ベタ飼育100均の容器はかわいそう!?小さな瓶でベタを育てる

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ベタを瓶で飼う

ベタはなぜ小さな瓶やボトルで飼育することができるのか?

ベタを100均の容器やコップで育てるのはかわいそう?

ベタを小さな瓶で上手に育てるコツを知りたい。

ベタを瓶で飼育するときの冬の保温はどうすればいい?

こんなベタを小さな瓶やコップで飼育する時の疑問についてご紹介いたします。

ベタはなぜ小さな瓶やコップで飼育することができるのか?

ベタは「瓶やコップでも飼育できる」と言われており、ペットショップなどでも小さな入れ物に入れられて展示されている姿をよく見かけます。

実際に瓶やコップなどでベタを飼育することは可能なのですが、それではなぜ小さな容器で飼育することが可能なのでしょうか?

その秘密は、ベタの「呼吸法」にあります。

ベタは「ラビリンス器官」と呼ばれる呼吸器官を持っており、これによって水中の酸素量が少ない環境でも暮らすことができるのです。

ラビリンス器官とはエラの上皮が変化した呼吸器官で、エラの少し上にあることから「上鰓(じょうさい)器官」とも呼ばれています。

とても複雑な形・構造をしていることから迷路という意味の「ラビリンス」と名付けられました。

ベタはこのラビリンス器官によってエラ呼吸だけでなく、空気中から体内に酸素を取り入れることが可能となっています。

つまりベタは「エラ呼吸」と「空気呼吸」の2種類の呼吸法を行うことができるのです。

空気呼吸が行えるベタは、水面から口を出して空気中の酸素を体内に取り込むことができるので、瓶やコップなどの小さな容器でも飼育することができると言われるようになりました。

ただ、これはあくまで瓶やコップなどの小さな容器でも生きることができる、というだけでベタにとっては決して良い環境とは言えません。

そもそもラビリンス器官は過酷な環境下でも生きていけるように進化して備わったものなので、そんな環境で飼育し続けると体調を崩し、寿命を縮めてしまう原因となります。

とくに初心者の方はベタを飼育する知識がなく、適切な飼育方法も身に付いていないことが多いため、小さな容器での飼育はおすすめしません。

「瓶やコップで飼育できるなら簡単に飼える」と思い込むのは間違いです。

たしかにベタは水質の変化にも強く、丈夫で酸素量が少ない環境でも生きることができますが、小さな容器での飼育はしっかりと知識を身に付けた上級者向けであることを忘れないでください。

ベタを100均の容器で飼育するのはかわいそう?

ベタを小さな瓶やボトルなどで育てることはかわいそうなのか?

その点について小瓶やボトルを使用した飼育方法のメリットとデメリットから考えてみましょう。

100均の容器で飼育するメリット 価格が安く入手しやすい

100均の容器で飼育する大きなメリットは、やはりその価格の安さでしょう。

最近では100均のものでもオシャレなデザインのものが増えており、インテリアの1つとしてベタの飼育を楽しむ方もいらっしゃいます。

また、様々な形のものが売られているのでバリエーションも豊富です。

100均の容器で飼育するメリット 多頭飼い向き

ベタを飼育する上で繁殖を視野に入れている場合、繁殖用のオスベタとメスベタそれぞれの水槽、繁殖の際に使用する水槽、生まれた稚魚を育てる水槽が必要になってきます。

また生まれた稚魚を綺麗に育てるためには、ある程度の大きさになったら個別の水槽で飼育した方が良いためかなりの数の水槽が必要です。

たくさんの水槽を用意するということは、それだけの飼育スペースとお金も必要になってくるので、100均で購入できる小さな容器はスペースも取らず、費用を抑えることができます。

100均の容器で飼育するメリットとして上げられるのは以上の2点でしょう。

この二つのメリットはどちらも飼育者都合のメリットであり、ベタにとってのメリットではないことが実は問題です。

場所を取らず費用を抑えられる100均の容器ですが、やはりメリットよりもデメリットの方が多いものです。

それでは、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

100均の容器で飼育するデメリット 水温や水質が安定しない

まずデメリットとして上げられるのが、水温と水質が安定しにくいという点です。

容器が小さいということはその分、中に入る水量が少ないためどうしても水温が変化しやすく水質も悪化しやすくなります。

100均などで入手できる小型の容器は、水槽用のヒーターを設置することもできないので、水温の変化が起こりやすい季節に水温を一定に保つための工夫が必要です。

100均の容器で飼育するデメリット 水が汚れやすい

小さな容器は水量が少ない分、水がすぐに汚れてしまいます。

水がたっぷり入る水槽と水が少量しか入らない小さな水槽にベタが排泄した場合、どちらの方が汚れやすいか一目瞭然です。

ベタは水質の変化に強いとされていますが、負担にはなってしまうので、適切な水替えが必要となります。

100均の容器で飼育するデメリット ヒレが広がらない

ベタの最大の魅力と言えば大きく華やかな尾ヒレですが、容器が小さすぎると自慢の尾ヒレを広げることができません。

狭いところで長い間暮らしていると尾ヒレを広げる習慣がなくなってしまい、ヒレが癒着してしまうこともあります。

ヒレの癒着を放置していると病気を発症しやすくもなるので、大きなヒレをしっかりと開くことができる大きさの容器を選ぶようにしましょう。

以上が100均の容器でベタを飼育する際のメリットとデメリットです。

100均で入手できる小型の容器は繁殖を考えている方にとっての1つの手段と言えますが、しっかりとした知識で管理を行わないと、ベタにとってかなりの負担となってしまうことを忘れないでください。

このように小瓶やボトル飼育でのメリット・デメリットを考えると小さな小瓶でのベタ飼育はかわいそうと言えるかもしれません。

ただ、小瓶やボトルでのデメリットも回避できるくらいの知識を持ち、しっかりとした世話をしてあげれば、たとえ小さな小瓶やボトルでもベタにとって快適な環境を作ることも可能です。

そうなれば、小瓶やボトルでの飼育でもベタがかわいそうとはならないはずです。

ベタを小さな瓶やコップで上手に育てるコツ

小さな瓶やコップでベタの飼育を行うのは環境を維持することがとても難しいのですが、健康に飼育することは不可能ではありません。

その方法としてまずは、使用する容器は飼育環境なども考慮してしっかりと考えてから選んでください。

水量は最低でも1リットルは確保できるものがいいでしょう。

初心者の方は3リットル確保できるものが安心です。(ここまでくると小瓶ではないですが、、、)

複数のベタを飼育する場合は容器を統一すると、管理方法が複雑にならず飼育しやすいでしょう。

同じ水量、温度管理の方法も同じにすることで飼育方法をシンプルにし、ミスを防ぐわけです。

ただ、同じ容器を使ってどれだけ水量や管理方法を統一していてもベタの個体差などによって水質の悪化に差が出てきます。

容器の置き場所によって水温に差が出ることもあるので、同じ容器で同じように管理しているからと安心してはいけません。

容器の配置が違う場合は、配置ごとに水温計を設置して水温の差を把握するなど工夫しましょう。

餌の食べ具合や糞の量なども1匹ずつしっかりとチェックして、それぞれに合わせて管理してあげてください。

ベタを瓶で飼育するときの冬の保温

ベタは温かい水を好む熱帯魚のため、水温の高い水槽で飼育する必要があります。

夏場は水温が下がりにくいので室温で飼育しても問題はありませんが、気温の下がる季節はヒーターで保温してあげることが大切です。

しかし、瓶やコップなどの小さな容器は基本的に水槽用ヒーターを取り付けることはできません。

エアコンで部屋ごと温めて水温を保つ方法もありますが、パネルヒーターなどを使用する方も多いです。

パネルヒーターは元々、爬虫類を飼育する際に使用されているものですが、ベタを小さな容器で飼育する際にも代用できます。

ただ、水温に応じて自動でオンオフできる水槽用ヒーターに比べ、パネルヒーターは常時オンもしくはパネルヒーターの温度によって自動でオンオフされるので、水温調節が的確ではありません。

加熱しすぎてしまうこともあるので、こまめに水温をチェックしてあげてください。

また、水槽用ヒーターを入れた大きな水槽に浅く水を張って、そこにベタを入れた小さな容器を入れて温める湯煎式の方法もあります。

この湯煎式の方法は大きな水槽にエアレーション器具などを入れておくことで、ある程度水温を一定にすることも可能です。

ベタは水温の高い水を好むので、飼育場所や飼い主が扱いやすい方法で水温を保ってあげましょう。

いかがでしょうか?

ここまで読み進めていただいて小さな瓶やボトルでの飼育の難しさをご理解いただけたとおもいます。

それでも瓶やボトルでの飼育を選ぶのも一つの選択肢です。

またちょと自分には難しそうと思ったら大きな水槽に切り替えるのもまた一つの選択肢と言えます。

ご自身の飼育スタイルに合わせてベタの飼育を楽しんでください。

ベタの小瓶飼育まとめ

  • ベタはエラ呼吸に加え、ラビリンス器官によって空気呼吸を行うことができる
  • 空気呼吸によって酸素量が少なくなりやすい瓶などの小型容器でも飼育可能だが、しっかりとした知識と適切な管理が必須
  • 繁殖を考えている場合、小型の容器での飼育は1つの手段だが、水質や水温が変化しやすく環境を維持することが難しい
  • 小型の容器で飼育する場合、水量は最低でも1リットル、初心者は3リットル確保できるものが安心
  • 複数のベタを小型容器で飼育する際は容器を統一し、1匹ずつしっかりと観察してそれぞれに合わせた管理を行う
  • エアコンで部屋全体を温める方法、パネルヒーターを使用する方法、湯煎式の方法などで保温し、冬でも一定の水温を保つ

今回はベタを小さな容器で飼育する時の疑問についてご紹介しました。皆様のベタ飼育の参考にしていただけると幸いです。

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