- phを上昇させるものを水槽内に入れている
- 水中の二酸化炭素が抜けている
水草の肥料、濾材、底床材の中には水をアルカリ性に傾けるものがあります。
飼育水が弱アルカリ性に傾いてしまう場合には水槽の中に入れているものを確認してみましょう。
水草が光合成によって二酸化炭素を使用し、水中の二酸化炭素濃度が低くなり、水がアルカリ性に傾くことがあります。
水草が過密になっていないか確認しましょう。
水中のphを下げる方法は以下のようなものがあります。
- 底床材をソイルにする
- マジックリーフを使う
- 水質調整剤を使う
- phを下げる濾過材を使う
- 水換えの頻度を上げる
ソイルは水のphを下げて弱酸性に保つ働きがあります。
マジックリーフはphを下げる働きがありますが、水をほどよく茶色(ブラックウォーター)にする効果があります。
水質調整剤は水中のphを下げてくれますが、一時しのぎであるため、ph上昇の原因を根本的に改善しないと意味がありません。
グッピーのphが低くなる理由と上げる方法
グッピーのphが低くなるということは水が酸性に傾いているということです。
グッピーのphが低くなる理由は以下のようなものがあります。
- グッピーの糞や餌の食べ残しが溜まっている
- phを下げる底床材やレイアウト材を使用している
- 二酸化炭素を添加している
糞やエサを水中のバクテリアが分解することでヘドロになり、このヘドロが酸性を示します。
また、糞やエサをバクテリアが分解すると硝酸塩が生じ、水が酸性に傾きます。
エサや糞の掃除をしっかりできているか、水換えの頻度が不足していないか確認しましょう。
この状態は水質の悪化による酸性化ですので水質管理において一番好ましくない状態と言えます。
底床材にはソイルなどのphを下げるものがあります。
また、流木やろ材の種類によってphを下げている可能性があるので、水槽の中を確認してみましょう。
二酸化炭素は水中で溶けると酸性を示し、phを下げます。
水草のために添加している二酸化炭素がph低下の原因かもしれません。
グッピーのphを上げる方法は以下のようなものがあります。
- サンゴ砂を入れる
- カキ殻を入れる
- 弱アルカリ性用の濾過材を使用する
- ph上昇剤を入れる
- 濾過槽を掃除する
- 水換えの頻度を上げる
サンゴには水のphを上げる働きがあります。
サンゴ砂はペットショップで売られています。
サンゴ砂を洗った上でネットなどに入れて水槽に沈めておきましょう。
珊瑚砂を使用しなくても大磯砂などの砂利を底床に使用することで硬度を高め水質を中性より少々高めに傾けることもできます。
カキ殻もペットショップに売られています。
サンゴ砂より軽いため、かなりおススメです。
水中のphを上げる濾過材が売られているため、使用するのもアリです。
ph上昇剤は水質調整剤と同様、一時しのぎの方法で調整が難しいためかなり上級者向けです。
一時的にグッピーのphは上がりますが、底床材や濾過材などの影響を受けてphが再び下がってしまう可能性があります。
糞やエサが分解されてできたヘドロが濾過槽に蓄積している可能性があります。
このヘドロが水のphを下げている可能性があるため、濾過槽が汚れていたら洗いましょう。
洗う際は飼育水を使用してください。
水道水で洗ってしまうと濾過槽に繁殖したバクテリアを減少させてしまう可能性がありますので注意が必要です。
水換えを行う頻度を上げることで水中のphが水道水に近い値を維持できるようになります。
一度に大量の水換えを行わず少量の水換えを頻繁に行うことで、phの変化の度合いが少なくなり、生体への負担が減るというメリットもあります。
グッピーとphの関係まとめ
- グッピーに最適なphは6.5~7.5ぐらいで、弱酸性~弱アルカリ性の水
- phを下げるには底床材をソイルにするのが最適
- phを上げるにはカキ殻が最適
- グッピーのph調整剤の使用は不安定で難しいため、上級者向け。
- 水質悪化によって下がってしまったphは水換え頻度を高めることにより改善できる