綺麗なベタを購入してもいつの間にか綺麗じゃなくなるのはなぜ?
ベタを綺麗に育てる方法は?
ベタのヒレを綺麗に保つにはどうすればいい?
こんなベタをいつまでも綺麗に育てる方法についてご紹介いたします。
綺麗なベタを購入してもいつの間にか綺麗じゃなくなるのはなぜ?
カラフルな体色やレースを思わせる繊細なヒレが美しいベタは、コレクション性が高く人気の熱帯魚です。
しかし、「アクアショップで見た時にはとても綺麗なベタだったのに、自宅で飼育していたら徐々に綺麗じゃ無くなってきた」なんてことはありませんか?
体の色が抜けて薄くなったり、ヒレがボロボロになってしまったりと購入当初の綺麗さが失われてしまうケースがあります。
購入してきたベタが綺麗じゃ無くなってしまう原因はなんなのでしょうか?
考えられる原因には次のようなものがあります。
- 栄養不足
- 運動不足
- 飼育環境が適していない
これらの影響でせっかくのベタの綺麗さが失われてしまいます。
そればかりか、ベタの健康まで損なう結果となってしまう事も。
購入したベタの綺麗さを損なうことなく、より綺麗に育てる方法をご紹介いたします。
ベタを綺麗に育てる方法
購入してきたベタをより綺麗に育てるにはどうすれば良いのでしょうか?
ベタの体色の美しさやヒレの優雅な広がりは、ベタの健康のバロメーターでもあります。
つまり、ベタを健康に育てることが、ベタの美しさを保つコツになるのです。
ベタを健康に綺麗に育てるポイントは以下の通りです。
- 栄養をしっかり摂らせる
- フレアリングさせる
- 余計なレイアウトを入れない
- 小さすぎる容器は避ける
- 水流をなるべくつけない
- 水質悪化に注意する
- 水温低下に注意する
ベタも人間同様、食べた物で体が作られます。
人間も栄養が足りなければ痩せ細り、肌や髪がボロボロになってしまいますよね?
それはベタも同じです。
栄養価の乏しい餌を与え続けていると、体が痩せて体色が薄くなり、艶が無くなります。
栄養バランスに優れた餌を与えて、しっかりと栄養を摂らせてあげる事で、ベタをより美しく育てることができるのです。
アクアショップやホームセンターなどで見つけやすい餌では、キョーリンの「ひかりベタ アドバンス」が栄養バランスに優れおすすめです。
ベタを綺麗に育てるにはフレアリングも欠かせません。
フレアリングはベタにとって全身運動です。
フレアリングにより、全身の隅々にまで血液が送られ、血色が良くなり、体色が鮮やかになります。
毎日適度なフレアリングを欠かさず行いましょう。
ベタを飼育している水槽レイアウトにも注意が必要です。
ベタ水槽をレイアウトして楽しむことは良いことですが、あまりたくさんのアイテムを入れない方が無難です。
水草や流木などがたくさん入っている水槽だと、それらのレイアウトでベタの体が擦れてしまい、鱗が剥がれたりする事があります。
ベタの鱗は剥がれやすいので注意して下さい。
ベタを綺麗に育てることに重点をおいた理想的な水槽は何も入れないベアタンクでの飼育です。
また、小さすぎる瓶やコップなどの容器での飼育は避けましょう。
確かにベタは酸欠に強いので、水が1リットルも入らないような小さなビンでも飼育することが可能です。
しかし、これは「飼育が可能」なだけで、「健康に飼育できる」わけではありません。
水量が少ないと水が汚れるのが早くなります。
それだけ水質維持が難しくなり、ベタが体調を崩しやすくなってしまいます。
これではベタを美しく綺麗に育てることはできません。
最低でも2リットル以上の水量を確保できる容器で飼育した方が水質を維持しやすいのでおすすめです。
特に飼育初心者の方は大きめの容器を選び、水質の悪化しにくい環境を維持できるようにすると良いでしょう。
ベタ水槽にフィルターをつける場合は、水流にも注意しましょう。
ベタは元々、水の流れがほとんどない沼地などの止水域に生息する熱帯魚です。
水の流れが強い場所には生息していないので、なるべく水流が無い環境の方がベタに適しています。
ヒレが長く美しくなるように品種改良されたショーベタは、なおのこと泳ぎが下手なので、強い水流があまり得意ではありません。
水流が強いと泳ぎ疲れて衰弱してしまい、美しさが損なわれるばかりか、下手をすると死んでしまいます。
水槽にフィルターをつける際は、水流を最弱にするか、葉の柔らかい水草を多めに入れて、水流が弱まる箇所を水槽内に作ってあげると良いですね。
水質悪化はもちろんベタの健康と美しさを損ないます。
餌の食べ残しやベタの糞を放置するとアンモニア濃度が上がり水が汚れます。
見つけ次第こまめにスポイトで掃除してあげて下さい。
また、適度な頻度で水換えして、水の汚れを防ぐ事も大切です。
ベタを美しく育てるには水温管理も欠かせません。
水温が下がるとベタの活性が落ち、体色が褪せてしまいます。
ベタの適正水温は24℃~28℃ほどです。この温度帯で一定に保つようにしましょう。
20℃以下に水温が下がってしまうと体色が悪くなるばかりでなく、ベタが罹りやすい白点病の発症リスクが高まるので注意して下さい。
以上がベタを綺麗に育てるポイントです。
ベタが健康に育つ環境を整えてあげる事が、ベタを綺麗に美しく育てる事に繋がります。
ベタのヒレを綺麗に保つ方法
ベタの最大の魅力といえば、その大きく美しいヒレです。
スタンダードなショーベタのトラディショナルをはじめ、ダブルテールやハーフムーンなど、どれもヒラヒラと大きなヒレが綺麗です。
そんな綺麗なヒレがボロボロになったらショックですよね。
では、ベタのヒレを美しく綺麗に保つにはどうしたら良いのでしょうか?
ベタのヒレはとても薄く、ちょっとしたことで裂けたり穴が開いたりしてしまいます。
そのため、繊細なベタのヒレを綺麗に保つ一番の方法は、「ヒレが傷つく原因を作らない」ということです。
通常のベタの単独飼育でヒレが傷ついてしまう原因には次のようなものがあります。
- フレアリングのさせすぎ
- レイアウトに引っ掛けてしまう
- ストレス
- 病気の感染
フレアリングはベタを綺麗に育てるために必須ですが、させ過ぎは逆効果です。
長時間フレアリングをさせると、ヒレが裂けることがあります。
そのため、あまり長い時間フレアリングさせないようにしましょう。
フレアリングは1日1回、5分程度で十分です。
長くても10分を超えないように注意して下さい。
水槽内に水草や流木などをレイアウトする場合は、これらの硬さや形に注意して下さい。
葉っぱが硬い水草や先の尖った流木は、ヒレが引っかかって裂ける原因になります。
ベタ水槽に入れる水草は、葉っぱの柔らかいマツモなどがおすすめです。
また、流木は先の尖っていない丸みを帯びた形状の物を選ぶようにしましょう。
こういったレイアウトに特にこだわりが無いという場合には、ベアタンクでの飼育が最もおすすめです。
水槽内にベタと水しか入っていないのでヒレが傷つく心配が無く、管理も楽です。
「フレアリング時間やレイアウトに問題が無いのにヒレが裂けた!」という場合に考えられる原因が「ストレス」です。
そして、ストレスが原因でヒレが裂けたり穴が開いたりするというケースは意外に多いものです。
自宅の水槽に新しく迎えた個体などは、新規導入のストレスでヒレが裂けたり欠けたりする事があります。
また、水質が悪化したストレスでも、ヒレに穴が開く事があります。
この他、複数のベタ水槽を並べるベタマン(ベタマンション)で、水槽の置き場所を変えた事がストレスとなり、ヒレが裂けた個体もいました。
ストレスの感じ方には個体差がありますが、繊細な個体はちょっとした変化でもストレスに感じるので、水槽の置き場所といった少しの変化でも気をつけるようにした方が良いでしょう。
病気が原因でベタのヒレが裂けてしまうこともあります。
カラムナリス菌が原因で発症する「尾ぐされ病」は、ベタのヒレをボロボロに溶かしてしまう病気です。
進行するとベタが衰弱して死んでしまうので、発見次第すぐに治療しなくてはいけません。
尾ぐされ病の初期症状は、感染したヒレの縁が白く濁り、その周りが赤く充血します。
ヒレが裂けている箇所にそのような症状が見られたら、尾ぐされ病に感染している可能性が高いので、「グリーンFゴールドリキッド」などの抗菌剤を使った薬浴で治療しましょう。
以上が、ベタの単独飼育で起こりやすいヒレが傷つく原因です。
このほかにも、意外な事でベタのヒレが傷ついてしまう事があります。
- スポイトが当たった
- 水換え時に網に引っ掛けた
- 混泳魚に突かれた
- 自分で噛みちぎってしまった
ベタをベアタンクで飼育している場合、餌の食べ残しや糞はこまめにスポイトで吸い出して掃除した方が良いです。
しかしこの時、スポイトの先端がヒレに当たり、これが原因でヒレが裂けてしまうことがあります。
そのため、スポイトを使うときはベタの位置に気をつけて、ベタに当てないように注意しましょう。
次に気をつけたいのが水換えの時です。
ベアタンクの水換えは基本的に全ての水を交換します。
そのため、水槽内のベタを一時的に別容器に移さなくてはいけません。
この時、ベタを網で掬って移動させるのですが、この網にヒレが引っかかって裂けるケースがあります。
ベタを掬う際は、水ごと掬えるベタ専用ネットを使うとヒレが傷つきにくくて安心です。
ベタの飼育容器が小さく網が入れにくい場合などは容器を持って静かに流し込むだけで網の中に適度に飼育水が溜まりますのでベタにストレスなく移動をさせることができます。
中にはベタを他の魚と混泳させて飼育している方もいるかもしれません。
この時、ベタと相性が悪い生体と混泳させていると、ヒレが突かれてボロボロになってしまうことがあります。
シクリッドのような気の強い熱帯魚とベタを一緒に混泳させると、ベタのヒレが突かれてボロボロにされてしまいます。
ベタと混泳させるなら、ネオンテトラのような小型で大人しい熱帯魚がおすすめです。
他の魚に攻撃されているのではなく、自分でヒレを噛みちぎってしまうこともあります。
どういう時に自分で噛みちぎってしまうのかというと、「何かに驚いてパニックになった時」です。
ベタは意外な事に驚きパニックを起こす事があります。
例えば、夜間消灯して真っ暗な室内で、窓から差し込む車のライトが水槽を照らしたことに驚き、ヒレを自分で齧ってしまうという事も。
他にも、長すぎる自分の尾ビレが視界に入り込んだことに驚き、尾ビレを食い千切ってしまった個体もいます。
このように、ベタは何かに驚いた拍子に自分のヒレを齧ってしまうことがあるので注意して下さい。
以上のように、ベタのヒレは繊細で、さまざまな要因で簡単に裂けたり穴が開いたりしてしまいます。
そのため、ベタのヒレを綺麗に保つには、これらのヒレが傷つく要因をなるべく無くして、ヒレを守る事が大切です。
しかし、いくら気をつけていてもヒレが傷ついてしまう場合もあります。
また、購入したベタのヒレが最初から裂けていたり、ヒレが開かなかったりといったケースもあるでしょう。
このような場合、一度裂けたヒレや開かず閉じたままのヒレは、治ることは無いのでしょうか?
安心して下さい。よほど大きな傷でも無い限り、ほとんど元通りに治ります。
ベタの再生力は凄いものがあります。
根本からバッサリ無くなってしまった尾ビレも、1ヶ月もすれば1cm程度の長さにまで生えてきます。
さすがに根本から無くなってしまうと、元通りの大きさの尾ビレにまで治ることはありませんが、それでも尾ビレとして機能するのに問題無い大きさにまで治ります。
このように、ベタは高い再生能力を持っているので、多少ヒレが裂けたり穴が開いたりしたくらいなら元通りに戻りますので安心して下さい。
では、裂けてしまったベタのヒレはどのように治療すれば良いのでしょうか?
尾ぐされ病などの病気の場合を除き、基本的なヒレの治療方法は「塩浴」です。
塩浴とは、塩分濃度0.5%程度の塩水でベタを泳がせる治療方法です。
水温は少し高めの28℃に設定すると、代謝が上がり治りが早くなります。
この時、飼育環境がベアタンクであれば、そのままの水槽で塩浴させることができます。
水草などが入ったレイアウト水槽の場合は、隔離容器に傷ついたベタを移して治療しましょう。
ベタのヒレがちゃんと開かないという場合も、根気良く治療すれば徐々に開くようになります。
ヒレが閉じたまま開かないのは、ヒレが癒着してくっついてしまっているからです。
癒着の原因はフレアリング不足です。
ヒレの癒着を治す方法は「塩浴+フレアリング」です。
先程と同じ、塩分濃度0.5%・水温28℃の塩水で塩浴させます。
さらに、1日1回5分のフレアリングを欠かさず行いましょう。
塩浴で新陳代謝を高め癒着が治るのを促し、弱った筋力をフレアリングさせる事で強化します。
こうすることで、徐々に癒着が剥がれていくと同時に、ヒレを広げるために必要な筋力が鍛えられていくので、ヒレが段々と開くようになっていきます。
ヒレの癒着の治療は数ヶ月はかかりますが、根気良く続けていけば開かなかったヒレが徐々に開くようになりますし、より大きく綺麗なヒレに成長させることも可能です。
以上のように、ベタのヒレが傷ついてしまった、もしくは最初から傷ついていたり癒着しているという場合でも、治療してあげれば綺麗なヒレを取り戻すことができるので、諦めずに治療してあげて下さい。
ベタを綺麗に育てる方法まとめ
- ベタの綺麗さは健康のバロメーターでもある
- ベタに適した飼育環境を整えることが綺麗に育てる基礎
- ベタを綺麗に育てるのに適度なフレアリングは必須
- 栄養価の高い餌を与えることで体色が良くなり綺麗になる
- ベタのヒレを綺麗に保つならベアタンクでの飼育が理想的
今回はベタを綺麗に育てる方法についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。