ベタが泡巣を作らない8つの原因と泡巣を作る条件とは?

2021年11月11日

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ベタの泡巣

ベタの泡巣とはどのようなもの?

ベタが泡巣を作らない原因はなに?

ベタには泡巣を作る条件がある?

ベタの泡巣は水換えをすると消える?

ベタの泡巣は人工的に作れる?

こんなベタが作る泡巣に対する疑問についてご紹介いたします。

ベタが作る泡巣とは

ベタのオスを飼育していると、水面に何やら泡の塊が発生することがあります。

初めてみた時は「水が汚れてるの?」と不安になったりもしますが、これは「泡巣」と呼ばれるものです。

ベタのオスが作る泡巣はその名前の通り、泡で作った巣の事で、ベタの産卵床の役割があります。

ベタはオスが泡巣を作り、卵を守り稚魚を育てる種類の魚なのです。

このような繁殖形態をとる魚を「バブルネストビルダー」と呼びます。

ベタのオスとメスが交尾をすると、メスが卵を産み落とします。この産み落とされた卵をオスが口で拾い上げ、泡巣にくっ付けて孵化するまで見守ります。

卵が孵化して稚魚が産まれた後も、稚魚のヨークサックが無くなり泳ぎ回れるようになるまで、オスのベタは稚魚をお世話して見守るのです。

このように、ベタのオスが作り出す泡巣は、ベタの繁殖に必要不可欠な物です。

また、泡巣を作るかどうかがベタの健康のバロメーターにもなりますので、繁殖させるさせないに関わらず、オスのベタが泡巣を作る環境を整えてあげるのが良いですね。

ベタが泡巣を作らない8つの原因

ベタの繁殖に必須な上、オスの健康の判断材料にもなる泡巣。

しかし、いくら様子を見ていても泡巣を作らない時があります。

絶えず泡巣を作るわけではありませんが、あまりに長期間泡巣を作らないと、どこか具合が悪いのかと心配になってしまうものです。

ベタのオスが泡巣を作らない原因としては、次のようなものが考えられます。

  • 成熟しきっていない
  • 歳をとった老齢の個体
  • 体調を崩している
  • 水質が悪化している
  • 水温が低い
  • 縄張り意識が薄い
  • メスとお見合いさせないと作らないタイプ
  • メスとの相性が悪い場合

成熟しきっていない

まだ繁殖する年齢まで成熟しきっていない若いオスの場合、泡巣を作りません。

ベタのオスは、早い個体だと生後6ヶ月過ぎから、一般的には生後8ヶ月経過後から繁殖可能になると言われています。

そのため、生後8ヶ月経っていないベタはまだ成熟しきっていないため、泡巣を作らないことが多いです。

アクアショップなどで購入する際に、生まれてからおおよそどのくらい経っているか、確認しておくと良いでしょう。

歳をとった老齢の個体

歳をとって繁殖能力の落ちた老魚も泡巣を作らなくなってきます。

どのくらいの年数から繁殖しなくなるかは個体によります。

体色が褪(あ)せてきたり、筋肉が落ちて骨張ってきたような個体は、だいぶ老いてきたと判断できます。

寿命を全うできるように、水質を丁寧に管理して飼育してあげましょう。

体調を崩している

体調を崩したり病気を発症している個体は泡巣を作らなくなります。

また、栄養不足な場合にも泡巣を作る元気が無くなってしまいます。

元気が無くなっていないか、病気の兆候は現れていないかなど、チェックしましょう。

水質が悪化している

水質が悪化していると繁殖モードに入らないため、泡巣を作らなくなってしまいます。

水換え頻度は適切か? 水質の安定を崩す要因は無いか? などを調べてみてください。

水温が低い

水温が低すぎる場合も繁殖に適さないため泡巣を作りません。

ベタの適温である26℃~28℃程度の水温が保てているか確認しましょう。

縄張り意識が薄い

ベタは縄張り意識が薄いと泡巣を作らない傾向にあります。

泡巣は稚魚を育てるための巣であり、オスのベタの縄張りでもあります。オスのベタは泡巣を作ることで自分の縄張りを他のオスにアピールするのです。そして、縄張りに入ってきた他のオスのベタなどをフレアリングで威嚇して攻撃します。

縄張り意識が薄いと、わざわざ泡巣を作って「ここが俺の縄張りだ!」と主張する意識が無くなってしまうので、泡巣を作らなくなります。

フレアリングさせたり、コリドラスなど他の生体と混泳させるなどして、縄張り意識を持たせてあげましょう。

メスとお見合いさせないと作らないタイプ

オスのベタの中には、メスとお見合いしないと泡巣を作らないタイプがいます。

病気などの異常が無いのに泡巣を作らない場合には、このような性格のオスである可能性が高いです。

しばらくすると気が変わって突然泡巣を作ることもあるので、異常が無ければ様子見で大丈夫です。

メスとの相性が悪い場合

今まで元気に泡巣を作っていたのに、メスとお見合いさせた途端に泡巣を作らなくなる個体もいます。

このような場合は、メスとの相性が良くないのかもしれません。

しばらく様子を見て、それでも泡巣を作らないようならペアを変えて試してみると良いでしょう。

このように、ベタのオスが泡巣を作らない原因は色々あります。

注意しなくてはいけないのは、飼育環境やベタの体調に原因があって泡巣を作らない場合です。

これらの原因を放置しておくと、ベタの健康が害されてしまうので、原因を突き止めて改善するようにしましょう。

ベタの体調や飼育環境に問題が無い場合には心配はありません。

繁殖モードに入れば泡巣を作り出すので見守ってあげましょう。

ベタが泡巣を作る条件と作らせ方

ベタを繁殖させるなら、オスのベタに泡巣を作ってもらう必要があります。

こちらが繁殖準備を整えてもオスのベタが泡巣を作ってくれなければ、繁殖が進みません。

オスのベタが泡巣を作る条件や作らせ方などあるのでしょうか。

泡巣作りを促す条件として大切なのが次の2つ。

  • ベタに適した水質と環境を維持する
  • ベタの体調を整える

ベタに適した水質と環境を維持する

ベタが安心して繁殖・子育てできる環境にしてあげることが大切です。

稚魚の成長が難しいような水質・環境では繁殖モードになりづらく、泡巣も作りません。

また、繁殖には体力が必要なのでベタの体調を整えてあげることも大切です。

具体的な条件は次の通りです。

  • 水流をつけない
  • 水温を26℃~28℃で維持する
  • 高タンパクで高栄養価の餌を与える
  • 縄張り意識を持たせる
  • 泡巣の土台となるものを浮かべてあげる

水流が強いとベタは泳ぐのに必死で繁殖どころではありません。

また、せっかく泡巣を作ったとしても、流されて崩れてしまいます。

理想は全く水流を起こさせない事です。

フィルターも何も入れずに止水にするのが理想ですが、繁殖させる時は産卵から稚魚がある程度成長するまで水換えができないので、フィルターを入れて水質を管理するのが基本になります。

よって繁殖水槽はなるべく広く大きいものを用意して、フィルターをごく弱くかけるようにしましょう。

フィルターはスポンジフィルターがおすすめです。稚魚が吸い込まれる心配が無いですし、スポンジ部分で濾過バクテリアが繁殖して水質維持に役立ちます。

水温は26℃~28℃を維持するようにします。

なるべく高めの方がいいので、28℃前後の温度が理想ですが、水温が高いと水が汚れやすくなったりするので、水槽サイズや濾過力を考慮して水温を設定すると良いでしょう。

水槽が広く水量が多いほど水が汚れにくいので、水温を高めに設定できます。

ベタの体調を整える

繁殖させるベタには高タンパク・高栄養価の餌を与えて、体力をつけさせましょう。

繁殖はとても体力を使うので、たっぷりと栄養を摂らせてあげます。

高栄養価の餌をしっかり食べたオスは、立派な泡巣を作ってくれます。

しかし、ベタは食べ過ぎると便秘になりやすいので、餌の量を増やすのではなく、餌の質を高めましょう。

つまり、餌1粒のタンパク質と栄養価がより高い物を選ぶようにします。

「キョーリン ヒカリベタ アドバンス」か、もしくはさらに高タンパクな「B–blast(ビーブラスト)究極の餌 ベタ用」などがおすすめです。

縄張り意識を持たせてあげることも大切です。

縄張り意識を高める最も簡単な方法は「フレアリングさせること」です。

フレアリングした後に泡巣を作り出すオスが多いので、フレアリングは泡巣作りを促す良い方法だと思います。

だからといってさせ過ぎるのは良くありません。1日10分以内を目安にフレアリングさせましょう。

オスを一匹しか飼育していない場合には、鏡を見せてあげたり、スマホなどで他のオスのベタの動画を見せるなどすると良いでしょう。

また、泡巣を作りやすいように、土台となるものを入れて、泡巣作りを促す方法もあります。

土台があると泡巣がまとまりやすいので、泡巣作りが捗(はかど)ります。

浮草や発泡スチロールなどのような土台となる物を水槽内に浮かべてあげると良いですね。

特に、泡巣がまとまりづらく崩れやすい個体には、土台を用意したあげた方が泡巣が安定しやすいです。

以上のような条件を揃えてあげると、ベタは泡巣を作り出すので、繁殖させる際には意識してみてください。

ベタの泡巣は水換えをすると消える?

繁殖のためにオスのベタが泡巣を作ったら、水換えはどうすれば良いのでしょうか。

泡巣は水面に浮いている状態なので、水流の影響を大きく受けます。

水換えで発生した水流によって水面が波打ち、泡巣が崩れて消えてしまう場合があります。

そのため、繁殖の際は産卵から稚魚がある程度大きくなるまでの間、水換えをしないのが一般的です。

なるべく水を汚れにくくするために、大きい水槽でたっぷりの水量を確保し、フィルターも取り付けることで水の汚れを防ぎます。この時、泡巣が崩れないように、フィルターは極々弱くします。

このように、水換えをするとせっかく作った泡巣が消えてしまう恐れがあるので、産卵から稚魚がある程度大きくなるまでの期間は水換えしないようにしましょう。

オスのベタを単独飼育していて、繁殖を考えていない場合には、作った泡巣は消えてしまっても問題無いので、いつも通りに水換えしていただいて大丈夫です。

泡巣が消えてしまっては困る繁殖の時だけ、水換えしないようにして下さい。

ベタの泡巣は人工的に作れる?

繁殖させたいけれど、どうしてもベタのオスが泡巣を作ってくれない場合、人工的に泡巣を作って繁殖させるような方法はないのでしょうか?

調べてみたところ、残念ながら泡巣を人工的に作り出す方法は見つかりませんでした。

そもそもオスが泡巣を作らないということは、繁殖する状態になっていないという事なので、何かの方法で泡巣だけ人工的に作り出したとしても、オスは交尾も卵の世話もしてくれないでしょう。

なので、前述したオスが泡巣を作る条件を整え、泡巣作りを促してあげた方が良いです。

余談ですが、泡巣を人工的に作り出す方法は無いですが、人工孵化の方法ならばあります。

人工孵化は、本来ベタのオスが卵を世話するところを、人の手とエアレーションで行います。

しかしこれは、ベタの繁殖の上級者が行う方法なので、一般の方はオスのベタに卵と稚魚の世話を任せた方が間違いありません。

人工的に泡巣を作ることはできないので、ベタのオスの体調を整えるとともに、泡巣づくりを促す環境を揃えてあげましょう。

ベタの泡巣まとめ

  • 泡巣とはベタのオスが作る産卵床
  • 泡巣はベタの健康のバロメーターにもなる
  • ベタは水質の悪化や体調不良などで泡巣を作らなくなる
  • 水換えで泡巣が崩れることがあるので繁殖の時は水換えしない
  • 泡巣は人工的には作れないので代替えがきかない

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